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ヒューマン・ポジション
監督:アンダース・エンブレム
出演:アマリエ・イプセン・ジェンセン、マリア・アグマロほか
日本公開:2024年
道具に使われやすい世の中で、道具から生気を得る―北欧のある夏の回復録
ノルウェーの港町・オーレスンで新聞社に勤める若き女性・アスタは、地元のホッケーチームやアールヌーボー建築を保存するための小さなデモ、クルーズ船の景気など、地元に関するニュースを取材して記事にしている。

プライベートではデザインチェアや音楽に興味があるガールフレンドのライヴと料理を作ったり、古い映画を観たり、 ボードゲー ムをしたりして穏やかな時間を過ごしている。

そんなある日アスタは、ノルウェーに10年間住み働いていた難民が強制送還されたという記事を目にする。その事件を調べていくについれてアスタは不思議と、病気だった自分が回復の道をたしかに歩んでいることを自覚していく・・・

スマートフォンやその中のアプリケーション、そしてAIなど、現代社会では道具(ツール)であるはずのものに逆に人間が振り回されてしまうことが少なくありません。
自分で決定していると思っていても、道具に決められてしまっている。「自分らしさ」を突き詰めても、敷かれたレールの上を歩いている感覚が拭えない。そんな現代的病理がノルウェーという北の果ての国に過ごす人々にも蔓延していることが、お腹に手術痕がある回復途上の主人公の様子から感じ取れます。

しかし、道具も捨てたものではありません。万年筆のように、道具というのは使う内に「癖(痕跡)」がつき、だんだんとそこから「馴染み」が生まれてきます。
家という空間に道具的性質が見出され、「ただの箱」ではなくなったとき、住人はそこから癒やしや生気を受け取ることができるようになる。日本でも人気の高い北欧家具の力も借りながら、アスタが一歩一歩回復の道を歩んでいく様子を、家の中でも屋外でも変わらぬ調子でカメラは静かに見守ります。

本作では、あまりあちこちをカメラは旅しません。限られた行動範囲の中で、ほんの少しカメラの置き場所や人物の立ち位置・仕草・表情を変えるだけで、町や家や空間の見え方がこんなにもガラッと変わるのかという形で「映画的旅」を演出してくれます。
ノルウェー・オーレスンを必ず旅してみたくなる『ヒューマン・ポジション』は、9月14日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次上映。その他詳細は公式HPでご確認ください。












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