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(本の紹介)「火山と生きる海鳥 千島列島探検記」自然写真家・寺沢孝毅氏

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天売島の自然写真家・寺沢孝毅氏の本の紹介です。2019年の千島列島での撮影取材をもとにした記録です。

2019年6月22日、千島列島中部のライコケ島で起こった大噴火。ニュースを聞いたのはウシシル島での撮影の最中でした。そして翌日、朝の撮影を終えた後、およそ6時間かけてライコケ島へ向かいました。

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途中の海域で出会った、繁殖地を失ったトド、ライコケ島沖のおびただしい数のフルマカモメ。環太平洋火山に位置し、今も活発な火山活動がある千島列島、だからこそ人の手が入らず海鳥が大繁殖する島々。でもその現実は厳しいものでした。行き場のないたくさんの海鳥たち、傷つき、茫然としているように見えるシラヒゲウミスズメやウミバト・・・。今年の繁殖は絶望的です。

そんな中、寺沢氏は次に訪問したチリンコタン島に噴火から復活した海鳥たちの姿を見つけます。チリンコタン島は定期的に噴火を繰り返し、2017年にも噴火した島。その再生の様子も描写されている貴重な記録です。

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最後のページには、西遊旅行が2017年~2019年の千島列島7航海で観察した海鳥や海獣を紹介しています。鳥類はホビーズワールドの吉成才丈氏が執筆され、私は海獣類のページの写真と情報提供をさせていただきました。

全編通して、千島列島の自然と繁殖期の美しい海鳥たちの写真がいっぱいです。本はネイチャーライヴさんのホームページから購入可能です。

 

Text : Mariko SAWADA

Reference : 2019年6/15-6/27「海鳥の聖域 千島列島探検クルーズ」

※2021年の千島列島探検クルーズも暫定発表しました!

小笠原航路 カツオドリの「お見送り」

カツオドリ 小笠原航路の海鳥 (9)

2航海滞在した小笠原の旅もいよいよ終わりです。いつもジーンと感動する小笠原名物、お見送りタイム。

お見送り 小笠原航路の海鳥 (12)

お見送りをする船から見たおがさわら丸。今回は2航海滞在だったので、一度「お見送り」をすることが出きました。おがさわら丸の引き波、他のお見送りの船の引き波に気をつけながらポジション取りをします。

お見送り 小笠原航路の海鳥 (1)

おがさわら丸から見た、「お見送り」。海のツアーを展開する事業者が総出で見送ってくれます。「いってらっしゃーい」の声が響きます。

お見送り 小笠原航路の海鳥 (11)

私たちがお世話になったFisheyeのビーストマスター号と久保田君のバク転。このあと次々とみなさん海へ。アシヒレを付けないで海に飛び込むのは怖いものです。

聟島列島 カツオドリ 小笠原航路の海鳥 (6)

聟島列島付近でおがさわら丸につくカツオドリが一気に増えました。今日はトビウオフィーバーのようです。

おがさわら丸 カツオドリのトビウオフィーバー (6)

トビウオを追って海に飛び込んだカツオドリ。

おがさわら丸 カツオドリのトビウオフィーバー (7)

何とかギリギリキャッチ。

おがさわら丸 カツオドリのトビウオフィーバー (8)

でも横取りされそうになるカツオドリ。

おがさわら丸 カツオドリのトビウオフィーバー (9)

負けません!

おがさわら丸 カツオドリのトビウオフィーバー (1)

こちらでも潜水して魚を追うカツオドリ。

おがさわら丸 カツオドリのトビウオフィーバー (2)

無事に魚をくわえて上がってきました。

おがさわら丸 カツオドリのトビウオフィーバー (3)

でも気をぬくと魚ははねて逃げてしまいます。慌てるカツオドリ。

アカアシカツオドリ 小笠原航路の海鳥 (5)

群れにまじって、こんな子が。成鳥手前くらいのステージのアカアシカツオドリでしょうか。そしてどこで繁殖しているのでしょうか。

アカアシカツオドリ 小笠原航路の海鳥 (7)

夕陽のころ、アカアシカツオドリ成鳥も現れました。

アカアシカツオドリ 小笠原航路の海鳥 (8)

アイレベルで飛んでくれたアカアシカツオドリ。

カツオドリ 小笠原航路の海鳥 (10)

こんな光景をひたすら見続け、日没です。船の後方には20羽ほどのカツオドリがついて見送ってくれました。夕陽の中のカツオドリの「お見送り」に、甲板にいた皆様もうっとり。

夕陽 小笠原航路の海鳥 (13)

おがさわら丸からのサンセット。このあとトップデッキは星を眺めるカップルの場所となりました。我々は船室へ。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2020, おがさわら丸、小笠原航路

小笠原航路の海鳥(9月)

アオツラカツオドリ Masked Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (3)

9月の第一便のおがさわら丸で出会った海鳥です。出向前は「悪天候に覚悟」と言われていました、そんなに荒れることもなく、甲板を閉ざされることもなく、明るい間はフルで観察できるコンディションでした。

オオミズナギドリ Streaked Shearwater 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (1)

御蔵島付近ではたくさんのオナガミズナギドリが飛んでいました。でもちょっと距離が遠く・・。大型のミズナギドリ、一度近くで見てみたいものです。

アオツラカツオドリ Masked Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (4)

そして日没前に現れたのがアオツラカツオドリ。甲板にいたバードウォッチャーのシャッター音が響きます。

アオツラカツオドリ Masked Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (2)

アオツラカツオドリ。この付近では小笠原諸島西之島で繁殖記録があるとのことですが、西之島は現在噴火中。昨年、千島列島のライコケ島の噴火で繁殖地を失った無数の海鳥を目撃しただけに、自然のこととはいえ胸が痛みます。どこからきたアオツラカツオドリでしょうか。

イソシギ Common Sandpiper 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (5)

おがさわら丸にタダ乗りしていたイソシギ。

イソシギ Common Sandpiper 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (6)

南へ向かって飛んでいきました。海も少し荒れ始め、そして日没です。

オナガミズナギドリ Wedge-tailed Shearwater 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (10)

翌朝、朝からオナガミズナギドリ、アナドリの姿が船の周りに。

オナガミズナギドリ Wedge-tailed Shearwater 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (12)

オナガミズナギドリは小笠原諸島の島で繁殖しており、島回りでも簡単に観察できるミズナギドリです。

アナドリ Bulwer's Petrel 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (13)

アナドリ。父島群島の南島・東島で繁殖しています。小さくウミツバメちっくです。

アナドリ Bulwer's Petrel 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (14)

ようやくアナドリが近くに!

カツオドリ Brown Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (9)

そしてカツオドリの登場です。おがさわら丸がはね上げるトビウオなどを狙って、結構アイレベルの高さでも飛んでくれます。

カツオドリ Brown Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (8)

この雄のカツオドリ、めっちゃ魚をロックオン。

カツオドリ Brown Booby 小笠原丸航路の海鳥 Sea birds from Ogasawaramaru (7)

海に飛び込んで魚を追うカツオドリです。

今回は甲板でHobby’s Worldの吉成さんと出会えて大変ラッキーでした。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2020, おがさわら丸、小笠原航路

マッコウクジラの親子(小笠原諸島)

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (11)

9月、小笠原諸島の海で出会った親子マッコウクジラです。

おがさわら丸は東京竹芝桟橋を出る時に「大型台風が直撃した場合には復路の折り返し便がなくなることを承知で乗船してください」と。そんな心配の中出航しましたが、父島滞在中は大きく荒れることはありませんでした。ただ、「マッコウ海域」に行くために、海況が落ち着くのを待たなくてはなりませんでした。

小笠原諸島のマッコウクジラ観察 (1)

ようやくマッコウ海域へ。マッコウクジラのクリック音をひろい、たくさん音のする方向へ船を走らせます。ちらばった方向からクリック音が聞こえてきました。

小笠原諸島のマッコウクジラ観察 (2)

みんなでブローが上がるのをあがるのを探します。

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (1)

親子クジラです。お母さんクジラのブロー。マッコウクジラのブローホールはひとつで、体の中心より左側にあり、斜めに噴き出します。この海域にはマッコウクジラが散らばっており、いろんな方向からブローが上がるのが観察されました。

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (9)

子供クジラのブローです ♪

マッコウクジラは血縁の近い雌同士で群れを作り、暖かい海に生息します。この群れで生まれた雌はそのまま母親と同じ群れにとどまり、70年ほどと考えられる一生をその群れで過ごします。雄は成熟すると生まれた群れを離れて同じくらいの年齢の雄と群れを作り、餌を求めて徐々に寒い海域に海遊するようになります。成長するに伴い群れの個体数は減っていき、より高緯度の海へ。知床の根室海峡や千島列島で見られる大きなマッコウクジラはすべて雄です。

これまで雄のマッコウクジラを観察する機会が多かったので、小笠原の雌のマッコウクジラのグループは小ぶりで可愛らしいものでした。そして3mほどの超かわいい赤ちゃんまで!

笠井船長は小笠原で雄のマッコウクジラを見たことないとおっしゃってました。大きく成長した雄は時々南の海域に戻り、雌の群れを渡り泳いで交尾を行うということなのですが・・・。

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (5)

この子は頭にコバンザメをつけています、潜航したり浮上してくるときにひっつくのですね。

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (7)

お母さんクジラがヒレを上げました。

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (8)

お母さんクジラは深海へとイカなどを求めて潜航していきますが、子クジラはまだ潜れません。このあとしばらく一人で海上で待つことになります。

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (4)

まだ3mもない小さな赤ちゃんマッコウクジラ。

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (3)

なんと船の方へ近づいていてお腹を見せてくれたりしました。しばらくは船から遠のいたり、近寄ったりしていましたが、一定方向に泳ぎだし、私たちもちょっと後をつけさせてもらいました。

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (10)

そして浮上してきたお母さんクジラと合流です。

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (12)

マッコウクジラの親子の時間。

小笠原 マッコウクジラ Ogasawara Bonin Island Sperm Whale mother and calf (13)

あまりしつこくしてはいけません、このくらいで親子から離れ、二見港へ戻りました。さぁ、つぎはシロワニだ(笑)!

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2020, 父島海域・小笠原諸島

Special Thanks : Fisheye のみなさま

座礁したマッコウクジラ(千島列島)

座礁したマッコウクジラ 千島列島 Stranded Sperm Whale Kuril Island  (1)

千島列島の「中千島」にあるヤンキッチャ島で見た座礁したマッコウクジラ。この時、大きな嵐があり2日待って千島列島に入り、ようやくたどり着いたヤンキッチャ島で最初に見た光景でした。

嵐の時に島のクレーター湾に入り込み、出られなくなったのか、その前に漂着し力尽きたのか。

座礁したマッコウクジラ 千島列島 Stranded Sperm Whale Kuril Island  (7)

ヤンキッチャ島のクレーターに入ったところで見つけたマッコウクジラ。

羅臼ビジターセンターの展示品

この表は知床半島、羅臼の「羅臼ビジターセンター」にある、マッコウクジラに関する展示です。根室海峡から以北で見られる個体は成長したオスで1~2頭で行動しています。この死んだマッコウクジラも大きなオスでした。

小笠原で見られるマッコウクジラの群れはメスと子供の群れ、時々交尾にやってくるオスなんですね。

座礁したマッコウクジラ 千島列島 Stranded Sperm Whale Kuril Island  (8)

恐る恐る近づいて観察。中千島の島にはヒグマはいないので安心ではありますが、傷つき死んだ生き物を見るのは悲しいものです。

座礁したマッコウクジラ 千島列島 Stranded Sperm Whale Kuril Island  (5)

水温・気温が低いからでしょうか、この時は匂いは気になりませんでした。近寄って観察。

座礁したマッコウクジラ 千島列島 Stranded Sperm Whale Kuril Island  (9)

15mは軽く越えるであろう、オス。

座礁したマッコウクジラ 千島列島 Stranded Sperm Whale Kuril Island  (10)

マッコウクジラの口。マッコウクジラは歯を持つ地球上最大の生き物であり、最大のハクジラ。歯は1個1キロの円錐形で間隔を開けて並んでいます。上の歯は表面上はありません。この下の歯をオス同士の戦いに利用したり、深海でイカを噛み切って歯にひっかけて子クジラに与えたり・・・マッコウクジラなりの使用方法があるようです。

座礁したマッコウクジラ 千島列島 Stranded Sperm Whale Kuril Island  (4)

私たちが離れるとオオセグロカモメが集まり始めました。

この島にはかつて日本人が「ブルーフォックスの毛皮」の養狐のために連れてきたコマンダー諸島のアオギツネ(ホッキョクギツネ)が暮らしています。いずれは彼らの糧となるのでしょうか。

座礁したマッコウクジラ 千島列島 Stranded Sperm Whale Kuril Island  (3)

これはその一週間後に訪れたときの写真です。かなりの悪臭になっていました。そして私が想像したような「アオギツネの糧」にはなっていませんでした。アオギツネは新鮮な海鳥にありつけるので、クジラの死肉は関係なかったようです。

今年の夏に同じ場所に行ったら骨になったマッコウクジラが見られるのかと期待していましたが、コロナでそれも1年延期になってしまいました。

マッコウクジラ 千島列島  (2)

死んだマッコウクジラの写真だけだと悲しいので、千島列島のライコケ島付近で出会った元気なマッコウクジラの写真です。大きなオスのマッコウクジラでした。

マッコウクジラ 千島列島

千島の深い海へと潜っていくマッコウクジラです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2019, Yankicha Island, 千島列島 Kuril Islands, Russian Far East

(動画) ザトウクジラ遭遇!(閂ロック、小笠原諸島)

ザトウクジラ 小笠原諸島 閂ロック Humpback Whale (4)ダイビング中にザトウクジラに出会えたら・・・そんな夢が実現した小笠原。これまでも水中で「歌」を聞き、その声の大きさにすぐそばにいるんじゃないのかとドキドキしたこともありました。

ザトウクジラ 小笠原諸島 閂ロック Humpback Whale (2)

南島~閂島の間にあるポイント、閂ロック。入る前から親子クジラがそばにいたので、気にはしていましたが、水中で遭遇することになるとは。

ザトウクジラ 小笠原諸島 閂ロック Humpback Whale (3)

向かっている方向に「棒」のようなものが。じっとしている母クジラの尾でした。そこへ呼吸しておりてきたクジラの赤ちゃんが。私たちを見てしまい、親子で泳ぎ去っていきました。

時間にして40秒の出来事です。

ザトウクジラ 小笠原諸島 閂ロック Humpback Whale (1)

水底から見上げたザトウクジラの大きさ!

ミナミイカナゴ 小笠原諸島 閂ロック

最後に小笠原固有種「ミナミイカナゴ」の舞。閂ロックは白砂の美しいポイントで、ミナミイカナゴが雪が降るように舞う姿は大変美しいものでした。

 

Photo/video & text : Mariko SAWADA

Observation : April 2020, 南島-閂島、小笠原諸島

Special Thanks : Fisheye

白いミナミハンドウイルカの赤ちゃん(聟島列島、小笠原諸島)

小笠原諸島 嫁島 聟島列島 白いミナミハンドウイルカ Indo-pacific bottlenose dolphin (1)

小笠原諸島、聟島列島の嫁島で出会ったミナミハンドウイルカ Indo-pacific bottlenose dolphinの群れとその白い赤ちゃんです。

船長の「イルカだ~船の前に」の声。カメラをもって駆けつけると、「アレ?めっちゃ白い」。ミナミハンドウイルカの白い個体です。ポイントは嫁島の「マグロ穴」付近。

小笠原諸島 嫁島 聟島列島 白いミナミハンドウイルカ Indo-pacific bottlenose dolphin (5)

嫁島の「マグロ穴」は聟島列島の人気ダイビングスポット。イソマグロが巻いている楽しいポイントです。

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こっちに向かうイソマグロの向こうにイルカ?!

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イルカがイソマグロを蹴散らしてる・・・。さらに白い個体が!!

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「嫁のマグロ穴」という宇宙です・・・。

小笠原諸島 嫁島 聟島列島 白いミナミハンドウイルカ Indo-pacific bottlenose dolphin (2)

サービス満点のミナミハンドウイルカたち。成長すると腹部に斑点が現れるのがミナミハンドウイルカの特徴とのこと。ミナミハンドウイルカは2000年にハンドウイルカの亜種から別種として認められるようになりました。

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船にもどってからのシュノーケリングでも遊びに来てくれたミナミハンドウイルカたち。

小笠原諸島 嫁島 聟島列島 白いミナミハンドウイルカ Indo-pacific bottlenose dolphin

船の上にいる人にも大サービス。この白い赤ちゃん、アルビノなのか、白化個体なのか・・・。体に黒いところも見られ、ピンクっぽくないのできっと白化個体だろうなぁ・・・などといろんな話をしながら、皆、興奮は冷めません。

この子が無事に育ちますように!

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : April 2020, 嫁島、聟島列島、小笠原諸島

Special Thanks : Fisheye

とびうお桟橋のムナグロ(父島、小笠原諸島)

小笠原諸島 父島 トビウオ桟橋のムナグロ Pacific Golden Plover (5)

4月上旬の小笠原諸島、父島。ホエールウォッチングなどで船に乗る際に二見湾のとびうお桟橋でムナグロ Pacific Golden Plover を見ることができました。

とびうお桟橋は「とびうおの日時計のモニュメント」がある桟橋で、ダイビングや観光の船が係留している桟橋です。季節によっては夜に大きなマダラエイやシロワニが見られることでも知られています。

小笠原諸島 父島 トビウオ桟橋のムナグロ Pacific Golden Plover (3)

このとびうお桟橋には陸とつながっていないブロックがあり、ここでは朝に夕にムナグロたちを見ることができました。北極圏近いツンドラで夏に繁殖するムナグロは越冬のために東南アジアや遠いところでは東アフリカ、オーストラリアまで渡りを行いますが、日本ではこの小笠原諸島で越冬しています。

小笠原諸島 父島 トビウオ桟橋のムナグロ Pacific Golden Plover (2)

夏冬中間羽のムナグロ。

小笠原諸島 父島 トビウオ桟橋のムナグロ Pacific Golden Plover (6)

だいぶ夏羽に近いムナグロ。

小笠原諸島 父島 トビウオ桟橋のムナグロ Pacific Golden Plover (4)

個体によって差がありますが、冬羽と夏羽の中間期のムナグロを見れるのは、とびうお桟橋発着時の大きな楽しみでした。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Early April, 2020, 父島、小笠原諸島

南島に上陸!小笠原一の美しさ、南島の自然(小笠原諸島)

南島 小笠原諸島  (18)

父島の南西約10キロにある無人島、南島。南島は父島や母島のように溶岩でできた島ではなく、サンゴ礁でできた石灰岩の島です。

”日本有数の沈水カルスト地形”で、約4000万から2000万年前に海底に堆積した石灰岩が氷期に海水面が下がり陸化した時に浸食が進み、間氷期に海水面が上がるとこの地形が海底に沈み浸食が止まりました。海水面の昇降が繰り返され、今から2万年ほど前の最終氷期の後、再び海水面が上昇して形成されたものが、現在の沈水カルスト地形であると考えられています。

南島では”ラピエ”と呼ばれる鋭く尖った岩や、”ドリーネ”と呼ばれるすり鉢状の窪地(扇池、鮫池等)が見られます。

扇池より上陸 南島 小笠原諸島  (16)

南島への上陸方法は船で「鮫池」から上陸する方法と泳ぐかカヤックで「扇池」から上陸する方法があります。いずれも悪天候だったり風の向きが悪い場合にはアクセスできず、父島滞在中は「南島は行けるときに行くこと!」です。

4月上旬に泳いで上陸したときの様子の動画です。

扇池のアーチを越えて上陸するビーチ、扇浜はとてもきれいです。上陸してからはガイド氏の指示に従い、定められたルートを歩き「最大2時間ルール」を守って行動します。

ムナグロ 南島 小笠原諸島  (8)

上陸した海岸にいたムナグロ Pacific Golden Plover。夏冬中間羽が素敵です。

イソヒヨドリ Blue rock thrush 南島 小笠原諸島  (5)

南島の”ラピエ”と呼ばれる鋭く尖った岩とイソヒヨドリ Blue rock thrush のオス。父島、母島ともに海辺で普通に見られる鳥です。

陰陽池 南島 小笠原諸島  (12)

これは陰陽池と呼ばれる淡水と海水の混ざった汽水湖。雨水と台風の時に流入する海水でなる池で、ここには、渡り鳥が運んだと考えられる水草の「カワツルモ」が育っています。

セイタカシギ 南島 小笠原諸島  (11)

陰陽池にいたセイタカシギ Black-winged stilt 、2羽いました。小笠原では旅鳥。陰陽池は旅鳥の数少ない休息場所になっているようです。

オナガミズナギドリ 繁殖 南島 小笠原諸島  (6)

鮫池から扇浜に向かう丘の岩場でみかけたオナガミズナギドリ Wedge-tailed shearwater のペア。4月上旬だったので、早めの繁殖開始です。4~5月に岩の隙間に営巣をはじめ、6月には卵を産むそうです。

ヒロベソカタマイマイ 南島 小笠原諸島  (13)

そして南島と言えばコレ、絶滅した小笠原の固有種ヒロベソカタマイマイの半化石です。かつてはここに森があったといいます。1000~2000年前に絶滅したそうですが、年代測定の結果300年位前まで生存してたのでは、とも言われています。

鮫池 南島 小笠原諸島  (17)

そして「鮫池」。名前のとおり、岩場にはネムリブカ White-tip reef shark が群れでいることがあるそうです。この鮫池も侵食によってできた”ドリーネ”です。

ザトウクジラ 南島 小笠原諸島  (1)

そして南島周辺の海では1~4月の間、たくさんのザトウクジラの親子の姿を見ることができます!

 

Photo/video & text : Mariko SAWADA

Observation : April 2018, 2020 南島,小笠原諸島

Special Thanks : Fisheye

Reference : 東京都文化情報データベース”小笠原南島の沈水カルスト地”、世界遺産小笠原(楽学ブックス)、小笠原ハンドブック(南方新社)

(動画)アリューシャン列島・ラッコの毛づくろい

アリューシャン列島のウラナスカ島、ダッチハーバーの港で船の出航を待っている間に見ていたラッコです。あまりにも可愛くって・・・。

ダッチハーバーのラッコ毛づくろい

ラッコは3つのグループに分かれ、アリューシャン列島のラッコはアラスカラッコ Alaska Sea Otter / Northern Sea Otter です。

Videograhy & Text  :Mariko SAWADA

Observation :  Jul 2019, Dutch Harbor, Unalaska Island, Alaska, US

★アリューシャン列島「アリューシャンマジック」ツアーにつてはお問い合わせください。2020年7月出発予定。