
植民地支配が始まる前のスリランカには、4万頭以上の野生のスリランカゾウが生息していたと言います。。それがヨーロッパ植民地時代に激減し、1970年には2000頭にまで減ってしまいました。特にイギリス領セイロン時代のハンティングはひどいもので、一人で1500頭もの象を撃ったイギリス人将校もいるほどです。ある記録によると、1829年から1855年のわずか26年の間に6000頭の象が射殺されました。1986年、スリランカゾウは絶滅危惧種に指定され、ようやく保護の対象になりました。人と象との住み分けのために電子柵が設けられたり、孤児を救い、自然に戻す試みも行なわれています。現在、象の数は5000頭ほどにまで回復しましたが、未だに密猟などによって年間約100頭が犠牲になっていると言われています。
野生象の保護施設の中で有名なのは、ピンナウェラの象の孤児院です。ここでは観光客が象たちに出会い、かわいい子象を見ることができますが、象たちは野生にもどることはありません。
ピンナウェラのゾウの孤児院の様子です。

ゾウの赤ちゃんにミルクをあげることができます。(追加料金が必要です)

ピンナウェラの象の孤児院の水浴びタイム

係員が丁寧にゾウの体を洗います。ゾウさん、至福のひととき。
ここではゾウの野生化は行われず、シギリヤのゾウサファリや寺院で働くゾウ、「働くゾウさん」になります。
スリランカでは、牙を持つ象は少なく、オスの7%にも満たないと言われています。牙のある象は神聖視され、通常の象が「エレファント」と呼ばれるのに対して、特別に「タスカー(牙あり)」と呼ばれます。スリランカで最も有な祭り「ペラヘラ祭り」で仏歯を運ぶ象はもちろんタスカーです。

(写真はウダ・ワラウェ国立公園併設の博物館展示品を撮影したものです)
一方、ウダワラウェ国立公園の施設では、保護した象に対して「できるだけ人間との接触を少なくし、野性に返す」取り組みが行なわれています。

ウダ・ワラウェのElephant Transit Home(一時的にゾウが通過する家、という意味)での授乳タイム。

事故にあったのでしょうか、痛々しい足をした子ゾウもいました。人と野性のゾウが一緒に暮らすスリランカではゾウの事故は絶えません。
やっぱり、ゾウは野性の姿が一番です。

野性のゾウが大集合することで有名なミンネリヤ国立公園。砂を浴びるゾウさん。

野性のゾウのダイナミックな優しさ、すごいです。
Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Observation : May 2014 Uda Warawe Elephant Transit Home, Jul 2014 Minneriya National Park, Jun2015 Pinnawala Elephant Orphanage.,
Reference : Pictorial Pocket Guide to the Mammals of Sri Lanka, Wikipedia(EN)
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