タグ別アーカイブ: タイガーサファリ

インドの森 バンダウガル国立公園 Bandhavgarh National Park

Bandhavgarh (2)

バンダウガル国立公園はマディヤ・プラデーシュ州の国立公園。1968年、マハラジャが狩猟地をマッディヤ・プラデーシュ州に寄贈したことが始まりとされています。当時の広さは105㎢。現在までに、コア・エリア、バッファ・ゾーン(人と野生動物との緩衝地帯)を含め1600㎢に拡大されてきました。コア・エリアの広さは、6~700㎢で、そこには約20頭が、バンダウガル全体では約60頭が生息しているといいます(2014年現在)。

公園内には7㎢のテーブルマウンテンにヒンドゥー寺院(ラーマ神)を含む要塞がありますが、3年前、観光客とトラの遭遇事故があり、それ以来この要塞エリアへの立ち入りは巡礼の時期以外は禁止されています。

Bandhavgarh (3)

バッファゾーンには80程の村があり、人とトラとの事故が絶えませんでした。1997~2000年のトラの数はたったの7頭、密猟や家畜が襲われることに腹を立てた村人が毒殺したりしたためでした。まさにバンガウガルの森からトラの姿が消えようとしていたとき、政府により家畜を襲われた村人への補償と教育が行なわれ、厳しい密猟対策が行なわれ、徐々にその数を回復させ、今では公園内に60頭が生息する、世界で最もトラの生息密度が高く、遭遇率が高い公園と呼ばれるようになったのです。

この数はこの公園の広さで暮らすことができるトラの最大数に達しており、親から離れたトラが公園外の森に移動したりするほか、作為的にトラのいない他の公園に移動(パンナ国立公園など)させることも行われています。

Bandhavgarh (4)

バンダウガルの森のサファリについて

バンダウガルには現在3つのゾーンでサファリが行われています。Tala Zone(タラ・ゾーン)、Magdhi Zone(マグディ・ゾーン)、キタウリ・ゾーン(Khitauli Zone)で、サファリの予約・支払い時にこのゾーンも指定することになり、予約・支払い後にゾーンやサファリカーに乗る人の変更や追加はできません。外国人は予約の人と同一人物かパスポートで照合されることもあるのです。

一番人気のあるゾーンはプレミアム・ゾーンとも呼ばれてサファリ料金も高価なタラ・ゾーン。バンダウガル砦を望む森は美しく、トラのサイティングもいいと言われています。最近はマグディ・ゾーンやキタウリ・ゾーンでのサイティングも良くなってきているようです。実際に私自身は3つのゾーンすべてでトラを観察できています。

美しいバンダウガルの森と野生動物をご紹介します。

Bandhavgarh -Peakok

森の中でたたずむインドクジャク Indian Peafowl

Bandhavgarh (1)

まるで人?仕草のかわいいハヌマーン・ラングール Hanuman Langur (Grey Langur)

Brown Fish Owl

木陰でうとうとしている ミナミシマフクロウ Brown Fish Owl  インドの森に広く生息するフクロウです。

Crested Serpent Eagle

こちらもインド大陸の森に広く生息するCrested Serpent Eagle カンムリワシ

Malabar Pied Hornbill

バンダウガルではカササギサイチョウ Malabar Pied Hornbill を見かけることも。

Asian Paradise Flycatcher

森の中で最も美しい鳥、カワリサンコウチョウ Asian Paradise flycatcher のオス。

Indian Vulture-Long billed Vulture

マグディゾーンではインドハゲワシ Indian Vulture(Long-billed Vulture) をよく見かけます。彼らはかつてインド大陸で「普通に見られる野鳥」でしたが、1990年代後半からの10年の間にその個体数を95-99%失うという悲劇がありました。ジクロフェナクという鎮痛剤兼抗炎症薬を与えられた家畜の死骸を食べたことが原因で24時間ほどで死んでいきました。現在ではもちろんこの薬の使用は禁止されていますが、まだまだ保護が必要な厳しい状態です。

Green Bee eater

そしてインドのあちこちで見られるミドリハチクイ Green Bee-eater、彼らの虫の食べ方はちょっと残酷です。

Chital11

その他、森にはたくさんのアクシスジカ Spotted Deer (Chital) やイノシシWild Boar、そして出会うことは難しいですが、レオパード Indian leopard、ナマケグマ Sloth Bear など、多様な野生動物・野鳥が暮らしています。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : April 2009,  May 2013, April 2014  Bandhavgarh  National Park, Madhya Pradesh, India

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インドヒョウ -1 (ランタンボール国立公園、インド)

Indian leopard - Ranthambore NP (4)

インドヒョウ Indian leopard は、インド各地の森に暮らしていますが、見ることは難しい動物。

ラッキーなことにもランタンボール国立公園で地面を歩くインドヒョウと出会うことができました。インドヒョウを観察できる場合はほとんどが離れた岩の上で寝そべっていたり、木の枝で寝ていることが多いです。

インドに暮らす大型ネコ科動物のうち、ベンガルトラとアジア・ライオンは同じ場所に生息できませんが、インドヒョウはいずれとも同じ森で生息しています。なので、ベンガルトラの観察の際に、インドヒョウも観察できるチャンスがあります。

ランタンボール国立公園のゾーン5で閉園時間になり、今日はベンガルトラのチャンスがなかったかとあきらめてカメラをしまい、サファリカーでゲートへ向かっていたところ、急に視界にインドヒョウが現われました。ベンガルトラかと思うほどの大きなオスでした。

Indian leopard - Ranthambore NP (1)

あわててカメラを取り出します。待って、いかないで・・・。最後までカメラはしまってはいけません。

Indian leopard - Ranthambore NP (2)

道の脇で出会いましたが、どんどん森の中へと入っていきます。夕方になり、水を飲みに行った帰りでしょうか、口から水がしたたっていました。

Indian leopard - Ranthambore NP (3)

結構近い場所で横たわってくれました!

Indian leopard - Ranthambore NP (5)

こんなに至近でレオパードと出会ったのは初めてのことでした。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation :May 2015 , Ranthambore National Park,Rajasthan, India

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インドの森 ペンチ国立公園 Pench National Park

Pench National Park - Bengal Tiger (3)

ペンチ国立公園Pench National Park はマディーヤ・プラデーシュ州の南にある国立公園。公園内をペンチ川が南北に貫く豊かな森を持つ国立公園です。

チークの木、沙羅双樹、インディアン・ゴースト・ツリーと呼ばれる幹の白いクルの木、竹林など変化に富んだ植生を持つ公園内にはベンガルタイガーをはじめとする野生動物が暮らしています。

ペンチの森は、1977年に保護区となり1983年に国立公園に、1992年に「トラ保護区 Tiger Reserve」に指定されました。2011年には国立公園としてBest Management Awardを受賞し、2014年冬~2015年春のシーズンには“インドで最もベンガルタイガーのサイティングのいい国立公園”としてインドのサファリ・ファンの間で話題になりました。

2015年6月現在、コア・ゾーンには33頭のベンガルタイガーと17頭の子供トラ、33頭のレオパードが確認されています。

サファリのベストシーズンは雨期のおわった11月から5月いっぱいです。

私はあいにく、雨期の始まった6月にペンチの森を訪れる機会がありました。5月いっぱいまでは外国人やインド人のカメラマンさんが多いのですが、6月に入ると普通のインド人ツーリストでにぎわっています。

モンスーンの季節ですから、雨の中でのサファリも。雨が降ると正直なところ動物のサイティングは非常に下がります。特に、トラは。

雨にもかかわらずがんばった3回のサファリで、写真こそ取れませんでしたがインドヒョウ Indian Leopard 、いまや貴重な存在になったドール(アカオオカミ)Dhole、コジャコウネコ Small Indian Civet Catなどの珍しい動物、そしてもちろんベンガルトラBengal Tiger にも出会いました。

Pench National Park -Dhole (5)

Dhole ドール(アカオオカミ) 害獣として駆除された過去もあり、その数が激減してしまいました。インドの森で戯れるドールを見たのはこれが初めてでした。

Pench National Park (9)

Spotted Deer (Chital) アクシスジカ の群れ ペンチ国立公園には20,000頭のアクシスジカが生息していると言われています。

Pench National Park -White rumped vulture

White Rumped Vulture ベンガルワシ

Pench National Park (17)

Jackal ジャッカルが道を横切っていきました

Pench National Park -Small Indian Civet Cat

Small Indian Civet Cat インドコジャコウネコ 動きが早く、観察も撮影も難しい動物です。

Pench National Park (18)

Bengal Tiger ベンガルトラのメスが草陰で獲物を食べていました。こっち見て怒ってます。

Pench National Park (1) Bengal Tiger

お腹いっぱいになったベンガルトラ、時間は朝の10時、気温も高くなってきました。もう寝る時間です。

ペンチの森は、キップリングの名作「ジャングルブック」の舞台としても知られています。確かに、ペンチの森は、インドの森の美しさを凝縮したような森です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2015 , Pench National Park, Madhya Pradesh, India

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インドの森のドール(アカオオカミ) (1)

Pench National Park -Dhole (3)

インド、マディーヤ・プラデーシュ州のペンチ国立公園で、ドール(アカオオカミ)の家族と出会いました。

ドールは、英語ではDhole、Asian Wild Dog、Red Dogと呼ばれ日本ではアカオオカミとも表記されます。アジア(ユーラシア大陸東部~南アジア)に生息するドールのうちのインド亜種です。

赤茶色の毛、黒っぽい尻尾をもち、オオカミより小さくジャッカルよりも大きいドール。インドの森に群れをなして暮らしますが、その集団での狩りはすさまじいらしく、国立公園のガイドによると獲物の腹などの柔らかい部位にくらいつき、生きたまま食べ始めると。

ドールは害獣として駆除されたり、森の開発による生息地を奪われ、その数を激減させました。インドの森のサファリでもドールと出会うことは決して多くありません。

Pench National Park -Dhole (6)

じゃれあうドール

Pench National Park -Dhole (4)

じゃれあったりこちらを見つめたり、やがて森の中へと入っていきました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2015 , Pench National Park, Madhya Pradesh, India

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