月別アーカイブ: 2018年6月

「Shark Ray Alley」ホルチャン海洋保護区(ベリーズバリアリーフ)

ベリーズバリアリーフ ホルチャン海洋保護区 Shark Ray Alley (2)

キーカーカーから訪れたホルチャン海洋保護区のシュノーケリングツアーのレポートです。ホルチャン海洋保護区には1999年にくわえられた、ゾーンD「Shark Ray Alley」があります。

砂地にコモリザメとエイが集まる場所で、これは伝統的に漁師たちが漁のあと網を洗う場所に使ったことに起因し、そこから出る餌を求めてサメやエイが集まるようになったそうです。今は漁師はいなくなりましたが「ガイドさん」が餌を撒くことでサメやエイを集めています。

ベリーズバリアリーフ ホルチャン海洋保護区 Shark Ray Alley (1)ボートが到着すると集まるコモリザメ。ガイドさんが「すぐに行っちゃうから早く海に入って」と。

ベリーズバリアリーフ ホルチャン海洋保護区 Shark Ray Alley (11)

コモリザメだけでなくたくさんのお魚が集まっていました。が、すーっとコモリザメたちは行ってしまいました。他のボートが到着して餌をまくとみんなそっちに行ってしまいます。

ベリーズバリアリーフ ホルチャン海洋保護区 Shark Ray Alley (12)

コモリザメ Nurse Sharkは、珊瑚礁や砂地、マングローブの周囲などに生息するおとなしいサメ。ベリーズバリアリーフは最適な生息環境です。

ベリーズバリアリーフ ホルチャン海洋保護区 Shark Ray Alley (4)

大きな個体は3mほどにもなるコモリザメ。

ベリーズバリアリーフ ホルチャン海洋保護区 Shark Ray Alley (9)

エイもやってきました。

ベリーズバリアリーフ ホルチャン海洋保護区 Shark Ray Alley (7)

ふたたびアオウミガメさんです。

ベリーズバリアリーフ ホルチャン海洋保護区 Shark Ray Alley (5)

アオウミガメとコモリザメのツーショット。

ベリーズバリアリーフ ホルチャン海洋保護区 Shark Ray Alley (3)

小さなコバンザメをつけたコモリザメ。

ベリーズバリアリーフ ホルチャン海洋保護区 Shark Ray Alley (10)

そして私たちの船にもコバンザメ Whitefin sharksucker が。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : April 2018,  Hol Chan Marine Reserve – Belize

Reference : Wikipedia(EN)

ホルチャン海洋保護区(ベリーズバリアリーフ)

ベリーズ ホルチャン海洋保護区 Hol Chan Marine Reserve (10)

ベリーズのキーカーカーから訪れる、ホルチャン海洋保護区 Hol Chan Marine Reserve へのシュノーケリングツアーのレポートです。

ホルチャン海洋保護区はキーカーカーから近い、18平方キロメートルの海洋保護区で、珊瑚礁、海草藻場(Sea grass Bed=海草が密生している場所)があり、ホルチャンとはマヤの言葉で「小さな水路」を意味します。ホルチャンには珊瑚礁の切れ目があり、ここにたくさんの魚が集まり素晴らしい漁場でしたが、1980年ごろから乱獲により魚が取れなくなり、同時にツーリズムが始まりました。1980年代半ばにはホルチャンを海洋保護区にするという案が出され、たくさんの論争、国際的な活動家の支援の末、1987年7月海洋保護区に制定されました(1989年より施行)。

ベリーズ ホルチャン海洋保護区 Hol Chan Marine Reserve (2)

キーカーカー、サンペドロからの観光客を乗せたツアー船が何艘も来ていました。さっそく海へ。この日は北風が吹き良い状態ではありませんでしたが、海の中はまずまずです。

ベリーズ ホルチャン海洋保護区 Hol Chan Marine Reserve (5)

Hol Chan Cutの海草藻場に集まるBluestriped Grunt。

Hol Chan Cutにて Horse-eye Jack ホルチャン海洋保護区 ベリーズ

Horse-eye Jackの群れ。

ベリーズ ホルチャン海洋保護区 Hol Chan Marine Reserve (12)

ガイドさんがコンク貝を取ってきて見せてくれました。コンク貝(ピンクガイ)はメキシコ湾岸から、西インド諸島を含むカリブ海全域に生息する大きな巻き貝。この色の美しさから「カメオ」の素材にもなったそうで、乱獲されたことから採取を禁止する地域が増えてるそうです。

私たちが訪れた4月はコンク貝の漁の季節で、レストランのメニューにはコンク貝料理が。

コンク貝のセビッチェ

「コンク貝とエビのセビッチェ」・・・コンク貝がおいしかどうかは好みの問題ですが、新鮮なセビッチェは間違いなく日本人の口に合います。

ベリーズ ホルチャン海洋保護区 Hol Chan Marine Reserve (6)

グリーンモレイ Green Moray 。ベリーズの海でよく出会うウツボです。

ベリーズ ホルチャン海洋保護区 Hol Chan Marine Reserve (7)

藻を食べているGrean Sea Turtle アオウミガメ。キーカーカーの町に「Swim with Turtle」という看板があって「ほんとかなー?」と思ってましたが、いました。アオウミガメは一番出会いやすいウミガメです。

ベリーズ ホルチャン海洋保護区 Hol Chan Marine Reserve (11)

さっと逃げることもなく、シュノーケラーとほどほどの距離でいてくれる、アオウミガメでした。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : April 2018,  Hol Chan Marine Reserve – Belize

Reference : Wikipedia(EN)

トリニダード島 野鳥の楽園 ASA Wright Nature Center(トリニダード・トバゴ)

アゴヒゲスズドリ Bearded Bellbird ASA WRIGHT NATURE CENTRE (1)

トリニダード・トバゴ共和国は2つの島、トリニダード島とトバゴ島からなる国。国際空港と首都ポートオブスペインがあるのはトリニダード島。空港からわずか1時間ほどの森の中に、野鳥の楽園、ASA Wright Nature Center があります。

1967年、自然主義者や鳥観察者のグループにより「自然の状態でアリマ渓谷の一部を保護し、野生生物の保護と学習地域を創出する」ために設立された非営利団体の活動からスタートしました。これはカリブ海地域で設立された最初の自然保護区の1つです。
ASA Wright Nature Center は1500エーカーにおよぶアリマ渓谷、アリポ渓谷の森を所有し、野生生物の生息地を保護をしています。

ASA WRIGHT NATURE CENTRE (9)

ASA Wright Nature Centerのテラス。早朝にはテラスにいるだけでたくさんの野鳥を観察できます。センターの主な建物は、もともとカカオなどのプランテーション事業者の建物跡。 これらの建物はよみがえった熱帯雨林に包まれ、今は自然の中に溶け込むように存在しています。

朝6時から昼まで観察したASA Wright Nature Center の野鳥です。この日の午前中はあいにくの小雨でした。

ホオカザリハチドリ Tufted Coquette ASA Write Nature Center トリニダード&トバゴ (8)

ホオカザリハチドリ Tufted Coquette。トリニダードで見られるハチドリの中でも最小種で7cmほどの大きさです。そして写真を撮る人にとってはMost wanted bird !

ヒムネオオハシChannel-billed Toucan ASA WRIGHT NATURE CENTRE (10)

雨の中のヒムネオオハシ Channel-billed Toucan、何度か見ましたがいつも結構遠かったです。

スミレフウキンチョウ Violaceous Euphonia ASA WRIGHT NATURE CENTRE

スミレフウキンチョウ Violaceous Euphonia

ソライロフウキンチョウ Blue-grey Tanager ASA WRIGHT NATURE CENTRE (13)

ソライロフウキンチョウ Blue-grey Tanager

ムラサキミツドリ Purple Honeycreeper ASA WRIGHT NATURE CENTRE (12)

ムラサキミツドリ Purple Honeycreeperのオス

ムラサキミツドリ Purple Honeycreeper メス ASA WRIGHT NATURE CENTRE

そしてこちらはムラサキミツドリ Purple Honeycreeperのメス、口元の青色がオシャレです。

ズグロミツドリ Green Honeycreeper ASA WRIGHT NATURE CENTRE

ズグロミツドリ Green Honeycreeper

ルビートパーズハチドリ Ruby-topaz Hummingbird ASA WRIGHT NATURE CENTRE (11)

ルビートパーズハチドリ Ruby-topaz Hummingbird

シロエリハチドリ White-necked Jacobin ASA WRIGHT NATURE CENTRE (6)

シロエリハチドリ White-necked Jacobin、ちょうど「白いエリ」が見えないですが代わりに舌が出ています。

Bay-headed tanager チャガシラフウキンチョウ ASA WRIGHT NATURE CENTRE

チャガシラフウキンチョウ Bay-headed tanager

ギンバシベニフウキンチョウ Silver-beaked Tanager ASA WRIGHT NATURE CENTRE (4)

ギンバシベニフウキンチョウ Silver-beaked Tanager

ヒメキヌバネドリ Guianan trogon ASA WRIGHT NATURE CENTRE (7)

ヒメキヌバネドリ Guianan trogonのオス、以前はViolaceous Trogonと言いました。

シロクロマイコドリ White-bearded Manakinのオス ASA WRIGHT NATURE CENTRE

シロクロマイコドリ White-bearded Manakinのオス。森の地面におりてディスプレイをしていました。その羽音は聞こえましたがディスプレイは見れませんでした。

アゴヒゲスズドリ Bearded Bellbird ASA WRIGHT NATURE CENTRE (8)

アゴヒゲスズドリ Bearded Bellbird、初めて双眼鏡で見たとき驚いたこと。この個体は成長したオスで、メスや3歳までのオスにはアゴヒゲはありません。森の中でずっと鳴いていました。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Special Thanks 写真協力:Morihiko HAYAKAWA 早川守彦

Observation : April 2018, ASA Wright Nature Center, Trinidad Island – Trinidad and Tobago

Reference : ASA Wright Nature Center,Helm Field Guides – Trinidad & Tobago

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ニシツノメドリ Atlantic Puffin (スピッツベルゲン)

ニシツノメドリ Atlantic Puffin スピッツベルゲン Spitsbergen (6)

スピッツベルゲンのニシツノメドリAtlantic Puffinです。大西洋の北極圏とその付近にいる鳥で、同じニシツノメドリでもスピッツベルゲンのものはアイスランドや北ノルウェーのものより少し大きめなのだそうです。

ニシツノメドリはスピッツベルゲン島とノルウェー本土の中間にあるビュルネイ島 Bjørnøya (Bear Island) で繁殖していますが、スピッツベルゲン島の北側と西側でも小規模な繁殖地があります。

イートルノルスコヤ Ytre Norskøya にある鳥の断崖での観察です。

ニシツノメドリ Atlantic Puffin スピッツベルゲン Spitsbergen (3)

ゾディアックを岩場につけて上陸。丘を登ること15分。断崖に巣をつくっているニシツノメドリ、いました。

ニシツノメドリ Atlantic Puffin スピッツベルゲン Spitsbergen (8)

本当に絶壁にいるニシツノメドリ。

ニシツノメドリ Atlantic Puffin スピッツベルゲン Spitsbergen (9)

こちらはもう少しコンディションの良さそうな巣。あちこちでラブラブな光景が見られました。

ニシツノメドリ Atlantic Puffin スピッツベルゲン Spitsbergen (5)

こちらもラブラブです。ニシツノメドリは5月半ばに繁殖地にやってきて、卵を1つ産み、雛を育て、8月下旬には旅立ち、冬は外洋で暮らします。

ニシツノメドリ Atlantic Puffin スピッツベルゲン Spitsbergen (4)

ニシツノメドリの寿命は30年ほど。厳しい冬、北大西洋のどこで過ごしているのか、はっきりしないのだそうです。

Photo & Text :Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jun 2017, Ytre Norskøya, Spitsbergen, Svalbard, Norway

Reference : Birds and Mammals of Svalbard (Norwegian Polar Institute Handbook), Lecture from Samuel Blanc

Special Thanks to Samuel Blanc, Agnès Brenière and team of Polaris Ⅰ

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ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園(グジャラート、インド)

ブラックバック ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park (1)

グジャラートの大都市アーメダバードからわずか2時間ほどの場所にあるヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園の紹介です。グジャラートのワイルドライフと言うと、やはり「インドライオン Asiatic Lion」、ササン・ギル国立公園が出てきますが、ヴェラヴァダールのブラックバック国立公園では他のサファリでは出会うことの難しい、インドオオカミ Indian Wolf、シマハイエナ Striped Hyenaと出会うチャンスがあり、何よりも美しいブラックバック Blackbuckの群れがいます。

国立公園はブラックバックを保護するため1976年に設立されました。最初は18平方キロメートルから始まった公園は1980年に16平方キロメートルが加わり、現在34平方キロメートル。小さな国立公園ですが、草原 Grassland part、湿地 Wetland partがあり、南はカンバート湾へとつながり大潮の満潮時には海水が入ってくる湿地があります。

3月上旬に訪問したときのサファリで出会った野生動物たちです。

ブラックバック ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park (3)

ブラックバック Blackbuck オスの成獣は繁殖期にLekking Ground(メスにアピールするためのディスプレイを行う集団求愛場所・・・というのでしょうか)に集まり、角をぶつけあって争います。オスは年をとるほど毛の色がこげ茶~黒色になります。

ブラックバック ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park (4)

こちらはブラックバックのメスの群れ。ブラックバックはかつて、地元のマハラジャにより狩猟対象となっていました。しかも、訓練したアジアチーターを使って狩猟をしていたことで知られます。このアジアチーター、16世紀のインド、ムガール帝国時代から狩猟で飼育されインドの独立まで藩主や貴族の間で使われましたが、1948年に最後の野生のアジアチーターが射殺され、インドから絶滅しています。

ブラックバック ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park

これはメスと若いオスの群れを率いるオス、アルファメイル(優位オス)。あごを上げて「アルファメイル・ウォーク」しています。

ニルガイ ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park

こちらはニルガイ NIlgai。最大の羚羊でインド亜大陸の固有種です。Nilgaiという言葉自体が「青い牛」を意味し、「牛」とついたからにはヒンドゥ教徒は食べることができず、狩猟対象となりにくかった野生動物です。

ニルガイメスの群れ ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park

こちらはニルガイのメスのグループ。この時期、オスがメスを追いかけまわしているのを見かけます。

インドオオカミ Indian Wolf ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park

インドオオカミ Indian Wolf。ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園では増加傾向にあります。

シナハイエナ Striped hyena ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park

シマハイエナ Striped Hyenaくんです。夜行性なので早朝か夕方のサファリの一番最後に見れるチャンスがあります。

ジャングルキャット Jungle Cat ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park

こちらはジャングルキャット Jungle Cat。公園内に何箇所か人口の水場があり、そこに水を飲みにきていました。

Painted Stork インドトキコウ ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park

湿地エリアにいくとインドトキコウ Painted Storkが。

Eurasian spoonbill ヘラサギ ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park

ヘラサギ Eurasian Spoonbillです。

シマシャコ Grey francolin ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park

草原エリアのあちこちで見かけるシマシャコ Grey Francolin。

Indian stone-curlew 

こちらはインドイシチドリ Indian Think-kneeのご夫婦。

ブラックバック ヴェラヴァダール・ブラックバック国立公園 velavadar blackbuck national park (2)

他にもイノシシWild Boarやたくさんの野鳥を観察することができました。決して派手な「サファリ」ではありませんが、草原を歩くブラックバックの群れ、インドオオカミ、シマハイエナはやはりこの国立公園のハイライトです。

そしてこの公園を訪問するときに楽しみにしているのが、ブラックバックロッジ Blackbuck Lodgeでの滞在。自然の中に配置された部屋からブラックバックの群れの姿、敷地内の池に集まる水辺の鳥など楽しむことができます。そして、サファリ風の内装が素敵な建物。

ヴェラヴァダール ブラックバックロッジ Blackbuck Lodge in Velavadar (2)

水辺に建てられたテラスから野鳥を観察。

セイケイとヨシゴイ Purple Swamphen Yellow bittern Blackbuck Lodge Velavadar

セイケイ Purple Swamphen、ヨシゴイ Yellow Bitternです!私はここで初めてYellow Bitternを見たのでかなりうれしかったです。

ヴェラヴァダール ブラックバックロッジ Blackbuck Lodge in Velavadar (1)

客室コテージは大きく、ゴージャスなバスルーム。草原が見えるテラスがあるのも素敵です。

ヴェラヴァダールのサファリは他の国立公園のサファリと違い観光客も少なく、サファリガイドも地元の人たちが「学びながらやってまーす」というのが現状ですが、身近な自然にいる珍しい野生動物と出会える国立公園です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : March 2018,  Blackbuck National Park, Velavadar, Gujarat,India

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