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オーストリアからオーストラリアへ~ふたりの自転車大冒険

A2A_poster©Aichholzer Film 2020

オーストリア(ロシア・カザフスタン・キルギス・中国・パキスタン・インド)

オーストリアからオーストラリアへ~ふたりの自転車大冒険

監督・出演:アンドレアス・ブチウマン、ドミニク・ボヒス
日本公開年:2022年

2021.12.15

カラフルで滋味あるスムージーのような、つぶつぶ感のある映像旅行記

オーストリアからオーストラリアまで、陸路1万8000キロを自転車で走破するべく旅に出た2人の青年、アンドレアスとドミニク。

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モスクワの赤の広場、カザフスタンのステップ砂漠、カラコルム・ハイウェイなどを経ながらユーラシア大陸を横断して、目的地のオーストリア・ブリスベンまでVlog(ビデオ・ブログ)を撮りながらの旅が始まる。

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カメラは豪雨、水・食料の枯渇、灼熱、日射病、ケンカなど、道中で起きる様々な出来事を記録していく・・・

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旅に出る理由というのはいわば「何でもあり」なわけですが、その中で最もオーソドックスな手法は、「宮殿ホテルでマハラジャ気分を味わいたい」「ウユニ塩湖が鏡面状になっている景色を見たい」「ヒマラヤでブルーポピーの花が咲いているのを見たい」など、何かしらの形で「ゴール地点を定める」ということでしょう。

ゴール地点が定まると、いわゆる「あてのない旅」ではなくなるわけですが、そのゴール地点に必ずしも意味付けがあるとは限りません。たとえば、僕は大学のときに青春18切符(JRの在来線5日間乗り放題)で「とにかく遠くまで行こう」と、特段具体的な理由なしに、ひたすら在来線で東京から鹿児島の指宿まで行きました。若い発想だな、と自分の行動ながらに思います。

本作は「オーストリアはオーストラリアと名前が似ているから、オーストラリアに行こう(しかも陸路 かつ オーストラリアもしっかり横断する)」という若々しい発想にもとづく旅で、目的地はしっかり定まっているものの、旅内容の具体性の無さが、旅先で多くの人々・現象を引き寄せていきます。

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たとえば、カザフスタンやパキスタンで、彼らは偶然出会った現地人に食事・結婚式に誘われたり、歓迎の宴を催してもらったりします。もし、何か急ぐべき理由があったら、このような現象は起きていないはずです。

僕自身も規模はかなり違いますが、同じようなやり方で旅をしたことがあります。器のように、何かを受け止められるような態勢を保ちながら旅をする、とでもいえばいいでしょうか。そのような「受け」あるいは「待ち」の姿勢は、なかなか普通の社会勉強では会得し難いものではないかと思います。

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本作には、西遊旅行のお客様であれば、場所が判別できるシーンがたくさんあるはずです。特に僕がドキリとしたのはパキスタンのカラコルム・ハイウェイです。「あの断崖絶壁の悪路を、自転車で行ったとのか・・・」と、想像するだけで怖くなり、主人公の2人を尊敬しました。

オサマ・ビン・ラディンが暗殺されたカラコルム・ハイウェイの入り口の町・アボッタバード、中国の新疆ウイグル自治区・カシュガルの市場、インド・パンジャーブ地方 アムリトサルのゴールデン・テンプル(シク教の聖地)など・・・
様々な町の様子が主観的映像を中心に映し出され、本当に現地を旅をしているかのような心地になるはずです。

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リアルな映像の連続で、GoProなどウェアラブル・カメラが欲しくなってしまうかもしれない『オーストリアからオーストラリアへ~ふたりの自転車大冒険』は、2022年2月11日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ有楽町・アップリンク吉祥寺ほか全国順次上映。詳細は公式ホームページをご確認ください。

天山の真珠 キルギスとカザフスタン 6日間

イシク・クル湖畔に宿泊し、紺碧の湖と雪を頂くテルスケイ・アラ・トー山脈の美しい景観をお楽しみください。
約1時間のボートクルーズにもご案内。近郊に残る古代サカ族の刻画が残る野外岩絵博物館も見学します。

クンジュラブ峠越え パミール大横断12日間

イスラマバードからカシュガルへ、パキスタンと中国を結ぶ1,300㎞のカラコルム・ハイウェイを大走破!峻険な山々や美しい名峰、雄大なパミール高原やカラクリ湖、迫力の大自然を間近に望めるアドベンチャー・ロードです。上部フンザ・アッタバード湖沿いにトンネルが開通したことにより、移動時間が大幅に短くなった新しいカラコルム・ハイウェイをお楽しみください。シルクロードの要衝カシュガルも訪問します。

印パ国境越え ムガール帝国・王の道を行く

パキスタンのイスラマバードから、ラホール、アムリトサル、デリー、アグラへとかつての「王の道」を辿って国境を越えます。アムリトサルからアグラまでは一部王の道に併走する列車の旅をお楽しみいただきます。

ジャッリカットゥ 牛の怒り

08d82edcec37e216配給:ダゲレオ出版

(C)2019 Jallikattu

インド

ジャッリカットゥ 牛の怒り

Jallikattu

監督:リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ
出演:アントニ・バルギース、チャンバン・ビノード・ジョーズほか
日本公開:2021年

2021.5.19

追いつ追われつ―暴れ牛が描く 南インド村社会のエスノグラフィー

南インド・ケララ州にある小さな村で巨大な水牛が逃げ出し、人々はパニックになる。町の男たちは、泥にまみれ罵り合いながら牛を追いかけ回す。牛の存在は巨大な台風のように村社会を吹き荒らし、権力構造や矛盾を暴き出していく・・・

SABUMON FACING THE CAMERA Jallikattu / Lijo Jose Pellissery

「旅と映画」でご紹介している映画にオススメでないものはないですが、本作は特に特に観ていただきたい一作です。なぜかというと、僕がプログラマーとして関わってきたアジアフォーカス福岡国際映画祭(残念ながら昨年度で30年の歴史に幕を下ろしました)で「この作品だけは絶対したい!」という熱量をもって推薦した作品だからです。ついついこの作品について話すと、劇中の迫力が乗り移って熱がこもってしまうのですが、なるべく冷静にご紹介します。

まずは背景知識です。タイトルの「ジャッリカットゥ」という怪獣のような名前は、南インドのタミル・ナードゥ州で行われてきた牛追い競技の名称です。2000年代に入って動物愛護の観点から開催の妥当性が議論されてきました。

そんな現実世界から映画のフィクショナルな世界に引っ越しした水牛とむさ苦しい男たち約1000人は、思う存分追いかけ合いを繰り広げます。10分以上1ショット(カットを切らない)でつづく大迫力のチェイスや、数十人(しかも大半がアマチュア)がものすごい剣幕で罵り叫び合うシーンは、映画制作者でなくても「一体どうやって撮影しただろう」と疑問に思うこと請け合いです。

本作をオランダ・ロッテルダム映画祭で鑑賞した際は英語字幕バージョンでした。英語字幕を読むのはかなり慣れているのですが、本作のスピードについていけず、途中から字幕はちらっと見る程度にして映画のリズムに没入しました。ですが、(もちろん何を言っているか分かるに越したことはないですが)鑑賞後に内容理解が欠けているとは感じず、「巨大台風が過ぎ去りつつある空をボーッと見つめる、飛来物満載・湿度ムンムンの深い水たまり」のような心地になりました。

下部にリンクでご紹介している西遊旅行のツアーで訪れるケララ州の秘祭も、実際のジャッリカットゥもそうですが、大人数が集まる祭りや催しを堂々と行えるのは、世界中どの場所においてもしばらく先になることでしょう。そして、1000人の男たちが牛を追いかけ回す映画の撮影も、同じくらいの期間、撮影困難になります。

この2020年代においてとても貴重(ちなみに本国インドでのリリースはコロナ前の2019年です)で、あたかも西遊旅行の秘祭ツアーに訪れたかのような気分を味わえる『ジャッリカットゥ 牛の怒り』は、7/17(土)よりシアター・イメージフォーラム他でロードショー。その他詳細は公式HPをご確認ください。

ケララ北部の秘祭を撮る テイヤムの神と女神たち
知られざる南インドへ

秘祭テイヤムが行われるカヌールとバダカラの都市を訪問し、4日間に渡りたっぷりと祭りを見学。ヒンドゥーの神々と古代からの土着の宗教が相まった、インドの他地域とは異なる独自の文化をご覧いただきます。また、祭りの合間には郊外の村も訪問します。

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ケララ

44の河をもつ、緑豊かな「楽園」のイメージの土地です。 紀元前3世紀頃からすでにこの地では交易が盛んに行われており、エジプト、フェニキア、中国、バビロニアなどの地方からの人々で賑わいを見せ ていました。その後、大航海時代の1498年にポルトガル人が訪れ拠点を築き、続いてオランダ、イギリス、フランスからも相次いで上陸し、象 牙、チーク材、香辛料などを求めてヨーロッパ人の交易が開始されました。1956年、ケララ州はトラヴァンコール藩王国、コーチン藩王国な どのマラヤーラム語圏をもとに成立しました。 ケララは非常に緑が多く、車窓からは常にヤシ、バナナ、ゴムなどが植樹されているのを見ることができます。また、識字率がほぼ100%と高いことも特徴です。

僕が跳びはねる理由

401d2470330abfbe(C)2020 The Reason I Jump Limited, Vulcan Productions, Inc., The British Film Institute

イギリス、アメリカ、インド、シエラレオネ

僕が跳びはねる理由

 

The Reason I Jump

監督:ジェリー・ロスウェル
日本公開:2021年

2021.2.24

自閉症者の目線で感じる、人生という旅路

イギリス、アメリカ、シエラレオネ、インドに暮らす5人の男女たち。彼らは自閉症者と呼ばれている。当人や家族の証言を通して、彼らの感じている世界は「普通」と言われる人たちとどのように異なるのかが明らかになっていく。原作は2005年に作家・東田直樹が13歳の時に執筆し、世界30カ国以上で出版されたエッセイ『自閉症の僕が跳びはねる理由』。

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4カ国それぞれのエピソードのなかで私が最もグッときたのは、イギリスのパートで「(自閉症の)息子が感じている世界を、10秒だけでもいいから体験してみたい」と、世間から自閉症者とみなされている息子を持つ父親が語る場面です。なかば憧れに近いトーンで、その一言は発されます。

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グッときたというよりも合点がいったという感じかもしれません。私自身の作品の上映が行われたときに、お子さんがダウン症だという方から「いつかダウン症当事者とその家族の映画を撮ってください。あなたならその辛さではなくて、普通さ、幸せが撮れると思いました」と声がけしてもらったことがあります。その方の気持ちは、「いつか息子の世界を体験してみたい」というセリフのトーンにかなり近いのではないかと本作を鑑賞しながら思いました。両者に共通しているのは、世間から障害とみなされている子どもが「普通」とは違う世界の美しさを見出していると信じていることです。

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「頭の中身は人によって全く違う」ということは、自分のつくった映画を人に観てもらう(いわゆる上映活動)をすると、とてもよくわかります。当然、知識としては映画制作者でなくても知れることではあるのですが、それを身にしみて実感できる機会が多いことは、映画制作者の特権だと思っています。

自分が当然伝わると思っていたシーンが、違うように解釈される(最初はその都度ドキッと、あるいはギクッとしていましたが、今ではその解釈の違いが楽しみです)。自分の描いたシーンが、他者の予想だにしない記憶を蘇らせる。そうした連鎖の中で「頭の中身は人によって全く違う」と確信していくのですが、実は西遊旅行での添乗業務と偶然の一致を感じていました。

添乗業務では同じツアーや同じ場所に何度も添乗するのですが、参加いただく方の興味・関心によって、行程が同じツアーでも全く別物に変身します。もう10年以上前のことなので書かせていただきますと、入社したての頃は「同じツアーだから今回はわりと気楽に行けるかも」という若干の慢心とともに添乗に臨み、ツアー序盤であまりの違いに慌てて緊張感を呼び戻したことがあります。

話を映画の感想に戻しますが、自閉症の人々というのは(もちろん医学的見地からみた症状や、当人が感じる不都合というのはあるのかと思いますが)、たとえるならば、旅をしているときの手段や着眼点が違うだけなのだと私は思います。この場合の「旅する」というのは、人生をすごすことです。

あるとき、なかなかの僻地を行くツアー添乗中に自然災害が起き、バス移動だったところを徒歩で移動することになり、途中で現地の軍用トラックに便乗させてもらうという経験をしたことがあります。トラックの上でふと我に返ったとき「大変だけどこれもまた旅なのだな」と思ったのを今でも覚えていて、ほかにもいろいろと本作を観ている間に旅の記憶が蘇りました。

自閉症と旅。一見するとまったく関連がないようですが、おそらく私の様々な旅の思い出が蘇ってきたのは偶然ではないと思います。

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『僕が跳びはねる理由』、4/2(金)より角川シネマ有楽町ほか全国順次ロードショー。詳細は公式サイトからご確認ください。

タゴール・ソングス

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バングラデシュ・インド

タゴール・ソングス

Tagore Songs

監督:佐々木美佳
出演:オミテーシュ・ショルカール、プリタ・チャタルジー、オノンナ・ボッタチャルジー、ナイーム・イスラム・ノヨンほか
日本公開:2020年

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心に秘めた“黄金”を すすんで分け与える ― ベンガルの人々の素顔

イギリス植民地時代のインドを生きた詩聖・タゴールは、詩だけでなく2000曲以上の歌を作った。それらはタゴール・ソングと総称され、今でもベンガルの人々に愛されている。

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カメラはインド・西ベンガル州のコルカタ、バングラデシュ、日本を行き来し、人々の心の中で受け継がれているタゴール・ソングの世界へと入り込んでいく・・・

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タゴールは1861年、インドのコルカタにある裕福な家庭のもとに生まれ、8歳から詩作を始め、文学・音楽・教育・思想・農村改革といった様々な分野で後世に“ギフト”を残しました。

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1913年にアジア初のノーベル賞を授与された詩集『ギーターンジャリ』はその代表格ですが、本作ではタゴール・ソングという“ギフト”がどのように人々に分かち合われているかに焦点をあてています。

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1947年、以前ご紹介した『英国総督 最後の家』でも描かれているとおり、ヒンディー国家であるインドから東西パキスタンがイスラム国家として分離独立しました。さらに1971年、東パキスタンはバングラデシュ(「ベンガル人の国」の意)として、分離独立しました。

劇中ではインド・バングラデシュの両国でタゴールの歌が国歌として用いられていることが紹介されていますが、タゴール・ソングが持つ国境・時代を越える「自由さ」は、映像でこそ実感できます。

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タゴール・ソングのテーマはベンガルの自然・祈り・愛・感情・習俗など多岐にわたりますが、「自由」は本作のサブテーマとなっていて、政治運動の様子や女性の自由について問題提起がなされています。

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登場人物のうちの一人、近代化するダッカで生きるオノンナは、タゴールの自由さに憧れ、不確かさを抱えながらも強く生きていく覚悟を両親に語りますが、保守的な両親は許さず言い合いとなる様子が描かれています。タゴールは存命中からすでに国境を越える存在で1916年には来日して講演をしていましたが、オノンナは「タゴールが訪れた地に行ってみたい」と、日本に訪れることになります。

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そうしたストーリー展開の中で映し出される人々の素顔は、本作の最大の魅力です。素顔という言葉には「奥に隠れている」というような意味合いがありますが、タゴール・ソングスを口ずさむ人々の顔には、ほぼ自動的といってもいいほどに素顔がスッと現れてきます。

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私は西遊旅行に勤務していたときバングラデシュを訪れたことがありますが、人々の人懐っこさに驚きました。単純に外国人観光客が珍しいからかと思っていましたが、本作を観終わった後には違う可能性が思い当たります。それは、タゴール・ソングがベンガルの地に浸透していることが、ベンガル人の精神的豊かさにつながっているということです。それほど、本作で映し出されている人々の声や表情は豊かです。

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時空を越えて今なお生き続けるタゴールの姿に触れられる『タゴール・ソングス』は、「仮設の映画館」で2020年5月16日(土)10:00-2020年6月12日(金)24:00まで上映後、ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー。詳細は公式サイトからご確認ください。

黄金のベンガル バングラデシュ

豊かな北部と世界最大のマングローブ、美しい月夜のシュンドルボンの森へ。

バングラデシュを撮る

写真撮影に徹底的にこだわった特別企画 通常ツアーで訪れないような厳選の撮影スポットへ。

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ベンガル

バングラデシュへの旅は、たくさんの人々との出会いも大きな魅力のひとつです。畑で働く人々、漁をする人々、雑踏のなか力一杯リキシャのペダルを踏む人や、エネルギッシュに逞しく生きるベンガルの人々はとても人懐っこく、たくさんの笑顔で迎えてくれます。

ヒンディー・ミディアム

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インド

ヒンディー・ミディアム

 

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監督:サケート・チョードリー
出演:イルファーン・カーン、サバー・カマルほか
日本公開:2019年

2019.8.28

英語コンプレックスのインド人夫婦が繰り広げる、ドタバタお受験戦争

デリーの下町で洋品店を営むラージと妻のミータは、娘を私立校に入れることを考えている。親の教育水準・居住地・英語能力までもが合否に影響することを知り、夫婦は娘と一緒にお受験塾に通い、高級住宅地へ引っ越しをする。しかし、結果は全滅。

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落胆した2人であったが、希望していた私立校が低所得者層のために入学の優先枠を設けているという話が報じられているのを目にする。お受験熱を再燃させたラージとミータは、優先枠での入学を狙うために貧民街への引っ越しを決行する・・・・・・

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人々の暮らしぶりを見ることは、旅において大きな楽しみの一つです。私が西遊旅行で添乗していたときには、長距離移動のバス車内でガイドさんに、教育システム・仕事事情・平均所得・食生活など人々の暮らしを知るヒントになる情報を必ずといっていいほど聞いて、ツアー参加者の皆様と質問大会をしていました。

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本作が観客に見せてくれるのは、インドの首都・デリーに暮らす中流階級(ミドルクラス)の葛藤です。ストーリーは、親の学歴によって子どもの入学が拒否された実際の事件にインスピレーションを受けているそうです。
(タイトルの「ヒンディー・ミディアム」はヒンディー語で授業を行う公立学校のことで、主人公夫婦が娘を入れようと必死になっているのは英語で授業を行う名門私立校「イングリッシュ・ミディアム」です)

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困窮している主人公が状況を打破しようと抗ったり、富や名声を得た主人公が没落してどん底に突き落とされる姿を描く映画は多くあります。しかし、本作はそうした典型的なストーリーテリングとは一線を画したユニークな切り口で、「貧富の差」や「階級社会」というヘビーなテーマを扱いながらも、コミカルに物語が展開していきます。

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本作のユニークな点とは、貧富の差が直接的に描かれるのではなく、上流でも下流でもない中流の主人公たちが、上流になりきろうとした結果、自ら下流の生活(貧民街への引っ越し)を選ぶ滑稽さにあります。そして、主人公夫婦は「本当の富や豊かさとは何なのか」を自分たちよりも圧倒的に貧しい人々から学んでいきます。

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この誰も傷つけることのない温かなストーリーテリングによって、下町生まれというラージの出自、学歴という取り返しのつかない過去、英語ができないというミータのコンプレックスは蔑まれることなく全て笑いの要素となっていきます。近年のインド映画のクオリティには圧倒されるばかりですが、本作に見られる洞察の深さ・視野の広さは、インド映画のさらなる発展を予感させるものとなっています。

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インド国内だけではなく中国でも大ヒットとなった『ヒンディー・ミディアム』は、9/6(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー。その他詳細は公式ホームページをご覧ください。

ナマステ・インディア大周遊

文化と自然をたっぷり楽しむインド 15の世界遺産をめぐる少人数限定の旅

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デリー

「旅の玄関口」デリー。この都市は、はるか昔から存在した歴史的な都でもあります。 古代インドの大叙事詩「マハーバーラタ」では伝説の王都として登場。中世のイスラム諸王朝やムガール帝国などさまざな変遷の後、1947年にはイスラム教国家パキスタンとの分離独立を果たします。現在ではインド共和国の首都として、その政治と経済を担い、州と同格に扱われる連邦直轄領に位置づけられています。

あなたの名前を呼べたなら

ef5481c837a9cc75© 2017 Inkpot Films Private Limited,India / © Inkpot Films

インド

あなたの名前を呼べたなら

 

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監督:ロヘナ・ゲラ
出演:ティロタマ・ショーム、ヴィヴェーク・ゴーンバルほか
日本公開:2019年

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大都会・ムンバイの片隅で―身分を越えた孤独の共鳴

南アジア最大級の国際都市・ムンバイ。農村出身のラトナはファッションデザイナーを夢見ながら、建設会社の御曹司・アシュヴィンが住む高層マンションの一室で、住み込みメイドとして働いている。

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アシュヴィンはまもなく結婚するはずだったが、婚約者の浮気が発覚して破談となる。落ち込むアシュヴィンを気遣いながら、ラトナは彼の身の回りの世話をする。

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19歳のときに夫を亡くしたラトナは、田舎に住む妹の学費を「自分とは違う人生を歩んでほしい」という想いでムンバイから仕送りしつつ、裁縫を学びはじめようとしてアシュヴィンに伺いをたてる。

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真摯に働き夢を叶えようとするラトナの姿は、心に空白を抱えたアシュヴィンにとって力強く映り、やがてアシュヴィンはラトナに心を寄せるようになる。しかし、インドに深く根付いた階級社会の壁が2人の間に立ちはだかる・・・

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日本の20倍もの国土を持つインドという国は、決して一言で語り切ることができない複雑さに満ちています。各地に根付いた文化・風習・言語もさることながら、植民地支配の名残、階級社会、カースト制度などは、旅するだけでは到底その全体像を掴むことはできません。

しかし本作では、廊下で度々すれ違い、ギフトを贈りあい、互いを励まし、思いを伝え合うラトナとアシュヴィンの「交換」から、現地人の感覚を追体験することができます。

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ユニークな点は、ラトナがムンバイという大都会にある種の希望を見出している点です。社会格差というトピックを描くために、ともすると、田舎から出てきた主人公が都会の荒波に翻弄されるという典型的なストーリーテリングになりがちなところを、本作は「未亡人になった時点で田舎では『人生終わり』だが、都会には人生を変えられるチャンスがある」という観点で物語が紡がれています。

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そのため、物語の源泉が「希望・夢」というポジティブなところから湧いていて、ムンバイという都市も「冷たさと無関心が渦巻く大都会」というイメージではなく、「ビーチがあって開放的でスタイリッシュな都市」という旅情が掻き立てられるような見え方がするはずです。

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アシュヴィン役のヴィヴェーク・ゴーンバルが出演した『裁き』(2017年公開作品)も、インドの複雑さ・多様さを垣間見れる作品なので、併せてぜひチェックしてみてください。

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シリアスさな問題を扱いながらも優美な世界観を持つ『あなたの名前を呼べたなら』は、8/2(金)よりBunkamuraル・シネマほかにてロードショー。その他詳細は公式ホームページをご覧ください。

アジャンタ・エローラ 西インド世界遺産紀行

二大石窟とサンチー仏塔 インドが誇る珠玉の世界遺産巡り

ナマステ・インディア大周遊

文化と自然をたっぷり楽しむインド 15の世界遺産をめぐる少人数限定の旅

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ムンバイ

現在のムンバイは7つの島々から構成され、インドの中でも商業の中心地として発展してきました。その歴史は古く、最初に確認されている歴史は紀元前2世紀頃よりこの辺りには漁民が住んでいたと言われています。

パドマーワト 女神の誕生

poster_image(C)Viacom 18 Motion Pictures (C)Bhansali Productions

インド

パドマーワト 女神の誕生

 

Padmaavat

監督:サンジャイ・リーラ・バンサーリー
出演:ディーピカー・パードゥコーン、ランヴィール・シン、シャーヒド・カプールほか
日本公開:2019年

2019.6.5

700年の時を越え現代に甦る、伝説の王妃 ラーニー・パドミニー

13世紀末、シンガール王国(現在のスリランカ)の王女パドマーワティは、西インドの小国・メーワール王国の王ラタン・シンと恋に落ち、メーワール王国の妃となる。

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その頃、北インドでは叔父を暗殺した若き武将アラーウッディーン・ハルジーがイスラム教国の王(スルタン)となり、その影響力を広げていた。絶世の美女パドマーワティの噂を聞きつけたアラーウッディーン・ハルジーは、メーワール王国に兵を送るが、ラタン・シンの抵抗によって彼女の姿を見ることさえ許されなかった。

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どうしてもパドマーワティを自分のものにしたいアラーウッディーン・ハルジーは、ラタン・シンを拉致して、城にパドマーワティをおびき寄せようと画策する・・・

インド映画史上最高額の製作費がかけられた本作は、本当に13世紀当時にいるかのような気分に観客を浸らせてくれます。たとえば衣装は、限られた歴史資料を研究しつくした一流デザイナーが、想像力によって形作っていったそうです。さらに、衣装を飾る宝石はイミテーションではなくすべて本物とのことで、「現代の叡智と歴史のハイブリッド」が力強いイメージの数々を生み出しています。

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物語の舞台はインド北西部のラジャスタンで、実際にラジャスタン州の州都・ジャイプールにあるジャイガル城(世界遺産アンベール城をさらに上ったところにあります)でもロケが行われました。

衣装だけでなく、細部への徹底的なこだわりによって時間を越えた旅を観客にさせてくれる本作ですが、「歴史描写が誤っている」として、監督やパドマーワティを演じたディーピカー・パードゥコーンが保守的な勢力から脅迫されたり、撮影が妨害されたり、公開が度々延期になったりと、インド国内で様々な騒動が起きました。

その原因となった描写に関しては、物語の結末に触れることにここでは言及しないことにしますが、荘厳で圧倒的な「美」の描写は、世界遺産級と言っても過言ではないでしょう。

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インド映画界の力が総結集された『パドマーワト 女神の誕生』は、6月7日(金)より新宿ピカデリーにてロードショーほか、全国順次公開。その他詳細は公式ホームページをご覧ください。

 

プシュカル・メーラと色彩のラジャスタン

インド北西部に位置するラジャスタン州。数ある年中行事の中でも最も賑やかなプシュカル・メーラとラクダ市を見学します。地元の方と一緒に、熱気あふれるお祭りをお楽しみください。

バジュランギおじさんと、小さな迷子

bb_poster軽(C)Eros international all rights reserved. (C)SKF all rights reserved.

インド・パキスタン

バジュランギおじさんと、小さな迷子

 

Bajrangi Bhaijaan

監督:カビール・カーン
出演:サルマーン・カーン、ハルシャーリー・マルホートラ、カリーナ・カプールほか
日本公開:2019年

2018.12.12

永らく背中合わせの印パを駆け抜ける、でこぼこコンビの珍道中

パキスタンの小さな村に住む6歳の少女・シャヒーダー。成長しても声を出すことができないシャヒーダーを心配した母は、彼女をつれてインドのイスラム寺院に願掛けに行くものの、帰り道で離ればなれになってしまう。インドに取り残されたシャヒーダーは、ヒンドゥー教のハヌマーン神を熱烈に信奉する青年・パワンに救われ、パワンは彼女を親元に返すまで面倒を見る決意をする。

ひょんなきっかけで、パワンはシャヒーダーがパキスタンからやってきたことに気づく。一度決心を固めたパワンは、周囲の制止に耳を貸さない。パスポートもビザも持たず、国境を障壁とも思わず、パワンはシャヒーダーをパキスタンの親元に送り届ける旅に出る。

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インド映画興行第3位を記録した本作。表向きは、インド・パキスタン両国同士の長年にわたる対立を背景に、「インドに“迷い込んだ”パキスタンの少女を、インドの青年が“見知らぬ国”・パキスタン送り届ける旅」というストーリーです。インド映画お決まりのダンスシーンも満載です。

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しかし物語の奥底にはインドの制作クルーたちによって、パキスタンへの歩み寄りの心があちこちに散りばめられています。インド人もパキスタン人も、本当は言いたいのだけれどなかなか言えないこと。それは、「インドとパキスタン、お互い本当は仲良くしたい」ということです。

例えばパワンとシャヒーダーがパキスタンに入ってすぐ、警察に追いかけられながらバスに身を隠している時に、パワンの苦心を知った集金係がこんなセリフをいいます。

「あなたみたいな人が、インド・パキスタン両方にたくさん増えればいいのに」

近くて遠い国。それが現在のインドとパキスタンの関係なのだと思います。面白いことに、本作ではパキスタン設定のシーンがインドで撮影されています。許可や製作上の理由でそうなったのかもしれませんが、それができてしまうということを以っても、インドとパキスタンが実は近いのだということが示されています。

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『バジュランギおじさんと、小さな迷子』は、1/18(金)より新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー。その他詳細は公式ホームページをご覧ください。

桃源郷フンザへの旅

カラコルム・ハイウェイを走り桃源郷フンザへ
パキスタンが誇る高峰群、ガンダーラを代表するタキシラも見学

ナマステ・インディア大周遊

文化と自然をたっぷり楽しむインド 15の世界遺産をめぐる少人数限定の旅

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デリー

「旅の玄関口」デリー。この都市は、はるか昔から存在した歴史的な都でもあります。 古代インドの大叙事詩「マハーバーラタ」では伝説の王都として登場。中世のイスラム諸王朝やムガール帝国などさまざな変遷の後、1947年にはイスラム教国家パキスタンとの分離独立を果たします。現在ではインド共和国の首都として、その政治と経済を担い、州と同格に扱われる連邦直轄領に位置づけられています。

ガンジスに還る

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インド

ガンジスに還る

 

Hotel Salvation

監督:シュバシシュ・ブティアニ
出演:アディル・フセイン、ラリット・ベヘルほか
日本公開:2018年

2018.10.17

ハレとケが混在する聖地・バラナシが紡ぎだす、あるインド人親子の未来

インドのある食卓で、77歳の父・ダヤが「死期の訪れを感じている。バラナシに行こうと思う」と告げる。不思議な夢を見たダヤの決意は固い。息子・ラジーヴは仕方なく忙しさに区切りをつけ、バラナシにある「解脱の家」に付きそう。「解脱しようとしまいと、滞在は最大15日まで」、それが「解脱の家」のルールだ。雄大に流れるガンジス川のほとりで、父子は互いの関係や人生を見つめ直す・・・

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バラナシには何度か添乗で訪れたことがありますが、「聖地」という呼び名が似合う場所です。特に日の出の一時には、独特な静けさがあります。ガンジス川の東側は開けた平地になっていて、日の出が見渡せるようになっています。静けさの中で、洗濯物をガート(沐浴場)に叩く音が響いていたのをよく覚えていますが、インド社会によほどの変化が起きない限り、そうした眺望や光景はずっとあり続けるでしょう。日没後に毎日盛大に行われる儀式(プジャ)の様子も劇中に描かれています。

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インド人の若い監督(撮影時は24歳)がこの作品を撮ったということに大きな意義を感じます。日本で例えるならば、日本文化に深く根付いた仏教・神道を見つめ直す感じでしょうか。私はインド・チベット文化圏で輪廻転生を当たり前のものとして考える価値観に比較的多く触れてきたので、本作のような映画は海外からの目線によってつくられるものと思っていました。しかし、コルカタ生まれのインド人監督にとっても、バラナシはその価値を再認識すべき場所なのだと知りました。現代化の波は、それほどインドの人々の感覚を変容させているのでしょう。

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仕事人間・ラジーヴの立ち位置が、日本人の観客にも感情移入を容易にさせてくれます。ともすると、私たちはたった1、2時間ですら大事な家族・友人に割くことをためらってしまうことがあります。そして、それが後に大きな後悔につながることもあります。親子のやり取り、そして「解脱の家」に集う人々の様子から、私たちの人生において何が大切なのかを考えさせてくれます。

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異文化を見せてくれるだけでなく、観客の心に入り込む普遍性をもった『ガンジスに還る』は、10/27(土)より岩波ホールほかにてロードショー。その他詳細は公式ホームページをご覧ください。

タージ・マハルと聖地バラナシ

インドの美を代表するタージ・マハルと、悠久の歴史を映す聖なるガンジス インドの核心にふれる旅

ナマステ・インディア大周遊

文化と自然をたっぷり楽しむインド 15の世界遺産をめぐる少人数限定の旅

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バラナシ

聖なるガンガーを中心に広がるバラナシの市内には、大小1500近いヒンドゥー教寺院と270以上のモスクがあると言われています。 年間100万人を超える参拝客が訪れ、ガンジス川の西岸約500kmに渡って伸びる階段状のガートで身を清め、市内の寺院に参拝します。

あまねき旋律(しらべ)

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インド

あまねき旋律(しらべ)

 

Up Down & Sideways

監督:アヌシュカ・ミーナークシ、イーシュワル・シュリクマール
出演:ナガランドの人々
日本公開:2017年

2018.9.19

秘境・ナガランドに響くやまびこ
郷愁を誘う、大地と人々の共鳴

インド本土から取り残されたような場所に位置する北東諸州。ミャンマー国境に接するナガランド州には大自然の中に棚田が広がり、村の人々が協力して農作業をすべて人力で行っている。

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作業の間、人々はひっきりなしに歌を歌う。掛け合いもまじえながら、女性も男性も一緒になって歌い、その響きは山々の四方八方に広がっていく。

人類社会の急速な変化の中で、ナガランドの人々は何を思い、そしてどのような未来に向かっていくのか・・・

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秘境を旅する魅力とは何か。それは、自分や他者の内なる鼓動に耳をすますことができる点にあると、私は思います。

本作の舞台であるナガランドの歌は、ポリフォニー(多声合唱)を基本としています。私はアルバニアなどバルカン半島の国々のポリフォニーが好きなのですが、ナガランドにそうした文化があるとは本作を鑑賞するまで知りませんでした。

農作業中に歌われる歌は、土・水・稲穂の音も人の声に加勢し、複雑で重厚感あるハーモニーを生み出します。

ナガランドはインドからの独立運動が長く続いている地域です。ナガランドやその近辺は、中国・インド・ミャンマー・バングラデシュ・ブータンの国境が複雑にからみあっています。第二次世界大戦中に日本軍が英領インドと激闘を繰り広げたインパールも近いですが、ナガランドの地は歴史的に不安定さを抱えてきました。

そうした緊張状態に太刀打ちするには、村で暮らす一人ひとりの鼓動を共鳴させる必要があるのでしょう。つらい歴史も語られますが、本作でとらえられる人々の表情の多くは、笑顔です。

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テクノロジーやスマホ・PC画面の中にばかり気を取られ、現代人は自らの内なる鼓動を失いがちです。それゆえに、大地と肩を組んでいるかのような歌声を人々が響き渡らせる様子は、多くの人の心を強く打つことでしょう。

棚田の模様や人々の農作業のリズムもあいまって、歌の響きは波を打っているかのように、視覚的に感じることができます。

田植えの準備をしている様子を俯瞰でひたすら映したショットを見て、それが当たり前の日常である村人たちを、私は羨ましく思いました。

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心の中にさわやかな波風をおこしてくれる『あまねき旋律(しらべ)』は、10月6日(土)ポレポレ東中野にてロードショー上映ほか、全国順次上映予定。詳細は公式ホームページをご覧ください。

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