山形・天童でチゴハヤブサの親子を観る(1本目) 

Report by 簗川堅治 / 2022年8月20日~21日

 

毎年恒例のツアーですが、昨年はチゴハヤブサの繫殖率が過去最も悪かったため中止となりました。今年は順調ですべての営巣地でツアー前に無事巣立ちました。初日は全国的にぐずついた天気で雨が降るのか心配な中、スタート。結果的には、何とか降らずに済んだのは幸いでした。

 

1ヶ所目に行きました。ほどなく、スギに止まる巣立った幼鳥を見つけました。すでに餌をもらって満腹なのか、じっとしています。

チゴハヤブサの幼鳥
チゴハヤブサの幼鳥

早速、近づいて観察撮影です。今度は別の幼鳥が飛び出して、離れたスギに止まりました。巣立って一週間になり、飛翔力もそれなりになってきたようです。しばらくすると、親が餌を持ってきました。幼鳥は親に比べるとか弱い声で「キィキィキィ……」と鳴きながら、餌乞いします。その後も何度か、親や幼鳥が飛び回りました。

飛ぶチゴハヤブサの親
飛ぶチゴハヤブサの親

この頃は、♀親が餌やりの中心になり、♂はあまり見られなくなることが多いようですが、ここの♂親はじっくりと観察することができました。

チゴハヤブサの親
チゴハヤブサの親

2日目。予報では朝から一日中、晴れとなっていました。朝食前に前日とは別の場所に行きました。ところが途中はけっこうな霧で視界不良です。これは参ったなと思っていましたが、観察場所は霧がかかっておらず、ほっとしました。住宅街の観察場所だったため、細心の注意を払いながらとっておきの場所で観察を始めました。♀親と巣立った幼鳥が3羽、高いヒマラヤスギに止まっていました。しばらく動きがなかったものの、♀親が狩りにいき、セミやトンボを捕ってきては幼鳥に与えるシーンが何度かありました。

セミを食べるチゴハヤブサの幼鳥
セミを食べる幼鳥

育雛中は小鳥を与えることが圧倒的に多いのに対し、巣立ち後はセミやトンボなどの昆虫が多くなります。セミやトンボを食べて腹いっぱいになるのか?と心配になりますが、その心配が無用のようです。元気な幼鳥は、何度か飛び回ってくれました。

 

一泊二日、しかも夕方と早朝のみの観察でしたが、山形の夏の風物詩・チゴハヤブサを堪能できました。参加者のみなさん、ありがとうございました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!