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(動画)ペリリューのイレズミフエダイの集団産卵(パラオ)

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (2)

パラオ共和国、ペリリュー島海域で見られるイレズミフエダイの集団産卵です。普段は深いところにいるイレズミフエダイですが、例年3~5月の新月前にペリリューコーナー付近で大群が観察されます。ダイバーにとって憧れのポイントですが、流れがキツいことで知られています。

3月25日~27日の3日間、イレズミフエダイを狙ってペリリュー海域へ。ペリリューコーナー付近の流れはウワサ通りカメラを持って入れる状況ではありませんでしたが、イレズミフエダイが産卵の後にやってきて休憩しているイェローウォール付近ではゆっくり観察することができました。

ペリリューのイレズミフエダイ Peleliu’s Salfin Snapper aggregation

イレズミフエダイ、ものすごくたくさんいます!

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (6)

初日は35m付近を移動するイレズミフエダイ遭遇。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (7)

深いので追いかけるのはそこそこに。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (1)

翌朝のペリリューコーナーは流れで写真を撮る余裕がありません。必死な我々と悠々と泳ぐイレズミフエダイ。卵を狙う魚たちは強い流れがきらいなので、イレズミフエダイはこの流れの強い場所で産卵するのではないかと考えられるそうです。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (4)

奥で産卵しているのが見えましたが、近づけないし写真を撮る余裕がありません、フォーカスとかぜんぜん無理。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (8)

イエローウォールにて休憩中のイレズミフエダイ、背びれがのびているのが繁殖期のオス。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (3)

今回天候が不安定で、エントリーをあきらめなければならないこともありましたが、3日目のイエローウォールでは明るい光にも恵まれて大群を見ることができました。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (10)

で、陸に上がったイレズミフエダイはこんな感じです。1月に訪問した時、コロールのローカル魚市場で買ってもらいました。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (11)

夜、お刺身とセビッチェもどきをつくってみました。それはそれは美味なお魚。美しく美味しいイレズミフエダイに感謝。

パラオ ペリリュー イレズミフエダイ ペリリューエクスプレス オレンジウォール イレズミフエダイ集団産卵 龍馬クルーズ (13)

そして我々を安全にペリリューの海へ案内していただいた、龍馬クルーズのスタッフのみなさまに大感謝です。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : March 2022, Peleliu, Palau

ジャーマンチャネル、マンタの捕食タイム(パラオ)

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (2)

パラオのジャーマンチャネルのマンタ捕食タイムを狙ってエントリー。クリーニングされるマンタに始まり、グルクンの群れ、それを追う捕食魚、マンタの乱舞と忙しいダイビングとなりました。

「ジャーマンチャネル」はパラオがドイツの植民地だった時代(1899年~1914年)に作られた人工水路。ボート上から見てもまっすぐに伸びる水路が見え、今ではマンタ(オニイトマキエイ)の通り道になっています。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (1)

クリーニングステーションのマンタ。小さな魚に寄生虫をとってもい気持ちよさそうです。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (7)

マンタの捕食シーンを見るには一定の条件が必要で、プラクトンが集まらなければなりません。プランクトンが集まると、グルクンの群れが現れました。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (4)

そしてマンタも。プランクトンが多いとぐっと透明度が下がりますが、テンションはあがります。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (5)

グルクンの群れとマンタ。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (11)

捕食タイムの始まりです。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (12)

マンタも素敵ですが、グルクンの群れも圧巻。上に、下にと集団で移動する光景に目が回りました。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (13)

マンタとグルクンの群れ。

パラオ ジャーマンチャネル マンタ捕食 絶景German Channel Manta Palau  (9)

マンタとグルクンが入り乱れます。

ロウニンアジ パラオ ジャーマンチャネル (2)

ロウニンアジも登場。

トラフザメ ジャーマンチャネル パラオ (1)

この子は誰?

トラフザメ ジャーマンチャネル パラオ (2)

トラフザメです!英名はZebra Sharkで、ゼブラ(シマウマ)というよりレオパード・・・と思っていたら、ゼブラは幼魚の模様に由来するんですね。トラフザメは水温が高くなって最近見ることが少なくなったと聞いていましたが、泳いでる姿を見れてラッキー、これはボーナスです。

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Feb 2022, German channel, Palau – Special thanks to Day dream

カンムリブダイの集団産卵 The Group spawning of Green Humphead Parrotfish

カンムリブダイの集団産卵 The Group spawning of Green Humphead Parrotfish パラオ (17)

パラオの3大集団産卵シーンのひとつが「カンムリブダイの集団産卵」。新月前にパラオの「グラスランド」というポイントで見られる現象で、現場は本当に圧巻でした。いろんな生き物のシーンに出会ってきましたが、カンムリブダイが子孫を残すために繰り広げる一大ページェントに大感動でした。

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早朝にコロールを出発しグラスランドへ。早めに到着し、カンムリブダイの集まり具合をチェック。ワクワクしながら船で待つ私たち。空が明るくなり始めました。そして、「エントリー」の声。

カンムリブダイの集団産卵 The Group spawning of Green Humphead Parrotfish パラオ (8)

カンムリブダイが集まっています!カンムリブダイはブダイ科の魚で体長1~1.2mほどにもなる大きな魚。普段は単独でサンゴをかじっている魚ですが(1年に5トンのサンゴを食べて、糞として3トンのサンゴの砂を作るそうです)、産卵の時は卵が沖へ行きやすい場所に集まります。

カンムリブダイの集団産卵 The Group spawning of Green Humphead Parrotfish パラオ (19)

群れの中から飛び出たメスを追いかけてオスのグループが追いかけて放精抱卵。メスに一番近く寄れるオスだけが子孫を残せます。卵を狙ったEgg Eaterの魚たちもスタンバイしていました。

カンムリブダイの集団産卵 The Group spawning of Green Humphead Parrotfish パラオ (16)

興奮したオスの顔とオデコは白くなります。見ていてどれがメスかわからなかったのですが、きっとオデコが白くないのがメスなのでしょう。

カンムリブダイの集団産卵 The Group spawning of Green Humphead Parrotfish パラオ (14)

どんどん盛り上がってきて、あちこちでオスの衝突が発生します。衝突の時に音がするそうですが、興奮した私には聞こえてませんでした。次回は注意してぜひ聞いてみたいです。

カンムリブダイの集団産卵 The Group spawning of Green Humphead Parrotfish パラオ (2)

上の方で待ってぶつかり合うオスたちを撮るのがコツ、と教えてもらいました。その方が明るく撮れます♪

カンムリブダイの集団産卵 The Group spawning of Green Humphead Parrotfish パラオ (13)

ぶつかり合うカンムリブダイ。

カンムリブダイの集団産卵 The Group spawning of Green Humphead Parrotfish パラオ (1)

海の上の方は放精で真っ白になっていきます。

カンムリブダイの集団産卵 The Group spawning of Green Humphead Parrotfish パラオ (3)

集団で移動し、ぶつかりあうカンムリブダイ。1時間弱のダイビングを終えて浮上した時、水面で感謝の言葉しかでませんでした。これぞ、ワイルドドライフ!

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2021, Palau  –  Special Thanks to “Day dream”

ジェリーフィッシュレイク Jellyfish Lake(パラオ)

パラオ ジェリーフィッシュレイク Jerryfish Lake ロックアイランド マラカル島 世界遺産 タコクラゲ亜種 Golden Jerryfish (6)

以前から一度は行ってみたいと思っていたパラオ共和国の「ジェリーフィッシュレイク」。ようやく訪問の機会がありました。水温上昇が原因なのか、2014年ごろに20匹くらいにまで減ってしまい心配されましたが、今は回復し十分な数のクラゲを見ることができました。

パラオ

パラオの美しい海!コロナ・パンデミックで訪問者が激減したことで、サンゴが回復したり、魚がゆったりしていたりといいこともありました。

パラオ ジェリーフィッシュレイク Jerryfish Lake ロックアイランド マラカル島 世界遺産 (1)

ジェリーフィッシュレイクがあるのはパラオのロックアイランドを構成する島の一つ、マラカル島。ロックアイランドはコロール州にある400ほどの島々の総称で昔のサンゴ礁が隆起してできた石灰岩の島です。日本のパラオ統治時代(1914年から1945年終戦までの31年間)には「パラオ松島」と呼ばれた景勝地です。

パラオ ジェリーフィッシュレイク Jerryfish Lake ロックアイランド マラカル島 世界遺産 (2)

ジェリーフィッシュレイクへの桟橋に到着。ここからは歩いて湖まで行きます。森の中の山道の階段を上がって、下がって。あまり重いものは持っていかない方がいいです。

パラオ ジェリーフィッシュレイク Jerryfish Lake ロックアイランド マラカル島 世界遺産 タコクラゲ Golden Jerryfish (11)

「Ongeim’l Tketau」はジェリーフィッシュレイクのパラオ名。下に「World Heritage Site」とありますが、2012年に「南ラグーンのロックアイランド群」として世界遺産に登録されました。

ユネスコのホームページには下記のように記されています。

「南ラグーンのロックアイランド群
パラオ南西部に浮かぶロック諸島の南ラグーンは、石灰岩の大小の島々と周囲のサンゴ礁からなる。445に及ぶサンゴ礁由来の島々は火山活動による隆起によって誕生し、淡水湖と海水湖からなる52の海洋湖は「生物進化の実験室」と呼ばれるほど多様な性質を持つ。746種の魚類、385種のサンゴ、13種のサメとマンタが生息する水域は、新種が次々と見つかる生物多様性の宝庫。現在は無人島だが、紀元前3100年から2500年間にわたって人が住み、洞窟や岩絵、墓など生活の痕跡があることから、複合遺産に登録された。」

パラオの海を潜っていると本当にたくさんの魚と出会えます。さすが世界遺産に指定された「生物多様性の宝庫の海」!

パラオ ジェリーフィッシュレイク Jerryfish Lake ロックアイランド マラカル島 世界遺産 

到着したジェリーフィッシュレイク。クラゲたちはこの湖を回遊しています。湖の端に浮桟橋がありここからエントリーします。

ここで、注意。クラゲはとってもか弱い生き物。フィンがあたると体が傷つき傘の部分と体が切れたりして死んでしまいます。フィンはゆっくり動かし当たらないように心掛ける必要があります。また、湖は下に行くほど酸素濃度が下がり硫化水素の濃度が上がるので潜ったりすることは禁止されています。また当然ですが日焼け止めクリームも禁止です。

パラオ ジェリーフィッシュレイク Jerryfish Lake ロックアイランド マラカル島 世界遺産 タコクラゲ亜種 Golden Jerryfish (5)

エントリーしてしばらくすると数匹のクラゲが現れ、やがて周囲がクラゲだらけに。癒しの光景。

このクラゲはタコクラゲ Spotted jellyfish Mastigias papua の亜種でGolden Jellyfish  Mastigias papua etpisoni と呼ばれるタコクラゲの仲間です。

パラオ ジェリーフィッシュレイク Jerryfish Lake ロックアイランド マラカル島 世界遺産 タコクラゲ亜種 Golden Jerryfish (3)

タコクラゲの足は8本。中には少ない個体や多い個体もいるようです。ジェリーフィッシュレイクの亜種タコクラゲはタコクラゲと比べ触手が短いのが大きな特徴です。光合成で酸素や栄養素を作る共生性の藻類が体内にあり、藻類の光合成産物をエネルギーが得られるめ触手の役割が退化したと考えられるそうです。

パラオ ジェリーフィッシュレイク Jerryfish Lake ロックアイランド マラカル島 世界遺産 タコクラゲ亜種 Golden Jerryfish (2)

それにしてもいつまでも浮いていられる不思議な光景!コロナ・パンデミック中の訪問のため観光客がほとんどおらず、ジェリーフィッシュレイクは貸し切り。「こんなことは二度とないよ」と言われました。

ホソスジマンジュウイシモチ Orbiculate cardinalfish パラオ ジェリーフィッシュレイク Jerryfish Lake (2)

浮桟橋に戻るとかわいらしいお魚が!ホソスジマンジュウイシモチ Orbiculate cardinalfish、テンジクダイ科のお魚です。太平洋に分布し、浅いところで小さな群れを作る魚で、この時も7~8匹の群れでいました。

ホソスジマンジュウイシモチ Orbiculate cardinalfish パラオ ジェリーフィッシュレイク Jerryfish Lake (1)

そしてここのホソスジマンジュウイシモチは「手乗り」するんじゃないかと思うほど近くにやってくる、人に慣れた子たちです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2022, Jellyfish Lake, Parau