カテゴリー別アーカイブ: ミズナギドリ科

ベーリング島で観察した海鳥たち(コマンドルスキー諸島)

エトピリカ Tufted Puffin コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (10)

8月半ばのコマンドルスキー諸島、ベーリング島のアリーカメン岩礁で観察した海鳥をまとめてみました。この時期には繁殖が終りもう海に出ているシラヒゲウミスズメやウミオウムもいれば、繁殖期真っただ中のウミガラスやエトピリカ、そして渡りの途中のハシボソミズナギドリの姿も。そして個体によってはもう冬羽へ移行中です。

ツノメドリ Horned Puffin コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (9)

ツノメドリ Horned Puffin

ツノメドリ Horned Puffin はベーリング島、メードヌイ島でも繁殖し、コマンドルスキー諸島ではあちこちで見ることができます。

ハシブトウミガラス Brünnich's Guillemot コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (17)

ウミガラス Common Guillemot とハシブトウミガラス Brünnich’s Guillemot

繁殖地にいるウミガラス Common Guillemot とハシブトウミガラス Brünnich’s Guillemot(真ん中の個体)です。この2種は非常に似ていますが、ハシブトウミガラスはくちばしの根もとに白い線が入ることで見分けています。2種とも極東ロシアの島で繁殖しています。

ミツユビカモメ black-legged kittiwake コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (1)

ミツユビカモメ Black-legged kittiwake

ミツユビカモメ Black-legged kittiwakeは千島列島~カムチャッカ半島~コマンダー諸島と極東ロシアで広く分布し、ウミガラスと同じ環境に繁殖しています。

アカアシミツユビカモメ Red-legged kittiwake コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (6)

アカアシミツユビカモメ Red-legged kittiwake

アカアシミツユビカモメ Red-legged kittiwakeは珍しいカモメの仲間で、コマンドルスキー諸島、アリューシャン列島、プリビロフ島などで繁殖する、いわば「ベーリング海」固有種。赤い脚が本当に可愛らしい、コマンドルスキー諸島で必ず見たい海鳥です。ミツユビカモメに混じって繁殖しています。

エトピリカ Tufted Puffin コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (4)

エトピリカ繁殖地 Tufted Puffin breeding ground

アリーカメン岩礁は高さ2~45mの高さの異なる小さな島です。低い場所はウミウ、チシマウガラス、チシマシギなどが見られ、垂直の岩場はウミガラスやミツユビカモメが繁殖し、島の上部の草地にはエトピリカが穴を掘って繁殖しています。

エトピリカ Tufted Puffin コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (16)

エトピリカ Tufted Puffin

エトピリカは繁殖ステージが遅い目で9月の上旬でもまだ魚をくわえて巣に運ぶ様子が見られます。アリーカメン岩礁に近いトポルコフ島は10万羽のエトピリカの繁殖地です。

ヒメウ Pelagic Cormorant コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (8)

ヒメウ Pelagic Cormorant

ヒメウ Pelagic Cormomrantは、少し低い目の岩場で繁殖しています。

Common Guillemot ウミガラス コマンドルスキー諸島 Komandorski Islands アリーカメン岩礁 Ariy Kamen Commander Islands ウミガラス繁殖地 (13)

チシマウガラス Red-faced cormorant

ウミガラスに囲まれた真ん中付近にいるのがチシマウガラス Red-faced cormorant。

コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (20)

ヒメウもチシマウガラスも岩場の低い場所で繁殖し、時にはウミガラスに圧倒されています。この写真にはトドが映っていますね!満潮時に岩に上がったようですが、潮が引いてしまいました。

チシマシギ Rock Sandpiper コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (5)

チシマシギ Rock Sandpiper

チシマシギ Rock Sandpiper はシギとしては分布範囲の狭い種で、コマンドルスキー諸島、アリューシャン列島、チュコトカ半島などで繁殖しています。千島列島ではあまり見ることはない種で、コマンドルスキー諸島でぜひ出会いたい海鳥です。8月半ばにはもう冬羽への移行なのですね。

ウミバト Pigeon Guillemot コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (7)

ウミバト Pigeon Guillemot

お魚をくわえたウミバト Pigeon Guillemot 。ウミバトは極東ロシアではあちこちで繁殖していますが、コマンドルスキー諸島ではあまり大きな群れには出会いませんでした。このお魚をくわえた構図が撮りやすい海鳥です。口の中も赤く、足と口の中の赤色を同時に見せてくれることもあります。

ウミオウム Parakeet Auklet コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (12)

ウミオウム Parakeet Auklet

そしてこちらは、後ろ姿だけですがウミオウム Parakeet Auklet。群れは作らず2~3羽で観察されることが多い海鳥です。

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (13)

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet

こちらは・・・大好きなシラヒゲウミスズメ Whiskered Aukletです。シラヒゲウミスズメは千島列島のクルーズでヤンキチャ島の繁殖地を訪問することができますが、その他で出会ったのはアリューシャン列島のアクタン島海域だけでした。ベーリング島のニコルスコエにある博物館の資料でシラヒゲウミスズメがコマンドルスキー諸島で繁殖していることになっていましたが、観察できたのは初めてでした!

ハイイロヒレアシシギ Red phalarope コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (14)

ハイイロヒレアシシギ Red phalarope

渡りの途中のハイイロヒレアシシギ Red phalarope。夏にユーラシア大陸、アメリカ大陸北部の北極圏で繁殖し、冬にはアフリカや南米までの長距離の渡りをします。アリューシャン列島、コマンドルスキー諸島で夏に観察されます。

ハシボソミズナギドリ Short-tailed Shearwater コマンドルスキー諸島の海鳥 アリーカメン岩礁 海鳥繁殖地 Komandorski Islands Ariy Kamen ea BIrds Breedng Islands (15)

ハシボソミズナギドリ Short-tailed Shearwater

そしてこちらも長距離の渡りをする ハシボソミズナギドリ Short-tailed Shearwaterの群れ。ベーリング海までオキアミを求めてはるばるオーストラリア南東部・タスマニアからやってきます。コマンドルスキー諸島もザトウクジラが見られ、オキアミを求めてハシボソミズナギドリもやってくるわけです。

ここまでで14種の海鳥を1時間30分ほどのゴムボートのクルーズで観察しました。渡りの鳥は北半球のアホウドリ3種含め、詳しい人が見たらもっと見つかるのだと思います。

これだけの海鳥が暮らせるということは、豊富な魚資源があるということ。コマンドルスキー諸島は本土から遠方すぎるため漁業は発達しておらず、村の人は遡上するサケからイクラをとる程度。停泊中にカムチャッカ半島では見れない位大きなオヒョウを釣ったこともあり、この人を近寄らせない「距離」が魚と海鳥の聖域を作り上げているのですね。

 

Photo & text :Mariko SAWADA

Observation : Aug 2021, Ariy Kamen, Komandorski Islands, Russian Far East

小笠原航路の海鳥(9月)

アオツラカツオドリ Masked Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (3)

9月の第一便のおがさわら丸で出会った海鳥です。出向前は「悪天候に覚悟」と言われていました、そんなに荒れることもなく、甲板を閉ざされることもなく、明るい間はフルで観察できるコンディションでした。

オオミズナギドリ Streaked Shearwater 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (1)

御蔵島付近ではたくさんのオナガミズナギドリが飛んでいました。でもちょっと距離が遠く・・。大型のミズナギドリ、一度近くで見てみたいものです。

アオツラカツオドリ Masked Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (4)

そして日没前に現れたのがアオツラカツオドリ。甲板にいたバードウォッチャーのシャッター音が響きます。

アオツラカツオドリ Masked Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (2)

アオツラカツオドリ。この付近では小笠原諸島西之島で繁殖記録があるとのことですが、西之島は現在噴火中。昨年、千島列島のライコケ島の噴火で繁殖地を失った無数の海鳥を目撃しただけに、自然のこととはいえ胸が痛みます。どこからきたアオツラカツオドリでしょうか。

イソシギ Common Sandpiper 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (5)

おがさわら丸にタダ乗りしていたイソシギ。

イソシギ Common Sandpiper 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (6)

南へ向かって飛んでいきました。海も少し荒れ始め、そして日没です。

オナガミズナギドリ Wedge-tailed Shearwater 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (10)

翌朝、朝からオナガミズナギドリ、アナドリの姿が船の周りに。

オナガミズナギドリ Wedge-tailed Shearwater 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (12)

オナガミズナギドリは小笠原諸島の島で繁殖しており、島回りでも簡単に観察できるミズナギドリです。

アナドリ Bulwer's Petrel 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (13)

アナドリ。父島群島の南島・東島で繁殖しています。小さくウミツバメちっくです。

アナドリ Bulwer's Petrel 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (14)

ようやくアナドリが近くに!

カツオドリ Brown Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (9)

そしてカツオドリの登場です。おがさわら丸がはね上げるトビウオなどを狙って、結構アイレベルの高さでも飛んでくれます。

カツオドリ Brown Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (8)

この雄のカツオドリ、めっちゃ魚をロックオン。

カツオドリ Brown Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (7)

海に飛び込んで魚を追うカツオドリです。

今回は甲板でHobby’s Worldの吉成さんと出会えて大変ラッキーでした。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2020, おがさわら丸、小笠原航路

オナガミズナギドリ(小笠原諸島)

オナガミズナギドリ Wedge-tailed shearwater 小笠原諸島 聟島列島 (7)

小笠原諸島の島々で繁殖するオナガミズナギドリ Wedge-tailed Shearwater。暗色型と淡色型がありますが、小笠原で観察されるのは淡色型です。日本名の通り尾が長く、英名のWedge-tailed は「くさび型の尾」を意味しています。

オナガミズナギドリ Wedge-tailed shearwater 小笠原諸島 聟島列島 (3)

嘴はピンク色を帯びた灰色で先端は少し黒色。

オナガミズナギドリ 繁殖 南島 小笠原諸島  (6)

オナガミズナギドリは太平洋・インド洋の熱帯から亜熱帯地域に分布し、日本では小笠原諸島のみで繁殖が確認されています。聟島列島から火山島列島(硫黄島列島)まで広範囲にわたって繁殖しているそうです。

4月上旬に南島の岩の隙間で見たペアです。オナガミズナギドリは岩の隙間や土に穴を掘ったりして営巣します。4~5月に営巣をはじめ、6月には卵を産み、50日ほどで雛がかえります。そして11~12月半ばまでに雛が巣立ち、次の繁殖期まで海で過ごします。

オナガミズナギドリ Wedge-tailed shearwater 小笠原諸島 聟島列島 (2)

魚の群れを追って集まってきたオナガミズナギドリ。

オナガミズナギドリ Wedge-tailed shearwater 小笠原諸島 聟島列島 (4)

めっちゃ魚を探しています。

オナガミズナギドリ 南島 小笠原諸島  (10)

南島の扇浜では悲しい運命のオナガミズナギドリの姿が。

オナガミズナギドリ Wedge-tailed shearwater 小笠原諸島 聟島列島 (6)

4月上旬に聟島列島に行く途中や南島で観察したオナガミズナギドリですが、夏の育雛中のオナガミズナギドリにも出会いたいものです。

 

Photo & text :Mariko SAWADA

Observation : April2018, April2020 南島、聟島列島、小笠原諸島

Reference : 海鳥識別ハンドブック(文一総合出版)

南島に上陸!小笠原一の美しさ、南島の自然(小笠原諸島)

南島 小笠原諸島  (18)

父島の南西約10キロにある無人島、南島。南島は父島や母島のように溶岩でできた島ではなく、サンゴ礁でできた石灰岩の島です。

”日本有数の沈水カルスト地形”で、約4000万から2000万年前に海底に堆積した石灰岩が氷期に海水面が下がり陸化した時に浸食が進み、間氷期に海水面が上がるとこの地形が海底に沈み浸食が止まりました。海水面の昇降が繰り返され、今から2万年ほど前の最終氷期の後、再び海水面が上昇して形成されたものが、現在の沈水カルスト地形であると考えられています。

南島では”ラピエ”と呼ばれる鋭く尖った岩や、”ドリーネ”と呼ばれるすり鉢状の窪地(扇池、鮫池等)が見られます。

扇池より上陸 南島 小笠原諸島  (16)

南島への上陸方法は船で「鮫池」から上陸する方法と泳ぐかカヤックで「扇池」から上陸する方法があります。いずれも悪天候だったり風の向きが悪い場合にはアクセスできず、父島滞在中は「南島は行けるときに行くこと!」です。

4月上旬に泳いで上陸したときの様子の動画です。

扇池のアーチを越えて上陸するビーチ、扇浜はとてもきれいです。上陸してからはガイド氏の指示に従い、定められたルートを歩き「最大2時間ルール」を守って行動します。

ムナグロ 南島 小笠原諸島  (8)

上陸した海岸にいたムナグロ Pacific Golden Plover。夏冬中間羽が素敵です。

イソヒヨドリ Blue rock thrush 南島 小笠原諸島  (5)

南島の”ラピエ”と呼ばれる鋭く尖った岩とイソヒヨドリ Blue rock thrush のオス。父島、母島ともに海辺で普通に見られる鳥です。

陰陽池 南島 小笠原諸島  (12)

これは陰陽池と呼ばれる淡水と海水の混ざった汽水湖。雨水と台風の時に流入する海水でなる池で、ここには、渡り鳥が運んだと考えられる水草の「カワツルモ」が育っています。

セイタカシギ 南島 小笠原諸島  (11)

陰陽池にいたセイタカシギ Black-winged stilt 、2羽いました。小笠原では旅鳥。陰陽池は旅鳥の数少ない休息場所になっているようです。

オナガミズナギドリ 繁殖 南島 小笠原諸島  (6)

鮫池から扇浜に向かう丘の岩場でみかけたオナガミズナギドリ Wedge-tailed shearwater のペア。4月上旬だったので、早めの繁殖開始です。4~5月に岩の隙間に営巣をはじめ、6月には卵を産むそうです。

ヒロベソカタマイマイ 南島 小笠原諸島  (13)

そして南島と言えばコレ、絶滅した小笠原の固有種ヒロベソカタマイマイの半化石です。かつてはここに森があったといいます。1000~2000年前に絶滅したそうですが、年代測定の結果300年位前まで生存してたのでは、とも言われています。

鮫池 南島 小笠原諸島  (17)

そして「鮫池」。名前のとおり、岩場にはネムリブカ White-tip reef shark が群れでいることがあるそうです。この鮫池も侵食によってできた”ドリーネ”です。

ザトウクジラ 南島 小笠原諸島  (1)

そして南島周辺の海では1~4月の間、たくさんのザトウクジラの親子の姿を見ることができます!

 

Photo/video & text : Mariko SAWADA

Observation : April 2018, 2020 南島,小笠原諸島

Special Thanks : Fisheye

Reference : 東京都文化情報データベース”小笠原南島の沈水カルスト地”、世界遺産小笠原(楽学ブックス)、小笠原ハンドブック(南方新社)

(動画)アリューシャン列島 ハシボソミズナギドリ の採餌行動

7月のアリューシャン列島。オーストラリア、タスマニア周辺から赤道を越えてやってきた驚異の渡りをするハシボソミズナギドリ Short-tailed Shearwater の採餌行動です。オキアミをもとめて海に吸い込まれるような動きは圧巻です。

アリューシャン列島・ハシボソミズナギドリの採餌行動

★アリューシャンマジックの動画はこちら

Videography & text :Mariko SAWADA

Observation : July 2019, Aleutian Islands, Alaska, USA

Special Thanks to Jimmer & Alyssa

(動画)アリューシャン列島のハシボソミズナギドリ

7月、アリューシャン列島で観察したハシボソミズナギドリの様子です。遥かオーストラリア、タスマニア周辺からオキアミを求めてやってきたハシボソミズナギドリ。ザトウクジラとの競演も。

アリューシャン列島のハシボソミズナギドリ

★アリューシャンマジックの動画はこちら 

Videography & text : Mariko SAWADA

Observation : July 2019, Aleutian Islands, Alaska, USA

Special Thanks to Jimmer & Alyssa

アリューシャンマジック!ハシボソミズナギドリとザトウクジラ

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (16)アリューシャン列島の旅も半ば。今日から少し海が荒れてくる予報ですが、朝からハシボソミズナギドリの大群を確認し、アリューシャンマジックの期待がふくらみます。

ハシボソミズナギドリの大群が舞い、海から10mほど上が帯のように黒くなっている景色を求めて航行しました。

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (6)

ハシボソミズナギドリ Short-tailed Shearwater の群れを発見。ハシボソミズナギドリは10~4月にかけてオーストラリア、タスマニア付近で繁殖し、5~9月にかけてオキアミを求めて赤道を越え、はるかベーリング海や北極海まで飛んでくる驚異の渡り鳥です。

アリューシャンマジック Aleutian Magic ハシボソミズナギドリの採餌行動 Short-tailed Shearwater (1)

オキアミを見つけてどんどん海に飛び込んでいくハシボソミズナギドリ。まるで海に吸い込まれていくように見えます。

アリューシャンマジック Aleutian Magic ハシボソミズナギドリの採餌行動 Short-tailed Shearwater (2)

海に突撃してしばらくすると、浮かんできます。

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (5)

水面を蹴って再び空へ。ハシボソミズナギドリの英語名はShort-tailed Shearwater。「尾の短いミズナギドリ」の意味で、その名の通り尾が短く足の長さが目立ちます。

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (12)

ザトウクジラの群れも集まってきました。アリューシャンマジックへの期待が高まります。

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (3)

ザトウクジラの群れの周りでハシボソミズナギドリが乱舞。

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (9)

ハシボソミズナギドリの群れの中に上がるブロー。

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (7)

オキアミを求めてクジラも潜っていきます。ミズナギドリたちが休んでいるので、ミズナギドリに届かない深さのところにオキアミがいるのでしょうか。

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (11)

ふたたびミズナギドリの群れが濃くなりました。

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (2)

ザトウクジラもミズナギドリも海に入っていきます。

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (14)

海面が少し落ち着いてきました。

アリューシャン列島 アリューシャンマジック ハシボソミズナギドリ ザトウクジラ Aleutian Islands Short-tailed Shearwater Humpback Whale 採餌海域 (17)

さっきまでの現象がうそのように落ち着いた海に戻りました。オキアミを求めてザトウクジラとハシボソミズナギドリが見せる採餌行動。まさに奇跡の光景です。

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Aleutian Island, Alaska, USA

Special Thanks to Jimmer & Alyssa

(動画)アリューシャンマジック!ザトウクジラとハシボソミズナギドリの饗宴

2019年7月、アリューシャン列島アクン島の海域で見たアリューシャンマジックと呼ばれる(日本人だけがこう呼ぶのですが)ザトウクジラとハシボソミズナギドリの採餌行動の動画です。

アリューシャンマジック

海に突っ込んでいくハシボソミズナギドリに驚き、ランジフィーディングするザトウクジラに興奮し、夕日の光の中にあがるクジラたちのブローが美しすぎて涙し・・・アリューシャン列島の生き物万歳です。

Videography & Text :Mariko SAWADA

Observation : Jul 2019, Aleutian Islands, Alaska, USA

Special Thanks : Jimmer & Alyssa

★アリューシャン列島「アリューシャンマジック」のツアーについてはお問い合わせください。次回は2020年7月予定です

(動画)第1クリル海峡のザトウクジラとハシボソミズナギドリ、そしてアライド山登頂!

8月下旬にカムチャッカ半島から南下し、第1クリル海峡(占守海峡)からアトラソヴァ島(阿頼度島)に向かう途中にみたザトウクジラの採餌中の群れです。航行中に近くにいた漁船が教えてくれました。

(ドローン動画)第1クリル海峡のザトウクジラ

お天気が悪くカメラが濡れていますが、ザトウクジラだけでなくハシボソミズナギドリの動きも大変興味深いです。

これは同じ光景を船から撮影したものです。せっかく波がない日なのにカメラのスタビライザーをONするのを忘れ、少しブレ気味動画です・・・。

この時のクルーズはワイルドライフや海鳥観察ツアーではなく、「千島列島最高峰アライド山(2,339m)登頂」のツアーでした。かつての北海道の最高峰であったアライド山に登ろうとやってきた「山男たち」も、クジラとの遭遇を喜んで頂けたようです。

ついでに、貴重な(と思う)アライド山頂上部映像と皆様の雄姿を!

そして山頂での記念すべき1枚。

千島列島最高峰アライド山登頂 阿頼度島 Highest volcano Kuril Island Alaid Atlasov Island

千島列島最高峰アライド山 (2,339m )登頂達成、おめでとうございます!

Photo / Video & Text  :Mariko SAWADA

Dronegraphy  of Humpbacl Whale : Nik Pavlov

Videography of  Mt.Alaid :Tomoaki Tsutsumi

Observation :  Aug 2019, 1st Kuril Strait, Kuril Islands, Russian Far East

Special Thanks : Nik Pavlov &  Afina

★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。

(動画)北千島で出会ったザトウクジラ

2019年夏の千島列島バードスペシャルの航海で出会ったザトウクジラたちです。

第2クリル海峡から第一クリル海峡(占守海峡)を経てカムチャッカ半島の南端・ロパトカ岬に上陸しようと航行しているときに出会った、採餌中のザトウクジラたちです。

北千島列島のザトウクジラ|西遊旅行

今回ザトウクジラたちを観察したポイントに近い、第一クリル海峡では昨年、「クリル・マジック」にも遭遇(昨年のレポート動画はこちら)。

この付近はザトウクジラたちが集まる海域のようです。そして、ハシボソミズナギドリも。

Photo & Text :Mariko SAWADA

Observation : Jul 2019, First Kuril strait, Kuril Island, Russian Far East

Special Thanks : Nik Pavlov & Affina, Hobby’s World – 吉成才丈氏

★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。