フジヤマコットントン

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山梨

フジヤマコットントン

 

監督:青柳拓
出演:山梨県「みらいファーム」の人々
日本公開:2024年

2023.12.20

富士山のような眼差しで、障害者施設を優しく見つめるドキュメンタリー

山梨県中巨摩郡、富士山が見守る甲府盆地の中心部にある障害福祉サービス事業所「みらいファーム」。

静かで自然豊かな環境の中で、さまざまな障害を持つ人たちが思い思いの時間を過ごしている。

カメラは彼らが仕事に取り組む姿、花の世話をする姿、絵を描く姿、布を織る姿を見つめて「ありのまま」をとらえていく。

映画監督や映画製作者というのは、いわゆる「役得」で、普通は入れてもらえないような場所に入れさせてもらったり、機会がないとなかなか訪れない場所に招かれたりします。

もちろんそういう場所のことも「秘境」と呼ぶのは若干齟齬がありますが、「なかなか行か(行け)ない場所に行く」のが秘境旅行のエッセンスのひとつであることが確かなので、いくらかの共通項もあるはずです。僕が思うにそれは、「そのまんま」「ありのまま」で楽しめたり本質を享受させてもらえるということです。

そして、このドキュメンタリーで映し出される光景や映画のテンポは、まさにそういう感じです。「コットントン」という題名の響きにも、それは表れているように思います。

このドキュメンタリーの舞台になっている「みらいファーム」は、監督のお母さんの職場で、監督自身も幼い頃から親しんでいたといいます。人生まるごとな感じと、母と子の世代をまたいだ時間と、場のありのままとが掛けあわさって、「現在を旅する」タイムトラベルに観客を連れて行ってくれます。

重い描写や悲しい雰囲気は一切ない『フジヤマコットントン』は、2024年2月10日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次上映。詳細は公式HPをご確認ください。