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ベーリング海のコククジラ Grey Whale

Grey Whale -Bering Sea (13)

この夏の一番幸せなできごとのひとつが、ベーリング海でコククジラGrey Whaleが私たちに見せた行動でした。

コククジラ Grey Whaleは体が灰色で、フジツボやエボシガイなどの寄生生物が体に付着しているのが特徴的なクジラ。大陸の沿岸部の比較的海の浅いエリアを南北に回遊しています。ここで出会ったコククジラたちは、夏はベーリング海の海で捕食し、冬はメキシコのバハ・カリフォルニアまで下り繁殖するグループです。

ウランゲル島への船旅の途中、ベーリング海のイティグラン島、セニャヴィナ海峡付近でゾディアック・ボートに乗りコククジラのグループを探しました。今日はあまり天気が良くなく、ゾディアックを走らせるととても寒い。

いました、コククジラたちです。

Grey Whale -Bering Sea (1)

4頭が浅瀬で捕食中。まだらな体が特徴的。浅い海で、海底の泥や砂に済むカニなどをヒゲで漉しとって捕食します。

Grey Whale -Bering Sea (3)

遊んでいるのか、尾びれをあげて水面をたたいています。コククジラのテイル・スラップ Tail Slup。

Grey Whale -Bering Sea (2)

尾部の背面にある数個のコブ。背びれはありません。

あるゾディアック・ボートが動きをとめました。私たちの乗っていたゾディアックのリーダーが、「まさか」といいながら船を近づけます。そう、コククジラが、観光客に体を触らせているのです。

Grey Whale -Bering Sea (5)

このコククジラのグループは、メキシコのバハ・カリフォルニアで「ホエール・タッチング(くじらにタッチ)」をしたことのあるグループでした。バハ・カルフォルニアでは観光客の乗る小船にコククジラが近づいてきて体を触らせてくれることがあり、「ホエール・タッチング」ができる場所として知られています。

Grey Whale -Bering Sea (10)

ボートに近寄ってきました。ゾディアック・ボートを頭で押して遊んでいます。

Grey Whale -Bering Sea (6)

こっちにもやってきました。

Grey Whale -Bering Sea (7)

目の前で浮上、フジツボだらけです。

Grey Whale -Bering Sea (8)

つかさずタッチ

Grey Whale -Bering Sea (9)

潮を吹いて、私たちのゾディアックのまわりを移動。きちんとすべてのゾディアックに愛想を振りまいていきます。

Grey Whale -Bering Sea (11)

冬にバハ・カリフォルニアで「ホエール・タッチング」を行うコククジラは、夏のベーリング海では「捕鯨対象」です。この地に暮らすチュクチやエスキモーの人々には「割り当て」があり、その数以下の捕鯨が認められており(商業捕鯨は認められていません)、今年もイティグラン島付近ではすでに2頭が捕獲されていました。そのため、この海域ではクジラたちは、船を見ると逃げていきます。

それなのに、ゾディアックボートを見て、バハ・カルフォルニアでのできごとを思い出したのか、近づいてきて遊んでくれたコククジラ。

言葉にならない、感激の瞬間でした。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Aug 2015 , Senyavina Strait & Yttygran Island – Bering Sea – Russian Far east

Reference :  Lecture from Katya-Heritage Expedition, Wikipedia (JP,EN)

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ベーリング海峡を越えて ウランゲリ島への冒険クルーズ
ベーリング海を望むチョコトカ半島沿岸から「北極のガラパゴス」と呼ばれるウランゲリ島へ

 

 

 

オマーン アオウミガメの産卵 Green Sea Turtle in Oman

Green Sea Turtle アオウミガメ (5)

オマーンの海岸でのアオウミガメ Green Sea Turtle の産卵の観察記録です。

オマーンは世界でも有数のアオウミガメの産卵地として知られています。アラビア海、ソマリア海、紅海の浅い海生息するアオウミガメが産卵のためにオマーンの海岸へとやってきます。

オマーンでは世界に存在する7種のウミガメのうち4種 ( Hawksbill Sea Turtle タイマイ、Green Sea Turtle アオウミガメ、Loggerhead Sea Turtle アカウミガメ、Olive Ridley Sea Turtle ヒメウミガメ ) が産卵で上陸することで知られ、Letherback Sea Turtle オサガメがオマーンの海域で見られます。

観察に訪問した海岸はアオウミガメ Green Sea Turtle が産卵に訪れる海岸でした。観光客が訪問できる観察ビーチは Ras Al Jinz turtle Reserve ラス・アル・ジンのウミガメ保護区。オマーンの海岸はインド洋でも最も重要なウミガメの産卵地であり、1996年に保護区が作られました。2008年にはウミガメ・センターが作られ、ここからのガイドツアーが行われています。

Green Sea Turtle アオウミガメ (12)

時間になるとガイドが観察に集まった人を集め説明、1キロ離れた海岸へとバスで移動します。バスを降りるとガイドの指示に従い、静かに観察。参加者が懐中電灯を使うことは禁止です。ガイドが照らして説明し、一人ひとりに間近に見せてくれます。

Green Sea Turtle アオウミガメ (1)

ガイドがひとしきり、アオウミガメの産卵について説明してくれますが、あちこちで穴を掘り産卵するウミガメのシルエットが見え、気が気でありません。

ウミガメは夜に海岸へ上陸し、60センチほどの穴を掘り、100個のほどの卵を産みます。産んだ後もただ穴を砂でカバーするだけでなく、もうひとつ穴を掘ってカモフラージュ。そして海へと戻っていきます。

訪問した7月は産卵のシーズンで、多い日には50匹以上のアオウミガメが上陸するといいます。

Green Sea Turtle アオウミガメ (10)

Green Sea Turtle アオウミガメ (13)

子ガメが誕生するのは60日後。100匹の子カメが砂からわくように出てきて海岸を目指しますが、出てきたところをキツネに捕食されたり、海岸にたどり着いてもカモメが待っていたり、その99%が死んでしまうといいます。不思議だったのは、砂の温度で生まれてくる子ガメの性別が決まるということ。温度が高いとメスが、低いとオスになるのだそうです。

Green Sea Turtle アオウミガメ (3)

Green Sea Turtle アオウミガメ (8)

ウミガメは、自分が生まれた海岸へ戻ってきて卵を産むといいます。ウミガメの寿命ははっきりわからないそうですが、ウミガメの戻るべき海岸を守らなくては、と考えさせられます。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Mid of July 2015 , Ras Al Jinz Turtle Reserve – Oman

Reference : Lecture from Guide of Ras Al Jinz Turtle Reserve, Oman Tourism, Times of Oman,

 

 

エトピリカ Tufted Puffin(極東ロシア、チュクチ海)

Tufted Puffin エトピリカ (2)

極東ロシア、ベーリング海沿岸とチュクチ海沿岸で観察したエトピリカ、Tufted Puffin の観察記録です。

エトピリカ、その名前、葉加瀬太郎氏の名曲Etupirkaでご存知の方のほうが多いはず。生息地はオホーツク海からカムチャッカ半島、チュコトカ半島のベーリング海沿岸からウランゲル島にかけてとアリューシャン列島からアラスカにかけての海域。アイヌ語で ”くちばし=etu 美しい=pirka ”という意味を持つこの鳥は北海道の沿岸でも見られましたが現在では、日本での地域絶滅が危ぶまれているのだそうです。

エトピリカ も ツノメドリと同様に冬はその鮮やかさが失われ、くちばしも含めて黒色になります。夏羽と冬羽の変化の大きな鳥です。

美しいエトピリカ、ツノメドリと同様にその大きなくちばしは美しいだけでなく、たくさんの魚を一度にくわえることができるのです。くちばしの縁はギザギザで、捕まえた魚を一匹づつはさみ、さらに次の魚をつかまえていきます。

Tufted Puffin エトピリカ (6)

上手く撮れていませんが、口にたくさんの魚をくわえたエトピリカ。ベーリング海峡を航行中に通過した米ソの国境となるダイオミード諸島のロシア側、ビッグ・ダイオミード島はPuffinやAukletが営巣する断崖のある島。朝、無数の海鳥が空を舞い、シャッターを切った中に、このエトピリカが魚をくわえた写真がありました。

Tufted Puffin エトピリカ (8)

Tufted Puffin エトピリカ (5)チュクチ海のコリューチン島は海鳥の一大営巣地です。ここは上陸して「アイレベル」で観察できる、鳥好きにはたまらない場所。

目の前で、海鳥の子育て、エサを与える姿、縄張り争い、そして争いに負けて死んでいく雛たち・・・厳しい自然に生きる野鳥の姿を観察することができるのです。

それにしてもTufted Puffin エトピリカの美しいこと。

この島の固体は目がグレーでまさに「男前」という言葉が似合う美しさ。

 

Tufted Puffin エトピリカ (9)

断崖では群れをなしている姿はみかけず、ウミガラスなどとまじって魚を狙っていました。

Tufted Puffin エトピリカ (7)

Tufted Puffin エトピリカ (3)

8月ももう終わり、雛も巣立ち、間もなくすこし南の海へと移動していきます。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Mid of Aug 2015 , Kolyuchin Island、Big Diomede Island- Russian Far east

Reference : Helm Field Guides “Birds of East Asia”, Samuel Blanc