タグ別アーカイブ: 野鳥写真

ウガンダの国鳥・ホオジロカンムリヅル Grey crowned crane(ウガンダ)

ウガンダの街道を車で走っていると、ホオジロカンムリヅル Grey crowned craneを道端でよく見かけます。

民家などもすぐそばにあるような畑や、河原などの水のある場所で20匹~30匹が固まって、虫や小さな魚を食べています。全長140cmのタンチョウよりも小型で、全長100cm程のツル科の仲間です。

カンムリの冠羽は1本1本は単純に1本の羽毛ではなく、3~4本を束ねて縒り(ヨリ)が入った三つ編み状になっているそうです。

通常は群れで行動することが多いですが、繁殖期にはつがいで行動します。また繁殖期には求愛のダンス(ディスプレイ)をする時があります。巣は湿地帯などに草を積み上げた塚状の巣をつくるそうです。

ウガンダの国鳥であるホオジロカンムリヅルは国旗の中央にもイラストが描かれていて、ホオジロカンムリヅルの色(赤、黒、黄、白)が国旗の色にも使われています。
歴史的にウガンダに存在した王国ではライオンやアンコーレ牛などを国旗にあしらったものが多かったため、ウガンダで一般的な生き物であり今までに一度も他の王国で使われていないホオジロカンムリヅルが選ばれました。

隣国のルワンダでは古くから富と長寿をもたらす鳥として大切にされてきましたが、近年は湿地の減少や違法な売買で生息数が減少しているそうです。

近縁種のカンムリヅルという鳥は亜種とされることも以前はありましたが、遺伝子的な違い、鳴き声、羽毛、頬の色などから識別可能であり、現在では別種とされています。

足の指が前向きに3本、後ろ向きに1本ついてるため、ツル類では珍しく木の枝にとまることができます。タンンチョウなどと比べても第1趾が長いです。このホオジロカンムリヅルとカンムリヅルだけが木の上にとまることができるため、夜間は樹上で休むこともあります。

ウガンダの動物観察というと「ゴリラトレッキング」や「サファリ」が有名でもちろん素晴らしいのですが、このホオジロカンムリヅルとの出会いも印象深いものでした。

 

Photo & Text : Wataru YAMOTO

Observation : Feb 2024 & Aug 2024, by the roadside, Uganda

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ヒマラヤの野鳥にカンチェンジュンガ!シンガリラ国立公園(インド)

インドの首都デリーから国内線で西ベンガル州のバグドグラ空港へ。晴れるとネパール・インド・ブータンにまたがるヒマラヤも展望できるフライトです(往路は左側(A側)の席がお勧めです)。バグドグラ空港からネパール国境へと4時間ほど走ると到着するのがマネイバンジャン。ここがシンガリラ国立公園訪問のベースとなる町です。

シンガリラ国立公園(Singalila National Park)はネパールに接する国立公園で、世界第3位峰のカンチェンジュンガ 8,586m展望地としても有名で、多くのインド人トレッカーが訪れる場所でもあります。

この国立公園はレッサーパンダ (Red Panda)が見られることでも知られています。もちろん観察は容易ではなく、秋の実のなる季節に5日ほどかけて探すことになります。運がいいと、樹冠のキウィの実を食べているレッサーパンダを車道から観察できることもるようです。2022年はキウィの実がならず、レッサーパンダ受難の年となりました。ただでさえ、「エキゾチック・ペット」としての密猟が絶えないのが現状です。インド側では厳しく取り締まられていますが、国境を接するネパール側では密猟が横行していると聞きました。

シンガリラ国立公園に入ったカンチェンジュンガ展望地の道ですが、右側の森林が広がるのがインド側、左の気が伐採されているのがネパール側。この景色はちょっとショックでした。

この道は本当に「国境」を走っており、通過する山小屋は「インド側」だったり、「ネパール側」だったりします。インド人はネパール側のロッジに宿泊することができますが、外国人はインド側のロッジにしか泊まることができないそうです。

マネイバンジャンからカンチェンジュンガ展望地のトングルーへ向かう途中に何度も道路で見かけたセボシエンビシキチョウ Spotted Forktail 。

「地べた系」の鳥は写真が難しいです、ミヤマハッカン Kalij Pheasant のオスとメス。オスもメスも目の周りの皮膚が赤く、とても大きな尾羽をしています。

ノドジロシマドリ Hoary-throated Barwing

ノドジマコバシチメドリ throated-winged Siva (またはBar-throated Minla)

ノドジロチメドリ White-browed Fulvetta

ヤマガラモドキ Rufous-Fronted Tit

シロスジガビチョウ Striated Laughingthrush

ロッジや村の周りで容易に観察できる、キンバネガビチョウ Black-faced laughingthrush。

ズアカガビチョウ Chestnut-crowned laughingthrush はキンバネガビチョウの群れに1~2羽混じって採餌していました。

キバラシジュウカラ Green-backed tit

キバシサンジャク Yellow-billed blue magpie はキンバネガビチョウと同じく、ロッジや村の周りに現れます。飛んでいる姿が美しい鳥です。

キバラアカゲラ Darjeeling Woodpecker

地べた系、藪の中系の野鳥には苦労しました。しっかり観察・撮影できなかったのがヒマラヤダルマエナガ Brown Parrotbill。竹の皮をはがす音の方向をしっかりさがしましたが一瞬しか姿を見せてくれませんでした。

シンガリラ国立公園内のトレッカーロッジは本当にシンプルな作りです。電機はソーラー蓄電のささやかなものだけで、トイレは共同。

ロッジを経営しているのはネパール人です。食事に凝っているロッジのキッチン。

地元ビールHIT SUPER STRONG(8%!)とパコラのおつまみ。

満点の星空に包まれたロッジ夜。

夜明けには町の明かりと紫色に染まるカンチェンジュンガの姿。ダージリンの町から見るカンチェンジュンガとは一味違う景色とヒマラヤの鳥を楽しめます。

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2022, Singalila National Park, West Bengal – Nepal border, INDIA

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