カテゴリー別アーカイブ: 極東ロシアの野鳥 Birds of Russian F.E

エトピリカ Tufted Puffin(極東ロシア、チュクチ海)

Tufted Puffin エトピリカ (2)

極東ロシア、ベーリング海沿岸とチュクチ海沿岸で観察したエトピリカ、Tufted Puffin の観察記録です。

エトピリカ、その名前、葉加瀬太郎氏の名曲Etupirkaでご存知の方のほうが多いはず。生息地はオホーツク海からカムチャッカ半島、チュコトカ半島のベーリング海沿岸からウランゲル島にかけてとアリューシャン列島からアラスカにかけての海域。アイヌ語で ”くちばし=etu 美しい=pirka ”という意味を持つこの鳥は北海道の沿岸でも見られましたが現在では、日本での地域絶滅が危ぶまれているのだそうです。

エトピリカ も ツノメドリと同様に冬はその鮮やかさが失われ、くちばしも含めて黒色になります。夏羽と冬羽の変化の大きな鳥です。

美しいエトピリカ、ツノメドリと同様にその大きなくちばしは美しいだけでなく、たくさんの魚を一度にくわえることができるのです。くちばしの縁はギザギザで、捕まえた魚を一匹づつはさみ、さらに次の魚をつかまえていきます。

Tufted Puffin エトピリカ (6)

上手く撮れていませんが、口にたくさんの魚をくわえたエトピリカ。ベーリング海峡を航行中に通過した米ソの国境となるダイオミード諸島のロシア側、ビッグ・ダイオミード島はPuffinやAukletが営巣する断崖のある島。朝、無数の海鳥が空を舞い、シャッターを切った中に、このエトピリカが魚をくわえた写真がありました。

Tufted Puffin エトピリカ (8)

Tufted Puffin エトピリカ (5)チュクチ海のコリューチン島は海鳥の一大営巣地です。ここは上陸して「アイレベル」で観察できる、鳥好きにはたまらない場所。

目の前で、海鳥の子育て、エサを与える姿、縄張り争い、そして争いに負けて死んでいく雛たち・・・厳しい自然に生きる野鳥の姿を観察することができるのです。

それにしてもTufted Puffin エトピリカの美しいこと。

この島の固体は目がグレーでまさに「男前」という言葉が似合う美しさ。

 

Tufted Puffin エトピリカ (9)

断崖では群れをなしている姿はみかけず、ウミガラスなどとまじって魚を狙っていました。

Tufted Puffin エトピリカ (7)

Tufted Puffin エトピリカ (3)

8月ももう終わり、雛も巣立ち、間もなくすこし南の海へと移動していきます。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Mid of Aug 2015 , Kolyuchin Island、Big Diomede Island- Russian Far east

Reference : Helm Field Guides “Birds of East Asia”, Samuel Blanc

 

ツノメドリ Horned Puffin(極東ロシア、チュクチ海)

horned puffin ツノメドリ (9)

ベーリング海、チュクチ海沿岸で観察したツノメドリ Horned Puffin の記録です。

ツノメドリはオホーツク海沿岸からカムチャッカ半島、チュコトカ半島沿岸のベーリング海、チュクチ海の海鳥。体長は40センチほどで小柄、何よりもこのビジュアルに釘付けになる鳥です。

冬はこの鮮やかさがなくなり、羽だけでなくくちばしも黒っぽくなります。夏羽と冬羽の変化がドラマチックな鳥です。観察した夏は繁殖期のため、沿岸の繁殖地にいましたが、繁殖期が終わる冬には少し南下しほとんどを海で過ごすのだそうです。

かわいいようで、不器用そうにも見えるのですが、この鳥の一番の魅力はそのくちばし。美しいだけでなく、たくさんの魚を一度にくわえることができるのです。どうも、くちばしの縁はギザギザで、捕まえた魚を一匹づつはさみ、さらに次の魚をつかまえて、小さい魚なら15匹ほど入ることもあると。

horned puffin ツノメドリ (1)

ツノメドリは一度にたくさんの魚を捕まえることができるため、長距離を飛ぶ必要がなく、翼も小さめで潜水に適した形をしています。

horned puffin ツノメドリ (15)

この魚をお口いっぱいにいれたツノメドリの写真撮影は、難しく、ひたすら待ちます。

horned puffin ツノメドリ (14)

コリューチン島の営巣地ではウミガラス、ハシブトウミガラス、エトピリカ、ミツユビカモメにまじってたくさんのツノメドリを観察することができました。しかもアイレベルで。

horned puffin ツノメドリ (11)

horned puffin ツノメドリ (3)

horned puffin ツノメドリ (8)

観察したのは8月下旬、間もなくほとんどの海鳥が少し南の海域へと移動しくそうです。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Mid of Aug 2015 , Preobrazheniya Bay, Kolyuchin Island - Russian Far east

Reference : Helm Field Guides “Birds of East Asia”, Samuel Blanc