有明海から日本最大のツルの渡来地・出水へ
【2022年12月・1本目】

report by 吉成才丈 2022年12月7日~11日

 

1日目
福岡空港に集合し、専用車で有明海方面に向かいました。

途中、高速道のサービスエリアで昼食をとり、まずは調整池で鳥見を開始。昨年は数羽しかいなかったのに、今年はトモエガモが5,000羽以上も滞在しており、その数の多さに圧倒されました。

トモエガモの大群
トモエガモの大群

 

これだけカモがいるのですから、ハイイロチュウヒやオオタカなどの猛禽類も出現して楽しめたのですが、車に戻る際には、もっと嬉しいカササギの鳴き声を確認。
カササギは福岡や佐賀、長崎あたりに生息しているのですが、とくに佐賀周辺では個体数が減少傾向にあって出会えないときもあるので、慎重に近づいて観察しました。地上や樹上でエサを獲る様子もじっくり撮影でき、見られてホッとするとともに、その美しさを満喫できました。

採餌中のカササギ
採餌中のカササギ

その後は東与賀干潟へ行きましたが、干潮の時間帯であったため、広大な干潟をご覧いただいてホテルに向かいました。

 

2日目
午前中は、満潮の東与賀干潟でシギ・チドリ類などの水鳥を観察しました。昨日と違って鳥も近く、ハマシギの群れやダイシャクシギ、アカアシシギ、ツクシガモ、ズグロカモメなどの水鳥を見ていると、ハマシギの群れが一斉に飛び立ちました。ハマシギの群れは動きもシンクロしており、一斉に向きを変えたりする様子を楽しみました。やはり、日本を代表する東与賀の干潟は広大で素晴らしい環境ですね。

一斉に飛び立ったハマシギ
一斉に飛び立ったハマシギ

 

ダイシャクシギやツクシガモ
ダイシャクシギやツクシガモ

この日も高速道で昼食をとり、午後は諫早の干拓地へ向かいました。干拓地のヨシ原ではハイイロチュウヒやチュウヒ、コチョウゲンボウが飛び回り、耕作地ではタゲリやホシムクドリ、ホオアカ、水路ではクサシギなどを観察しました。またヨシ原ではタヌキを、耕作地ではイノシシも確認し、哺乳類も楽しめました。

チュウヒ
チュウヒ

 

ミヤマガラスとホシムクドリ
ミヤマガラスとホシムクドリ

3日目
朝方は再び干拓地を訪ね、セイタカシギやカワセミ、チョウゲンボウなどを観察。そして昨日に続き、耕作地ではイノシシを発見。昨日は走り去る後ろ姿でしたが、この日は近くでじっくり観察できました。

耕作地に現れたイノシシ
耕作地に現れたイノシシ

その後は島原からフェリーに乗り、船上でも鳥見を行いました。船が出ると、乗船客が与える餌を目当てに集まったユリカモメの群れがすぐ目の前に出現し、美しい雲仙岳をバックに飛び回る姿を楽しみました。

ユリカモメと雲仙岳
ユリカモメと雲仙岳

 

そして入港直前には、堤防の上で休む約600羽のカツオドリも観察できました。これだけの数が集まるのはすごいことだと思います。

堤防で休むカツオドリの一部
堤防で休むカツオドリの一部

 

フェリーを降りると一気に出水まで移動し、夕方のわずかな時間でしたが、干拓地のツルを観察しました。ナベヅルやマナヅルを見逃すことはないのですが、この日のうちに他のツルを見られると気が楽になるので探すと、カナダヅル2羽を発見できました。

カナダヅル
カナダヅル

 

4日目
ツルは早朝に給餌されるため、朝方にもっとも活発に動きます。この日は薄暗いうちに到着し、朝焼けや月をバックに飛翔するツルを狙いました。天気にも恵まれ、ほぼ満月という絶好の条件であったため、朝日の方向を狙ったり、反対側に出ている月の周辺を狙ったりという嬉しい忙しさを体験できました。まだ薄暗いうちには、カラスに突っかかられてコミミズクも出現しました。

月とツル
月とツル

 

 

朝焼けのツル
朝焼けのツル

ツルの動きが落ち着くと、つぎはコクマルガラスを狙いました。ちょうどこのタイミングでミヤマガラスの群れが電線に集まるのですが、その中にコクマルガラスも混じります。遠くからでもコクマルガラスの白いタイプ(通称シロマル)が見えていたので、苦労することなく全身が見えている状態で撮影できました。

コクマルガラス(左)とミヤマガラス
コクマルガラス(左)とミヤマガラス

電線の役割は電気を流すだけではないようで、同じ並びの電線にはニュウナイスズメの群れもとまっていました。雌雄同じ模様のスズメとは違い、ニュウナイスズメはオスとメスとで模様が異なり、とてもかわいい鳥です。

電線関連の鳥を観察後には、ツリスガラやホオアカを狙って河川沿いを散策しました。鳴き声は聞こえるものの、なかなか姿を現さなかったツリスガラでしたが、車に戻る寸前にようやく姿を確認できました。他に川沿いでは、ハマシギやミサゴ、ノスリ、オオジュリンなども出現しました。

ニュウナイスズメ
ニュウナイスズメ

 

午後には山間部のダムに向かい、ヤマセミやクマタカなどを狙いました。解放水面にはマガモやヒドリガモ、ホシハジロなどが休んでいました。水際の薄暗いところが好きなオシドリはもっとも警戒心が強く、かなり遠くても人間の姿が見えただけで飛ぶこともありました。残念ながら、クマタカやヤマセミには出会えませんでしたが、カケスやイカルなどの声も確認しました。夕方には再び干拓地に戻り、マナヅルやナベヅルもじっくり観察しました。

ミサゴ
ミサゴ
マナヅル
マナヅル
ナベヅル
ナベヅル

5日目
この朝も夜明け前に干拓地に到着し、朝のツルを観察しました。この日は月は雲に隠れ、朝焼けの状況も昨日とは異なり、日々の変化も体験できました。今年はツルが少ないのですが、朝の採餌の密集度は迫力があります。遠いところに撒かれたエサから食べ始め、徐々に人間に近づいてきます。

朝の採餌の様子
朝の採餌の様子

 

一旦ホテルに帰って朝食後にチェックアウトし、再び干拓地でツルやヘラサギ類などを観察しました。出水といえばツルの越冬地として有名ですが、他の鳥も多く、ヘラサギ類は道路のすぐ近くで休んだり、三面張りの水路で採餌したりしていて驚かされます。

ヘラサギ
ヘラサギ

時間いっぱいまで出水の鳥たちを堪能し、解散地の鹿児島空港に向かいました。今年は鳥インフルエンザの影響でツルは少なかったですが、ツル以外の小鳥や猛禽類も楽しめました。撮影主体のツアーではありませんでしたが、冬の九州は被写体が多く、参加された皆さんも、たくさん撮影されたことと思います。

 

(確認種99種)

 

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

秋の石垣島・西表島 珍鳥とオリイヤマガラに挑戦!【前編】

Report by 簗川堅治 / 2022年11月18日~22日

渡りの終盤に石垣島と西表島にやってくる珍鳥、そして種に格上げされる予定のヤマガラの亜種オリイヤマガラを見ようというツアーです。

 

1日目。羽田空港発、那覇空港発の飛行機が大幅に遅れましたが、無事揃い、スタートしました。

まずはオニアジサシを見に行きました。しかし、お留守だったので、白いクロサギなどを観察。続いては、田んぼへ。そろそろ稲刈りの時期の田んぼでは、なんと、石垣島的珍鳥のコハクチョウにご対面。暑そうです(笑)セイタカシギやツルシギ、クサシギなど忙しそうに採餌中でした。他、ツメナガセキレイやベニバトを探すもいないようです。

コハクチョウ(撮影:上山功夫様)

 

続いて薄暗い公園でズグロミゾゴイを見ました。幼鳥が2羽いましたが、虹彩の色が1羽は暗色、もう1羽は淡色でした。この違いは何なんでしょう?

更に移動途中でアカガシラサギを見つけました。地味な冬羽をじっくりと観察できました。

アカガシラサギ(撮影:上山功夫様)

今度はまだいるらしいアカツクシガモに挑戦です。でも、見つけた途端に飛ばれてしましました。ものすごい警戒心です。同じ場所にハシビロガモ、コガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、セイタカシギ、アオアシシギなどがいました。その他、タシギが飛び出し、草むらからはヒクイナの声もしました。

また移動し、マガン、そしてカリガネを見ました。ハイイロガンもいるらしいのですが、見当たらず。コハクチョウに続き、ガンまでいるとは、南の国に来た感じがしません(笑)

この日最後はクロヅル。その移動中に運よく、白いクジャクとヤエヤマオオコウモリを観察できました。クロヅルはアカツクシガモ同様、見つけた途端、飛ばれて、飛んだ姿だけはじっくりと観察できました。

白いクジャク(撮影:上山功夫様)

2日目。昨日、見られなかったハイイロガンを探しに行き、あっさりと見ることができました。マガン、カリガネも健在です。水面に映るハイイロガン、とても綺麗でした。

ハイイロガン(撮影:上山功夫様)
カリガネ(撮影:上山功夫様)
マガン(撮影:上山功夫様)

昨日、飛ばれて終わったクロヅルにも再挑戦。この日は近くでじっくりと観察。

クロヅル(撮影:上山功夫様)

その後はアカツクシガモをまた見て、さらに別の場所でクロハラアジサシの群れも見ることができました。

アカツクシガモ(撮影:上山功夫様)
クロハラアジサシ(撮影:上山功夫様)

今度はカンムリワシの幼鳥を探しです。しかし、見当たらず。今年はあまり繁殖しなかったのでしょうか?お昼を挟んで、移動中に飛翔するツバメチドリの群れや大きなミミズを食べるズグロミゾゴイを観察。

ツバメチドリ(撮影:上山功夫様)
ズグロミゾゴイ(撮影:上山功夫様)

移動して、ツメナガセキレイを探します。数羽のムナグロとたくさんのツメナガセキレイを見ることができました。まだ夏羽が残った黄色い個体も何羽かいました。

今度は海岸へ移動して、シギチの観察です。メダイチドリを中心に、シロチドリ、ムナグロ、キョウジョシギ、キアシシギなどが400羽以上はいたでしょうか?その中にオオメダイチドリも複数入っていました。クロサギも白色型、黒色型の両方を見ることができました。

オオメダイチドリとメダイチドリ

最後はカタグロトビ。なかなか見つかりませんでしたが、ようやく電線に止まっている個体とホバリングしている個体を見ることができました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

立山のライチョウを撮る 【2022年5月編 その2】

Report by 戸塚学 / 2022年5月23日~25日


<1日目> 快晴 

早朝まで雨が降っていたが、集合時間には晴れ上がった。時間通りみなさん集合したので室堂ターミナル屋上へイワツバメを撮影に向かったが・・・いない!全然いない。どういうことだ!20分ほど待ってもイワツバメ少ししかいないので宿へ向かう。

ランチ&ミーティングを済ませさっそくライチョウ探しに出る。天気が良すぎるせいか出が悪く、探すが見当たらない。とりあえずベースにしてあるポイントで待機をするとオスが喧嘩しながら飛びまわっている姿を見つけたので、宿の前に移動して飛翔する姿を撮影してもらった。

 
 
ライチョウ オス
ライチョウ オス

その後、知人が「ここにいるよ!」と電話連絡を入れてくれたのでそちらへ移動。しかしライチョウは結構厳しい場所にいて雪の斜面を上がり、何とか撮影をすることができた。夕方は夕日を狙ったが、雲海が赤く染まっただけで肩透かしで終わってしまった。夕食後20時に宿の玄関に集合してここで星の撮影用にカメラをセッティングする。明るい場所でこの設定をしないと暗い場所は無理なのだ。さて5分ほど雪の上を歩き山小屋の灯りの影響を受けない場所で撮影をしてもらうが何も見えない!「とにかくシャッターを切って」と言ってシャッターを切った後みなさんいっせいに「写ってる!」の声。その後は明るさを調節したり、角度を少しずつ変えながら撮影をしてもらい約30分の星空撮影は終了。これ以上粘ると明日も早いので納得してもらう。

星空

<2日目> 快晴 

5時に出発するとすぐにライチョウのペアが見つかったので撮影してもらう。すぐ近くでウソが良く出るのでこちらも撮影してもらうが、はじめ「ウソが近くで撮れるから」と言っても皆さん反応が悪い!そこでほぼ無理やり連れて行き撮影してもらうときれいでかわいいウソにぞっこんになっていた。

ライチョウ ペア
ウソ

立山から朝日が昇ると先ほどのペアのオスが「ここに上ったらいいね」と言っていた岩の上に上がって奥大日岳をバックに撮影できた!これで今回のライチョウの喧嘩・青空&岩の上&山バックを撮れてしまった!!!

ライチョウ ペア

朝食後はこのペアのいた場所へ戻るとまだいたので、青空バックのネズの上にいる写真やペアの写真を撮ってもらうが、日差しが強くなるとハイマツの下に入ってしまって動かなくなってしまったので「昨日の夢よ、ふたたび」で宿の前のテラスで飛び回るライチョウを待つと、喧嘩で飛び回りはしなかったが飛ぶ姿と山をバックにとまる姿を撮影できた。

ライチョウ オス

11時30分に終了してランチにする。その後は15時まで休憩にする。15時から捜索すると2ペア確認できたがどちらもハイマツの下から動かないのでこちらも待機。16時を過ぎると動き出したのでそれに就いて行くと、メスが砂浴びを開始。予定外の砂浴びの撮影まで撮れてしまった。

ライチョウ メス
ライチョウ メス

その後ペアで動き出したので先回りして待つと、広角レンズでの撮影までできてしまった。一旦夕食に戻り、夕陽の撮影に出ると先ほどのペアがいたので夕日で染まる姿も撮ることができた。夕陽は雲がかかりイマイチだったが誰も文句を言わないのは当然か(笑)

<3日目> 快晴

5時からの早朝撮影はどういうわけか全く見つからない。時間がもったいないので一旦宿に戻り休憩を兼ねて6時30分から朝食を食べ、荷物をまとめてもらい撮影に出る。最終日なので少し遠くまで探しに行くとさっそく見つかった!しばらく撮影した後ハイマツの下に入ってしまったので切り上げる。もう一つのポイントへ行くとこちらもペアが見つかったのでしばらく撮影してもらうとこちらもハイマツの中へ消えていった。みなさん昨日からしっかり撮れているので顔に余裕がある。ひとまずベースポイントへ戻りましょうか?伝え移動を始める。途中で「あの大きな岩場にライチョウがいるといいよね」なんて話して歩いていると・・・その場所に近づくと人影が?なんと・・・いた!ありえないマジでいた!こんなチャンスはないのでがっつり撮ってもらう。

ライチョウ オス

早めに切り上げる予定ではあったのだが、みなさん完全に「帰るモード」になっているので荷物をまとめ10時に室堂ターミナルへ向かい無事ここで解散となった。

それにしてもこれだけ当たりを引くとは信じられないが、今回の参加者は超ラッキーなのは間違いない。

立山
カヤクグリ

撮れた鳥
ライチョウ・カヤクグリ・ウソ・星空
観られた鳥や獣
ハシブトガラス・トビ・イワツバメ・アマツバメ・メボソムシクイ・ウグイス・ホシガラス・シジュウカラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

立山のライチョウを撮る 【2022年5月編 その1】

Report by 戸塚学 / 2022年5月20日~21日


<1日目> 雨時々曇り 

早朝は曇りだったが、7時頃から雪になりその後は雨になった。予定ではターミナル集合後イワツバメの撮影を予定していたが、残念ながらこの天気なので中止にする。そのまま宿に向かった。宿ではミーティングをしながらランチを食べる。各種説明が終わった後、外は小雨のようなのでライチョウを探しに出る。見晴らしのいい場所へ行くと、地獄谷の噴煙が見える岩の上にオスがいたので撮影をしてもらう。

ライチョウ オス
ライチョウ オス
ライチョウ オス
ライチョウ オス

昨日から入っているのだが岩とまりは初めてで、ほっと胸をなでおろす。昨日はまったく岩に上がらなかったのだ。10分もしないうちに飛び立ってしまい、戻ってくるかもしれないと待つが結局戻らず移動をすることにした。雨宿りを兼ねて宿まで来るとオスの鳴き声が?振り向くとこちらに向かって飛んで来てテラスの下に着地。「飛ぶか?飛ぶか?」と期待をして彼の進行方向へ移動するも飛び立ちはうまく撮れなかったようだ。移動中しばし雨も止んだ間にウソが撮れたのはラッキーだった!

ウソ
ウソ

 

<2日目> 雨のち霧

5時に集合するが外は雨・・・。予報では止んでいるはずだが仕方ない。準備をすると宿の前でいきなりオス同士の喧嘩が!しかし小競り合いですぐに1羽は見失い、もう1羽は立ち入り禁止の場所へ走って行ってしまった。とりあえず雨ではあるが捜索に出かけると、すぐにペアが見つかった。光はあまりよくはないが、雨も上がり日も差してきた。そこで撮影してもらい私は別の個体を探しに行くと見つけたが、動きが無かったのと霧が出てきたので朝食にする。

朝食後・・・霧が凄い!視界が無いので待機する。約30分後、一気に霧がはれたので出発。すぐにペアが見つかったので撮影をしてもらい、その間に別個体を探すとサクッと見つかったので参加者を呼びに行こうとすると2人が「飛んで行ったしまったから」と戻ってきたので今見つけたライチョウを撮りに行く。遊歩道脇で人がひしめき合っている中撮ってもらっていたが、よくとまる岩を双眼鏡で覗くと「いた!」すぐにそちらに移動開始。あと5分も歩けば着くという場所でライチョウが飛び去る姿が?飛ばれた!

ライチョウ オスの飛翔
ライチョウ オスの飛翔

なんとなくこちらに来そうだったので待っていると私たちがいる前の岩にとまった。本当ならバックに奥大日岳が入るのだが、霧で隠れているから仕方ない。それでも飛び立つところが撮れたので満足をされていた。その後もライチョウは見つかるが、霧が思うように晴れず12時少し前に終了してランチをとったのち解散となりました。

ライチョウ オス
ライチョウ オス

今回は天気がめちゃめちゃ悪いわけではないが、こちらが想定した「山バックのライチョウ」は撮影することができずに残念でしたが、ライチョウ自体はふつうに見られることができたので今後もできるようなら計画をしたいと思います。

イワヒバリ
イワヒバリ
カヤクグリ
カヤクグリ

撮れた鳥
ライチョウ・イワヒバリ・カヤクグリ・ウソ
観られた鳥や獣
ノスリ・ハシブトガラス・イワツバメ・アマツバメ・メボソムシクイ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

立山のライチョウを撮る 【2022年4月編】

Report by 戸塚学 / 2022年4月24日~26日

<1日目>

天気予報は晴れだったが、まぁ大荒れにならなければ初日だしOKだ。15時に室堂ターミナル集合なので、待っていると時間通りにみなさん到着。ここでサングラスの有無を確認。サングラスを忘れてきた場合ここで買ってもらうことにしている。これは雪目対策。この時期の立山では残雪とモーレツな紫外線により雪目になりやすいのだ。ひどい場合、涙が止まらないとかまともに目が見えないなどの症状が出るので、サングラスは絶対条件としている。宿まで歩いて向かうのだが、来る途中にライチョウがいたので、ザックからカメラを出してもらい、いたらすぐ対応ができるようにしてもらう。ライチョウはいたが、ハイマツの下に潜って休憩中。

ハイマツの下に潜って休憩中のペア
ハイマツの下に潜って休憩中のペア

動きそうもないので待たずに宿へ向かう。荷物を降ろし、チェックインを済ませたのちライチョウを探しに行く。一番近いポイントで、まだらのオスを発見。これまた微妙な枝かげで休憩中。みなさんにはこのオスを撮ってもらいながら、この場所で待機をしてもらう。その間に私は少し離れたポイントへ捜索。見つけたら常連のお客様に電話で連絡して揃って来てもらうようにする。さて現着すると・・・いた!

  ライチョウのペア

あまりにもいい場所にいたので電話をして来てもらう。カメラマンは、私たち以外いない。という事は心置きなく撮影ができる。とはいえ、このペアまったりとして動きが見られない。時計は16時。「あと30分くらいで動くと思います。またこの場所は17時30分で斜面に太陽が隠れるので、それまでに動くことを祈りましょう!」と伝える。

そして16時30分メスが動き出すと、オスがエスコートを開始。2羽は採餌しながら私の思惑通りのコースを歩く。その間、辺りにはシャッター音が鳴り響く。

  白いメスのライチョウ 歩くオスのライチョウ

17時30分太陽も斜面に隠れる頃、ライチョウのペアもいい場所から移動したので、切り上げて夕陽を狙いに行く。ちょっと変わった雲が西の空に広がり「ドラマチックな夕陽」を連想させワクワクする。このポイントには先ほどいたオスのライチョウもいたので、風景とライチョウの2本立てで撮影を楽しんでもらっていたが、日没近くにこのオスライチョウは飛んで行ってしまった・・・。夕陽は思ったほど良くなく肩透かしで終わってしまったが、ペアをしっかり撮影できたので皆さんの表情がいい。夕食後の星空の撮影だが、空には雲が広がっていたため中止となってしまった。

<2日目>

5時30分に集合すると、すっきりしない天気。とりあえずライチョウを探すが、見当たらない。ここで予定を変更して6時に朝食を食べることにして、午前中の撮影を早めることにした。これは日帰りのカメラマンが室堂に到着するのが9時くらいなので、それまでに邪魔されずがっちり撮りたいためだ。見晴らしのいい場所に移動してもらい、カヤクグリの撮影をしながら待ってもらうことに。そして私はライチョウの捜索に出た。先入りしてから鉄板だったポイントにペアがいない!「困った」しかし近くのポイントを覗くとペアがいた!さっそくみなさんを呼び、来てもらう。

ここであることに気が付いた。数日前に見た時とオスが違う。足環が無いので一目瞭然、今いるオスは足環をしていないのだ。こんなこともあるものだと思いつつも皆さんには撮影をしてもらう。運がいいことに斜面なので大日岳を入れた撮影ができるのだ!

奥大日岳を背景にペアを撮影
奥大日岳を背景にペアを撮影

しかし時間がたつにつれ、天気が良すぎるせいか非常に暑い!暑さが苦手なライチョウなので涼しいハイマツの下に潜ってしまった。ここで一旦撮影を切り上げて宿へ向かう。途中にもライチョウのペアがいたが、こちらもハイマツの下でまったりなので撮影をせずに宿へ。ちょっと早いがここで昼食とお昼寝タイムとする。

合間に撮影できたウソ
合間に撮影できたウソ

15時に集合後、今回まだ行っていないポイントへ向かおうとすると、どうやらライチョウがいるのは双眼鏡を覗いてわかった。その理由は、植生が出ている場所にカップルなのか夫婦が入り込んで、ハイマツの下を覗いた後にライチョウがいると思われる場所で座り込んでいたからだ。注意しないわけにはいかないので、みなさんを連れて現場へ。その二人には少し離れた場所から声をかけ「そこへ入らないでください!」と叫ぶとすんなり出てくれた。できればそこにとどまって「なぜ注意をされたか」の理由を聞いてほしかったが、私たちが到着する前にどこかへ行ってしまった。高山では一見、裸地に見える場所にも高山植物の種が眠っていたりして、踏まれるとダメージを受けてしまうため、雪が無い季節は遊歩道外へは出られないが、雪のある時期はどうしてもこういうことが起きてしまう。ほとんどが悪気もないし知らずにやってしまうので説明をするようにしている。これはもちろん参加者にも徹底してもらっている。ついつい撮影に夢中になるとやりがちな行動なのだ。

伸びてこちらを覗うメス
伸びてこちらを覗うメス

オスのライチョウの顔が少しだけ見えるが、撮影には厳しく、ここで待っていいただきながら私は午前中のポイントへ行くと、いた!オスがいた。今度は大日岳ではなく太陽の位置が反対なので雄山をバックに撮れそうだったため、みんなを呼びに行く。しばらく待つ事にはなったが、ハイマツの下からメスも現れ、立山バック&青空の撮影をすることができた!しかし今回は当たりすぎだ!ペアが移動してしまったので夕日のポイントへ私たちも移動。その近くに別のペアがいたが、まだ休憩中のようでパスをする。そう・・・だんだん贅沢になるのだ(笑)

夕日はイマイチで、焼けることもなく終了。宿に戻ろうとすると先ほどのペアがいい場所に出てきていた!ここでは広角レンズで狙えそうなので、先行して宿に向かった2人に電話をかけて戻ってきてもらい、暗くなるまで撮影をすることができた。 夕食後、外に出ると満天の星空!だがしかし、先ほどまで無風だったのに強風が吹き荒れている!これでは三脚がぶれてしまい星の撮影ができないので、ここで終了となる。

日没後のぺア
日没後のぺア
夕焼けの雄山(おやま)
夕焼けの雄山(おやま)

<3日目>

5時30分に集合すると曇り、しかし晴れ間も見える?昼まで持つかなと悩ましい。ただし参加者の皆さん、2日間でお腹いっぱい良いシーンを撮影できたので、本日は余裕の表情と撮影スタイル。宿の玄関前にライチョウのペアがいたので撮影してもらっていると、オスが移動していい場所へ!まったくどうなってんだ、ツキまくりじゃないか!!!

時計を見てもう少し撮影ができそうだったので、宿から少し上がったポイントへ行くと、またしてもライチョウのペア!午後から雨の天気予報だったので、「早めに上がるかも」とアナウンスをしておいたがこれはもう、朝食時間の終了間際まで撮影してもらう。7時30分に切り上げ朝食を食べていただき、たくさん撮れたし天気が午後から雨なので濡れる前に切り上げようと思うと伝えると、皆さんからOKが出た。というより一部の方は早く帰ってPCで写真が見たいようなのだ(笑)。1名はもともと登山好きなので適当な時間に下山するという事で、私を含めた参加者5名は、9時に宿を出て室堂ターミナルで解散となりました。立山駅到着後、車を走らせるとすぐに雨が降ってきた!時間は11時30分。最後の最後までもってる方ばかりのツアーだったとしみじみ感じた。

白い雄
白いオスのライチョウ

撮れた鳥
ライチョウ・ウソ・カヤクグリ
観られた鳥や獣
イワヒバリ・ハシブトガラス・メジロ・ヒヨドリ・ウグイス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

立山のライチョウを撮る 5月編

Report by 戸塚学 / 2021年5月15日~16日

眠るオスのライチョウ

3日前から先入りして下見兼自身の撮影をしつつ、微妙な天気予報で晴れなのに晴れなかったりの連続で、やきもきしながら室堂ターミナルでツアー当日11時から待つと1名早く到着して宿に荷物を置いてきたというIさんと合流。今回は珍しく皆さん予定通りの時間に合流です。(大体いつもは1~2時間早く来て周囲をうろうろしてるんですよね(笑))

イワツバメの飛翔

明日から天気が崩れる予報でも、この時間では快晴のいい天気なので屋上でイワツバメの飛翔を30分撮影してもらう。12時30分に宿へ向かって歩き出し、到着後はそのまま食事。ここで簡単な撮影スケジュールとライチョウの行動を説明します。食後は荷物を部屋に置き、施設の説明をしてすぐ撮影開始です。宿から出たところで人が集まっているのを確認。ライチョウのペアがいたので早速撮影してもらったのだが、すぐハイマツに潜ってしまったので他のライチョウを探しに行くことに。

ライチョウのペア

ディスプレイ

今年は4月の時点で雪の量は普通だったのに5月、この時期にしては雪が多い!そのせいかいつもはお立ち台と利用する大岩に上がる個体がいない!それが狙いなので困りものだが。そんなお立ち台を説明しながらライチョウを探すがいない。そこで先ほど見つけた場所に戻るとハイマツに潜って休息するメスを見つけ撮影をしてもらっていると、奥にわずかに移動するオスを発見。進行方向で待つとメスも移動をはじめペアでの撮影がしっかり撮ることができ、みなさんの表情にも余裕が(笑)再びハイマツに潜ってしまったので別の場所へ移動です。

ライチョウのペア

ディスプレイ

ここでもライチョウが出てしまった!いい場所だが突然の霧で真っ白!しばらくすると飛んで行ってしまった。ここらあたりで休憩を予定していたが、反対側でもオスが出て他のオスに対して警戒をしているのか、走り回っている。よく見るとメスもいた。そんな姿を撮影してもらっているともう1羽メスがいることが判明。メス2羽のツーショットまで撮ることができた。これはかなり珍しいシーンなのでしっかりとってもらった。その後メス同士のけんかやオスが1羽のメスに対して追い出し行動をはじめた。さて皆さん撮れたかどうかはわからないがいろんなシーンは堪能ができたはず。霧も濃くなったので一旦宿で休憩。

メスの飛翔

2羽のメス

ここで私的には夕日は無理かなと思っていたが、急に霧がはれたので温かい服を準備してもらいライチョウを探しに行くと、これまたすぐにペアが見つかった。光はいいがロープと岳の支柱が邪魔で苦労する。全然動かないので切り上げて夕日のポイントへ移動しました。

夕焼けの大日岳

ここでは三脚でがっちりと夕日の撮影を予定していたのですが、ものすごい強風でとても三脚を立てられない。(突風で三脚が飛ばされてしまう)そこで手持ちでの撮影をしてもらう。天気の変わり目ということもあったのでしょうが、1年でも数回しか見ることができないほどの夕焼けを寒さに耐えながら大興奮で撮影していただきました。おかげで夕食時間にちょっぴり遅刻(笑)。夜は立山側が曇っていたので星の撮影は中止しましたが、その後晴れたようで。皆さんに声をかけようか悩んだのですが、お疲れのようなのでそのままにしました。

 

2日目は朝5時に雨が降っていれば撮影は中止して6時から朝食。雨の降り具合でそのあとの行動を決めるとしてあった。5時、窓の外は雨が本降りなので撮影は中断。6時に皆さん揃って朝食を摂りました。その後、8時に再度喫茶室に集まっていただき今後の行動を話し合いました。

結果、皆さん帰ると行くことで決まったので荷物をまとめ、降りしきる雨の中出発して脱落者もなく、無事室堂ターミナルに到着。そしてここで解散となりました。

 

4月・5月と1泊2泊でのツアーを各1本ずつ行いましたが、やはり詰め込み過ぎな内容になっていたかな?と感じました。標高が高く酸素が薄いので疲れも平地とは違います。今後は2泊3日とお試し1泊2日を織り交ぜてもいいと感じました。

 

ご参加のみなさま、2日目は大雨&強風で雪の上の歩行と大変でしたが、1日目でがっちりとライチョウと夕日は堪能できたと思います。本当にお疲れさまでした。

残照の立山

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

立山のライチョウを撮る 4月編

Report by 戸塚学 / 2021年4月23日~24日

白いオスのライチョウ

スタートの前日に立山側から約1時間早く到着すると連絡を受けていたので、1時間早く集合場所で合流。いったん外に出て二人がサングラスを付けていなかったので装着をお願いするが、持ってきていないというので、急遽売店で購入していただく。4~6月の高山帯の紫外線は平地の比ではなく、危険なので私の案内の時は必ず絶対条件としています。一旦雪目になってしまうとひどい場合は1週間目が見えなくなることもあるのでどうしても安全のためには従っていただくことにしている。

さて雪道を歩きながら約20分かけてみくりが池温泉に到着。1時間早いので食事の前に朝見つけておいたライチョウを撮影に行くことに。ポイントに到着すると白いライチョウのオスは「待っていました」というようにハイマツの下から動き出し、何とか撮影できました。その後は人が入れないエリアに移動してしまったので食事に行きましょうかと伝え歩き出す。とその時、別のオスが同じ場所から出てきたので慌ててこちらも撮影してもらう。この個体も私たちが入ることができないエリアに移動してしまった。昼飯前のライチョウもとりあえず撮れたので心にも余裕ができた状態で昼食を食べながら簡単なミーティングとライチョウの行動と撮影のコツを伝え、宿の施設の案内をする。本来ならこのまま日没まで撮影なのだが「ライチョウがよく活動をする15時まで休憩したい」という希望で休憩決定。

オコジョ

オコジョ

15時宿のフロントに集合してポイントを巡ります。近場のポイントにライチョウが見当たらないので少し離れたポイントへ。到着すると白いライチョウのペアがいたが、どちらもハイマツの中でまったり。いなければ探すが、いるのだから待つことに。1時間待つとようやく動き出し、なんと山をバックにペアを撮影することができた!再びハイマツに隠れてしまったので夕日のポイントへ移動するとここにも白いオスがいた。夕陽と絡むことを祈ったがそこまではうまく事は運ばなかった。

夕食後は月明かりに照る立山の撮影をするか聞いてみると、少し雲が出ていてあまりいい条件ではないのでパス!ということで初日は終了しました。

 

2日目は5時に集合してライチョウを探してポイントを巡るが見当たらない。途中小鳥の羽が散乱している場所をお客様に見ていただき「状況から猛禽ではなくオコジョかテンかもしれませんね」と説明をしてしばらく歩くとお客様から「あっ、オコジョ!」と叫び声。まさかと思いながらも指さす方向を見ると、いた!なんとその後、私たちの目の前の岩の周辺を出たり入ったりを繰り返す。撮影をしようとしてもすばしこくってかなり苦戦するがなんとか撮影することができた。いやぁ~早起きは三文以上の得になってしまった。お客様は撮影ができなかったようだが、この距離でしっかり見られただけでも超ラッキーだ。なんといっても20年通っている私でさえこれで6度目なんです。

ライチョウのペア

朝食を食べた後は荷物整理をして8時に出発。昨日のペアがいたポイントまで移動するとすでにカメラマンがライチョウの周りに集まっていたので探す手間が省けた。今日もハイマツに入って動かないので動くのを待つことに。その間に立山の上にハロが出ていたのでそちらも撮影してもらいながらライチョウが動くのを待つと1時間ぐらいで動き出してくれ今日もばっちりと撮影することができた。

立山とライチョウのペア

1時間早くスタートしたということでもないが目的の白いライチョウがしっかりと撮ることができたので早めに下山したいということで、食事を済ませ1時間早い便で一緒に下山しました。

ライチョウはあまり天気がいい日中は暑さが苦手なのでハイマツの下に潜って外に出てこないことが多く、2日間の好天はうれしいような、困ったような(笑)天気だったが、無事白いライチョウのオスとメス、ペアまで撮ることができました。他にもイワツバメ・イワヒバリ・カヤクグリも姿を見せましたが、撮影は白いライチョウだけでいいようでした。

地獄谷雲煙とオスのライチョウ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員