044

シュマルハウセニア・ニュドランス(Schmalhausenia nidulans)

日本各地で桜の開花宣言を伝えるニュースが聞かれるようになりましたが、今年の桜の開花・満開は例年より早く、東京からスタートした桜前線でしたが、満開のトップも東京で連休明けの23日の予想だそうです。
先週末、嫁さんと出掛けた際に旭山桜という品種の桜の鉢植えの桜を購入しました。まだ花は開いていませんが、今年は我が家で花見ができるかと思うと、これからが楽しみです。
※ブログ投稿の翌日に小さな八重咲きの桜が咲きました!

 

前回に引き続き、中央アジアの花である「シュマルハウセニア・ニュドランス(Schmalhausenia nidulans)」をご紹介します。

シュマルハウセニア・ニュドランス(Schmalhausenia nidulans)

被子植物 双子葉類
学名:シュマルハウセニア・ニュドランス(Schmalhausenia nidulans)
科名:キク科(Asteraceae)
属名:シュマルハウゼニア属(Schmalhausenia)

 

シュマルハウセニア・ニュドランス(Schmalhausenia nidulans)は、一見するとアザミのように見える花ですが、キク科の顕花植物のうち、アザミ亜科(Carduoideae)のシュマルハウゼニア属(Schmalhausenia)に属する中央アジア原産の一種です。

聞きなれないシュマルハウゼニア属(Schmalhausenia)という属名は、ドイツ系ロシア人の植物学者、古植物学者のヨハネス・テオドール・シュマルハウゼン(Johannes Theodor Schmalhausen)に献名されているそうです。

 

綿毛のような毛に覆われ、基部から太い茎が直立しており、高さは約30cmにもおよびます。葉は白がかった緑色で、葉も毛に覆われています。一つ一つ葉は先細りした楕円形をしており、少し硬さを感じ、アザミらしい葉をしています。枝から棘も見られますので、観察の際は十分お気を付けください。

茎が伸び始める前のシュマルハウセニア・ニュドランス(Schmalhausenia nidulans)

頭頂部に直径2~4cmほどの淡い紫の花を咲かせ、ふんわりと膨らんだ綿毛のような頭頂部に複数(10個近く咲かせるものも観察しました)咲かせているのがとても印象的な咲き方です。開花時期は7~9月です。

現地のフラワーガイドさんの説明では「5年程生きたのち花を咲かせて枯れるが、その際に綿帽子が飛び、新たな場所で芽を出す」ということでした。

 

私がこの花を初めて観察したのはキルギスへのツアーへ同行させていただいた時でした。ソン・クル湖周辺のクルマク峠周辺を走行していた際、車道脇の緩やかな傾斜、草地に突然姿を現したシュマルハウセニア・ニュドランスを観たときは「単なるアザミかな?」と思いましたが、バスを降りて観察を始めるとその形状、花の咲かせ方など、ゆっくり観察していると、どんどんその魅力に引き込まれていったことを今でも覚えています。

 

シュマルハウセニア・ニュドランスの群生は本当に見事なものです。

7月にシュマルハウセニア・ニュドランスの花が咲き始めます。キルギスは高山植物の宝庫でその他にもたくさんの花が開花時期を迎えます。

是非シュマルハウセニア・ニュドランスの群生を求めて、キルギスへ訪れてみてください。

シュマルハウセニア・ニュドランス(Schmalhausenia nidulans)の群生

 

005

バルバタ・ホタルブクロ(Campanula barbata)

本日は「バルバタ・ホタルブクロ(Campanula barbata)」をご紹介します。

バルバタ・ホタルブクロ(Campanula barbata)

学名:Campanula barbata 和名:ホタルブクロ 英名:Bearded Bellflower
被子植物 双子葉類   時期:6~8月
科:キキョウ科 Campanulacees ホタルブクロ属 Phyteuma

キキョウ科の植物は世界で約2000種(約90属)あると言われており、日本でも約30種が自生しています。日本では、ホタルブクロやツリガネニンジンという名で認識されている方も多いかと思いますが、チシマギキョウ(ホタルブクロ属)、ミヤマシャジン(ツリガネニンジン属)、ハクサンシャジン(ツリガネニンジン属)もキキョウ科の花となります。

本日紹介する「バルバタ・ホタルブクロ」は、ヨーロッパ・アルプスや中央アジアでも観察でき、標高1,100~3,000mあたりの草原地帯(礫質の草原)などに生息します。

草丈は10~40㎝、葉はほとんどが地表に平らに並べた形状(ロゼット状)となり、茎は分岐せず一方向に偏り、花は長さ20~30㎜の釣鐘型、うつむき加減に咲きます。薄青色の釣鐘上の花びらの縁に5㎜弱の細い毛が生えているのが特徴で、英語名「Bearded Bellflower」(ヒゲのある釣鐘状の花)もバルバタ・ホタルブクロの特徴から由来します。

この繊毛は、花の蜜を盗もうと登ってくる昆虫やアリの侵入を防ぎます。昆虫が花の中に入っていくと、繊毛がまとわりついて、昆虫は密に辿り着く前に地面に落ちてしまうのです。
変温動物である昆虫は、外部からのぬくもりが必要なため、バルバタ・ホタルブクロの繊毛の間に入ることができる極小の昆虫たちは、この花を宿代わりに使うと言われています。

その他、チャボギキョウ(Campanula cochlearifolia)、ロンボイダリス・ホタルブクロ(Campanula rhomboidalis)、イトシャジン(Campanula rotundifolia)、エキシサ・ホタルブクロ(Campanula excisa)など、様々なキキョウ科・ホタルブクロ属の花が観察できますが、これらを見分けるのは、非常に難しいです。
エキシサ・ホタルブクロは花びらの切れ込みが深く、円形に切れ込んでいるので、見分けは付きやすいですが、その他のホタルブクロ属の花は花の形状も、茎から出る葉がすべて糸状なところも、本当にそっくりです。見分けるポイントは根元の葉と言われますが・・・私も正直すべてを見分ける自信はありません。

■チャボギキョウ(Campanula cochlearifolia)
岩場やガレ場などにも生息。葉は楕円形で葉の縁には粗い切れ込みがある。
草丈は10~18㎝と短く、花は12~20㎜の釣鐘状。
ひとつの花茎に花が1つ、または2~3つの花を咲かせる。

チャボギキョウ(Campanula cochlearifolia)

■ロンボイダリス・ホタルブクロ(Campanula rhomboidalis)
標高の低い場所を好み生息。草丈は20~70㎝。
葉は先が尖った卵型の広い葉で、葉の縁には粗い切れ込みがある。
ひとつの茎から7~10個の花が咲き、花の長さは15~20㎜の釣鐘状。

ロンボイダリス・ホタルブクロ(Campanula rhomboidalis)

キキョウ科・ホタルブクロ属の花は、ヨーロッパ・アルプスや中央アジアでの花の観察の際、比較的よく見られるため、よく観察していただき、1つ1つの違いを観察していただくのも、フラワーウォッチングの楽しみの1つです。

<ホタルブクロ属の花々に出会えるツアー>
※ヨーロッパ・アルプス

アルプス三大名峰展望 花のアオスタ山麓ハイキング(イタリア)
花のドロミテハイキング(イタリア)
ドロミテ周遊トレッキング(イタリア)
花のモンブラン山麓ハイキング(フランス、イタリア)
ツール・ド・モンブラン Tour du Mont Blanc(フランス、イタリア、スイス)

※中央アジア
キルギス・カザフスタン 天山自然紀行(キルギス、カザフスタン)
天山とパミールの懐へ  夏のキルギスアドベンチャー(キルギス)