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ドロセラ・ロライマエ(Dorosera roraimae)

先日ネットニュースで福岡県八女市にある樹齢600年を超えた国の天然記念物「黒木の大藤」を観賞する『八女黒木大藤まつり』がコロナウィルスの影響で中止、悲しいことに藤の花が刈り取られてしまったということでした。
外出自粛のゴールデンウィークも終盤となりました。そんな中、非常事態宣言が5月末まで延長されました。近所の花や、世界各地での高山植物の鑑賞などを楽しむことのできる日が1日でも早く訪れることを願いながら、頑張って乗り越えましょう。

 

本日も前回に引き続き、ギアナ高地の食虫植物の1つ「ドロセラ・ロライマエ(Dorosera roraimae)」をご紹介します。

 

ドロセラ・ロライマエ(Dorosera roraimae)

 

被子植物 双子葉類
学名:ドロセラ・ロライマエ(Dorosera roraimae)
和名:モウセンゴケ(毛氈苔)
科名:モウセンゴケ科(Droseraceae) 属名:モウセンゴケ属(Drosera)

 

ドロセラ・ロライマエ(Dorosera roraimae)は、ブラジル、ガイアナ、ベネズエラ原産、ロライマエという学名でお気づきの方も多いかと思いますが、ギアナ高地固有のモウセンゴケです。
今回掲載させていただく写真は、2018年11月にギアナ高地のチマンタ山塊(ベネスエラ)で観察・撮影をしたものです。

 

1~2㎝ほどの葉柄(ようへい:葉身と茎を接続している小さな柄状の部分)がロゼット状に伸び、先端に腺毛(せんもう:先が球状になった毛のこと)のある丸い捕獲葉をつけています。腺毛からはネバネバとした酸性の粘液を分泌し、小昆虫を捕まえ消化吸収し、栄養源として育ちます。

 

ドロセラ・ロライマエの茎の高さは5~10㎝弱と短く、他の地域の種と大きな差はありません。
ただ、他の地域の種と違い、古くなった(枯れた)捕獲葉が下向きに垂れた後に株立ちした状態になり、その株立ちとなった部分から新たなドロセラ・ロライマエが自生し始めるのが特徴です。

 

株立ちのドロセラ・ロライマエを「高床式モウセンゴケ」と現地で呼んでいました。

 

古い株立ちの上に自生するドロセラ・ロライマエを観察すると、茎丈が非常に高い種であると勘違いしてしまいそうになります。現地で、株立ちの状態のドロセラ・ロライマエを観察した際、お客様と「高床式モウセンゴケ」と名付けたのを覚えています。

 

モウセンゴケの花といってもあまりイメージできない方も多いと思います。私もモウセンゴケというものを初めて観察した(立山・弥陀ヶ原でした)際には、捕獲葉自体が花と思っていました。

 

小さな蕾をつけたドロセラ・ロライマエ(Dorosera roraimae)

 

ドロセラ・ロライマエは、茎の根元近くで直立または湾曲した長さが8〜20cmの軸の先に白またはピンク色の小さな花を咲かせます。
私は蕾の状態までしか観察したことがなく、小さな花の開いたドロセラ・ロライマをいつの日か観察したいものです。

 

茎の根元から湾曲した軸を伸ばすドロセラ・ロライマエ

 

 

 

 

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ブロッキニア(Brocchinia)

先日、嫁さんと買い物へ行った際、近所の公園で花咲く「のだふじ」を観賞しました。
外出自粛と言われている時期でしたが、淡い藤色や鮮やかな白色ののだふじの花を観て、少し心が癒された瞬間でした。1日でも早く、気兼ねなく散歩を楽しめる日に戻ることを願うばかりです。

 

前回に引き続き、ギアナ高地の植生の1つ「ブロッキニア(Brocchinia)」をご紹介します。

 

ブロッキニア(Brocchinia)

 

被子植物 単子葉類
学名:
・ブロッキニア・レズクタ (Brocchinia reducta)
・ブロッキニア・ヘクチオイデス(Brocchinia hectioides)
科名:パイナップル科(Bromeliaceae) 属名:ブロッキニア属(Brocchinia)

 

ブロッキニア(Brocchinia)は、ギアナ高地に自生する食虫植物の1つです。
あまり聞き慣れない「パイナップル科(Bromeliaceae)」の植物で、葉腋に水を溜める特徴を持ち、その中でも上記で記載したブロッキニア・レズクタ(Brocchinia reducta)とブロッキニア・ヘクチオイデス(Brocchinia hectioides)の2 種のみが、食虫習慣があるとして、1984 年に食虫植物の仲間入りをしたそうです。

 

葉は上に向かって真っすぐに伸び、形状は長い剣状、断面はU字型にカーブしているため、葉が重なり合って筒状になっています。高さは50㎝から1mにも及ぶものもあります。

 

筒状のブロッキニアを真上から撮影

 

数枚の葉が重なり合い、その中心に水を溜め、その水は甘い香りを放ち虫を誘引するようです。葉の内側はクチクラ質(植物においては表皮の外側を覆う透明な膜で蝋を主成分とするもの)のため、中に入りこんだ虫が逃げられないような構造になっています。
黄緑色の葉の色合いが、広いグラン・サバンナでは非常に目立ち、虫をたくさん捕らえられているとも言われています。

 

溜まった水は強い酸性であり、その水で昆虫を殺し、液中に共生しているバクテリクテリアが捕まった昆虫を分解し、それを栄養源にしているようです。ギアナ高地では、ブロッキニアを分解して中に溜った昆虫(大半が蟻でした)も観察し、その量に驚かされました。

 

ブロッキニアを分解すると、中には蟻など昆虫の死骸がたくさん確認できました

 

筒の内側には、消化液を分泌する腺毛(無柄腺)があり、消化液は分泌せず、消化酵素の分泌も確認されていないと認識していたのですが、このブログを作成している中で色々と調べていると、ブロッキニア・レズクタ(Br.reducta)には「ホスファターゼ」という消化酵素を分泌していることが最近の研究で報告されているそうです。まだまだ勉強の余地があるようです。

 

私はこれまで幾度となくギアナ高地へ添乗させていただきましたが、2018年11月以来訪れていません。ベネズエラの情勢が安定し、1日でも早くギアナ高地の絶景と植生を楽しめるようになってほしいものです。

 

ブロッキニアの群生の向こうにはロライマ山
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ステゴレピス・ガイアネンシス(Stegolepis guianensis)

先日、天気予報サイトにて「のだふじ前線」のニュースが掲載されていました。
私の近所ののだふじも開花が始まり、淡い紫の藤の花が何とも言えない美しさです。今年の花見は諦めないといけない状況なのが残念です。
藤の花は春の終わりから夏の初めにかけて咲きます。新緑のシーズンを迎えるころ、気兼ねなく外出を、散歩を楽しめるよう、1日でも早い終息を願うばかりです。
※天気サイト「tenki.jp」は日本各地の花の開花ニュースや興味深い花の話なども掲載されており、オススメです。

 

本日は南米の中でも「秘境の代名詞」ともいえる場所であり、独特の植生が観察できるギアナ高地の花の1つ「ステゴレピス・ガイアネンシス(Stegolepis guianensis)」をご紹介します。

 

ステゴレピス・ガイアネンシス(Stegolepis guianensis)

被子植物 単子葉類
学名:ステゴレピス・ガイアネンシス(Stegolepis guianensis)
科名:ラパテア科(Rapateaceae) 属名:ステゴレピス属(Stegolepis )

 

ギアナ高地には約4,000種の植物が分布し、うち75%が固有種とも言われています。
有名なガラパゴス諸島の固有種が53%とも言われ、いかにギアナ高地が独自の進化を遂げてきたのかが解ります。

 

ステゴレピス・ガイアネンシス(Stegolepis guianensis)は、ラパテア科の一種。
ラパテア科(Rapateaceae)は、単子葉類の1つであるイネ目(Poales)に属します。南米と西アフリカの熱帯地帯に約100種が分布し、西アフリカの一種を除き、南米に自生し、多くの属はギアナ高地の固有属です。
ステゴレピス・ガイアネンシスも「ガイアネンシス(guianensis)」の名前からも解るとおり、ギアナ高地の固有種です。

 

ステゴレピス・ガイアネンシスの多くは湿地帯や岩場の隙間などに生息し、高さは60㎝~1mほどで、大きいものになると2m近くまで成長するものもあるそうです。

葉は長楕円形で少し肉厚、葉は根元で重なり合い、茎を包む葉鞘(ようしょう:葉の基部が鞘状になり茎を包む部分)になる葉が多数あり、長いもので1m以上のものもあります。

花茎の頂部に頭状に集まった花序をつけ,花序は2枚の発達した苞葉(ほうよう:蕾を包むように葉が変形した部分)に包まれています。

花は1~2㎝と小型で,3枚の萼と3枚の花弁を有しています。

 

2018年11月、ブラジルとの国境に位置するサンタ・クルスとエンジェル・フォールとの間に位置するチマンタ山塊の山上で植生の観察を楽しむツアーに同行させていただいた際、今回掲載した写真を撮影しました。
手元には苞葉に包まれた状態の写真しかなく、当日には開花したものも観察したのですが・・・撮影できる状況ではなかったので、開花したステゴレピス・ガイアネンシスの写真を掲載できないのが残念です。
現在、ベネズエラの情勢悪化の影響でツアー実施ができない状況ですが、ツアーが再開され、ステゴレピス・ガイアネンシスの花の撮影ができた際、改めてご紹介したいと思います。

 

ステゴレピス・ガイアネンシス(Stegolepis guianensis)②
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マタ・グアナコ(Mata Guanaco)

2020年に入り、2ヶ月続けて南米パタゴニアのツアーへ同行させていただきました。
私自身が世界各地の中で最も大好きな地域であるパタゴニアは、氷河などによる浸食で長い年月をかけて形成された素晴らしい大自然を楽しむことのできる素晴らしい場所です。

パタゴニアではクッション状に生息する灌木のことを「マタ(Mata)」と呼び、その中の一種「マタ・グアナコ(Mata Guanaco)」を本日はご紹介します。

 

クッション状で自生するマタ・グアナコ(Mata Guanaco)

被子植物 双子葉類
学名:アナラトロフィルム・デシデラツム(Anarathrophyllum desideratum)
科名:マメ科(Fabaceae)
属名:アナルツロフィルム属(Anarthrophyllum)
現地名:マタ・グアナコ(Mata Guanaco)、ネネオ・マチョ(Neneo macho)

 

マタ・グアナコ(Mata Guanaco)は、パタゴニアの草原やアンデス地方の低い丘の斜面などに自生し、その姿がまるで巨大なクッションのように見える灌木です。

 

高さ10~60cm、直径は30~60cmとなり、茎に向かって枝分かれした葉が多く、葉の大きさは15mmほど。クッション状に広がる茎には棘を持ち、触れてみると非常に硬く、鋭い棘であることが判り、思わず飛びあがってしまう痛みを感じるほどです。

 

初夏11月~12月上旬に真紅~オレンジ色の花を咲かし、以前ご紹介したパタゴニアの象徴的な花であるノトロ(Embothrium coccineum)と同じく氷河が後退した荒地に最初に生える植物とも言われ、棘に注意しながら観察するとマメ科のエニシダの様な可愛らしい花を咲かせています。
※アナルツロフィルム属(Anarthrophyllum)を調べていると「エニシダ連 (Genisteae )」という分類に入るようです。

 

マタ・グアナコ(Mata Guanaco)の花

初夏の11~12月上旬、パタゴニアの大草原・パンパを走行していると突然車窓から真紅のクッションが姿を見せることがあります。私がこのマタ・グアナコの真紅の花を初めて観察したのがパタゴニアの名峰フィッツ・ロイの麓・チャルテン村からカラファテの街を目指している道中でした。

あまりにキレイな真紅のクッションを車窓から見た時、大声でドライバーさんとガイドさんに声を掛け、無理を言ってバスを停めてもらい、観察したことを今でも覚えています。

 

クッション状の「マタ(Mata)」と呼ばれる植物の中には黄色い花を咲かせる別の種類もありますが、そちらはいつの日かご紹介したいと思います。

 

南米パタゴニアへ添乗へ行かせていただくと、カメラと花図鑑だけを持って長期間滞在し、自然が作り出したパタゴニアの雄大な山々やグレーシャーブルーに輝く氷河の撮影と共にパタゴニアに咲く美しい花々の観察を楽しみたいと感じることがあります。いつの日か「パタゴニアへ半年滞在」というツアーを実現できないものでしょうか?ご参加いただけますか?

パタゴニアの名峰フィッツ・ロイ

 

041

パン・デ・インディオ(Cyttaria darwinii)

寒い日が続いておりますが、今朝出勤時に鉢植えではありますがスイセンの花を見つけ、春が近づき、日本にも花咲く季節が近づいていることを実感することができました。

 

本日はパタゴニアの「パン・デ・インディオ(Cyttaria darwinii)」と呼ばれ、綺麗な球体をしているキノコの一種をご紹介します。

パン・デ・インディオ(Cyttaria darwinii)

菌類 子嚢菌門(しのうきんもん)
学名:キッタリア・ダーウィン(Cyttaria darwinii)
現地名:ジャオジャオ、パン・デ・インディオ等
科名:キッタリア科(Cyttariaceae) キッタリア属(Cyttaria)

 

※子嚢菌門(しのうきんもん)

菌界に属する分類群の一つであり、担子菌門と並ぶ高等菌類。
減数分裂によって生じる胞子を袋(子嚢)の中に作るのが特徴で、酵母(出芽酵母、分裂酵母)、カビ(アオカビ、コウジカビ、アカパンカビ)や、一部のキノコ(アミガサタケ、トリュフ)がある。

 

ダーウィンが航海記で「フエゴ人の食料の主要なもの」と記されているキノコの一種のパン・デ・インディオ(Cyttaria darwnii)。原住民マプチェ族はジャオジャオと呼んでいます。
先住民にとっては貴重な食糧の一つで、 特にビーグル水道近辺のフエゴ島に住んでいたヤーガン族は、このキノコを主食の一つとしていました。
カヌーを利用して狩猟採集するヤーガン族は、パタゴニアの中でも最も厳しい土地に住み、食糧は常に不足していたことから「インディオのパン(Pan de Indio)」と呼ばれるようになったと言われています。今でもパタゴニア地方では、サラダに入れて食べる人がいるそうで、アルゼンチンのチャルテンのガイドさん曰く「無味無臭」なんだとか。

 

このパン・デ・インディオは、キレイなオレンジ色(またはクリーム色)の球体でナンキョクブナに寄生しますが、その後ナンキョクブナの樹皮に木化し、まるでコブが出来たように見えます。中には「木の病気ですか?」という声も挙がるほどです。

パン・デ・インディオのコブ

パン・デ・インディオに寄生されたナンキョクブナの枝や幹は、樹液の循環を阻害されます。
ナンキョクブナは樹液の循環を取り戻そうと、コブを作り幹を太くしていきます。
その上にまたパン・デ・インディオが生えて、木はさらにコブを大きくしています。これらを繰り返し、木のコブは1m以上になることもあるそうです。
前述のチャルテンのガイドさんからは、椅子やテーブルに加工されてインテリアとしても重宝されているという話も伺いました。

 

パン・デ・インディオはパタゴニアの春~夏(11~12月)に掛けて観察することができ、木化したコブはパタゴニア各地でハイキングを楽しんでいると至るところで観察することができます。足元にはパタゴニアの花々が可憐に咲きますが、是非ナンキョクブナの木々にも注目してみてください。

パン・デ・インディオのコブ②
040

クロラエア・マゲラニカ(Chloraea magellanica)

遅くなりましたが、2020年最初の投稿となります。

2020年最初の花は、1月に観察したパタゴニアのランの花の1つ「クロラエア・マゲラニカ(Chloraea magellanica)」をご紹介します。

クロラエア・マゲラニカ(Chloraea magellanica)

被子植物 単子葉類
学名:クロラエア・マゲラニカ(Chloraea magellanica)
科名:ラン科(Orchidaceae) 属名:クロラエア属(Chloraea)

 

昨年に引き続き「パタゴニアを撮る」へ同行させていただきました。
ある日のパイネ国立公園での朝焼けの撮影では天候に恵まれず、道中で虹が架かり始めたので写真タイムを取っていた時でした。
パイネ国立公園の草原に数輪咲くクロラエア・マゲラニカ(Chloraea magellanica)を発見しました。

 

花弁は白地に緑色の網目模様が特徴的で、さらに花の中央に黄色く垂れ下がる花弁も特徴的な姿をしています。
草丈は30~40cm程度、花の直径は5~7㎝です。厚めの葉は触ると少し硬さを感じます。
アルゼンチン南西部、チリ中南部に自生し、パタゴニア地方でも乾いた草地やナンキョクブナの森に花を咲かせます。花期は11~1月ごろです。

 

パタゴニアにはたくさんのラン科の花が自生していますが、一見するとグロテスクな色合い・姿をしているクロラエア・マゲラニカ(Chloraea magellanica)は「世界で最も南に分布するラン科の一種」という点が注目するポイントです。

 

私も毎年パタゴニアへ訪れていますが、なかなかこのクロラエア・マゲラニカ(Chloraea magellanica)に出会う事ができず、何気なく立ち寄った写真ポイントで発見した時には思わず興奮してしまい、撮影に夢中になってしまいました。

 

今シーズンも世界各地でたくさんの花の観察を楽しみたいと思っておりますが、念願だったパタゴニアでのクロラエア・マゲラニカ(Chloraea magellanica)を観察・撮影ができ、2020年も幸先の良いスタートが切ることができました。

 

皆さんもパタゴニア・パイネ山群の素晴らしい風景と共に、パタゴニア特有のランの花をもとめて、是非パタゴニアへ訪れてみてください。

パイネ山群の朝焼け

 

012

ユニフローラ・カルセオラリア(Calceolaria uniflora)

新年あけましておめでとうございます。
2019年も「世界の花だより」の更新を続けさせていただき、1つでも多く花の魅力を伝えられるよう、頑張っていきたいと思っております。
本年もよろしくお願いいたします。

2019年最初に紹介させていただくのは、私の大好きなパタゴニアの花、前回紹介させていただきました「ビフローラ・カルセオラリア(Calceolaria biflora)」と同じ仲間の「ユニフローラ・カルセオラリア(Calceolaria uniflora)」です。

ユニフローラ・カルセオラリア(Calceolaria uniflora)

被子植物 双子葉類
学名:Calceolaria uniflora(ユニフローラ・カルセオラリア)
和名:キンチャクソウ等 英名:Calceolaria darwinii(ダーウィンのスリッパ)
科名:ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)  属名:キンチャクソウ属(Calceolaria)

 

前回ご紹介した「ビフローラ・カルセオラリア(Calceolaria biflora)」と同じゴマノハグサ科のキンチャクソウです。
学名の「カルセオラリア(Calceolaria)」という名前は、ラテン語で小さな靴(スリッパ)を意味する「カルセオルス」という言葉に由来します。

 

こちらも丘陵地帯や、明るい草原地帯、乾燥した岩場など、至るところで自生しており、草丈は10~15㎝程度です。
一見グロテスクな色合いですが、ゆっくり眺めると色鮮やかなオレンジの小ぶりの花は、とても印象的な花です。

 

現地では、ビフローラ・カルセオラリア(トパトパ)が「女王のスリッパ(Lady’s slipper)」と呼ばれているのに対し、このユニフローラ・カルセオラリア(Calceolaria uniflora)は「ダーウィンのスリッパ(Calceolaria darwinii)」と呼ばれています。ダーウィンが1831年から1836年の間に発見したと言われているそうです。

 

パタゴニアの大地を訪れ、2つのキンチャクソウに出会うことができたら、それぞれの違いを観察してみてください。
可愛さから言えば「ビフローラ・カルセオラリア(トパトパ)」かもしれませんが、撮影などの面で引き寄せられるのは「ユニフローラ・カルセオラリア(ダーウィンのスリッパ)」かもしれません。どちらの方が引き寄せられるか・・・是非パタゴニアの大地で確認してみてください。

ビフローラ・カルセオラリア(トパトパ)
ユニフローラ・カルセオラリア(ダーウィンのスリッパ)

<ユニフローラ・カルセオラリア(ダーウィンのスリッパ)に出会えるツアー>
蒼き氷河の国 パタゴニア 10日間
世界の最果てパタゴニア 13日間
パタゴニア完全走破
パタゴニアを撮る
蒼き氷河パタゴニアと雨季のウユニ塩湖
パイネ&フィッツロイ山群展望 ゆったりパタゴニアハイキング
究極のパタゴニアトレッキング パイネWサーキットとフィッツロイ山群大展望

011

トパトパ(Calceolaria biflora:ビフローラ・カルセオラリア)

2018年最後の投稿となります。
前回に引き続き、パタゴニアの花を紹介させていただだきます。

本日は、現地では「トパトパ」という名で呼ばれたり、また「LADY’S SLIPPER(女王のスリッパ)」とも呼ばれる可憐な花である「ビフローラ・カルセオラリア(Calceolaria biflora)」を紹介させていただきます。

現地名「トパトパ」
ビフローラ・カルセオラリア(Calceolaria biflora)

被子植物 双子葉類
学名:Calceolaria biflora(ビフローラ・カルセオラリア)
英名:Lady’s slipper 現地名:トパトパ 和名:キンチャクソウ等
科名:ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)  属名:キンチャクソウ属(Calceolaria)

 

パタゴニアの丘陵地帯や、明るい草原地帯、乾燥した岩場など、至るところで自生しており、草原一面に群生しているという訳ではありませんが、その色合いからハイキングなどを楽しんでいると非常に目立つ花の1つです。

その色合いも心惹かれるポイントですが、花の形状も可愛く、思わずゆっくりと観察したくなる形状です。

 

花は、直径にして2~3㎝程度、草丈は20cm前後です。
丸みを帯びた蕾が割れると、属名のとおり、まさに「巾着袋」のような花を咲かせます。
花の時期は12~2月、パタゴニアのベストシーズンの間で観察できる花です。
私もパタゴニアを訪れると、このトパトパを探し、皆様と観察することが楽しみの1つになっています。

この花は、様々な呼び名がありますが、私個人的には「トパトパ」という名前で憶えていただきたいです。

風の大地・パタゴニアの地で可憐な花を咲かせる色鮮やかな花「トパトパ」が、皆様の訪れを待っているかもしれません。

 

<トパトパ(Calceolaria biflora)に出会えるツアー>
蒼き氷河の国 パタゴニア 10日間
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パタゴニアを撮る
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パイネ&フィッツロイ山群展望 ゆったりパタゴニアハイキング
究極のパタゴニアトレッキング パイネWサーキットとフィッツロイ山群大展望

 

010

ノトロ(Embothrium coccineum)

長らくブログ更新ができておらず、大変申し訳ございません。
気付けば、夏の花のシーズンも終わり、日本では寂しいシーズンとなってきました。

だた、世界は広いものです。日本が冬を迎えるということは、地球の真裏である南米諸国では花のシーズンを迎えます。
そこで今回から数回に分けて、私の大好きな南米・パタゴニアの花を紹介させていただきます。

 

パタゴニアの花を紹介するにあたり、1つめの花は・・・
パタゴニアを象徴する花と言っても良い、真っ赤な色合いが印象的な「ノトロ(mbothrium coccineum)」を紹介させていただきます。

ノトロ(Embothrium coccineum)

被子植物 双子葉類
学名:Embothrium coccineum
英名:Firebush スペイン語名:ノトロ(Notro)
科名:ヤマモガシ科(Proteaceae)  属名:エンボスリウム属(Embothrium)

 

ノトロはスペイン語の名称で、ヤマモガシ科の植物です。
ヤマモガシ科は南半球に多い、古代のゴンドワナ大陸を起源とする植物で、 氷河が削ったばかりの裸の岩に生え、真っ赤な花を咲かせます。

 

印象的な真っ赤な花の開花は、パタゴニアの春の訪れを知らせます。
果実は乾燥した卵胞で、内部に約10の種子があり、卵型の硬い果実が裂開すると、翼のある種子は吹き渡る風に乗って、新天地を求めて飛び散ります。
樹木は、4~15mの高さ、直径50cmに達することもあり、 樹皮は濃い灰色で明るい斑点があり、木材は薄いピンク色です。 非常に柔らかいが耐久性のある木材は、スプーン、キッチン用容器、その他の工芸品の製作に使用されることもあるそうです。
薬用植物として、葉と樹皮は神経痛や歯痛を癒し、切り傷にもよく効くと言われています。

 

何より、パタゴニアの蒼く輝く氷河や、パイネ国立公園などの花崗岩の奇岩群、パタゴニアの大地に広がる青空と相まって、ノトロの赤はパタゴニアの色合いにアクセントをつけてくれる美しい花の1つです。

パタゴニアの象徴的な花「ノトロ」へ出会いに、パタゴニアへ訪れてみませんか。

 

<ノトロ(Embothrium coccineum)に出会えるツアー>
蒼き氷河の国 パタゴニア 10日間
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