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ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔:Drosera anglica)

■注目! 催行決定まであと一歩!!一緒に植生観察を楽しみませんか?
花咲く屋久島へ 白谷雲水峡と黒味岳フラワートレッキング
※5月23日出発  まもなく催行!(シャクナゲの花咲く季節)

花咲く北飛騨の森から上高地へ 2つのフラワーハイキング
※4月29日出発  まもなく催行!(北飛騨の森にミズバショウが咲く季節)

 


本日は食虫植物の1種「ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔:Drosera anglica)」をご紹介します。

 

ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔:Drosera anglica)

 

被子植物 双子葉類
学名:Drosera anglica
科名:モウセンゴケ科(Droseraceae)
属名:モウセンゴケ属(Drosera)

 

ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔)は、モウセンゴケ科に属する多年草です。
「苔(コケ)」と名が付いていますが、花が咲き、種子も作る高等植物に分類され、コケ類ではありません。

 

北半球の寒帯、低地~亜高山の湿地に生息し、日本では北海道の一部(サロベツ原野、大雪山系)、本州以南では尾瀬にしか生息していません。海外では、アメリカ北部、カナダ、ヨーロッパに自生する稀少種です。
私がナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔)を観察したのは、昨年6月に訪れた尾瀬ヶ原でした。
ある資料には、ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔)の南限は尾瀬とされていたそうですが、「ハワイのカウアイ島の高所で新たな生息地が発見された」とありました。

 

葉は全て根生し、直立または斜上し、長さ5~10cmほどの濃紅色で長い葉柄を延ばした先端に長さ3~4cmほどの葉をつけます。
モウセンゴケの葉と言えば円形というイメージを持つ方が多いと思いますが、ナガバノモウセンゴケの葉は先端が丸く葉柄に近くなるにつれて細くなるイメージの線状倒披針形で、資料によってはヘラ状と表記するものあります。この形状が「ナガバノ(長葉の)」という名の所以です。

 

線状倒披針形の葉の縁と表面には粘着物質を出す長い腺毛(葉柄と同じく濃紅色)が見られます。印象としては縁の腺毛の方が長く、表面の腺毛は縁のものに比べて半分以下の短さです。
腺毛から出される粘液は甘い香りを出し、香りに釣られてやってきた虫が葉につくと粘液から逃れられなくなり、虫を消化吸収する仕組みとなっています。火山島や湿原などやせた土地では、足りない栄養素を昆虫などから補給し生息します。
不思議なことに葉の裏面には腺毛はついていません。
上の写真をよくご覧いただくと、葉の表裏が分かりますので、ご確認ください。

 

花のブログですが、今回掲載する写真は「ナガバノモウセンゴケの葉」しか写っていません。
花期は7~8月。長さ10~20cmほどの花茎を伸ばし、先端部分で枝分かれし、それぞれの枝先に直径1cm未満で真っ白な花を咲かせます。
花弁は5枚の離弁花で、ウメバチソウに似た可憐な花の姿です。
ある資料には「サソリ花序」と表記されており、「花軸の先端に花がつき、その下から枝が1本出て花をつけ、次は反対側に分枝し、方向が交互に変わるもの」をいうそうです。
ナガバモウセンゴケは、葉の丸いモウセンゴケとの間で「サジバモウセンゴケ(Drosera x obovata)」と呼ばれる雑種を作るそうです。

 

実は、私はナガバノモウセンゴケも含むモウセンゴケ科の花は観察したことがありません。
以前訪れたギアナ高地のチマンタ山塊(ベネスエラ)で観察した同じモウセンゴケ科のドロセラ・ロライマエ(Dorosera roraimae)を観察した際、蕾は観察したのですが、真っ白な花はまだ観察をしたことがありません。

ナガバノモウセンゴケは、尾瀬では6月でも観察は可能ですが、7月中旬ごろにはナガバノモウセンゴケも花も観察ができる可能性があるそうです。
今年の夏は、ナガバノモウセンゴケなど様々な植生を楽しみに、是非ご一緒に尾瀬に訪れてみませんか。

 

ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔):表面に腺毛がないので、葉の裏面です

 

<春~夏の花の観察ツアー>
まもなく催行!
花咲く秘島・甑島へ 島の山野草をもとめて 4日間
※甑島の絶景と島を彩る山野草の観察を楽しむ旅

 

5月23日出発 まもなく催行!(シャクナゲの花咲く季節)
花咲く屋久島へ 白谷雲水峡と黒味岳フラワートレッキング
※亜熱帯植物から高山植物まで 屋久島の植生の垂直分布を体感

 

5月1日出発 満席! 5月5日出発 まもなく催行!
花咲く信州 水芭蕉やカタクリの群生地をめぐる 5日間
※春の花咲く信州へ 花の名所を訪れる4日間
※親海湿原でミツガシワの群生が観察できるかも!

 

4月29日出発 まもなく催行!
花咲く北飛騨の森から上高地へ 2つのフラワーハイキング
※北飛騨の森・池ヶ原湿原と名勝・上高地を専門ガイドと歩く
※5月は上高地にニリンソウが、宇津江でクリンソウが咲く季節

 

6月26日出発 まもなく催行!(尾瀬の花の最盛期)
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※高山植物の最盛期を迎える尾瀬で楽しむフラワートレッキング
※尾瀬ヶ原でウラジロヨウラクやナガバノモウセンゴケの観察へ!

 

7月10日出発、7月17日出発 間もなく催行!
花咲く北アルプスへ 白馬・乗鞍・上高地を歩く
https://www.saiyu.co.jp/itinerary/new/GJNA31/
※2つの高山植物の宝庫と奥上高地の徳沢にも訪れる自然観察の旅

 

※7月18日出発、7月25日出発 間もなく催行!
花の北海道フラワーハイキング
※世界遺産・知床から「神々の遊ぶ庭」大雪山の花園をめぐる

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ヨツバシオガマ(四葉塩釜:Pedicularis japonica)

本日は「ヨツバシオガマ(四葉塩釜:Pedicularis japonica)」をご紹介します。
7月に「花咲く千畳敷カール・乗鞍・上高地を歩く」に同行させていただいた際、千畳敷カールと乗鞍畳平にて観察することができました。

 

ヨツバシオガマ(四葉塩釜:Pedicularis japonica)

 

被子植物 双子葉類
学名:Anemone narcissiflora
科名:ハマウツボ科(Orobanchaceae)
属名:シオガマギク属(Pedicularis)

 

ヨツバシオガマ(四葉塩釜)は、日本固有の花であり、シオガマギク属の花の中で最もよく見かける花の1つです。北海道から本州の中部地方以北の高山帯に分布すると紹介されています。
ただ、近年行われた遺伝子解析により、ヨツバシオガマと呼ばれている種が大きく2つに分かれることが分かったそうです。

 

1.福島、新潟、山形に跨る飯豊山地から北に自生するもの(北方系)
→「キタヨツバシオガマ(別名:ハッコウダシオガマ)」と呼びます

2.上記より南(月山以南~中部地方以北)に分布するもの(南方系)
→従来の「ヨツバシオガマ」と呼ばれていたもの

 

ここからは従来のヨツバシオガマ(上記2)について、ご紹介します。

 

ヨツバシオガマ(四葉塩釜)は、亜高山帯~高山帯の湿地(湿り気のある草地)に自生する多年草。イネ科やカヤツリグサ科の植物の根に寄生して養分を分けてもらうため、近くに宿主のある草原に自生することから、シオガマギク属は『半寄生植物』と紹介されます。
草丈は10~30㎝で直立し、葉は1~3段に分かれ、各段4枚の葉が輪生します。「4枚の葉がつく」ことが花の名の由来です。
輪生する葉は、長さ2~5cmで長楕円状披針形で羽状全裂し、裂片はさらに羽状に中~深裂します。

 

花期は6~8月。茎の上部で2~6段に分かれ、ピンク色(薄紫色)の花を4つほど輪生して花を咲かせます。
花の形状の最大の特徴は「嘴のように伸びた」部分ですが、3枚の花弁と1つの唇弁に分かれているように見えますが、ヨツバシオガマの花冠は2唇形。
細長く下向きに伸びる上唇弁は、先端が嘴のように尖る形状をしていますが、根元から下向きに伸びているのではなく、上唇弁の中ほどから下向きに曲がっているのが、写真をご覧いただくと判ります。
下唇弁は、3枚ではなく、3つに深裂している状態です。

 

高山植物のルーツは、北極圏付近に自生していた寒さに強い植物が氷河期に日本にやってきて、暖かくなると高山に取り残されて生き残った植物だと考えられているものが多くあり、ヨツバシオガマもその1つとされています。
ある資料には、古い氷河期に北極圏からやってきて暖かくなった時に高山に残されたのがヨツバシオガマ、新しい氷河期に北極圏からやってきたのがキタヨツバシオガマであるという、興味深い考えもありました。
これまで北海道~中部地方異国の亜高山帯~高山帯に咲く「ヨツバシオガマ」という認識だったこともあるので、いつかしっかりと見比べてみたいものです。

 

ヨツバシオガマ(四葉塩釜:Pedicularis japonica)
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シラタマノキ(白玉の木:Gaultheria pyroloides)

先日、「屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング」に同行させていただき、屋久島の亜熱帯植物や照葉樹林の植生を楽しみ、黒味岳の1泊2日の登山では屋久島固有の矮小化した高山植物や様々な苔類の観察を楽しむことができました。

 

以前、シラタマノキの実をご紹介しましたが、本日は「シラタマノキの花(白玉の木:Gaultheria pyroloides)」をご紹介します。

 

シラタマノキの花(白玉の木:Gaultheria pyroloides)

 

被子植物 双子葉類
学名:Gaultheria pyroloides
科名:ツツジ科(Ericaceae)
属名:シラタマノキ属(Gaultheria)

 

ツツジ科の常緑小低木であるシラタマノキ(白玉の木)は、本州・中部地方の以北から北海道にかけて分布し、海外でも東北アジアからアラスカにかけて広く分布します。亜高山帯~高山帯にかけて、比較的乾燥した岩石地、林縁 草地などに自生します。

 

茎は地を匍い、草丈が10~20cmほどになります。葉は1.5~2.5cmの楕円形で少し厚みもあり、少し光沢も確認できます。葉の縁の鋸歯、葉の表裏にくっきりとした葉脈があるのが特徴です。

 

花は枝分かれした茎の上部に花柄を伸ばし、2~5個ほどの花が垂れ下がるように付いています。大きさは0.5cmほどと小さく、丸みのある壺型で花の先端がキュっとしぼんだ形状が何とも言えない愛らしさを感じます。よく観察すると、キュッとしぼんだ先端部分が浅く5裂していることも判ります。

 

シラタマノキは、9月を過ぎると1cm弱の小さく、白い球状の実を付けます。この事が和名「シラタマノキ」の名の由来であり、別名を「シロモノ」とも言います。
因みに、同じツツジ科でアカモノ(赤物:Gaultheria adenothrix)という花もあり、白い花を咲かせますが、赤い実を付けることから「アカモノ」と呼ばれます。
上の写真は、6月に群馬県中之条町のチャツボミゴケ公園を散策している際に観察したものですが、遊歩道を挟んで向かい側にアカモノの花も咲いており、振り返りながら2つの花を見比べることができました。

 

アカモノ(赤物:Gaultheria adenothrix)

 

シラタマノキの実は、筋肉疲労などの塗り薬でも使われる「サロメチール(サリチル酸)」の匂いがすることで有名ですが、一粒摘み採り口に入れると、わずかな甘味と清涼感が口に広がるそうですが、生食より果実酒に利用されるそうです。ある資料に焼酎に漬け込み、3ヶ月後に実を出して熟成させるとあり、花以上に興味のある情報でした。

 

シラタマノキの実(白玉の木:Gaultheria pyroloides)

 

<おすすめ!! 紅葉シーズンに自然を楽しむツアー>
※10月18日出発:まもなく催行!
「清流の国」岐阜から上高地へ 4つの自然探勝ハイキング
“岐阜の宝もの”小坂の滝、天生県立自然公園、五色ヶ原の森と名勝・上高地を専門ガイドと歩く5日間。

 

※10月18日出発:まもなく催行!
北信濃の小菅神社・戸隠神社五社参拝と鬼無里フットパスを巡る
専門ガイドと共に寺社仏閣を巡り、由緒を知り、御朱印をいただく旅。また、自然美溢れる鬼無里でもガイドウォークを楽しむ5日間。

 

※9月19日出発:催行決定!
日本で最も早い紅葉を観る!大雪山山麓一周と能取湖のサンゴ草
黒岳、旭岳、十勝岳、三国峠など大雪山山系の原生林と紅葉の名所を巡る5日間。
※エゾオヤマリンドウに出会えるかもしれません。

 

※10月5日出発:催行決定!/10月10日出発:まもなく催行!
秋の千畳敷カール・乗鞍・上高地を撮る
傑出した山岳景観を誇る中央アルプスから中部山岳国立公園を巡る4日間。撮影目的でなくても、自然、風景を満喫できます。

 

※10月9日出発:まもなく催行!
秋色に染まる尾瀬・奥日光・谷川連峰を撮る
美しい紅葉や山岳風景の撮影をご堪能いただく日程。尾瀬は2泊3日でゆっくりと巡り、秋色に染まる尾瀬を堪能いただけます。

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エゾイブキトラノオ(蝦夷伊吹虎の尾:Bistorta officinalis ssp. pacifica)

本日までにいくつか花の観察ツアーを造成させていただきましたが、お問い合わせやお申し込みをいただく際に弊社ホームページのツアーページを開くと、思わず高山植物の花に見惚れて、お客様のお話しを聞きそびれそうになる日々が続いています。

 

本日は「エゾイブキトラノオ(蝦夷伊吹虎の尾:Bistorta officinalis ssp. pacifica)」をご紹介します。

 

エゾイブキトラノオ(蝦夷伊吹虎の尾:Bistorta officinalis ssp. pacifica)

 

被子植物 双子葉類
学名:Bistorta officinalis ssp. pacifica
科名:タデ科(Polygonaceae)
属名:イブキトラノオ属(Bistorta)

 

エゾイブキトラノオ(蝦夷伊吹虎の尾)は、タデ科イブキトラノオ属に属する多年草です。日本では、北海道の夕張山地や中央高地から礼文島の海岸近くまでの広い範囲に分布し、海外ではサハリンなど北半球の寒冷地帯に広く分布します。

 

日本全国に分布するイブキトラノオ(伊吹虎の尾:Bistorta officinalis ssp. japonica)とは、亜種同士で兄弟ともいえる関係です。ただ、資料によっては「イブキトラノオ/別名:エゾイブキトラノオ」と記載しているものもあります。

 

草丈は30~100㎝となり、草丈20-80cmのイブキトラノオに比べ、草丈が高くなります。
葉は根生葉は長めの葉柄をもち、卵状楕円形と幅広く、根生葉の基部は心形。茎葉は根生葉に比べ小さく、少し幅も広い印象です。

 

花期は7~9月。花は茎頂に3~6cmほどの円柱花序を作り、白色から淡いピンク色の小さな花を密集して咲かせます。イブキトラノオに比べ、エゾイブキトラノオの方が花の量は多いとされています。花弁はなく、萼が5深裂しており、8~10本の雄しべが長く突き出ています。
エゾイブキトラノオは、イブキトラノオに比べ、草丈も高く、花穂も長く、色も若干濃いため、少し派手さを感じることもあります。

 

和名の「虎の尾」は、花穂を虎の尾に見立てたことから名付けられました。

 

4月23日現在、東京など4都府県に対して新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言発令を正式決定する見通しと政府より発表されました。コロナウイルスの感染症拡大の猛威には十分気を付けた生活を続けないといけませんが、この花のブログをご覧いただき、少しでも心を和んでくれればと願っております。

 

エゾイブキトラノオ(蝦夷伊吹虎の尾:Bistorta officinalis ssp. pacifica)

 

<おすすめ!! 花の観察を楽しむツアー>

ニッコウキスゲの咲く7月コースも、間もなく催行です!
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※専門ガイドとのんびりと花の観察を楽しみながら、尾瀬ヶ原から尾瀬沼へのフラワートレッキング。花咲く尾瀬を訪れる季節、8名様限定のツアーです。

 

 

残席わずか オススメのツアーです!!
花咲く千畳敷カール・乗鞍・上高地を歩く
※高山植物の宝庫として知られる千畳敷カールや乗鞍・畳平でフラワーハイキング。旅の後半は、専門ガイドと共に静寂に包まれた奥上高地の徳沢を目指す。高山植物の観察と合わせて絶景も楽しむ5日間。

 

 

一番のオススメ!
屋久島の植生観察、高山植物の観察に重点をおいた季節限定企画!!

屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング
※島内を周遊し亜熱帯植物や照葉樹林の植生を観察と1泊2日プランで森林限界を目指す「黒味岳フラワートレッキング」へご案内。屋久島の垂直分布を深く知ることのできる季節限定企画。

 

※ご好評につき、追加設定!!
花の北海道フラワーハイキング
※各所での高山植物の観察、ハイキングのために十分な時間を設けています。北海道ならではのチングルマ、ミヤマキンバイ、エゾコザクラなど、また銀泉台のコマクサ平では高山植物の女王『コマクサ』が観察できる季節限定のツアーです。

 

 

続々と催行決定コースも!是非ご検討を!!
花の利尻・礼文島とサロベツ原生花園
※6月から7月にかけて高山植物の開花の季節となる利尻・礼文島。専門ガイドの案内で、フラワーウォッチングや様々な植物の観察を満喫する5日間。

 

 

続々と催行決定コースも!是非ご検討を!!
花の利尻・礼文島から世界遺産・知床半島へ
※5月下旬から高山植物の季節が始まる利尻・礼文島から、オホーツク海沿岸を走り世界遺産・知床へ。利尻島・礼文島、知床半島を一度に楽しむ旅。

 

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ミヤマキンバイ(深山金梅:Potentilla matsumurae)

先日「飛鳥の里から奈良最深部へ」に同行させていただき、奈良の文化・歴史・自然を楽しむことができ、さらに各所で咲く桜やシャクナゲ、スミレ、シャガの花などの観察も楽しめ、充実の6日間でした。
次回は5月1日より「花咲く信州 水芭蕉やカタクリの群生地を巡る」です。いよいよ春の花の観察が本格的に楽しめるツアーのため、今から楽しみで仕方ありません。
※まだ、残席もあり間に合いますよ!!

 

本日は「ミヤマキンバイ(深山金梅:Potentilla matsumurae)」をご紹介します。

 

ミヤマキンバイ(深山金梅:Potentilla matsumurae)

 

被子植物 双子葉類
学名:Potentilla matsumurae
科名:バラ科(Rosaceae)
属名:キジムシロ属(Potentilla)

 

ミヤマキンバイ(深山金梅)は、日本では本州の中部以北から北海道にかけて分布し、海外では千島列島やサハリンに分布する多年草です。ある資料には韓国の済州島にも分布するとありました。亜高山帯から高山帯の砂礫地や草地に自生する高山植物を代表する花の1つです。

 

草丈は10~20㎝で直立し、茎には多くの毛が確認できます。
葉は3小葉で、小葉は倒卵形で1.5~2.5㎝ほど。表面には光沢があり、縁には粗く(浅く)鋭い鋸歯も確認ができます。よく観察すると、小葉の縁に多少毛があるのも確認ができます。

 

花期は6~8月。茎頂に直径1.5~2㎝ほどの黄色い花を1~2個咲かせます。
花弁は広倒卵形で5枚、花弁の先端が少し凹んでいる点が特徴です。資料によってはハート形と表記するものもあります。
萼片は狭卵形で、萼や花柄などにも毛が確認できます。雄しべと雌しべはそれぞれ20個ほどあります。

 

和名の「深山金梅」は、高山に咲くキンバイ(金梅)と言う意味で、「金梅」は花の色が黄色で形が梅の花に似ているところから名付けられました。

 

黄色い花は似ているものが多く、見分けが本当に難しいです。
また、「ミヤマ~」と名のついた花、「~キンバイ」と名のついた黄色い花など、ややこしいの一言です。
ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンポウゲ・・・。

 

髙橋 修さんの「山に生きる花・植物たち」で、見分け方として「葉にも注目しましょう」とありました。大まかな見分け方は以下のとおりです。

 

ミヤマキンバイの花弁は5枚で先端が凹み、小葉は3個で切れ込みが浅い。
シナノキンバイの花弁は5~7枚、葉は深い切れ込みがある。
ミヤマダイコンソウの花弁は5枚で、葉は丸い。
ミヤマキンポウゲの花弁は5枚で、直径1cm程度と小さく、茎に付く葉は細長い針状。

 

夏に黄色い花に出会った際には、花だけではなく、葉にも注目して見分けてみてください。

 

ミヤマキンバイ(深山金梅:Potentilla matsumurae)

 

<おすすめ!! 花の観察を楽しむツアー>

※残席わずか まだ間に合います!!
花咲く信州 水芭蕉やカタクリの群生地を巡る
※春の花の代表格ともいえる水芭蕉やカタクリの花の観察を楽しむため、厳選した花の名所を訪れ、春の花を心ゆくまでご堪能いただける4日間です。

 

残席わずか まだ間に合います!!
佐渡島・花咲く金北山縦走トレッキングと佐渡周遊の旅
※春の花咲くシーズンの佐渡の山旅。絶景ロッジ・ドンデン山荘に宿泊し、佐渡の最高峰金北山を目指し、花咲く楽園・アオネバ渓谷のハイキングも楽しみます。

 

続々と催行決定コースも!是非ご検討を!!
花の利尻・礼文島とサロベツ原生花園
※6月から7月にかけて高山植物の開花の季節となる利尻・礼文島。専門ガイドの案内で、フラワーウォッチングや様々な植物の観察を満喫する5日間。

 

続々と催行決定コースも!是非ご検討を!!
花の利尻・礼文島から世界遺産・知床半島へ
※5月下旬から高山植物の季節が始まる利尻・礼文島から、オホーツク海沿岸を走り世界遺産・知床へ。利尻島・礼文島、知床半島を一度に楽しむ旅。

 

ニッコウキスゲの咲く7月コースも、間もなく催行です!
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※専門ガイドとのんびりと花の観察を楽しみながら、尾瀬ヶ原から尾瀬沼へのフラワートレッキング。花咲く尾瀬を訪れる季節、8名様限定のツアーです。

 

残席わずか オススメのツアーです!!
花咲く千畳敷カール・乗鞍・上高地を歩く
※高山植物の宝庫として知られる千畳敷カールや乗鞍・畳平でフラワーハイキング。旅の後半は、専門ガイドと共に静寂に包まれた奥上高地の徳沢を目指す。高山植物の観察と合わせて絶景も楽しむ5日間。

一番のオススメ! 屋久島の植生観察、高山植物の観察に重点をおいた季節限定企画!!
屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング
※島内を周遊し亜熱帯植物や照葉樹林の植生を観察と1泊2日プランで森林限界を目指す「黒味岳フラワートレッキング」へご案内。屋久島の垂直分布を深く知ることのできる季節限定企画。

 

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エゾコザクラ(蝦夷子桜:Primula cuneifolia)

先日、屋久島の亜熱帯植物から高山植物までを観察し、屋久島の植生の垂直分布を体感できる「屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング」のツアーを発表させていただきました。造成作業を進める中で、花の写真などに魅了されて、思わず手が止まってしまう事が多々ある中で一味違う屋久島、1歩踏み込んだ屋久島のツアーを造成することができました。植生に興味のある方、一味違う屋久島を体感したい方に是非お勧めのコースです。

 

本日は「エゾコザクラ(蝦夷子桜:Primula cuneifolia)」をご紹介します。

 

エゾコザクラ(蝦夷子桜:Primula cuneifolia)

 

被子植物 双子葉類
学名:Primula cuneifolia
科名:サクラソウ科(Primulaceae)
属名:サクラソウ属(Primula)

 

エゾコザクラ(蝦夷子桜)は、日本で北海道に分布し、海外では千島、オホーツク海沿岸、アメリカやカナダなどの北太平洋周辺域に分布する多年草です。高山帯の雪田の融雪跡や湿った草地などに自生します。

 

草丈は10~15cmほどで直立し、地面からまっすぐと花茎を伸ばし、写真では確認できませんが、葉は根元に長さ1.5~4.5cmで葉身の基部が細い楔形、少し厚みのある(多肉質)葉をつけ、葉の上半分には鋸歯も確認でき、その数が3~15個。茎や葉に腺毛が見られます。

 

花期は7~8月。茎頂に鮮やかなピンク色(紅紫色と表記する資料もあり)の花を1~10個ほど咲かせます。
花弁は5枚にも10枚にも見えますが、実際は合弁の花弁が5つに深裂しており、さらに先端部分が浅く2つに分裂しています。そのため、5枚にも10枚にも見えるのかもしれません。
花の中心部分が鮮やかな黄色をしており、この中央部の黄色い部分が花弁のピンク色をより鮮やかなものにしている印象です。雄しべ(通常は5本)と雌しべは、この中央部分の筒状の内部に確認することができますので、次回は是非ルーペを片手に観察してみてください。

 

本州にはハクサンコザクラ(白山小桜 学名:Primula cuneifolia Ledeb. var. hakusanensis Makino)があり、エゾコザクラ(蝦夷小桜)はハクサンコザクラ(白山小桜)の母種ですが、花の形状などはそっくりなので見分けが難しいです。
よく比較として記されているのが、葉の鋸歯がエゾコザクラが3~15個、ハクサンコザクラは鋸歯は9~25個と多めである点、またエゾコザクラはハクサンコザクラに比べて一回り小さいという資料もあります。
何より、北海道で観察したらエゾコザクラ、本州で観察したらハクサンコザクラで良い気もしますが・・・。

 

エゾコザクラには白花を咲かせるものもあり、シロバナエゾコザクラというそうですが、私もまだ観察したことがありません。
次回、可憐なエゾコザクラを観察する機会があれば、シロバナエゾコザクラも探してみたいと思います。ただ、可憐なピンク色の花の美しさは、そういう想いを忘れさせてしまうほど、魅力ある花であります。

 

エゾコザクラ(蝦夷子桜:Primula cuneifolia)②

 

<おすすめ!! 花の観察を楽しむツアー>

※残席わずか まだ間に合います!!
花咲く信州 水芭蕉やカタクリの群生地を巡る
※春の花の代表格ともいえる水芭蕉やカタクリの花の観察を楽しむため、厳選した花の名所を訪れ、春の花を心ゆくまでご堪能いただける4日間です。

 

残席わずか まだ間に合います!!
佐渡島・花咲く金北山縦走トレッキングと佐渡周遊の旅
※春の花咲くシーズンの佐渡の山旅。絶景ロッジ・ドンデン山荘に宿泊し、佐渡の最高峰金北山を目指し、花咲く楽園・アオネバ渓谷のハイキングも楽しみます。

 

続々と催行決定コースも!是非ご検討を!!
花の利尻・礼文島とサロベツ原生花園
※6月から7月にかけて高山植物の開花の季節となる利尻・礼文島。専門ガイドの案内で、フラワーウォッチングや様々な植物の観察を満喫する5日間。

 

続々と催行決定コースも!是非ご検討を!!
花の利尻・礼文島から世界遺産・知床半島へ
※5月下旬から高山植物の季節が始まる利尻・礼文島から、オホーツク海沿岸を走り世界遺産・知床へ。利尻島・礼文島、知床半島を一度に楽しむ旅。

 

ニッコウキスゲの咲く7月コースも、間もなく催行です!
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※専門ガイドとのんびりと花の観察を楽しみながら、尾瀬ヶ原から尾瀬沼へのフラワートレッキング。花咲く尾瀬を訪れる季節、8名様限定のツアーです。

 

残席わずか オススメのツアーです!!
花咲く千畳敷カール・乗鞍・上高地を歩く
※高山植物の宝庫として知られる千畳敷カールや乗鞍・畳平でフラワーハイキング。旅の後半は、専門ガイドと共に静寂に包まれた奥上高地の徳沢を目指す。高山植物の観察と合わせて絶景も楽しむ5日間。

 

オススメ! 屋久島の植生観察、高山植物の観察に重点をおいた季節限定企画!!
屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング
※島内を周遊し亜熱帯植物や照葉樹林の植生を観察と1泊2日プランで森林限界を目指す「黒味岳フラワートレッキング」へご案内。屋久島の垂直分布を深く知ることのできる季節限定企画。

 

 

 

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ムシャリンドウ(武者竜胆・武佐竜胆:Dracocephalum argunense)

我が家の近所で春になると咲くツルニチニチソウがたくさん咲き始めました。我が家の近所も本格的に春の到来です。
現在、7月末~8月にかけて、屋久島の植生の垂直分布を知る旅、屋久島の高山植物観察ツアーを造成しております。まもなく発表する予定にしておりますので、お楽しみに。

 

本日は「ムシャリンドウ(武者竜胆・武佐竜胆:Dracocephalum argunense)」をご紹介します。

 

ムシャリンドウ(武者竜胆・武佐竜胆:Dracocephalum argunense)

 

被子植物 双子葉類
学名:Dracocephalum argunense
科名:シソ科(Lamiaceae)
属名:ムシャリンドウ属(Dracocephalum)

 

ムシャリンドウ(武者竜胆・武佐竜胆)という名ですが、リンドウらしくない形状をしていると思われた方もいるのではないでしょうか。
ムシャリンドウはリンドウ科ではなく、シソ科ムシャリンドウ属に属する多年草です。
和名の「武佐竜胆」という名から、滋賀県近江八幡市武佐町で発見された種である説もありますが、西日本には自生しておらず、国内では中部地方以北、山地の日当たりのよい草原に自生し、北海道では海岸線などでも観察することができます。
もう1つの和名「武者竜胆」は、造園用語で「根元から数本の幹が立っている状態」を「武者立ち」といい、この言葉が和名の由来という説もあります。
海外では東北アジアにも広く分布します。

 

草丈は15~40㎝で直立し、茎が赤褐色で4稜形(四角と表記する資料もあります)、白い細毛が下向きに生えており、数本が株立ちします。まさに「武者立ち」と言えます。
葉は2-5cmの広線形で、1-3mmのごく短い柄が確認できる部分もありますが、無柄な部分もあります。少し厚みがあり、光沢も少し確認することができ、葉の縁が裏側に向けて巻いているのが特徴的です。

 

花期は6~7月。茎頂に短い花序を作り、青紫色の唇状の長さ3~3.5㎝の花を横向きに数個咲かせます。
花の基部は細い印象ですが、筒状の先端の方で急に膨らんでいる形状です。花の外側全体に毛が生えているのも確認できます。
花の先端は2唇形で、上唇は先端が下向きに曲がり浅く2裂します(先端が凹むという資料もあります)。
下唇部分は3裂し、中央の裂片が大きく、斑があって前に伸びます。中央部分が大きく、側裂片は小さく襟状のため、3裂している点はルーペを片手にしっかりと観察する必要があります。
花を支える長さ1.2-1.5cmの萼片は淡赤紫色で先が鋭く尖っているのが特徴です。

 

同じシソ科のラショウモンカズラ(ラショウモンカズラ属)とそっくりな形状、色合いをしていますが、ラショウモンカズラの花は、特に下唇部分が青紫色ではなく、全体的に白色に近い色をしており、より一層斑点部分が目立つ印象です。

 

群生すると草原を青紫色に染め、見事な風景が広がります。また、北海道の海岸線沿いに群生しても印象的な風景が広がります。
花の先端の2唇形部分、特に下唇部分に注目して観察しても興味深い花なので、是非次回は1つの花を注目して観察してみてください。

 

ムシャリンドウ(武者竜胆・武佐竜胆:Dracocephalum argunense)

 

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エゾフウロ(蝦夷風露:Geranium yesoense var. yesoense)

先日、長野県の白馬村観光局のホームページを見ていると、フクジュソウの花が咲き始め、フキノトウもあちらこちらで見られるようになってきたというニュースが掲載されていました。
フクジュソウと言えば、春の花の代表格。いよいよ春の花のシーズン到来を感じさせる嬉しいニュースでした。

 

本日は「エゾフウロ(蝦夷風露:Geranium yesoense var. yesoense)」をご紹介します。

 

エゾフウロ(蝦夷風露:Geranium yesoense var. yesoense)

 

被子植物 双子葉類
学名:Geranium yesoense var. yesoense
科名:フウロソウ科(Geraniaceae)
属名:フウロソウ属(Geranium)

 

エゾフウロ(蝦夷風露)は、北海道の太平洋側の海岸線沿いや原野、本州中部まで分布する日本固有種です。
エゾフウロは、ハクサンフウロの基本種です。

 

草丈は生育環境によって差はありますが、30~80㎝で直立し、茎部分には下向きに粗めの毛が確認できます。
葉は掌状で細かく、深く5裂、さらに2~3中裂しており、裂片部分の幅が広いのが特徴です。また、葉全体と葉柄には軟毛も確認できます。

 

花期は7~8月。枝先に2.5~3cmほどの小さな淡紅紫色の花を2つずつ咲かせます。ある資料には散らばるように咲くのが特徴とありました。
花弁は5枚、雄しべは10本で先端にある濃紫色の葯の色合いが印象的です。中央には雌しべが1本あり、先端が5裂します。上の写真をご覧いただくと、赤色(ピンク色)の雌しべの先端が5裂しているのがハッキリと判ります。
フウロソウの花のと言えば、花弁にある筋模様です。エゾフウロの花は、淡紅紫色の花弁に濃い紫色の筋模様がはっきりとしており、花の色合いをより一層印象的なものにします。
以前、フウロソウの花の紹介をする際に「血管が浮いているように言えるのがフウロソウ」と紹介した時に「あまり良い表現ではないよ」とお客様にご指摘を受けたことを覚えています。それ以降、ご紹介する際には注意するようにしていますが、どうしてもそのように表現してしまいます。
フウロソウの花弁の基部、花柄の部分、花を支える萼の部分にも軟毛が確認できます。

 

フウロソウは、10本の雄しべの先端の葯から花粉を出し、その間は雌しべの柱頭は閉じて受粉できないようになっています。
花粉が終わった頃に赤い柱頭が5裂し、受粉が可能となります。まもなく葯が落ちたら、花の中央は雌しべだけになります。
これらは、自家受粉を避ける工夫で、他の植物でも行われている工夫の1つです。
次回、エゾフウロなどのフウロソウを観察する際、その点を注目すると面白いかもしれません。

 

フウロソウの仲間は非常に見分けが難しいですが、ある資料に判りやすい情報がありました。
エゾフウロには、3変種、北海道と東北地方に分布するハマフウロ、本州の高山に自生するハクサンフウロ、伊吹山と東北地方に分布するイブキフウロがあります。
・ハマフウロは日本海側に多く、毛が少なく、葉の切れ込みが浅い
・ハクサンフウロは、高山に自生。色合いが濃紅紫色が特徴。
※個人的には、花弁の基部が細くなり、他種に比べ隙間があるような印象です。
・イブキフウロは、淡紫色で色はエゾフウロに似ていますが、花弁の先が3裂するのが特徴。

 

見分けの難しいフウロソウの花ですが、群生すると辺り一帯が淡い色合いに染まり、心和む風景となります。また、1つ1つの花も美しく、是非次回は花の中央部分の雄しべ、雌しべにも注目して観察してみてください。
他のフウロソウの花を見比べるのも、楽しいものです。是非、ブログ内の「フウロソウ属」の別の花もご覧ください。

 

エゾフウロ(蝦夷風露:Geranium yesoense var. yesoense)

 

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ハマベンケイソウ(浜弁慶草:Mertensia maritima subsp. asiatica)

先日、近所にある学校の脇を歩いていると、敷地内に咲くコブシの花が満開間近となっており、思わず歩道で足を止めて観察を楽しんでしまいました。歩道から背伸びをし、目一杯手を伸ばして撮影もさせていただきました。

 

本日は「ハマベンケイソウ(浜弁慶草:Mertensia maritima subsp. asiatica)をご紹介します。

 

ハマベンケイソウ(浜弁慶草:Mertensia maritima subsp. asiatica)

 

被子植物 双子葉類
学名:Dactylorhiza aristata
英名:Oyster plant 、Oyster leaf
科名:ムラサキ科(Boraginaceae)
属名:ハマベンケイソウ属(Mertensia)

 

ハマベンケイソウ(浜弁慶草)は、日本の北海道ならびに本州の太平洋側では東北地方以北、日本海側では隠岐の島以東に分布し、海外では朝鮮半島、サハリン、千島列島、アリューシャン列島、オホーツク海沿岸まで幅広く分布します。主に海岸の砂地や礫地に自生する多年草です。
北米には、ハマベンケイソウ属は20種ほどあるそうです。

 

草丈は低い印象を受けますが、実はよく観察すると茎がよく分岐し、礫地上の地表を這うように広がっており、茎の長さは1m以上のものもあります。
葉は広楕円形~広卵形をしており、長さは5㎝ほど、幅は3~5㎝ほどの大きさです。また、少し厚みがあり全縁です。茎も含めて、植物全体が無毛で白みを帯びた緑青色であるもの印象的です。色々と調べていると、下部の葉、根出葉(こんしゅつよう:地上茎の基部についた葉)には長さ10㎝ほどの葉柄が付いているという資料もあり、また、葉は乾燥すると黒褐色になるとのことでした。次回、観察の際には注目してみたいと思います。

 

花期は7~8月。枝先に長さ1~1.5㎝ほどの青紫色の小さな花を数個下向きに付け(総状花序)、葉と同じ形の小さな苞(つぼみを包むように葉が変形した部分)も確認できます。
筒状(鐘形)で、花弁の先端は浅く5裂、萼片が5つで無毛です。5本雄しべが筒状の花弁よりほんの少しだけ頭を出しており、その形状がハマベンケイソウが可愛らしく感じる所以かもしれません。雌しべは1つです。

 

和名の「ハマベンケイソウ(浜弁慶草)」は、海岸に自生し、多肉質で葉の形や色がベンケイソウ科の植物に似ていることが由来です。また、種小名(maritima は、「海の、海浜生の」を意味し、亜種名 asiatica は「アジアの」を意味します。
英名は「Oyster plant」や「Oyster leaf」と呼ばれます。日本ではあまり知られていませんが(私も初めて知りました)、生牡蠣のような味を持ち、フランスでは生食を始め食用にも用いられているそうです。

 

淡い色合いのハマベンケイソウですが、礫地などで群生した風景をご覧いただくと、淡い色合いもより良く映え、ゆっくりと観察したくなる風景です。

 

ハマベンケイソウ(浜弁慶草:Mertensia maritima subsp. asiatica)

 

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エゾクガイソウ(蝦夷九蓋草:Veronicastrum sibiricum subsp. yezoense)

ここ数日暖かい日が続いたり、そうかと思えば冷たい強風が吹くことがあったり、出勤時の上着に悩んでしまう日々が続いています。
先日、花の観察ツアーの催行が続々と決定しました。残席もありますので、是非ご検討ください。
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本日は「エゾクガイソウ(蝦夷九蓋草:Veronicastrum sibiricum subsp. yezoense)」をご紹介します。

 

エゾクガイソウ(蝦夷九蓋草:Veronicastrum sibiricum subsp. yezoense)

 

被子植物 双子葉類
学名:Hosta sieboldii var. rectifolia
科名:オオバコ科(Plantaginaceae)
属名:クガイソウ属(Veronicastrum)

 

エゾクガイソウ(蝦夷九蓋草)は、オオバコ科クガイソウ属の多年草です。
以前はゴマノハグサ科に分類されていましたが、APG植物分類体系(第3版)よりオオバコ科に変更され、それに伴いクガイソウ属もオオバコ科の属に加えられました。
エゾクガイソウ(蝦夷九蓋草)の花の写真を見ると、なぜかスペイン・カナリア諸島に咲く「エキウム・ウィルドプレッティ(Echium wildpretii)」を思い浮かべてしまいますが、エキウム・ウィルドプレッティはムラサキ科 (Boraginaceae)のため、全く別ものです。

 

エゾクガイソウ(蝦夷九蓋草)は、日本では北海道に、海外ではサハリンなどに分布します。
低地~山地の明るい草地や林縁に自生しますが、北海道の十勝や道東では道路わきの湿地などにも自生します。

 

草丈は1.5m~2mに達するものもあり、本州の山地~亜高山帯に自生する日本固有のクガイソウ(九蓋草:Veronicastrum japonicum)より大型です。
葉は5~10個を数段に分けて輪生させます。輪生する葉は柄がなく、先の尖った披針形で長さは10㎝ほど、葉の縁には鋸歯が確認できます。
クガイソウ(九蓋草)の名は、輪生する葉の繰り返しが9層になることに由来し、資料によっては「九階草」という和名で紹介されているものもあり、こちらの漢字名の方がイメージしやすいかもしれません。

 

花期は7~8月。非常に鮮やかな紫色の花の総状花序は、長さが7~8㎜で筒状の花を密集して、下から上へと順に花を咲かせます。
1つ1つの花は小さく、確認するにはルーペが必要となりますが、筒状の花の先端部分は浅く4裂しており、2本の雄しべが外に大きく突き出しています。真っ白な花糸にオレンジ色(茶色っぽく見えるものも)の葯が非常に目立つので是非注目してみてください。
ある資料には、1つ1つの花には線状の苞葉を1つもち、萼片は披針形で先が尖っているとあり、次回の観察時にはこの点も是非注目してみたいと思います。

 

草丈が1.5m~2m、花穂が長さ20~40㎝にも及ぶエゾクガイソウですが、群生する様子も鮮やかな紫色が景色に映えて非常に印象的ですが、すっきりと1本だけ真っすぐに伸びるエゾクガイソウも心惹かれる姿をしています。

 

エゾクガイソウ(蝦夷九蓋草:Veronicastrum sibiricum subsp. yezoense)

 

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