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ウコンウツギ(鬱金空木:Weigela middendorffiana)

現在、弊社では春に向けての日本国内ツアーの造成に励んでいます。
私も信州へ訪れ、カタクリや水芭蕉の群生地を巡るツアーを造成し、HPでも発表させていただきました。まだまだ寒い日が続いていますが、一足早い春の訪れを感じていただくため、是非HPを覗いてみてください。

 

本日は、北海道・大雪山国立公園で観察した「ウコンウツギ(鬱金空木:Weigela middendorffiana)」をご紹介します。

 

ウコンウツギ(鬱金空木:Weigela middendorffiana)

 

被子植物 双子葉類
学名:Weigela middendorffiana
和名:鬱金空木
科名:スイカズラ科(Caprifoliaceae)
属名:タニウツギ属(Weigela)

 

ウコンウツギ(鬱金空木、学名:Weigela middendorffiana)はスイカズラ科タニウツギ属の落葉低木の1つです。北海道から東北北部にかけて分布する高山植物で、非常に耐寒性のある植物です。

 

樹高は1~2mで、長さ5~10㎝ほどの葉先の尖った卵型の葉を3~4対つけます。鮮やかな緑色の葉には葉柄がほとんどなく、葉脈も明瞭でほんの少し光沢を感じることができます。縁には少し鋸歯が確認できます。
樹皮は灰褐色で縦に裂け、古枝になると樹皮が徐々に剥離して落ちるのが特徴です。

 

春に芽吹き始め、花期は6~7月。枝先などから長さ2~3㎝ほどの花柄を出し、3~4㎝弱の漏斗型(細長いラッパ型)で鮮やかなクリーム色の花を2~4個ずつ咲かせます。
漏斗型の花は下部は1㎝弱と細く、中央部分から先端部分にかけて膨れ、花弁の先端は浅く5裂しています。雄しべは5個、花後にも残る萼は2裂し、子房の下には小さな苞が2個付きます。
果実は2cmほどの長楕円形で、種子は5㎜前後で両端に長い翼のようなものが付いています。

 

ウコンウツギの花の色合いを印象的にするのが、花の内部にある斑紋で、花の咲き始めは黄色い斑紋ですが、古くなると徐々に赤く変わります。
この点は私も知っていたのですが、今回のブログを作成時に色々と調べていると、斑紋の色の変化は「ミツバチへの合図」ということでした。

斑紋が黄色いものは「蜜があるサイン」、赤いものは「受粉を終えて蜜も花粉もないサイン」とのことでした。
受粉を終えた後も落ちずに花を残しているのは受粉の手助けをするマルハナバチをおびき寄せるためで、花に寄ってきたマルハナバチは蜜のサインを見つけて黄色い方へ向かっていくそうです。
蜜や花粉の有無を花の内部の斑紋で知らせるウコンウツギの仕組みは、非常に興味深いものです。ウコンウツギのように色を変化させていく花はこの他にもいくつもあるようです。今後、調べてみたいと思います。よい情報があれば、ご連絡ください。

 

コロナウイルス感染拡大が心配な中、弊社でも十分に感染症対策を行い、ツアーを実施させていただきます。皆さんも体調管理に十分お気を付けください。

 

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ウコンウツギ(鬱金空木:Weigela middendorffiana)