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シュクラファンタ野性動物保護区のバラシンガジカ(ネパール)

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南西ネパールのインドとの国境にある野生動物保護区シュクラファンタは世界最大のバラシンガジカ(インドヌマジカ)の群れが暮らす草原があります。

シュクラファンタ野生動物保護区 Shukla Phanta Wildlife Reserve

ネパールとインドとの国境地帯に広がる草原を擁する保護区で、公園の南は国境の川をはさんでインドのキシャンプール野生動物保護区があり、あわせて広大な自然保護区を作り出しています。公園内にはアジアゾウやインドサイ、ベンガルタイガーも生息しますが、この公園の特徴はバラシンガジカ(インドヌマジカ)。運が良ければ大群が草原を横切る光景を見ることができます。また、4~5月は稀少な鳥ベンガルショウノガン(Bengal Florican)が観察ができる季節です。残念ながら公園はマオイスト時代の治安の問題と観光客向けの設備投資が行われてこなかったことから、宿泊施設や「サファリ」のためのサービスはほとんど整っていないのが現状です。

5月初旬、シュクラファンタ野性動物保護区を訪問。確かに「サファリ」のようなものは発達しておらず、園内に入る車を探すのにも一苦労でした。

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園内に入るとインド・ネパールの森の野鳥たちが迎えてくれます。カンムリワシ Crested Serpent Eagle。

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インドブッポウソウ Indian Roller

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森を通り抜けるとシュクラファンタの草原へ出ました。バラシンガジカの親子です。

バラシンガジカ Barasingha は別名インドヌマジカとも呼ばれ、インドの中・北部に分布します。3亜種に分かれ、インドのカジランガ国立公園にいるのがEastern Swamp Deer、カーナ国立公園にいるのがSouthern Swamp Deer、そして世界最大のヌマジカの群れであるシュクラファンタ野生動物保護区にいるのがWestern Swamp Deer。2013年の調査で、シュクラファンタ野性動物保護区には2,170頭のバラシンガジカがいるといいます。

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バラシンガジカは草原や湿地に暮らし、草、水草を食べています。バラシンガジカの名は「12の角」という意味で、本来なら立派な枝分かれした角があるのですが、春に角が落ちて、新しい角が生え始める季節でした。角はオスだけでメスには原則ありません。

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新しい角が生え始めているオスです。袋角と呼ばれるやわらかい角。このあとどんどん角は成長し、秋の繁殖期には最大になります。そして、メスにアピール。オス同士の争いにも使われます。そして、繫殖期が終わると角は落ちて・・・。

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草原と森との境界付近に、たくさんの群がいました。

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これは・・・ベンガルショウノガン (ベンガルノガン) Bengal Floricanです。オスが草原から首を覗かしているのが見えました。ベンガルショウノガンはインド北東部、ネパールに分布し、4~5月は草原で観察が期待できる季節。ヨーロッパから来るバードウォッチャーはベンガルタイガーよりも、このベンガルフロリカンに出会いにやってくるといいます。「もっと近くで観察できないの?」と聞くと、簡単ではない、と。

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草原から再び森を通って湿地帯へ。コハゲコウ Lesser Adjutant。

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インドアカガシラサギ Indian Pond Heron の繁殖羽の個体、羽もくちばしも美しいです。

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こちらはインドアカガシラサギの非繁殖個体。

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交尾中のインドトサカゲリ Red-wattled Lapwing、繫殖期ですね。

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公園出口へ向かう途中の川を渡ったときにみつけたコウハシショウビン Stork-billed Kingfisher。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : May 2016 ,Shukla Phanta Wildlife Reserve – Nepal

Reference : “Birds of Indian Subcontinent (Helm Field Guide)”, Wikipedia(EN)

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