姫野による、琉球ハーピングブログ第2弾は、9 月下旬に沖縄本島のハーピングで観察した両生類たちをご紹介します。
最初に出てきたのは、日本一美しいカエルとも名高い オキナワイシカワガエルです。
![1,オキナワイシカワガエル(青)](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/06a455b0070074f20e7dc461d616b19b.jpeg)
オキナワイシカワガエル (学名:Odorrana ishikawae 、 英名 Okinawa ishikawa’s frog )
絶滅危惧ⅠB 類 、沖縄県指定天然記念物、国内希少野生動植物種などに指定されていて、世界でも沖縄本島の北部にしか生息しないカエルです。今回我々が観察したのは黄色の色素が欠乏した青色の個体でした。青色の個体は時々生まれるのですが自然界では外敵から目立ちやすいため生存率がとても低く、観察できたのはとても幸運でした。
![2,オキナワイシカワガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/6934cb32c0ed847c26b1e91630eaaaca.jpeg)
通常の個体は、緑色に黒ぶちの体色をしています。
![3,オキナワイシカワガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/6d6a9b863a2c836496c38764bfaf87f9.jpg)
一見こちらも派手ですが、生息地の苔の生えた岩に綺麗に擬態しています。
![4,リュウキュウアカガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/a9117115dc25bcd74d2fc5c9f23671c7.jpeg)
リュウキュウアカガエル(学名:Rana ulma、英名:Ryukyu brown frog )
本州のアカガエルと比べて口の周りの白くなった模様が特徴的です。真冬の1 月頃に繁殖期を迎えることが知られています。繁殖のために条件の整った渓流に沢山のリュウキュウアカガエルが集まります。 必死に鳴いてメスを呼ぶオスたち、数匹のオスにしがみつかまれ、そのまま溺れていくメスなど、懸命に生き抜くカエルの ドラマが生まれる季節です。また、エサの少ない冬ですので、ヒメハブやガラスヒバアなどのカエルを好む生き物たちも集まります。
![5,ヒメハブ](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/b13f2deb9ed91a6f777d766b175dde81.jpeg)
水辺でカエルなどのエサを待ち伏せするヒメハブ。
![6,リュウキュウアカガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/2d57d20eafb59f8657062f25dccdf0cd.jpeg)
脇をヒルに吸われるリュウキュウアカガエル。
![7,リュウキュウアカガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/5683f155f6897ee9c2c8c9d33361c663.jpeg)
ジャングルの落ち葉に綺麗にカモフラージュしています。
![8,ナミエガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/d07211b1ef6141e6a3219112790b253f.jpeg)
ナミエガエル(学名: Limnonectes namiyei、英名: Namie frog )
ナミエガエルも観察できました。こちらも沖縄本島北部にしか生息しないカエルです。ひし形の目が特徴の半水生のカエルで、渓流の近くに生息しています。現在は保護されていますが、以前は食用として扱われていたそう。 他のカエルとは違い、水中でカニやエビを食べている種ですので美味しいのでしょうか。
![9,ナミエガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/b42d2344f103cd544d3ee3940a1bbae7.jpeg)
ナミエガエルのひし形の目!水中で餌を食べることも多いことからもわかるように、水中を滑らかに泳ぐ姿が観察されました。
![10,ハナサキガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/a6dd32f75a992e7b115483d65b6c0a45.jpeg)
ハナサキガエル (学名 Odorrana narina、 英名:Ryukyu tip-nosed frog )
また、今回一番多く観察されたカエルのハナサキガエル です。綺麗に木に同化した茶色の個体。
![11,ハナサキガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/356c1f1ac1c13e036d9b79a05eff0255.jpeg)
こちらは明るい色の個体。
![12,ハナサキガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/db64b54bdddca6fdcd7912007c6dbeb4.jpeg)
緑色の個体など様々な色合いの子がいてとても魅力的です。
奄美大島には、また色合いの違うアマミハナサキガエル、先島諸島にはオオハナサキガエル、コガタハナサキガエルなど近縁種が沢山生息しているので全種類観察し違いを確かめてみたいです。
手足がとても長いため、ジャンプ力が非常に高く、一度動くとすぐに見失ってしまいました。沖縄本島北部の固有種のうち、ハナサキガエルのみ天然記念物に指定されていないという逆に珍しいカエルです。
![13,リュウキュウカジカガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/98106a8f449047a116137475cf3a74ab.jpeg)
リュウキュウカジカガエル(学名: Buergeria japonica 、英名: Ryukyu kajika frog)
リュウキュウカジカガエルとも出会いました。学名のジャポニカとあるように以前は、二ホンカジカガエルと呼ばれていたそうですが、本州にいるカジカガエルとは、全くの別種です。色合いがとて綺麗ですが、沖縄本島では全土で一般的に観察される種類です。先島諸島には、ヤエヤマカジカガエルなどの近縁種がいます。
![14,リュウキュウカジカガエル](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/68b9aff1e1873b4fefba0ec0ac778da7.jpeg)
クワズイモの 茎の間で休む、リュウキュウカジカガエル 。
![15,オキナワシリケンイモリ幼生](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/3c132f8ca3000c815da68b8abeade9fc.jpeg)
オキナワシリケンイモリの幼体
![16,オキナワシリケンイモリ](https://www.saiyu.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/10/67169e649d0b46afdedb2419fe126248.jpeg)
オキナワシリケンイモリ(学名:Cynops ensicauda 、 英名:Fire-bellied Newts)
ウーパールーパーのようなエラのまだ生えたオキナワシリケンイモリにも出会いました。本土に生息するアカハライモリよりも陸上で生活することが多いイモリです。写真に収めることはできませんでしたが、幼生のお腹は黒色で驚きました。沢山の両生類の観察でき、沖縄の自然の豊かさを実感するハーピングでした。
Photo & text : 姫野航 Wataru HIMENO
Observation : End of SEP, Okinawa Island “Forest of Yanbaru”