アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (1)

アマミホシゾラフグのサークル作り(奄美大島)

アマミノホシゾラフグ 奄美大島ダイビング Torquigener albomaculosus white-spotted pufferfish mystery circle ミステリーサクル Dive in Amami-osihma (2)

テレビでも番組が放映されたりして話題になった、奄美大島の「海底のミステリーサークル」。1995年に水中写真家が見つけ、だれがいったい、何のために作ったのかわかっていませんでした。それが小さななフグが作ってると分かったのは2011年のこと。

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奄美大島の「海底のミステリーサークル」。水深30m付近に作られることが多く、深さのため長い時間潜って観察することもできず、また季節も潮回りも限られるため、この作り主のフグに出会うまでに16年かかったのだそうです。

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これがアマミホシゾラフグ Torquigener albomaculosus のオス、サークルの作り主です。このフグは2014年に「新種」として登録されました。アマミホシゾラフグの名前は背中の水玉模様が奄美大島の夜空の星のように美しいことに由来します、本当にキレイな名前!

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私たちはこのアマミホシゾラフグがサークルを作る過程を5日間にわたって観察しました。この写真はサークルのふちを貝殻で飾り付けているアマミホシゾラフグ。大きい貝はかみ砕いたりもするそうです。

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サークルづくりの最初は気に入った場所の海藻などを取り除く作業から始まります。サークルの基礎となる溝を作っていきます。外側のサークルの溝作りでは胸鰭で砂を左右に巻き上げ、その砂が両側に堆積し、より深い溝になっていきます。

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サークルの真ん中の卵を産んでもらうところはお腹でやさしく浅い溝を作ります。

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サークルづくりの仕上げをするアマミホシゾラフグ。最終メンテナンスに大忙しです。

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あとはこのサークルを気に入ってよってくるフグの女の子を待つだけ!

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2022年の5月上旬の潮回りのときは、潜れる範囲に7つのサークルがありました。この日の朝、サークルの真ん中に卵がありました。真ん中のグレー色のものが卵です。

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卵を産むとメスはすぐにいなくなってしまい、オスがせっせと卵のお世話をします。ヒレで卵と砂をかきまぜ、新鮮な海水を送ります。

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卵のお世話に忙しいアマミホシゾラフグのオス。もうサークルのメンテナンスは行われなくなり、少し崩れ始めています。

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で、7つのサークルのうち6つのサークルには卵があったのですが、私たちが毎日見守っていた水深30mの「フグ太」のサークルには卵がありませんでした。毎日見ていた私たちにとって「一番キレイで立派なサークル」と思っていたのですが、フグのメスに選ばれなかったのです。フグと私たちの選ぶ感覚に差があるのでしょうが、それでも「コンクールで一等確実と思ってた子が予選落ちした」感じで非常に納得いきませんでした。

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健気にまだメンテナンスをするフグ太。それでも昨日ほどの元気はなく、ショボショボと作業をしていました。

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フグ太。この時のサークルは最終的にメスに選ばれず、放棄されました。繁殖シーズンはあと2か月ほど続きます。次の潮回りではきっと女の子に選ばれるサークルを作ってね、と祈りながら海底を後にしました。

5日間15ダイブのうち、10ダイブをアマミホシゾラフグの観察に費やしました。サークル作り、メンテナンス、卵のお世話・・というステージを観察。相当、頭のいいお魚です。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : May 2022, Amami Oshima

Special Thanks : Dive Species Amami, Mr.Suwa Homare