ボツワナ北部、ナミビアのカプリビ回廊との国境沿いに広がるクワンド川流域にて「オオミミギツネの家族」と出会いました。
クワンド川流域は湿地や草原に富んだ野生動物の宝庫で、今回の観察地もその川近くのサバンナ地帯でした。
それは帰国当日の早朝のこと。
それまでの観察でも何度かオオミミギツネの姿は確認できたものの、いつもすぐに茂みに逃げ込んでしまい、なかなかじっくりと観察することができませんでした。
ところがこの日は様子が違い、開けた場所でのんびりと過ごすオオミミギツネの群れに出会えたのです。
しかも、その数は6頭。
通常、サファリで目にするのは2頭のオオミミギツネが多いのですが、今回は群れで、互いにリラックスした様子を見せていました。
オオミミギツネは東アフリカと南部アフリカで亜種が分かれており、今回見たのは南アフリカの亜種(Otocyon megalotis megalotis)です。この南部の亜種は、一夫一婦制でつがいとその子どもたちが家族単位で生活する習性があります。
オオミミギツネは一度の出産で4〜6匹の子を産みますが、母親には乳首が4つしかないため、4匹までしか育たないとされています。
今回の群れも、親2頭とその子ども4頭からなる家族だったのかと思います。
観察した子どもたちはすでにかなり成長しており、大人とほぼ同じサイズか若干小さい程度に見えました。
ボツワナでは、オオミミギツネの出産は10月~12月とされており、今回の3月の観察時には子どもたちは生後4~5ヶ月ほど。生後5~6ヶ月で家族集団を離れるといわれているため、もしかするとこれは子どもたちが親元で過ごす最後の数日だったのかもしれません。
朝の挨拶なのか、すれ違いざまにお互いを舐めあう子供たち。
家族のきずなを感じさせる穏やかな時間の中、のんびりとした時間を過ごす親子の姿がとても印象的でした。
Photo & Text : Wataru YAMOTO
Observation : Mar 2025, Kwando concession, Botswana
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