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繁殖羽のヘラサギ・夏のインドで探鳥!バラトプール編

繁殖羽のヘラサギを見たかったので、バラトプールに行ってきました。とても素敵なヘラサギのディスプレイの写真を見たことがあり、いつかそんな姿が見れたらいいなと思っていました。

バラトプールは世界遺産でもあるケオラデオ国立公園 Keoladeo National Parkがあり、この国立公園は他の国立公園と違い、閉鎖期間がほぼなく夏でも入場可能です。が、ヘラサギの繁殖地は公園内ではなく、村の周りの池にありました。

訪れた7月下旬はちょうど求愛の季節でした。ペアの仲良い姿。

ヘラサギ Eurasian Sponnbill はユーラシア大陸とインドで繁殖し、アフリカやアジアへの渡りを行う鳥ですが、インドではインド西~南部では留鳥として観察されます。このバラトプルも、ケオラデオ国立公園や周辺の水場でヘラサギを一年を通じて観察することができます。

冠羽をはでに開いた繁殖羽のヘラサギ。

冠羽が・・・。

この池ではヘラサギ以外の水鳥も繁殖していました。クロトキ Black-headed Ibis は、ヘラサギと同様にインド西~南部で留鳥として観察されます。この時期、すでに雛が誕生していました。

アオサギ Grey Heron も繁殖していました。この季節のアオサギの美しいこと!

雛の姿が見えました!

チュウサギ Internediate Egret のペア、繁殖期の美しい色。

ゴイサギ Black-crowned Night Heron のペア。足が赤くキレイ。

アジアレンカク Bronze-winged jacana の幼鳥。

アジアレンカク Bronze-winged jacana の雛の姿も。

人との距離がとても近い、村の池で繁殖する水鳥たち。この距離の近さは「インドならでは」です。

<観察できた鳥(07:00-09:00am)> ヘラサギ (Eurasian Spoonbill)、クロトキ (Black-headed Ibis)、ヨシゴイ (YellowBittern)、ゴイサギ (Black-crowned Night Heron)、アオサギ (Grey Heron)、ムラサキサギ (Purple Heron)、チュウサギ (Intermediate Egret)、ダイサギ (Great Egret)、コブガモ (Knob-billed Duck)、アジアコビトウ (Little Cormorant)、セイケイ (Purple Swamphen)、アジアレンカク (Bronze-winged Jacana)、シリアカヒヨドリ (Red-vented Bulbul)

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : End July 2022, Bharatpur, Rajasthan, India

★インドでのバードウォッチング/サファリ/野生動物撮影手配を承っています。西遊インディア、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます。

★インドサファリのツアーを随時発表しています。西遊旅行の野生動物ツアー一覧からチェック!

夏のインドで探鳥!スルタンプール編

久しぶりにインドの探鳥です!しかも夏。インドの探鳥は冬がメインですが、夏に繁殖期を迎える野鳥も多く、バードフォトグラファーにとってはなかなかの被写体もいます。まずはデリー国際空港からわずか1時間のスルタンプールへ。「スルタンプール国立公園」自体は5月半ばから9月半ばまで水源を減らすために休園中ですが、周囲の湿地・農耕地には様々な野鳥が見られ、休日となるとインド人野鳥フォトグラファーが集まります。

場所はデリーとグルガオンの間、住宅地、マンションと隣り合わせの湿地。インドトキコウ Painted Stork、ダイサギ  Great Egret、チュウサギ Intermediate Egret  の集団が。まさにインドの野鳥の姿、たくましい。

そこにインド人のバーダーさんたちの姿が。行ってみると昨日、シロエリハサミアジサシ Indian Skimmer が観察されたとの情報で集まっていた人々でした。シロエリハサミアジサシはチャンバル国立公園のチャンバル川で観察できるアジサシとして知られていますが、この都会に隣接する場所にやってきました。

いました、しかもシロエリハサミアジサシ Indian Skimmer は、カワアジサシ River Tern とレアなハジロクロハラアジサシ  White-winged Tern と一緒にいました。

シロエリハサミアジサシ(Indian Skimmer)

カワアジサシ(River tern)、シロエリハサミアジサシ(Indian Skimmer)

インドでもFacebookやコミュニティサイトであっというまに目撃情報が出回ります。

ハイバラカッコウ(Grey-bellied Cuckoo)

これは写真撮影が難しいハイバラカッコウ Grey-billed Cuckoo。鳴くのが7~8月だけでそれ以外の季節はほぼ見ることができない鳥です。

ハイバラカッコウ(Grey-bellied Cuckoo)

ハイバラカッコウは「電線」系でなかなか木にとまっているのを撮影するのが難しい鳥です。

そして夏のスルタンプールといえばこの子、コブガモ Knob-billed Duck。繁殖羽の雄を見れる、唯一の機会です。冬は見れたとしても「コブ」がありません。夏の繁殖中の雄スペシャル。

雄だけのグループ!しかも立派なコブをお持ちです♪ 一昔前のインドでは、当たり前の光景だったそうですが、開発が進みコブガモが繁殖できる場所も限られてきました。鳥ガイド氏によると、コブガモは水辺ではなく木の穴や廃屋で繁殖しているのが観察されているそうです。

コブが小さいですが、美し羽色を見せてくれた子。

オオヅル Saus Crane

インドの夏はオオズル Sarus Craneの繁殖です。この鳥も、コブガモと同様、繁殖地が脅かされています。ダンスは見れませんでしたが求愛の鳴き声が響いていました。

そのほか、スルタンプールらしい、夏に出会った野鳥たちです ↓↓

ベニスズメ Red Avadavat

ムナグロシャコ Black Francolin

 

建築材にとまっている、アオショウビン White throated Kingfisher とインダススズメ Sind sparrow 。

インドコキンメフクロウ(Spotted Owlet)

スルタンプールの野鳥は、人間が作ったものを最大に利用して暮らしています。ハイイロハッカ(Bank Myna) の巣。

高架の下はハイイロハッカのアパートになっていました。ハイイロハッカは冬に繁殖するのでそのころにはさらに賑わいます。

ハイイロハッカ Bank Myna のペア。

農道のアカアシトキ Red-naped Ibis とインドトサカゲリ Red-wattled Lapwing。人の暮らす場所にこれだけの野鳥が一緒に暮らしている、スルタンプールです。

<今回の訪問(7月下旬)の午前中の間に観察できた野鳥>

ムナグロシャコ(Black Francolin)、シマシャコ(Grey Francolin)、コブガモ(Knob-billed Duck)、カルガモ(Indian Spot-billed Duck)、カイツブリ(Little Grebe)、インドトキコウ(Painted Stork)、シロスキハシコウ(Asian Openbill)、シロエリコウ(Wolly-necked Stork)、オオフラミンゴ(Greater Flamingo)、アカアシトキ(Red-naped Ibis)、クロトキ(Black-headed Ibis)、リュウキュウヨシゴイ(Cinnamon Bittern)、ムラサキサギ(Purple Heron)、アマサギ(Cattle Egret)、ダイサギ(Great Egret)、チュウサギ(Intermediate Egret)、コサギ(Little Egret)、アジアコビトウ(Little Cormorant)、トビ(Black Kite)、エジプトハゲワシ(Egyptian Vulture)、シロハラクイナ(White-breasted Waterhen)、オオバン(Common Coot)、オオヅル(Sarus Crane)、インドイシチドリ(Indian Thick-knee)、レンカク(Pheasant-tailed Jacana)、カタグロツバメゲリ(River Lapwing)、インドトサカゲリ(Red-wattled Lapwing)、コチドリ(Little Ringed Plover)、エリマキシギ(Ruff)、アカアシシギ(Common Redshank)、タカブシギ(Wood Sandpiper)、オジロトウネン(Temminck’s Stint)、カワアジサシ(River tern)、ハジロクロハラアジサシ(White-winged Tern)、シロエリハサミアジサシ(Indian Skimmer)、カワラバト(Rock Pigeon)、シラコバト(Eurasian Collared Dove)、ベニバト(Red Collared Dove)、ワライバト(Laughing Dove)、ワカケホンセイインコ(Rose-ringed Parakeet)、ハイバラカッコウ(Grey-bellied Cuckoo)、オオバンケン(Greater Coucal)、インドコキンメフクロウ(Spotted Owlet)、インドブッポウソウ(Indian Roller)、ニシブッポウソウ(Eurasian Roller)、コウハシショウビン(Stork-billed Kingfisher)、アオショウビン(White-throated Kingfisher)、ミドリハチクイ(Green Bee-eater)、ルリホオハチクイ(Blue-cheeked Bee-eater)、ムネアカゴシキドリ(Coppersmith Barbet)、ミナミオオモズ(Iberian Grey Shrike (Southern Grey Shrike))、オウチュウ(Black Drongo)、イエガラス(House Crow)、コチャバネヤブヒバリ(Indian Bushlark)、シリアカヒヨドリ(Red-vented Bulbul)、シロハラハウチワドリ(Ashy Prinia)、アジアマミハウチワドリ(Plain Prinia)、オナガサイホウチョウ(Common Tailorbird)、ハイイロハッカ(Bank Myna)、インドハッカ(Common Myna)、ホオジロムクドリ(Asian Pied Starling)、バライロムクドリ(Rosy Starling)、シキチョウ(oriental Magpie Robin)、クロノビタキ(Pied Bushchat)、インダススズメ(Sind Sparrow)、キムネコウヨウジャク(Baya Weaver)、ギンバシ(Indan Silverbill)、ベニスズメ(Red Avadavat)、マミジロタヒバリ(Paddyfield Pipit)

インドの探鳥、夏もおすすめです!

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation: End of July 2022, Sultanpur area, Haryana, India

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セイロンガマグチヨタカ (6) Sri Lanka Frogmouth (シンハラジャ、スリランカ)

3月のスリランカ、シンハラジャの森での観察です。

セイロンガマグチヨタカの親子、ママ鳥が体を揺らしています!セイロンガマグチヨタカはスリランカの固有種ではありませんが、見られるのは南インドの西ガーツ山脈とスリランカだけ。お客様からのリクエストの多い鳥ですが、道なき藪の斜面を歩くことも。でも、こんな光景を見たらすべての苦労がぶっ飛びますね!

Sri Lanka frogmouth セイロンガマグチヨタカ

Videography & text : Mariko SAWADA

Observation : Mar 2022, Sinharaja Forest, Sri Lanka

★スリランカでのバードウォッチング/サファリ/野生動物撮影手配を承っています。Saiyu Lanka、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます。

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奄美大島ダイビング

★Japanese pygmy seahorse 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (10)

5月の奄美大島ダイビングのレポートです。アマミホシゾラフグを狙って15ダイブのうち、10ダイブをアマミホシゾラフグのサークルづくり観察に投入しましたが、残りの5ダイブも充実の生き物観察でした。>>「アマミホシゾラフグのサークルづくり」はこちら

Broadclub cuttlefish コブシメの卵 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (5)

この時期はコブシメの産卵の季節。本来、コブシメも観察予定だったのですが、今年は数が少なく集団で産卵する様子は見れませんでした。ユビエダハマサンゴの奥にあったコブシメの卵です。中に赤ちゃんが見えてます、まだ小さいですね。

コブシメの体色変化 color change of Broadclub cuttlefish

コブシメの体色変化は本当に面白いです。私が近づいたら機嫌が悪くなり、少し移動してから擬態はじめました、笑。

奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (8)

外洋の砂地にある根にいたカシワハナダイのオス。スカシテンジクダイの群れを背景に泳ぐ姿はとてもきれいでした。

奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (7)

外洋ポイントのキンメモドキの群れ。

ゾウゲイロウミウシ Hypselodoris bullockii 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (10)

Photography by Chizuko MURATA

ゾウゲイロウミウシを赤いカイメンに乗せて撮影。和柄みたいになりました。

Japanese pygmy seahorse 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (10)

Photography by Chizuko MURATA

このポイントの嬉しいのは水深15mと浅いところにピグミーシーホース Hippocampus bargibantiがいることです。このピグミーシーホースは、黄色や赤色のウミウチワというソフトコーラルについています。擬態して同じ色になり、さらにポリプまで擬態。初めて小笠原で見たときはどこにいるのかわかりませんでしたが、回数を重ねて少しわかるようになってきました。

大仏サンゴ 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (2)

そして大仏サンゴ。大きなコモンシコロサンゴ群です。

Purple queen ハナゴイ 大仏サンゴ 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (1)

サンゴの上にはハナゴイが群れていました。

Purple queen ハナゴイ 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (12)

尻尾が黄色くなった婚姻色のハナゴイのオス。私が近づくと黄色かった尻尾が卵色になりました。興ざめしたようです。

ハナゴイ乱舞 Purple queen wild dance(Videography by Chizuko MURATA)

ハナゴイが雨のように降る光景も見れて、大変きれいでした。

Bubble Coral Shrimp 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (13)

バブルコーラルシュリンプ。卵を抱えていました。

奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (6)

そしてハイライトのアマミホシゾラフグのサークルの観察です。水底は細かい砂で巻き上げないようにかなり注意しなくてはなりません。着底してしばらくするとモクモクと濁ってきたりします。

奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (16)

天気が悪く透明度の悪い日なんてこんな感じです。深いし透明度のこともあり、しっかり観察したい人は複数回のチャンスがあったほうがいいのです。

アマミノホシゾラフグ mystery cercle Amami 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (4)

仕上げ段階のアマミホシゾラフグ。

アマミノホシゾラフグ mystery cercle Amami 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (3)

完成したサークル。このサークルを上から見ることなくこれだけ緻密に完成させるアマミホシゾラフグ、ただものではありません。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (14)

あとはメスを待つだけ、アマミホシゾラフグのオス。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (15)

翌日、卵(真ん中の灰色のもの)が産み付けられたサークル。このあと、オスは卵のお世話だけをしてサークルのメンテナンスは行いません。

奄美大島に6連泊したのですが、毎日の食事はとても楽しみでした。毎日が食べ歩きの日々。シマダコ、コブシメ、キハダマグロ、タイの仲間、夜光貝・・・。

奄美のおすすめレストラン 纏(まとい)奄美大島ダイビング Amami Oshima Scuba Diving (18)

毎日雨が降った梅雨の奄美大島でしたが、海と食を堪能したダイビング企画でした、ご参加のみなさま、お世話になったダイブシピーシーズ諏訪様ご夫妻、ありがとうございました!

 

Image & Text : Mariko SAWADA

Photographs and video provided by Chizuko MURATA

Observation: May 2022, Amami-Oshima

Special Thanks : Dive Spiecies Amami, Mr.Suwa Homare

ユキヒョウ、狩りの後の姿(パキスタン)

ユキヒョウ Snow Leopard Pakistan Indus Caravan saiyu Travel (1)

ユキヒョウの鳴き声を聞きその姿を探していたガイドが戻ってきて、「おめでとう」と。彼が双眼鏡を向けた方向に見たものは、仕留めたばかりのアイベックス(しかも頭ガチ割れ)と片目を傷めたユキヒョウの姿。息を飲む瞬間でした。

ユキヒョウ Snow Leopard Pakistan Indus Caravan saiyu Travel (7)

アイベックスの頭が割れている様子や切り立った崖の下にいたことから、かなりの高さからアイベックスとユキヒョウが落ちたことが想像されます。そこからこの岩のくぼみまでアイベックスを運んできたユキヒョウ。引きずった跡が残っていました。

ユキヒョウ Snow Leopard Pakistan Indus Caravan saiyu Travel (8)

片目が腫れていて、動きが非常に不自由な様子でした。ユキヒョウもこの狩りで大きなけがを負ったようです。ガイドが、このユキヒョウは死んでしまうのではないか、と心配し始めました。骨が折れている可能性があり、もう次の狩りができないのでは、と。

厳しい肉食獣の野生の姿を目の当たりにした瞬間でした。

ユキヒョウ Snow Leopard Pakistan Indus Caravan saiyu Travel (6)

それでも寝ている姿は猫らしい表情を見せてくれたりもしました。

ユキヒョウ Snow Leopard Pakistan Indus Caravan saiyu Travel (5)

狩りで疲れている+お腹いっぱい=爆睡です。

ユキヒョウ Snow Leopard Pakistan Indus Caravan saiyu Travel (2)

私たちのことはお構いなく、寝ています。

ユキヒョウ Snow Leopard Pakistan Indus Caravan saiyu Travel (13)

スコープでも観察。この春にHobby’s Worldさんに相談して購入したばかりのKOWAのスコープにiphoneをつけて撮影しました。

ユキヒョウ Snow Leopard Pakistan Indus Caravan saiyu Travel (11)

肉球が・・・。

ユキヒョウ Snow Leopard Pakistan Indus Caravan saiyu Travel (10)

猫ですー。

ユキヒョウ Snow Leopard Pakistan Indus Caravan saiyu Travel (9)

ドキッとする、ユキヒョウの灰色グレーの目。

この後、ユキヒョウは一度起き上がると穴の奥のほうへと行ってしまいました。歩くこともままならない傷ついたユキヒョウの姿に動揺しました。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation :Apr 2022, KVO area, Gilgit-Baltistan, Pakistan

カラコルムの自然を守る – クンジェラブ峠清掃活動

カラコルムの自然を守る クンジェラブ峠清掃活動 save nature of karakorum saiyu travel (1)

この4月のパキスタンのユキヒョウツアーはサイティングにも恵まれ素敵な旅となりましたが、訪れたクンジュラブ峠付近はごみが散乱しマーモットがごみを巣穴に運ぶ姿もみかけました。ツアーご参加のみなさまのご支援を受け、アブル・ハーン氏とモルホン村のボーイスカウトが5月4日にクンジュラブ峠付近の清掃活動を行いました。行政へお願いしても迅速な対応は期待できず、パキスタン国内観光客のごみに対する意識改革にも時間を要します。今シーズンはあと2回の清掃活動を行う予定にしています。

ごみを巣穴へ運ぶマーモット

冬眠明けのお腹を空かせたマーモットがごみを食べる姿はつらいものでした。

カラコルムの自然を守る クンジェラブ峠清掃活動 save nature of karakorum saiyu travel (2)

モルホン村のコミュニティホールで清掃活動についての説明をするアブル氏。

カラコルムの自然を守る クンジェラブ峠清掃活動 save nature of karakorum saiyu travel (7)

中国との国境付近は観光客の最終目的地で一番ごみが多い場所です。標高4,600mを越える高所での作業は地元の人々の協力が強力が必要です。

カラコルムの自然を守る クンジェラブ峠清掃活動 save nature of karakorum saiyu travel (8)

カラコルムハイウェイ添いの溝を清掃。お菓子のパッケージ、ペットボトル、オムツ、マスクなどが落ちていました。どうして車窓からごみを投げ捨てることができるのでしょうか。

カラコルムの自然を守る クンジェラブ峠清掃活動 save nature of karakorum saiyu travel (3)

ごみ拾いに参加した子供。

カラコルムの自然を守る クンジェラブ峠清掃活動 save nature of karakorum saiyu travel (5)

集めたごみは、峠で焼却処分しました。

今年はシーズンの前と後の2回の清掃を行いたいと思っています。今なら美しい自然を取り戻すことができます。「世界の尾根」と称されるカラコルム山脈、パミール高原の自然と野生動物の環境を守るため、微力ですができるとことからやっていきたいと思います。

<ご支援のお願い>

西遊旅行の取り組み ”持続可能なツーリズムを目指して” カラコルムの自然を守る クンジェラブ国立公園 クリーンナップ募金のご案内

Image & text : Mariko SAWADA

※同じ記事をブログ「ディスカバーパキスタン」においても掲載しております。

アマミホシゾラフグのサークル作り(奄美大島)

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (2)

テレビでも番組が放映されたりして話題になった、奄美大島の「海底のミステリーサークル」。1995年に水中写真家が見つけ、だれがいったい、何のために作ったのかわかっていませんでした。それが小さななフグが作ってると分かったのは2011年のこと。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (1)

奄美大島の「海底のミステリーサークル」。水深30m付近に作られることが多く、深さのため長い時間潜って観察することもできず、また季節も潮回りも限られるため、この作り主のフグに出会うまでに16年かかったのだそうです。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (32)

これがアマミホシゾラフグ Torquigener albomaculosus のオス、サークルの作り主です。このフグは2014年に「新種」として登録されました。アマミホシゾラフグの名前は背中の水玉模様が奄美大島の夜空の星のように美しいことに由来します、本当にキレイな名前!

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (26)

私たちはこのアマミホシゾラフグがサークルを作る過程を5日間にわたって観察しました。この写真はサークルのふちを貝殻で飾り付けているアマミホシゾラフグ。大きい貝はかみ砕いたりもするそうです。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (8)

サークルづくりの最初は気に入った場所の海藻などを取り除く作業から始まります。サークルの基礎となる溝を作っていきます。外側のサークルの溝作りでは胸鰭で砂を左右に巻き上げ、その砂が両側に堆積し、より深い溝になっていきます。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (21)

サークルの真ん中の卵を産んでもらうところはお腹でやさしく浅い溝を作ります。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (29)

サークルづくりの仕上げをするアマミホシゾラフグ。最終メンテナンスに大忙しです。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (27)

あとはこのサークルを気に入ってよってくるフグの女の子を待つだけ!

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (38)

2022年の5月上旬の潮回りのときは、潜れる範囲に7つのサークルがありました。この日の朝、サークルの真ん中に卵がありました。真ん中のグレー色のものが卵です。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (36)

卵を産むとメスはすぐにいなくなってしまい、オスがせっせと卵のお世話をします。ヒレで卵と砂をかきまぜ、新鮮な海水を送ります。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (37)

卵のお世話に忙しいアマミホシゾラフグのオス。もうサークルのメンテナンスは行われなくなり、少し崩れ始めています。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (22)

で、7つのサークルのうち6つのサークルには卵があったのですが、私たちが毎日見守っていた水深30mの「フグ太」のサークルには卵がありませんでした。毎日見ていた私たちにとって「一番キレイで立派なサークル」と思っていたのですが、フグのメスに選ばれなかったのです。フグと私たちの選ぶ感覚に差があるのでしょうが、それでも「コンクールで一等確実と思ってた子が予選落ちした」感じで非常に納得いきませんでした。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (23)

健気にまだメンテナンスをするフグ太。それでも昨日ほどの元気はなく、ショボショボと作業をしていました。

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (35)

フグ太。この時のサークルは最終的にメスに選ばれず、放棄されました。繁殖シーズンはあと2か月ほど続きます。次の潮回りではきっと女の子に選ばれるサークルを作ってね、と祈りながら海底を後にしました。

5日間15ダイブのうち、10ダイブをアマミホシゾラフグの観察に費やしました。サークル作り、メンテナンス、卵のお世話・・というステージを観察。相当、頭のいいお魚です。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : May 2022, Amami Oshima

Special Thanks : Dive Species Amami, Mr.Suwa Homare

(動画)マカジキ、イワシのベイトボールを狙う!(バハカリフォルニア)

マカジキ ベイトボールを狙う バハカリフォルニア Striped Marlin (2)

昨年訪れた、バハカリフォルニアスール太平洋側。マカジキ Striped Marlin がイワシのベイトボールを追う映像です。カリフォルニアアシカも参戦!

マカジキ、イワシのベイトボールを狙う vol.01

下の動画は、ボートから見たイワシの群れ、それを狙うアメリカグンカンドリ、カジキの様子入れてみました!

マカジキ、イワシのベイトボールを狙う Vol.02

Video & text : Mariko SAWADA

★2022年11月のツアー、現地発着で募集中・残席僅かです!

https://www.saiyu.co.jp/itinerary/new/GLMX22/

(動画)ペリリューのイレズミフエダイの集団産卵(パラオ)

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (2)

パラオ共和国、ペリリュー島海域で見られるイレズミフエダイの集団産卵です。普段は深いところにいるイレズミフエダイですが、例年3~5月の新月前にペリリューコーナー付近で大群が観察されます。ダイバーにとって憧れのポイントですが、流れがキツいことで知られています。

3月25日~27日の3日間、イレズミフエダイを狙ってペリリュー海域へ。ペリリューコーナー付近の流れはウワサ通りカメラを持って入れる状況ではありませんでしたが、イレズミフエダイが産卵の後にやってきて休憩しているイェローウォール付近ではゆっくり観察することができました。

ペリリューのイレズミフエダイ Peleliu’s Salfin Snapper aggregation

イレズミフエダイ、ものすごくたくさんいます!

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (6)

初日は35m付近を移動するイレズミフエダイ遭遇。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (7)

深いので追いかけるのはそこそこに。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (1)

翌朝のペリリューコーナーは流れで写真を撮る余裕がありません。必死な我々と悠々と泳ぐイレズミフエダイ。卵を狙う魚たちは強い流れがきらいなので、イレズミフエダイはこの流れの強い場所で産卵するのではないかと考えられるそうです。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (4)

奥で産卵しているのが見えましたが、近づけないし写真を撮る余裕がありません、フォーカスとかぜんぜん無理。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (8)

イエローウォールにて休憩中のイレズミフエダイ、背びれがのびているのが繁殖期のオス。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (3)

今回天候が不安定で、エントリーをあきらめなければならないこともありましたが、3日目のイエローウォールでは明るい光にも恵まれて大群を見ることができました。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (10)

で、陸に上がったイレズミフエダイはこんな感じです。1月に訪問した時、コロールのローカル魚市場で買ってもらいました。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (11)

夜、お刺身とセビッチェもどきをつくってみました。それはそれは美味なお魚。美しく美味しいイレズミフエダイに感謝。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (13)

そして我々を安全にペリリューの海へ案内していただいた、龍馬クルーズのスタッフのみなさまに大感謝です。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : March 2022, Peleliu, Palau

(動画)スコープで見たインドオオコウモリ Indian flying fox seen through a scope

インドオオコウモリ Indian flying fox Sri Lanka safari Saiyu Lanka saiyulanka (1)

スコープで観察したインドオオコウモリ Indian flying fox の動画です。場所はスリランカ南部、ヤーラ国立公園に近いティッサ湖畔 Tissa Lake。水辺の鳥のバードウオッチングと日暮れ時のコウモリの飛び立ちで人気のあるスポットです。

スコープにアダプターでiphonをつけて撮影。昼寝から目覚め、体をクリーニングして飛び立ちの準備をしているインドオオコウモリの姿です。

 

インドオオコウモリ Indian flying fox

インドオオコウモリ Indian flying fox はインド亜大陸に生息するコウモリで、一番大きな種です。翼開長は1.2~1.5m、体の幅は15~22cm、体重は1.6Kgにもなります。夜行性で、日暮れの20~30分後に飛び立ち、熟した果実や蜜を採食します。

訪れたこの日はあいにくの雨で、飛び立ちを待ちましたがあまりに雨がひどいので宿に引き上げました。

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : Mar 2022, Tissa Lake, Sri Lanka