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レオントポディウム・モノケファルム(Leontopodium monocephalum)

本日は、私がこれまで添乗させていただいたトレッキング・ツアーの中で、最もしんどかったネパール・エベレスト街道のクーンブ氷河上で出会い、心癒された、忘れられない花の1つ「レオントポディウム・モノケファルム(Leontopodium monocephalum)」を紹介させていただきます。

レオントポティウム・モノケファルム(Leontopodium monocephalum)

被子植物 双子葉類
学名:レオントポディウム・モノケファルム
科名:キク科  属名:ウスユキソウ属(Leontopodium)

 

レオントポディウム・モノケファルム(Leontopodium monocephalum)はネパール中部~インドのシッキム、チベット南部に分布、花期は7~9月ですが、私が出会ったのは11月でした。

 

高山帯の氷河沿いの岩間や砂礫地で細く根茎を伸ばして群生し、高さは1~5㎝、私が観察した時は真っ白で可憐な色合いでしたが、乾燥すると全体に金色を帯びることもあるようです。
表面に厚い綿毛をつけ、葉の長さ5~20㎜、苞葉群(白い部分)は直径2~3㎝ほどです。

頭花は通常1つ、直径は5~7㎝、大型のものはその周囲に数個の小さな頭花を付けます。

 

この花に出会ったのは2014年11月、可憐な花との出会いは全く想像もしていなかった1日でした。

コンマ・ラ峠手前でマカルー峰展望
コンマ・ラ峠からマカルー峰を展望

朝、ローチェ南壁を目の前に望むテント場を出発し、昨日降った新雪が積もる急登ルートを登りながらこの日の難関であるコンマ・ラ峠(5535m)を目指していました。

 

息も絶え絶え、何とか急登ルートを登り切り、周囲を見渡すとマカルー峰(8463m)をはじめとする素晴らしい景観が広がっていました。

 

その後、再びガレ場の狭いルートを登り上げ、難関だった標高5535mのコンマ・ラ峠に到着頃には喜びと疲労が、複雑に絡み合うような思いでした。

 

ここで展望したマカルー峰の景観は忘れることができない光景であり、その時ご一緒した皆さんの疲労と感動が入り混じった笑顔も忘れることができません。

 

クーンブ氷河へ向けて下る
クーンブ氷河上から望むプモリ峰

コンマ・ラ峠で絶景をゆっくりと楽しんだ後、クーンブへの下りルートがスタートしました。
降り積もった雪が凍結していたため、アイゼンを着用しながら慎重に下っていると雪解けの影響で崖崩れにも遭遇し、恐る恐るの下山ルートでした。

 

コンマ・ラ峠からの急下りルートを下り切ると、クーンブ氷河のモレーン麓からいよいよ「クーンブ氷河の横断」を開始しました。

クーンブ氷河横断の際にも周囲の山々の景観、氷河上の氷河湖の景観を楽しみながら歩きましたが、恐怖の中で下りルートを終えたばかりだったこともあり、私も疲労困憊でした。

 

そんな時でした!ガレ場の陰に小さな花の姿が目に飛び込んできました!!

 

レオントポディウム・モノケファルムの可憐な花を観察していると、心が癒され、標高が5,000m以上の地でまさに命がけの撮影を楽しみました(右の写真のような場所でこの花が一株だけ咲いていました)。

 

世界各国の様々な氷河を見てきて、トレッキングもしてきました。パキスタン・バルトロ氷河、パタゴニアでのトレッキングなどを楽しんでいると、モレーン帯にはたくさんの花々が咲いているとは思っていましたが、ネパールのエベレストの麓のクーンブ氷河で咲いていたレオントポディウム・モノケファルムは一生忘れることができない花となりました。

レオントポティウム・モノケファルム(Leontopodium monocephalum)②

 

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エーデルワイス(Leontopodium alpinum)

本日は、アルプス三大名花の1つである「エーデルワイス(Edelweiss)」をご紹介します。
学名:Leontopodium alpinum  和名:セイヨウウスユキソウ
被子植物 双子葉類   時期:7~9月
科 : キク科 Asteraceae  属 : ウスユキソウ属 Leontopodium

エーデルワイスの名はドイツ語の「edel」(高貴な、気高い)と 「weiß」(白)に由来し、ドイツ語圏以外でも花の白い外観は「純潔、純愛の象徴」とされ、ルーマニアでは「floarea reginei」(女王の花)とも呼ばれています。

ヨーロッパ・アルプスが生息地として有名ですが、初めからヨーロッパ・アルプスに分布していた訳ではなく、氷河時代(今から2万年前)も前にシベリアから渡ってきた花と言われています。実際、Leontopodium alpinumとは別種のエーデルワイスが、西はピレネー山脈から東はトルコの山岳地帯までに生育しており、中央アジアの高山帯、シベリア、パミール高原、西ヒマラヤに産するものまで確認されております。
日本でもミヤマウスユキソウ(Leontopodium fauriei)やエゾウスユキソウ(またはレブンウスユキソウLeontopodium discolor)はご存知かと思いますが、こちらも今回ご紹介したエーデルワイスの別種となります。

エーデルワイスは、先端に白い綿毛に包まれた星形の花を咲かせます。観察していると星型の全体が花のように感じてしまいますが、花びらに見えるのは葉っぱが変化したもので苞葉(ほうよう)といい、花本体は苞葉の中心にあるポツポツとした丸い粒(径5-6mm)のような部分なのです。
間近で観察すると、苞葉や茎にも白い綿毛が生え、乾燥や強い日射しから植物を守っています。
ヨーロッパ・アルプスでは、昔から純愛の象徴として摘み草にされてしまい、一時はほとんど観察できなくなってしまいました。現在では保護意識が進み、少しずつ増えてきているそうです。

<エーデルワイスの探し方>
エーデルワイスは高山帯の石灰岩地や砂礫地を好みます。
実はエーデルワイスを探す際には、アルペンアスター(Aster alpinus ミヤマノギク)を手掛かりにします。アルペンアスターが咲かない場所にエーデルワイスが咲くことは滅多にありません。アルペンアスターが咲いているポイントに遭遇した際、辺りをゆっくり観察してみてください。

<エーデルワイスに出会えるツアー>
アルプス三大名峰展望 花のアオスタ山麓ハイキング(イタリア)
花のドロミテハイキング(イタリア)
ドロミテ周遊トレッキング(イタリア)
花のモンブラン山麓ハイキング(フランス、イタリア)
究極のマッターホルン展望トレッキング(スイス)