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ミヤマクロユリ (深山黒百合:Fritillaria camschatcensis var. keisukei)

昨年5月、私がぬか床づくりを始めた頃に「クロユリ(Fritillaria camschatcensis)」として「エゾクロユリ(蝦夷黒百合)」ご紹介しましたが、本日は「ミヤマクロユリ (深山黒百合:Fritillaria camschatcensis var. keisukei)」をご紹介します。因みに、今もぬか床づくりは継続しています。

 

ミヤマクロユリ (深山黒百合)の両性花

 

被子植物 単子葉類
学名:Fritillaria camschatcensis var. keisukei
別名:skunk lily(スカンクユリ)、outhouse lily(外便所ユリ) など
科名:ユリ科(Liliaceae)
属名:バイモ属(Fritillaria)

 

本日ご紹介する「ミヤマクロユリ(深山黒百合)」は、7月に木曽駒ケ岳の千畳敷カール、乗鞍・畳平にて観察したものです。

 

ミヤマクロユリ(深山黒百合)は、中部地方以北(白山が分布の西限)の高山帯~亜高山帯に自生する多年草。
クロユリは、広義ではエゾクロユリ(蝦夷黒百合)とミヤマクロユリ(深山黒百合)の両方を指し、狭義ではエゾクロユリ(蝦夷黒百合)のみを指します。
また、エゾクロユリとミヤマクロユリでは染色体数に違いがあり、ミヤマクロユリの染色体数は2対24本(2倍体)、エゾクロユリは3対36本(3 倍体)とのことです。
私個人的には、北海道などの低地に生える クロユリ は「エゾクロユリ(蝦夷黒百合)」、本州の高山に生えるクロユリはミヤマクロユリ(深山黒百合)という認識です。

 

草丈は10~30㎝で直立し、葉は披針形~長楕円状披針形をしており、茎の中央あたりから3~5枚の葉が輪生上に2~3段につきます。

 

花期は6~8月。茎の頂に柄を伸ばし、下向きに1~2輪ほど花を咲かせます。
長さ2~3cmの花被片を6枚付け、色は黒というより、暗紫褐色で、黄色の網目模様(黄色の細かい斑点と表現する資料もあり)が内外にあるのが特徴です。
個人的な印象として、黄色の網目模様があることで花の色が茶色に近い色合いに感じることもあります。

 

雄しべは6個あり花被片の半分ほどの長さで先端部(葯)が黄色く、花柱は黄緑色で基部から3裂し先は外側に曲がる形状をしています。

 

クロユリは、両性花と雄性花が同じ株に付き、雌花がない「雄性両全性同株」です。茎頂に2個以上の花をつける場合、両性花と雄性花を1つずつ、もしくはどちらか一方を複数咲かせる場合など、組み合わせは様々です。
両性花と雄性花の見分け方は一目瞭然で、花の中央に黄緑色で3裂した花柱が確認できれば両性花、なければ雄性花です。ちなみに、上の写真が両性花、下の写真が雄性花です。

 

クロユリには独特の悪臭があり、花粉を運ぶのは大部分が「ケブカクロバエ」と呼ばれるハエ。この悪臭がこのハエを呼び寄せるといわれています。
花が終わると徐々に上を向くように変化し、実が膨らみ羽をもった種子をたくさんつけますが、発芽率は良くなく、繁殖の大半は栄養繁殖と呼ばれる地下の鱗茎が分裂して数を増やしています。

 

<エゾクロユリとミヤマクロユリの見分け方>
1.草丈
エゾクロユリが10~50cm/ミヤマクロユリは10~30cm。
2.花の色
エゾクロユリは黒褐色に近い/ミヤマクロユリは茶色に近い暗紫褐色
3.網目模様
エゾクロユリはあまり目立たず/ミヤマクロユリは非常に目立つ
4.茎頂の花の数
エゾクロユリが3~5個/ミヤマクロユリは1~2個

 

ミヤマクロユリを見つけると「クロユリ?イメージと違う」という声が挙がり、実際7月のツアーの際にもそのような声が挙がりました。おそらく、クロユリ=エゾクロユリのイメージなのかもしれません。
次回、クロユリを観察する機会がありましたら、エゾクロユリとミヤマクロユリの違い、両性花と雄性花の違いをじっくりと観察してみてください。

 

ミヤマクロユリ (深山黒百合)の雄性花
エゾクロユリ(蝦夷黒百合)の両性花

 

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トキソウ(朱鷺草:Pogonia japonica)

コロナウイルス感染症拡大が心配な日々が続く中、弊社も冬のツアー造成に励みながら、秋シーズンのツアー実施に向けての最終調整を進めております。
皆様、9~11月の紅葉シーズンの旅行はお決まりでしょうか。
最後に紅葉シーズンにオススメのツアーを紹介しておりますので、是非ご覧ください。

 

本日は「トキソウ(朱鷺草:Pogonia japonica)」をご紹介します。
6月の尾瀬で、可憐に咲くトキソウ(朱鷺草)の観察・撮影を楽しむことができました。

 

トキソウ(朱鷺草:Pogonia japonica)

 

被子植物 単子葉類
学名:Pogonia japonica
科名:ラン科(Orchidaceae)
属名:トキソウ属(Pogonia)

 

トキソウ(朱鷺草)は、北海道から九州(資料によっては、四国、九州では稀にみられるとあります)に、海外では千島列島や朝鮮半島などに分布します。
日当たりの良い湿地(酸性の湿地)などに自生するラン科の多年草です。日本では乱獲されてしまった時期もあり、準絶滅危惧(環境省)に指定されています。

 

草丈は10~30cmで直立し、茎の中ほどに長さ5~10cmで広針形の葉を1枚、茎を抱くように付きます。

 

花期は5~7月。茎頂に淡いピンク色~紅紫色の花を1つ咲かせます。
トキソウ(朱鷺草)は、この花の色が「トキ色」(朱鷺の翼の色)に似ていることが名の由来です。個人的には「尾瀬でトキソウを観察したい」という想いもあったことが影響してか、トキソウは淡いピンク色という印象です。ある資料(ブログ)では「標高が高くなるにつれて淡い色合いになる印象」と記されているものがあり、とても興味深い視点でした。

 

トキソウも非常に複雑な形状をしています。
花弁のように三方に広がっている長楕円状披針形の部分は「萼片」。
上向きの1枚が「背萼片」、横向きの2枚が「側萼片」です。
花の中央に帽子のひさし(兜状に重なると表現する資料も)のように前へ突き出して伸びる2枚が「花弁(側花弁)」です。

 

非常に印象的な形状が、下向きに伸びる長さ1.5cmほどの「唇弁」。
写真では1枚の唇弁のように見えますが、実は3裂しています。
写真では判りませんが、帽子のひさし(兜)の内側で非常に細い「唇弁の側裂片」が伸びており、下に伸びているのは「唇弁の中裂片」です。
この唇弁(中裂片)の内側は、まるでイソギンチャクのような肉質の突起物が密生してついているのが印象的です。
また、側花弁や唇弁の外側などに花全体の色合いより少し濃いピンク色の縞状の斑が付いており、この縞状の斑がより花の印象を美しいものにしています。

 

今回は、尾瀬の木道沿いで観察したため、木道から手が届きそうで届かない場所に咲いており、花の細部を観察することはできませんでしたが、木道からはみ出ず、腹這いで必死になって撮影することができました。
次回、トキソウ(朱鷺草)を観察する機会に恵まれた際には、上記の花の形状など細部にわたって観察をしてみたいと思います。

 

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エゾオヤマリンドウに出会えるかもしれません。

 

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コケイラン(小蕙蘭:Oreorchis patens)

いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開幕しました。連日猛暑日が続く中、日本選手団、世界中から来日された選手団の方々には、猛暑に負けず、それ以上に熱い戦いをみせて欲しいと思います。

 

本日も尾瀬で観察したコケイラン(小蕙蘭:Oreorchis patens )をご紹介します。

 

コケイラン(小蕙蘭:Oreorchis patens)

 

被子植物 単子葉類
学名:Oreorchis patens
別名:ササエビネ(笹海老根)
科名:ラン科(Orchidaceae)
属名:コケイラン属(Oreorchis)

 

コケイラン(小蕙蘭)は、北海道から九州に広く分布し、海外では千島列島、カムチャッカ半島、サハリン、朝鮮半島、中国大陸にも分布します。
山地やブナ帯などの林内のやや湿った場所に自生します。

 

草丈は20~30cmで直立し、黄緑色の花柄に比べて色鮮やかな緑色をしており、花の大きさや草丈のわりに茎が少し太い印象です。
葉は通常2枚つけ、長さ20~30cmで線状披針形をしていますが、他の植物に埋もれて咲いていることが多いため、なかなか確認することができません。

 

花期は5~6月。直立した茎から短く黄緑色の花柄を伸ばし、黄褐色の小さな花を多数(10~40個という資料もあります)つけ、茎の下部から上部へ向けて順に花を咲かせます。

 

コケイラン(小蕙蘭:Oreorchis patens)②

 

少し粗い写真で申し訳ありませんが、花の部分をアップにした上の写真をご覧いただくと花の形状が確認いただけるかと思います。

 

よく見ると花の中心から5枚の花弁上のものが伸びているのが判ります。
左右に伸びる下部の披針形の2枚が『側萼片』、中央から真上に伸びる披針形の1枚が『背萼片』となります。その間に挟まれるように斜め上に伸びて赤紫色の細い条が入っているのが『側花弁』となります。
コケイランの花で最も印象的な部分は、花の中央から真下に伸びる真っ白で赤紫色の斑点が付いている倒卵形の『唇弁』です。
少し太めの唇弁が1枚と見えなくもないですが、実は基部で3裂しており、中央の唇弁『中裂片』が大きく目立っているのです。よく見ると、唇弁の基部から白く細い『側裂片』が2枚伸びているのが確認できます。
個体によっては、唇弁に赤紫色の斑点が全くつかないものもあるそうです。
唇弁の上部にやや太めで長く伸びて先端が黄色くなっているものが確認できますが、これは『蕊柱(ずいちゅう)』と呼ばれる部分で雄しべと雌しべが融合(合着)したもので、花粉がたまっているために先端が黄色くなっています。

萼片と側花弁は披針形で長さが10mm弱、一番目立つ唇弁の中裂片は5mmほどと1つ1つの花は非常に小さなものですが、非常に複雑な構造をしている花です。
上の写真で判っていただけましたでしょうか。

 

今回は尾瀬で観察しましたが上記にも記載したとおり、他の植物に埋もれて咲いており、また唇弁は非常に印象的な色合いをしていますが、全体像としては周りと同化してしまうような色合いをしているため、危うく見逃してしまうほどでした。
林間でフラワーハイキングを楽しむ際には、コケイランの花を見逃さないようにご注意ください。

 

コケイラン(小蕙蘭:Oreorchis patens)③

 

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ノビネチドリ(延根千鳥:Neolindleya camtschatica)

先日「花咲く千畳敷カール・乗鞍・上高地を歩く」に同行させていただき、各所で高山植物の観察を楽しませていただきました。
各所では高山植物だけでなく、千畳敷カールでは氷河地形と合わせて宝剣岳も見学でき、乗鞍畳平では雷鳥も観察することができました。また、上高地では2泊3日で大正池から河童橋、明神池、徳沢を巡るという贅沢な時間を過ごすことができ、充実した5日間でした。

 

本日は、尾瀬で観察した「ノビネチドリ(延根千鳥:Neolindleya camtschatica)」をご紹介します。

 

ノビネチドリ(延根千鳥:Neolindleya camtschatica)

 

被子植物 単子葉類
学名:Neolindleya camtschatica
科名:ラン科(Orchidaceae)
属名:ノビネチドリ属(Neolindleya)

 

ノビネチドリ(延根千鳥)は、北海道、中部以北の本州、さらには四国に分布し、海外では朝鮮半島やサハリン、カムチャッカ半島などにも分布します。
北海道では海岸地帯などでも自生するようですが、低山帯~亜高山帯の草地や明るい林などに自生するラン科ノビネチドリ属の多年草です。
ノビネチドリという名の由来は、根茎の形が掌状(手形)であるテガタチドリに対して、ノビネチドリの根は掌状にならず、根は横に伸びるため「延根」となったそうです。

 

<見分け方のポイント①:葉の縁の形状>
草丈は30~60cmで直立し、茎が若干太い印象です。
葉の長さ7~15cmでやや細長い楕円形、6~10枚の葉を茎に互生し、葉の先が尖り、葉の縁が波打つようになっているのが特徴で、葉柄はなく葉が茎を抱くように付いているのも特徴です。ノビネチドリと似ているテガタチドリやハクサンチドリの葉の縁は波打っていないため、見分ける際のポイントとなります。

 

ノビネチドリ(延根千鳥)の花を拡大しました

草丈が大きく、茎も太く、花を密集して咲かせるため、比較的大型なラン科の花のように見えますが、1cm以下の花を多数付けるので、そう感じるのかもしれません。
1つ1つの小さな花を観察すると、チドリ系のランらしい特徴が確認することができます。
花の中心から2枚の萼が横に広がっており(この部分は”側萼片”)、さらに中央から1枚の萼片が真上に伸び(この部分は”背萼片”)、さらに背萼片のすぐ下には側花弁と言われる部分も確認ができます。

 

<見分け方のポイント②:唇弁の形状>
チドリ系のランの花を印象的にするのが花の中央から下に伸びる”唇弁”の部分です。唇弁の中央部分に白い筋が真っすぐに入っており、先端が3裂しています。
テガタチドリ、ハクサンチドリ、ノビネチドリは非常に似ていると言われていますが、この唇弁の3裂した部分が見分けるポイントです。

 

◇ノビネチドリ
唇弁の中央に白色の縦筋が入り、3裂した部分の中央だけがやや短い
◇テガタチドリ
唇弁中央は縦筋などは確認できず、3裂した部分の先端が丸く、長さも同じ
ハクサンチドリ
唇弁に濃紅紫色の斑紋ができ、3裂した唇弁の中央部分の先端が尖る

 

私が撮影した花の写真にはテガタチドリはなかったですが、ハクサンチドリは以前ご紹介しておりますので、比較してみてください。
ラン科の花は、トレッキング中などに見つけると、気持ちが一気に高揚する不思議な魅力を持つ花です。単純に観察観察するのも楽しい花ですが、上記のような違いを確認しながら観察するのも楽しいものです。
是非、機会があれば花の細かい部分も観察してみてください。

 

ノビネチドリ(延根千鳥:Neolindleya camtschatica)②

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ニッコウキスゲ(ゼンテイカ:Hemerocallis dumortieri var. esculenta)

先日「花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く」に同行させていただいました。十数年ぶりに訪れた尾瀬、さらに群馬県の中之条町の自然名所を巡り、5日間で50種ほどの花々の観察を楽しむことができました。

 

本日は、尾瀬で観察したシンボル的な花の1つ「ニッコウキスゲ(ゼンテイカ:Hemerocallis dumortieri var. esculenta)」をご紹介します。

 

ニッコウキスゲ(ゼンテイカ:Hemerocallis dumortieri var. esculenta)

被子植物 単子葉類
学名:Hemerocallis dumortieri var. esculenta
正式名称:ゼンテイカ(禅庭花)
科名:ツルボラン科(Asphodelaceae)
属名:ワスレグサ属(Hemerocallis)

 

(※)ニッコウキスゲはユリ科(Liliaceae)に分類されていましたが、APG分類でススキノ科(anthorrhoeaceae)に分類され、さらにAPG分類の第4版(2016年~)よりススキノキ科はツルボラン科(Asphodelaceae)に名称を変更しました。
花図鑑など資料によって科名が異なるのは、APG分類で名称変更がここ数年で何度か行われてきたためのようです。

 

広く「ニッコウキスゲ」として知られるキスゲ亜科の多年草。
本州の中部以北では山地、亜高山、高原地域などに自生し、東北地方や北海道では海岸線でも観察することができます。
ニッコウキスゲの群落は、霧降高原(栃木県日光)、尾瀬(群馬県など)、霧ヶ峰(長野県)などが有名ですが、花の色が黄色、葉がカサスゲ(笠萓)似ているため、群落が有名な日光の地名を取り「ニッコウキスゲ」と呼ばれた始めたことがきっかけで全国に広まったとされていますが、栃木県日光の固有種という訳でなく、上記のとおり本州以北~北海道まで日本各地に分布します。
因みに、ゼンテイカ(禅庭花)という名の由来は、明確な資料はありませんでした。

 

草丈は60~80㎝で直立し、長さ60~70㎝、幅2㎝ほどの葉を付けます。
地域によって花期は異なりますが、花期は6~8月。
茎頂に短い花柄を伸ばし、3~10個ほどの蕾をつけ、黄色(山吹色)でラッパ型の花を咲かせます。また、朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまう一日花です。

 

これまでユリの仲間の花のご紹介で幾度かご紹介しましたが「花弁は6枚」ではありません。
6枚の花被片は6.5~8cm、3 枚の内花被(花弁)と3 枚の外花被(萼片)に分かれ、交互に並んでいます。内花被(花弁)は外花被(萼片)に比べてやや幅が広い点で見分けることができます。
花弁(内花被)と萼片(外花被)、それぞれから計6本の雄しべが伸び、雌しべが1 本です。

 

ゼンテイカは、各地で別々に同定されている点や分類に関する論争などで和名、学名などが様々で混乱してしまいます。
■エゾゼンテイカ(エゾカンゾウ)は、花柄が短く、花被片がに厚みがあり、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)と区別するという資料もあります。
上記の学名「H. dumortieri」はエゾカンゾウを分けないことを前提とした学名で、ヒメカンゾウの変種と位置づけです。
■学名を「H. middendorffii」とした場合、エゾカンゾウが基準変種となり、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)はその変種になるそうです。
■別の資料では、エゾゼンテイカ(エゾカンゾウ)、低地型で夜に花が閉じないムサシノキスゲは分けないともあります。
■山形県飛島や男鹿半島、佐渡の海岸線に自生し、大型で花序に15~30個ほどの花をつけるトビシマカンゾウ(var.exaltata)もあり、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)の島嶼型とされています。
■今回訪れた群馬県中之条町の野反湖では、ゼンテイカを地元名「ノゾリキスゲ」と呼んでいました。

 

色々と考えすぎるとややこしいので、一般的に「ニッコウキスゲ」と知られる山吹色の色合いの花の正式名称は「ゼンテイカ(禅庭花)」という点を覚えていただければと思います。

 

尾瀬トレッキングのゴール地点・大清水湿原にニッコウキスゲが群生

 

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シロバナエンレイソウ(白花延齢草:Trillium tschonoskii)

我が家の周辺や通勤路などで様々な色合い、品種のアジサイが目に留まるようになりました。ぼんぼりのように咲くアジサイを見ると、通勤中でも思わず足を止めてしまい「会社を休み、弁当でも食べながらアジサイ観察を楽しもうかな~」という気持ちが芽生えてしまいます。

 

前回はエンレイソウ(延齢草:Trillium smallii)をご紹介しましたが、本日は「シロバナエンレイソウ(白花延齢草:Trillium tschonoskii)」をご紹介します。

 

シロバナエンレイソウ(白花延齢草:Trillium tschonoskii)

 

被子植物 単子葉類
学名:Trillium tschonoskii
別名:ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)
科名:シュロソウ科(Melanthiaceae)
属名:エンレイソウ属(Trillium)

 

シロバナエンレイソウ(白花延齢草)は、その名のとおり「白い花を咲かせる延齢草」です。
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、低地から山地帯の林床に自生する多年草です。海外では、東アジアやサハリンに分布します。

 

草丈は20~40㎝となり、エンレイソウ(延齢草)とほぼ同じで、太めの茎で直立します。葉は茎頂で3枚輪生し、菱状卵形で長さが5~15㎝、先が尖り、基部が広いくさび型の形状をしています。

 

ここまでは前回紹介したエンレイソウと似ていますが、花の形状、色合いに若干の違いあります。
エンレイソウは、花弁(内花被片)はなく、花弁のように見えるのは全て萼(外花被片)ですが、シロバナエンレイソウ(白花延齢草)は異なります。

 

花期は4~5月。シロバナエンレイソウ(白花延齢草)は、3枚の白い部分は花弁(内花被片)、緑色の部分が萼(外花被片)です。外花被片(萼)はエンレイソウ(延齢草)より長く、2~2.5㎝、内花被片・外花被片とも先が尖った形状です。
雄しべは6本で、葯は花糸とほぼ同じ長さ、クリーム色で先は尖った形状です。花柱は花の中央に球形の子房の上で基部から短く3裂しており、上の写真をご覧いただくと、葯や3裂した花柱などが確認できます。

 

花は葉の中央から花柄を伸ばし、花柄の頂に花を1つ咲かせますが、エンレイソウ(延齢草)に比べて花柄が短い印象です。

 

先月、長野県飯綱町の「むれ水芭蕉園」で水芭蕉やリュウキンカの群落を歓声を挙げながら観察していると、木道脇に数輪のシロバナエンレイソウを見つけ、観察を楽しみました。同ツアーで褐紫色のエンレイソウを幾度か観察したあとだったため、淡い白色のシロバナエンレイソウを見つけた際にはさらなる歓声が挙がり、お客様と共に順番に観察・撮影を楽しむことができました。

 

花被片が褐紫色のエンレイソウ(延齢草)
白い内花被片が印象的なシロバナエンレイソウ(白花延齢草)

<おすすめ!! 花の観察を楽しむツアー>
 一番のオススメ!
屋久島の植生観察、高山植物の観察に重点をおいた季節限定企画!!
屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング
※亜熱帯植物や照葉樹林の植生観察と1泊2日プランで森林限界を目指す「黒味岳フラワートレッキング」へご案内。屋久島の垂直分布を深く知ることのできる季節限定企画。
※私(大阪支社 高橋)が同行させていただきます。

 

ニッコウキスゲの咲く7月コースも、間もなく催行です!
ツアーレポートも作成しましたので、是非ご覧ください。
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※のんびりと花の観察を楽しみながら、尾瀬ヶ原から尾瀬沼へのフラワートレッキング。花咲く尾瀬を訪れる季節、8名様限定のツアーです。
※6月23日出発は、私(高橋)が同行させていただきます。

 

残席わずか オススメのツアーです!!
花咲く千畳敷カール・乗鞍・上高地を歩く
※高山植物の宝庫・千畳敷カールや乗鞍・畳平でフラワーハイキングと静寂に包まれた奥上高地の徳沢を目指す。高山植物の観察と合わせて絶景も楽しむ5日間。
※7月12日出発は、私(高橋)が同行させていただきます。

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エンレイソウ(延齢草:Trillium smallii)

先日、福島民報のWEBニュースにて、水辺の妖精”ミズバショウ”が見頃を迎え、5月29日に尾瀬の山開きがされたというニュースが発表されていました。一部残雪が残る中、ミズバショウの見頃は1週間ほど続くそうです。
また、福島県の尾瀬桧枝岐温泉観光協会によると、夏に咲くニッコウキスゲの見頃は7月20日前後になるということでした。
弊社ツアー「花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く」は、ニッコウキスゲの花咲く季節に合わせて7月17日出発に設定しており、尾瀬桧枝岐温泉観光協会の発表にぴったりの日付です。是非ご検討ください。

 

本日は「エンレイソウ(延齢草:Trillium smallii)」をご紹介します。

 

エンレイソウ(延齢草:Trillium smallii)

 

被子植物 単子葉類
学名:Trillium smallii
科名:シュロソウ科(Melanthiaceae)
属名:エンレイソウ属(Trillium)

 

エンレイソウ(延齢草)は、シュロソウ科エンレイソウ属の多年草で、北海道、本州、四国、九州に分布し、低地や林床などの湿った場所に自生します。海外では、サハリン(樺太)、南千島などに分布します。

 

草丈は20~50㎝、やや太めの茎で直立します。葉は茎頂に3枚輪生し、形状は菱状卵形で10~15㎝のやや大きめ、葉の先端が尖り、基部が広めな形状をしています。

花被片が褐紫色のエンレイソウ(延齢草)

花期は4~5月。輪生する3枚の葉の中央から花柄を伸ばし、花柄の頂に花を1つ咲かせます。
エンレイソウ(延齢草)は、花弁(内花被片)はなく、花弁のように見えるのは全て萼(外花被片)です。
萼は1.5~2㎝ほどの長さの長楕円形で緑色または褐紫色。雄しべは6本で、葯は花糸より短く褐色、上の写真をご覧いただくと褐色の葯がよく判ります。また、花柱は花の中央に球形の子房の上で基部から短く3裂しており、上の写真で褐色の花柱がはっきりと判ります。
果実は「球形で黒色」という認識でしたが、エンレイソウの果実は通常は緑とのことです。黒色の果実をつける品種はクロミノエンレイソウと呼ばれるそうです。

 

エンレイソウは大きな葉に小さな花を1輪だけ咲かせるため、特に外花被片(緑)が緑の花だと見落としてしまいがちですが、5月に信州でキレイに咲くエンレイソウを見つけた際には歓声が挙がりました。
次回、飯綱町・むれ水芭蕉園で見つけたシロバナエンレイソウをご紹介します。

 

花被片が緑色のエンレイソウ(延齢草)

 

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シャガ(射干:Iris japonica)

弊社では、現在夏から秋にかけて実施する国内ツアーの造成に励んでおり、随時ホームページ上で発表しております。3度目の緊急事態宣言が発令され、旅行しづらい日々が続いていますが、気分転換で「世界の花だより」のブログと共に、ツアーページも是非ご覧ください。

 

この日は「シャガ(射干:Iris japonica)」をご紹介します。

 

シャガ(射干:Iris japonica)

 

被子植物 単子葉類
学名:Iris japonica
科名:アヤメ科(Iridaceae)
属名:アヤメ属(Iris)

 

シャガ(射干)は、アヤメ科アヤメ属の多年草です。5月以降に咲くイメージのあるアヤメ科の花ですが、その中でも先陣を切って花を咲かせるのが「シャガ(射干)」の花です。

 

北海道、沖縄以外の本州全体に分布し、森林周辺の木陰や山地など、やや湿ったところに自生、群生します。学名の種小名に「japonica(日本の)」とついていますが、実際は中国原産で帰化植物です。
実は、我が家のマンションの敷地内では、春になるとツツジが満開となる前にシャガの花をたくさん咲かせ、春の訪れの目安となり、毎年の楽しみの1つになっています。

 

草丈は30~60㎝で直立し、葉は少し厚みがあり、光沢も確認できます。
葉の幅は2~3cm、長さが30~50㎝となり、アヤメ科では珍しく常緑で越冬性をもちます。形状は剣形で、葉が中央で2つに折りたたまれ、両面葉裏となる葉の形状である「単面葉(たんめんよう:葉身が普通の葉(両面葉)の裏側に相当する組織しかもたない葉)」となります。

 

花期は4~5月。茎に5~10つほどの花をつける総状花序で、直径5㎝ほどの花を咲かせます。
上写真は、極限まで拡大していますので、花の構造を確認してみてください。
花弁は、ユリの仲間と同じく、3枚の花弁と3枚の萼片に分かれています。
外花被(萼)は、全体的には白~淡紫青色をしており、紫色の斑とオレンジ色の斑がついており、シャガの花を印象付ける色合いです。中央のオレンジ色の斑の上部のオレンジ色が斑より濃くなっているのが確認できます。これもシャガの外花被片の特徴でとさか状の突起が付いています。
花弁(内花被)も全体的には白~淡紫青色をしていますが、外花被片のように斑はありません。

外花被(萼)、花弁(内花被)ともに縁が細かく切れ込みが入っている点は同じですが、斑の有無が外花被(萼)と花弁(内花被)の見分け方となります。

 

花の中央にも注目してみてください。
花の中央に3本、イソギンチャクのような形状のものが伸びていますが、これが雌しべです。
3本伸びているように見えますが、1本の雌しべが3つに分かれ、さらに先端部分が花被と同様に細かく切れ込みが入っている形状となります。内部で分かれるため、観察すると3本の雌しべに見えるのです。
雌しべの切れ込みが入っていない部分の下(背面)に雄しべが隠れています。

 

シャガの花は群生して見られることが多いですが、種子で増やすのではなく、横に長く伸びる地下茎から匍匐枝を出し、その先端に新芽を作って増えるそうです。

 

非常に色合いが印象的なアヤメ科の仲間の花ですが、是非花の構造にも注目して観察してみてください。

 

 

シャガ(射干:Iris japonica)②

 

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ショウジョウバカマ(猩々袴:Heloniopsis orientalis)

我が家の近所ではツルニチニチソウに続き、ツツジも蕾が膨らみ、早いものは花開くものもあり、通勤ルートに楽しみが増えてきました。
先日もお伝えしましたが屋久島の垂直分布を知るツアーとして、亜熱帯植物から着生植物、高山植物を観察するツアーが完成・発表間近です。今週中には・・・!!

 

本日は「ショウジョウバカマ(猩々袴:Heloniopsis orientalis)」をご紹介します。

 

ショウジョウバカマ(猩々袴:Heloniopsis orientalis)

 

被子植物 単子葉類
学名:Heloniopsis orientalis
科名:シュロソウ科(Melanthiaceae)
属名:ユリ属(Liliaceae)

 

ショウジョウバカマ(猩々袴)は、全国に広く分布しており、また垂直分布も広く(高度適応性が高い)、田んぼの用水路脇から高山帯の高層湿原までに分布し、やや湿った場所などに自生する多年草です。
※今回のショウジョジョウバカマの写真は、弊社楠が「紀伊半島 ダイヤモンドトレール縦走45km」に同行させていただいた際、大阪・奈良・和歌山の3つの県境に位置するあたりで観察したものです。

 

草丈は開花期には10~30㎝ですが、花後には新葉が芽吹き始め、50㎝くらいにまでなるものもあります。冬の間に雪の下で埋もれていた根生葉の中心から花芽が挙がってきます。
その根生葉は倒披針形で長さが7㎝ほどから長いもので20㎝になるものもあり、ロゼット状に広がり、少し光沢も確認できます。また、花茎には鱗片状の葉が数枚付いているのも確認できます。

 

ショウジョウバカマ(猩々袴)は、早春の代表花として紹介されることもあり、「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」の1つとしても紹介される花です。
花期は3~7月と幅広く表記されている資料もありますが、これは花を咲かせる場所の標高による差が関係しています。低山や平地などでは雪解け後の3~4月の早春に花を咲かせ、高山では雪渓が溶ける頃の6~7月に花を咲かせます。

 

茎頂に密集する形で3-10個の花を総状に付け、横向きに花を咲かせるのですが、ショウジョウバカマの面白い点は、花の向きが片側に偏ったように咲かせることです。
ある資料には「半球型の総状花序」と記載されており、イメージにピッタリな表現だと個人的には思っています。
1つ1つの花は小さく10~15㎜ほどで、花被片が6枚です。ショウジョウバカマの花は色の変異が多く、淡紅色、淡紅紫色、濃紫色など様々で、稀に白色の花のものもあります。
ある資料には、シロバナショウジョウバカマは葉に鋸歯が見られる別種で、ショウジョウバカマ本種の白花ではないというものもありました。
中央から先端が濃紫色をした雄しべと雌しべが長く突き出ているのも、花の色合いを印象深いものとします。

 

上記で紹介した「スプリング・エフェメラル」(昔は春植物って呼んでいた気もします)は、落葉樹林で木々が芽吹く前の春先に花を咲かせ、夏までの間に光合成を行い、木々に葉が生い茂り林床が暗くなる夏には地上部を枯らして地中で過ごす草花のことですが、ショウジョウバカマは少し例外的です。
ショウジョウバカマの花被は花後も残り、緑色になって残るのが特徴です。

 

和名の「猩々袴」は、、花が赤いのを猩々(中国の伝説上の赤ら顔の動物)になぞらえ、根生葉の重なりが袴に似ていることから名付けられたと言われています。

 

林床や湿原などに淡紅紫色のショウジョウバカマが群生していると、その色合いに魅了されて撮影に夢中になってしまいますが、次回の観察時にはバリエーション豊かな花が周囲にいくつ咲いているかなどを確認するのも面白いかもしれません。また、袴になぞらえた根生葉にも注目してみてください。

 

ショウジョウバカマの群生

 

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日本各地で高山植物などの花々を楽しむツアーも続々と発表しております。ご興味のあるコースがありましたら、是非お問い合わせください。
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マイヅルソウ(舞鶴草:Maianthemum dilatatum)

ここ最近、花の観察ツアーへのお問い合わせが増えており、対応させていただく度に「私もこの花を観察したいです」と答えてしまうことが多くなりました。一日でも早く、日本各地で安心して旅ができ、花の観察を楽しめる日が訪れることを願うばかりです。

 

本日は「マイヅルソウ(舞鶴草:Maianthemum dilatatum)」をご紹介します。

 

雨上がりのマイヅルソウ(舞鶴草)

 

被子植物 単子葉類
学名:Maianthemum dilatatum
科名:キジカクシ科(Asparagaceae)
属名:マイヅルソウ属(Maianthemum)

 

マイヅルソウ(舞鶴草:Maianthemum dilatatum)は、キジカクシ科マイヅルソウ属に属する多年草です。キジカクシ科は旧分類ではユリ科に分類されていましたが、現在はキジカクシ科として分割されています。

 

日本では北海道から九州と広く分布し、海外でもユーラシア北東部(ロシア東部、朝鮮半島)とアメリカ北西部(アメリカ合衆国カリフォルニア州北部、オレゴン州、アラスカ州、アリューシャン列島など)など幅広く分布します。山地帯上部から亜高山帯の針葉樹林に多く群生しますが、北海道・札幌近郊では住宅街周辺の防風林内にも大きな群落地があるという資料もありました。

 

草丈は10~25cmほどで直立し、茎の途中で長さ2~4㎝ほどの柄が伸び、2枚の葉を付けます。葉の長さは5㎝前後、形状は卵心型で先が尖り基部が深く窪んでいるので、「ハート型」と言った方がイメージしやすいかもしれません。
全体的に湾曲しており、葉脈が非常に目立ちます。この2枚の葉が広がった様子が「鶴が羽を広げたような姿」に見えることが、和名の舞鶴草の名の由来です。資料によっては「葉の模様が家紋の舞鶴紋に似る」という点が和名の由来というものもあります。

 

花期は5~7月。茎頂に真っ白な小さな花を多数総状に付けます。1つ1つの花は直径5㎜ほどと非常に小さいですが、よく観察してみると2mm程度の長さの花被片が4枚、それぞれ反り返っていることが確認できます。また、花の中央から4本の雄しべが目一杯伸びており、中央には雌しべの柱頭、クリーム色の子房も確認できます。じっくり観察するにはルーペが必要かもしれません。

 

鮮やかな緑色の2枚の葉と小さな可愛い花が印象的なマイヅルソウですが、果実(液果)は直径5㎜ほどの球形で真っ赤な実を付け、1つの実に種子が1~2個あるそうです。

 

1つ1つの花をじっくり観察するのも良いですが、林床などに群生するマイヅルソウも心和む風景です。
鮮やかな緑色のハート形の葉が密集する群生地に、遠慮がちに伸びる多数総状のマイヅルソウを観察すると思わず足を停めて観察したくなる風景です。
私が初めてマイヅルソウの群生地を観察したのが、梅雨時期の6月の上高地でした。もう十数年前の話です。
せっかくのガイドウォークだったのですが、カッパを着ながら下を向いて歩いてばかりでしたが、ガイドさんがふと足を止めた場所でマイヅルソウが群生しており、雨のおかげでハート形の葉がキラキラと光り、中央から伸びる多数総状の花も満開でした。今でも雨の上高地で観察したマイヅルソウの風景は忘れることができません。

 

マイヅルソウ(舞鶴草)の群生

 

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