小笠原諸島の島々で繁殖するオナガミズナギドリ Wedge-tailed Shearwater。暗色型と淡色型がありますが、小笠原で観察されるのは淡色型です。日本名の通り尾が長く、英名のWedge-tailed は「くさび型の尾」を意味しています。
嘴はピンク色を帯びた灰色で先端は少し黒色。
オナガミズナギドリは太平洋・インド洋の熱帯から亜熱帯地域に分布し、日本では小笠原諸島のみで繁殖が確認されています。聟島列島から火山島列島（硫黄島列島）まで広範囲にわたって繁殖しているそうです。
4月上旬に南島の岩の隙間で見たペアです。オナガミズナギドリは岩の隙間や土に穴を掘ったりして営巣します。４～５月に営巣をはじめ、6月には卵を産み、50日ほどで雛がかえります。そして11～12月半ばまでに雛が巣立ち、次の繁殖期まで海で過ごします。
魚の群れを追って集まってきたオナガミズナギドリ。
めっちゃ魚を探しています。
南島の扇浜では悲しい運命のオナガミズナギドリの姿が。
4月上旬に聟島列島に行く途中や南島で観察したオナガミズナギドリですが、夏の育雛中のオナガミズナギドリにも出会いたいものです。
Photo & text :Mariko SAWADA
Observation : April2018, April2020 南島、聟島列島、小笠原諸島
Reference : 海鳥識別ハンドブック（文一総合出版）
