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キタノコギリソウ(北鋸草:Achillea alpina subsp. japonica)

本日は「キタノコギリソウ(北鋸草:Achillea alpina subsp. japonica)」をご紹介します。

 

キタノコギリソウ(北鋸草:Achillea alpina subsp. japonica)

 

被子植物 双子葉類
学名:Achillea alpina subsp. japonica
科名:キク科(Asteraceae)
属名:ノコギリソウ属(Achillea)

 

キタノコギリソウ(北鋸草)は、本州の中部地方以北から北海道にかけて分布し、海外では南千島、サハリンに分布します。海岸から低山の草地などに生育します。

 

草丈は50㎝~100㎝にも及ぶものもあり、私が9月に北海道・サロマ湖周辺で観察した際も腰の位置くらいで観察できました。茎の部分にほんの少しだけ産毛が確認することもできました。

 

葉は非常に細長く、長さは5~10㎝弱の先端部が少し尖った葉が互生します。
葉の縁が細かく羽状に浅裂しているのが特徴で、この葉の形状が「鋸草」と呼ばれる所以です。
ノコギリソウは種類が多く、そんな中でノコギリソウ、エゾノコギリソウ、キタノコギリソウは非常に似ていて、判別が難しいところです。
ある資料には、キタノコギリソウの葉の切れ込みは、ノコギリソウより浅く、エゾノコギリソウより深いとありました。また、葉の付け根に葉片(葉身:葉の主要部分)が1~2対あるのが特徴という資料もありましたが、その点は確認できず、次回の宿題です。

 

花期は7~9月。花は茎頂に花柄を伸ばし、直径1㎝ほどの小さな花を多数咲かせて密集する、見た目には小さな花が密集してドーム型に広がっています(散房花序)。
花の中心部(上写真で黄色い部分)は、筒状花(とうじょうか:花弁が筒状になっている花)を6~8枚の白や淡いピンク色の舌状花(ぜつじょうか:花弁の先端が広がり舌のような形になっているもの)が取り囲んでいます。

 

花の形状に関しては、このブログを作成している際に改めて勉強になりました。
キク科の花は、多数の花びらが円形に並んでいるように見え、普通はこれを以て一つの花だと考えがちですが、実際には個々の花びらと見えるのは、それぞれが一つの花なのです。花に見えるものは、多数の花が集まったものであって、つまり花序であると考えなければいけません。
分解してよく観察すれば、それぞれに雄しべや雌しべがあり、小さいながらも花の構造を持っているのが分かるという資料もありましたが、一度ゆっくり構造を観察したいものです。
「何度も観察して知っている花」と思っていても、まだまだ勉強が必要だと、今回のブログを作成して感じました。