韓国最大のクロハゲワシ越冬地と越冬する鳥たち【後編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月12日~16日

<4日目>

この日は2か所のワシミミズクポイントを巡ります。1ヶ所目は光が悪くなかなか厳しい状況のなか、昨日とは違う参加者がすぐにワシミミズクを発見!凄く見つけにくい場所なのに・・・ガイド失格や(笑)光がイマイチなので一応撮影してもらった後、もう1ヶ所へ一旦行く事にします。こちらはほぼ鉄板な場所なので軽い気持ちだったのに・・・探しても見当たりません。最近この場所はカメラマンがたくさん来て必要以上に近づくのでどこかへ行ってしまった可能性もあります。葦原ではカシラダカ、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、ダルマエナガ、カササギを見ることができました。帰り際に参加者が「あの猛禽は?」と指をさすとそこにはクロハゲワシが飛んでいました。もう一度気を取り直してワシミミズクがいた場所へ行くとまだいました!今度は若干光が良くなっていたのでリベンジ撮影を楽しみました。それにしても北風が強くて寒いので北上してきたんだなぁと実感します。

ワシミミズク
ワシミミズク
ミヤマホオジロ
ミヤマホオジロ

この後は夕方に36万羽と言われるトモエガモが集結する場所へ向かいます。ただ時間が早いので干潟で観察と撮影です。ズグロカモメ、ユリカモメ、セグロカモメっぽいのはモンゴルか?ダイシャクシギかホウロクシギも遠く陽炎の中に揺らめいています。干潟の杭にオジロワシとハヤブサもいます。カモ類はマガモとツクシガモは何とか確認できるが他は遠くてわからない。この上流域でトモエガモが集まり乱舞するというので一番いい場所を探すのですが、どうやら対岸に来てしまったようで再び移動です。この時対岸には数名の人しかいなかったのですが現地に来ると道路わきに車がたくさん停まっています。堤防に上がると目の前に広がるトモエガモの大群!これだけでも圧巻なのにこれが頭上で乱舞するなんて想像すると鼻血が出そうだ(笑)。空腹なのか一部のトモエガモたちが河川敷に上がり草を貪り食っているのでそちらも撮影してもらいます。ふと周りを見るとずいぶんと人が集まっているなと思うと・・・パトカーが来て「車をどかせ」とサイレンを鳴らし拡声器で呼びかけるが誰も動きません。恐るべし韓国人(笑)17時まで粘ったのだが、飛ばないの切り上げて移動を始めるとパトカーが2台追加で来ていた!これは来年どうなる事やら。ここ数年の間に韓国でも野鳥カメラマンが爆発的に増えているようで、いずれ日本のようになるのかなと感じさせられました。

トモエガモの大群!
トモエガモの大群!
トモエガモの大群
トモエガモの大群
トモエガモ
トモエガモ

<5日目>

帰国までのギリギリまで撮影を楽しむためクロツラヘラサギの繁殖地へ行くと・・・池が凍結している!そのせいか繁殖用の人工島にクロツラヘラサギが1羽もいない!!!セグロカモメ系が飛んでいる以外、ツクシガモ、ホシハジロ、マガモ、カルガモが見られるだけ。さてどうしたものかと思っていても仕方ないので「ここの葦原にはダルマエナガが多いので探しましょう!」と伝えると小鳥の声がそこら中から近づいてきたと思ったら混群に取り囲まれているではありませんか!アトリ、シメ、コイカル、シロガシラ、キクイタダキ、スズメ、シジュウカラ、エナガ、シマエナガ、ヒガラ、ダルマエナガ!私はパニックになっていて見落としたがヒゲガラまでもいたようです。これがほぼ1時間私たちの周りから動かなかったのだから超ラッキーとしか言いようがない。日本では考えられないが、シマエナガとエナガを同時に見られるなんて!小鳥たちが去ってしまって静かになったので、少々時間は早いのですが心地よい放心状態のまま仁川空港に向かい帰国の途に就きました。

アトリ
アトリ
エナガ
エナガ
シマエナガまで!
シマエナガまで!

参加していただいたみなさまお疲れさまでした、超少人数でゆっくりとした日程と朴さん厳選の食事も堪能できて超ラッキーなツアーになったと思います。

【撮れた鳥&哺乳類】
クロハゲワシ・ワシミミズク・オジロワシ・ノスリ・オオノスリ・ハイイロチュウヒ・オオタカ・ハイタカ・チョウゲンボウ・ヒシクイ・オオヒシクイ・マガン・トモエガモ・ユリカモメ・ズグロカモメ・ドバト・コウライバト・カササギ・ヒガラ・シジュウカラ・エナガ・シマエナガ・シロガシラ・ダルマエナガ・ジョウビタキ・ギンムクドリ・カシラダカ・ミヤマホオジロ・アオジ・コイカル

【見られた鳥&哺乳類】
ハヤブサ・チュウヒ・ツクシガモ・マガモ・ホシハジロ・オナガガモ・カルガモ・カワアイサ・マガモ・カンムリカイツブリ・カワウ・アオサギ・ダイサギ・コサギ・クロツ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月7日~10日

 

好評のこのツアーも今年で3年目。今年は過去最高な出来だったと思います。全日晴れと予想以上に気温も下がり霧氷が朝陽に輝く情景はもちろんダイヤモンドダストまで撮影できるチャンスに恵まれました。

<1日目>

昨年も参加された方が2名、このツアー初参加が3名の5名での開催になりました。空港と先入りの方をホテルでピックアップして現地に向かいます。

天気は快晴でまだ道路わきの木々の枝に霧氷が残り、陽光に輝いています。今回泊まるホテルTAITOに不要な荷物を置いてすぐにタンチョウサンクチュアリーへ向かいます。コンビニで買ったお昼ご飯を食べながらしっかりと撮影をしていただきました。残念なのは風向きが悪くこちらに向かって飛んでくれないのが悔しい。ただし今年は珍しくマナヅルが1羽来ていてるのでこちらを撮れたのはラッキーでした。夕方は夕鶴を狙えるポイントへ向かってチャンスを待ちますが・・・残念ながら不発で終わってしまいましたが、まだ初日です。残りの日に期待をすることにしてホテルに戻りました。

タンチョウサンクチュアリー
タンチョウサンクチュアリー
タンチョウ
タンチョウ
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました

<2日目>

TAITOのオーナー和田さんから「明日は天気がよさそうだから5時30分に出発しよう!」と提案をされていたのでまだ暗い中の出発です。さほど冷えてる感じはなかったのですが、晴れています。現場に到着するとまだ辺りは真っ暗です。私たち以外にほとんど人がいないのでいいポイントを確保できました。空には細い月が浮かび、川面には月の光の帯と星が映り込んでいましたのでそれらも撮っていただきました。徐々に明るくなるタイミングで撮影を楽しんでいただきながらアドバイスを伝えました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら

本来は午後エゾフクロウポイントへ行く予定でしたが、和田さんの提案でそのままエゾフクロウの撮影を楽しみました。ペアが並んでいる姿を期待しましたが、今年も1羽だけ。それでもしっかりと楽しむことができました。

エゾフクロウ
エゾフクロウ

一旦ホテルに戻り、凍える身体で朝ご飯を食べると元気のいい参加者はすぐにホテルの庭に来るエゾリスを撮るために飛び出してゆきましたが、残念ながら撮影はできなかったようです。しかし日中は昨日と風が反対側から吹くのでこちらに向かって来るタンチョウを撮影するチャンスに恵まれたのですが、すぐ頭の上を飛ぶので望遠では撮れません!レンズの選択が難しく皆さんの歓喜と嘆きの声が交互に響きます。(笑)昨日同様今日も各自コンビニで買ったお弁当を食べながらの撮影を楽しみました。

真上を飛んでいったタンチョウ
真上を飛んでいったタンチョウ

夕方移動をして希望者だけタンチョウの飛翔を狙いつつ小鳥の撮影を楽しみます。ここではエサ台がありシマエナガ、シジュウカラ、ハシブトガラ、ミヤマカケス、アカゲラの撮影を楽しみました。太陽と飛翔を絡めた撮影はイマイチでしたが、十分楽しめた1日だと思います。

シマエナガ
シマエナガ
ハシブトガラ
ハシブトガラ
アカゲラ
アカゲラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

秋の奄美大島 アカハラダカの渡りと奄美固有種【後編】

Report by 簗川堅治 / 2023年9月21日~24日

3日目。
昨日に引き続きアカハラダカの渡り観察です。風が出てきました。期待できるか?すると遠くに20羽。次、20羽。さらに50羽旋回上昇しています!そして、群れの一部がついにこちらへ。近距離、そして頭上を次々と、あっという間に通り過ぎていきます。感動の瞬間!しばらくし、今度は200羽の鷹柱。さらに増え300羽、最終的には600羽の鷹柱になりました!圧巻!

アカハラダカの鷹柱(撮影:上山様)
アカハラダカの鷹柱(撮影:上山様)

アカハラダカ(撮影:簗川)
アカハラダカ(撮影:簗川)

アカハラダカ幼鳥(撮影:簗川)
アカハラダカ幼鳥(撮影:簗川)

結局、この朝は合計1,000羽の渡りを見ることができました。

気分が高揚した中、観察の森へ向かいました。またしても到着後に雨。どうにもうまくいきません。アマミイシカワガエルをまた確認し、雨が上がったところで探鳥スタートです。アカヒゲ待ちをするも、今日も出ず。ルリカケス数羽を見たにすぎませんでした。

 

昼食をとりに一旦、観察の森をあとにし、昼食後、再び観察の森へ。

観察の森到着後は自由時間とし、それぞれ過ごしてもらいました。ズアカアオバトとアカヒゲは声のみでしたが、みなさん、(オーストン)オオアカゲラ、(アマミ)ヤマガラ、(アマミ)シジュウカラの姿は見れたようでした。

オーストンオオアカゲラ(撮影:K.I様)
オーストンオオアカゲラ(撮影:K.I様)

 

4日目。
最終日です。この日は朝から観察の森へ行きました。未だよく観察していないアカヒゲやオーストンオオアカゲラ、オオトラツグミに最後の挑戦です。到着早々、何人かの方がアカヒゲを複数羽見れたようです。

アカヒゲ(撮影:K.I様)
アカヒゲ(撮影:K.I様)

やはり朝は出がいいですね。しかし残念ながら、オーストンオオアカゲラやオオトラツグミは見れませんでした。

続いて、別の場所でルリカケスを狙うもダメでした。海岸も回りましたが、いい鳥には出会えないまま時間となり、空港へ向かいました。

心配していた台風も来ず、予定通りアカハラダカの渡りはばっちり観察でき、鳥以外の奄美固有の動植物を満喫した旅になりました。参加者のみなさん、お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

秋の奄美大島 アカハラダカの渡りと奄美固有種【前編】

Report by 簗川堅治 / 2023年9月21日~24日

台風の時期なので毎年ハラハラドキドキしながらのツアーです。

1日目。台風の心配はなさそうなうで、安心してスタート。まずは空港近くの海岸で、シギチ類を観察しました。ムナグロやダイゼンなどのチドリ類とチュウシャクシギやキョウジョシギなどシギ類の他、ツバメチドリが複数いました。ミサゴも大きな魚を捕って食べていました。

ミサゴ(撮影:上山様)
ミサゴ(撮影:上山様)

白いクロサギは遠くにいて、ちょっとわかりづらかったですね。

続いて観察の森へ向かいました。途中、電線に止まるカラスバトやズアカアオバトを見ました。観察の森に到着時はあいにくの雨。しばらく待機し、まずは世界でここだけのカエル、アマミイシカワガエルの観察です。意外な所(?)にいました!

定点観察をしていたら、「コンコン、コンコン……」と(オーストン)オオアカゲラの木をつつく音がしました。しかし、どんな方向から探しても結局見れず。その後はアカヒゲを待つも、これも見れずに終わりました。

夜は恒例のナイトウォッチングです。ズアカアオバトが2羽寄り添って寝ていたのを皮切りに、まだ残っていた(リュウキュウ)アカショウビンや電線で眠るルリカケス、至近距離でみることができたリュウキュウコノハズクやアマミヤマシギもじっくりと見ることができました。

ズアカアオバト(撮影:上山様)
ズアカアオバト(撮影:上山様)

リュウキュウコノハズク(撮影:吉田様)
リュウキュウコノハズク(撮影:吉田様)

アマミヤマシギ(撮影:K.I様)
アマミヤマシギ(撮影:K.I様)

もちろん、アマミノクロウサギも複数見ることができましたし、奄美固有種のアマミトゲネズミの姿も肉眼のみではあったものの、数回、見ることができました。

 

2日目。アカハラダカの渡り観察に出発です。風がないのが気になります。やはり、風のせいか、なかなか現れず、あきらめかけた頃、遠くで2羽旋回上昇中!ちょっと盛り上がりましたが、遠すぎます。その後も複数羽が複数回飛んで行き、最終的には20羽程度確認できました。ただ、遠い!その他、(リュウキュウ)サンショウクイの姿も遠目ながら見ることができました。

続いて観察の森へ向かいましたが、雨が降ってきたので農耕地へ変更しました。降ったり止んだりを繰り返し、ツメナガセキレイ3羽を観察しました。

ツメナガセキレイ(撮影:上山様)
ツメナガセキレイ(撮影:上山様)

あとは特にいないようでしたので昼食をとりに行き、午前中は終了です。

昼食後、観察の森へ。アマミイシカワガエルは今日も同じ所にいました。

アマミイシカワガエル(撮影:簗川)
アマミイシカワガエル(撮影:簗川)

アカヒゲを待つものの、今日もダメでした。ただ、昨日よりはカシの実を食べるルリカケス数羽を比較的よく見ることができました。

ルリカケス(撮影:吉田様)
ルリカケス(撮影:吉田様)

(オーストン)オオアカゲラや(オオ)トラツグミもダメでした。なかなかうまくいきません。

ホテルへの帰りすがらにヒメアマツバメを見てホテルへ入り、夕食後のナイトウォッチングに備えました。

ナイトウォッチング2晩目です。アカハラダカとオオトラツグミに的を絞り、森を走ります。まずはリュウキュウアオヘビがお出迎えです。3匹が絡み合って交尾をしている光景にに出会いました。今日も(リュウキュウ)アカショウビンに会いました。

リュウキュウアカショウビン(撮影:上山様)
リュウキュウアカショウビン(撮影:上山様)

そしてついにアカハラダカ発見!一気に盛り上がりました。さらにオオトラツグミも!結果として、アカハラダカとオオトラツグミは2羽ずつ見ることができました。

アカハラダカ(撮影:K.I様)
アカハラダカ(撮影:K.I様)

オオトラツグミ(撮影:吉田様)
オオトラツグミ(撮影:吉田様)

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

秋の石垣島でアカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う【前編】

Report by 戸塚学 / 2023年9月24日~26日

今年は夏にあれほど来ていた台風が、ぱたりとなりを潜めて。おかげさまでこのツアー中は晴れの3日間でした。ただし暑すぎると鳥たちが日中出ないというのは・・・なんともつらい。また最近の沖縄はどこも田んぼで耕作をしてない場所が増えて、鳥が入っていない田が増えたのが困りもの。石垣島も二毛作が有名なのに、労力の割に米が安いので止める農家も多いとか。予定していた三種以外にもツアー中にハシブトアジサシ、ジャワアカガシラサギという珍鳥が出ていたのですがどうも今回は縁が無かったようで。

 

1日目

空港に時間通りみなさん集合されたので、専用車でまずは林道を流すことに。理由は日中暑すぎて鳥たちがなりを潜めてしまうので、林道で休んでいるカンムリワシは見つけやすいと考えたからです。しかし見当たりません。いつもいる場所にいないのです。ゆっくりと探しながら進むとリュウキュウアカショウビンが出ましたが、これまた枝被りでなんともならず。結局枝越しで見られただけでした。しばらく進むとドライバーさんが「いた!」というので見るとガードレールにとまるカンムリワシ。私的にはロケーションがイマイチだったのですが、みなさん初めてのカンムリワシなのでしっかりと撮ってもらいました。そのあとはいつも廻る田を廻りますが、昨日多くのシギ・チドリが抜けてしまったようでさみしい。違う田んぼで鳥を探すとムラサキサギがいたが稲に隠れている姿を何とか撮影できました。そのあとはたくさんいるがちっとも近くに来ないツメナガセキレイに翻弄されました。

ツメナガセキレイ
ヒバリシギ
アオアシシギ
アカアシシギ

ハシブトアジサシポイントへ向かう途中の田にムラサキサギがいたので車を撮影しやすい場所へ回してもらうと、車の横からリュウキュウヨシゴイが飛び出して消えていった!しかしムラサキサギはしっかりと撮影できてみなさま満足そうでした。しかしハシブトアジサシは・・・潮が満ちていて、いなくなっていた。残念!宿近くの田んぼで時間いっぱいまで撮影しましたが、残念ながらジャワアカガシラサギは見つけられませんでした。一旦ホテルに戻り、ナイトサファリに備えます。

ムラサキサギ
セイタカシギ
エリマキシギ

19時30分迎えに来たガイドさんと夜の森へ。リュウキュウアオバズクは出るのですがすぐ飛んでしまう。この日はリュウキュウコノハズクが良く鳴いているので何度か撮影チャンスに恵まれ撮影を楽しむことができました。そしてズグロミゾゴイも寝ている姿を撮影できました。さてリュウキュウアカショウビンですが、最後の最後に何とか撮影できました。私も撮影したのですが、残念ながらすべてブレていたので下見に撮ったものを載せておきます。ヤエヤマオオコウモリも撮影できました。みなさん満足してホテルに戻りました。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウコノハズク
ズグロミゾゴイ
リュウキュウアカショウビン

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

やんばるの森に生きる固有種を撮る

Report by 戸塚学 / 2023年9月8日~10日

昨年ばっちりと撮影できた場所を下見で確認に行くと1か所は放棄地となって草が茂ってヤンバルクイナがいたとしても見られる状況ではなかった。周囲にはペアがいるが、場所が民家前なので使用を中止した。夕方のポイントも出現はするが、昨年に比べて出現が悪いのも悩ましかった。夕方のポイント周辺はヤンバルクイナの個体群が多いようで最低5ペアはいると思われる。

夜間は1日がヤンバルクイナ6羽、フクロウ類0、2日目はヤンバルクイナ0、フクロウ類0と厳しい状況で本番を迎えることになる。

ヤンバルクイナ下見

<1日目>

空港で皆さんをピックアップして喜如嘉へ。期待をしたがやはり少なく、シギやチドリが遠くすぐに引き上げて宿へ向かう。各自部屋へ荷物を置いてもらい、すぐに夕方のポイントへ移動します。とりあえずシートのブラインドを張るが、ブラインドの自重でうまく張れなかったせいか?人がたくさんいてオーラが出すぎたせいか、ヤンバルクイナは超速で道路を通過してしまい、薄暗くなるまで出現はなかった。そのまま夕食を食べてから夜間撮影の練習をしました。撮影は3段階での撮影をする練習をマスターしてもらったので、周囲になにか生き物はいないか探しに出ました。「以前ここにヤンバルクイナが眠っていたんだよね」とライトを当てると・・・いた!まさか本当にいるとは!この個体がまた逃げないし、すごく撮影がしやすい場所でがっつり撮影をしてもらいました。さて戻りましょうかと歩き出すとリュウキュウコノハズクが近くで鳴いているので探すと、これまた近くにとまっていたのでしっかり撮影をしてもらいました。予想外の撮影ができてみなさんルンルンで部屋に戻られました。

ヤンバルクイナ
コノハズク

<2日目>

5時半集合出発で夕方のポイントへ向かい、今回は2名が外でブラインド、4名は専用車の中からヤンバルクイナを待ちますが、残念ながら出ませんでした。本来回るコースを専用車で回ると道路上で1度だけ遭遇しましたが、撮影はできませんでした。Uターンする場所ではヤンバルクイナだけではなく、ホントウアカヒゲも近くで出るので20分待機しましたが近くまで声が近づきますが姿を現さなかった。一旦宿へ戻り、敷地内のトレッキングコースで鳥を探すと小鳥の混群が現れたのでリュウキュウメジロ・リュウキュウシジュウカラ・リュウキュウキビタキ、リュウキュウコゲラを撮影できました。

キビタキ
コゲラ

ノグチゲラの気配はするのですが、出会うことはできませんでした。カラスバトのうめき声を聞きながらトレッキングコースを歩いているとオキナワキノボリトカゲが出現したので撮影をしてもらいます。11時になったので一旦辺士名へランチを食べに行きます。下見の時にリュウキュウツバメがいたのでカメラは携帯してもらいます。食後は待っていたようにリュウキュウツバメが定位置にとまったところを撮影できました。

オキナワキノボリトカゲ
ツバメ

宿に戻る途中でリュウキュウイノシシのウリ坊が道路わきに出たので撮影してもらおうとしたのですが、さすがに6名も出てくると山へ逃げ込んでしまいました(笑)

お昼休みとしてる時間も皆さん活発に動いておられたようで、2名ほどが部屋のベランダからノグチゲラが撮れたようで報告を受けました。17時になったのでヤンバルクイナのポイントで待ちます。この日は道路の反対側をゆっくり歩いてきたのですが「これから」という時に車が来て叢へ入ってしまった。その後いつの間にか水路で水浴びをしていたようでちょっぴり出たがまたしても叢へ。そして最後は足早に通過してタイムアップ!いったん宿に戻り食事と準備をして夜間撮影を開始です。昨日ヤンバルクイナが眠っていた場所にはいませんでした。しばらく走ると道路を走る哺乳類が?なんとこちらに向かってくる?ケナガネズミです。車を止めて撮影してもらおうとしたのですが・・・茂みに消えてしまいました、残念。コース1/3でヤンバルクイナのペアを発見!しかし時間が早いせいか枝から降りてしまった・・・。

その後はオリイオオコウモリを撮影するために集落内の公民館で撮影をしていると鳥が???電線にアオバズクがとまったので撮影をしてもらいました。これはラッキーでした。その後も1羽を見つけるがこれまた逃げられてしまった!Uターン位置まで行ったので、そのまま引き返しながら探しますが見当たりません。諦めかけた時にライトが枝の上の塊を一瞬捉えました。車を止めてもらい探すが見当たらない?おかしいなぁとふと5歩ほど下がると枝に隠れていた塊をライトが照らします。なんとリュウキュウオだったのです。皆さんに撮影をしてもらっている間にまぶしかったのか横向きになってしまい、私は横姿しか撮れなかったが、皆さんは撮れたようで興奮をされていました。しばらく進むとまたしてもケナガネズミ!なんて日でしょう2頭も見られるとはアンビリーバボーです。まずまずの成果で事故もなく無事帰宅です。

オリイオオコウモリ
オオコノハズク

<3日目>

5時半集合出発で夕方のポイントへ向かい、今回は全員でブラインドからヤンバルクイナを待ちますが、なんと・・・家族連れのお父さんがヤンバルクイナの通り道でカメラを構えてうろうろする!参った・・・まさかこんな状況になるとは!30分ほどで切り上げてくれたが、陽が強く照りだしてきたので早めに切り上げて宿に戻ることに。敷地内に入り、駐車場に入ろうとしたら近くにヤンバルクイナのペアが!以前もここで出現したことがあったが・・・出るとは不覚だった。一度茂みに入ると出てこないので、皆さんには部屋に戻りパッキングをしてもらい車に積み込んでもらいます。皆さんを待っていると?ノグチゲラの声が近くで聞こえるので、荷物を積みに来た順番でそちらへ行ってもらいました。全員が荷物を積み込んだので私も行ってみると?誰もいない?反対側へ飛んで行ったそうで皆さんそちら側にいました。そのまま探しに行くと道路わきの地面からノグチゲラが飛び出すがとまった場所が竹や木の茂みで撮れそうで撮れない!トレッキングコースを途中まで歩き、ベンチがある場所で出発までの時間までフリーで行動をしてもらうことに。少人数とはいえ7名でぞろぞろと歩くだけで鳥との出現率は下がるので皆さん納得です。さて私はトイレに行きたいので施設に戻る途中、足元でガサゴソと何かが動く音が。すぐにノグチゲラと分かったので近くにいる人に伝えますが、またしても近いけれど撮れない!元来た道に戻り、皆さんに声を掛けました。そして私はトイレに(笑)戻って皆さんが何かを狙っているので聞くとホントウアカヒゲを狙っているようでした。時間になったので専用車に乗って喜如嘉へ。期待をしたのですが、パッとした結果は得られませんでしたがセイタカシギ・タカブシギは何とか撮ることができました。

ホントウアカヒゲ
タカブシギ

そして最後の時間調整地「三角池」へ。下見ではもう少し鳥たちがいたのですが、クロツラヘラサギ・ヘラサギ・アカアシシギ・アオアシシギ・キアシシギ・トウネン・ヒバリシギ・バン・コチドリを軽く撮影して空港へGo!怪我も事故もなく、皆さん無事帰路に就かれました。お疲れさまでした!

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル【後編】

Report by 戸塚学 / 2023年6月17日~22日

6月20日(火) 4日目

今日も天気はいいです!早めに朝食を食べて相泊港まで移動します。ここからはヒグマウォッチングツアーです。初めに見つけたヒグマは遠くてパス。2回目に見つけたクマは待っていると海岸まで出てくれたので撮影をすることができました。船長が「別のクマを探そう」と岬近くに行くと・・・一目7頭のヒグマです!そのうちの1頭が2頭のこどもを連れていたので9頭のヒグマを見渡すことができました。まずは親子を狙います。昆布の茂った海は光の関係で緑色に染まりとてもきれいなので意識して撮影をしてもらいます。

ヒグマ
ヒグマ

ヒグマの親子
ヒグマの親子

次は兄弟だと思うと船長が言う2頭のクマを狙います。大きな石をひっくり返すと「ごとん!」という音がこちらまで聞こえる近さはライブ感たっぷりです。その後も帰る途中にクマが出てくれるたびに船長が近づいてくれるのですが、午後の船の時間もあるので寄らずに戻ってもらいました。

下船後はすぐ羅臼港へ向けて移動します。途中港近くのコンビニでお弁当を買ってもらいギリギリで乗船ができました。岸近くはさほど波に翻弄されることが無かったのですが、沖に出ると結構なうねりが激しくシャチを狙うのに苦労しました。残念なのはこの日のシャチの群れはあまり船と遊んでくれないのでチャンスが少なかった。それでも初シャチのお客様は喜んでおられました。

シャチ
シャチ

残念なのはうねりが強いので予定より早めに終了となったので道の駅で買い物をしてもらいます。この夜もシマフクロウを狙ったのですが、残念ながら出ませんでした。シマフクロウがメインならば朝まで粘ってもいいのですが、他のスケジュールもあるので仕方がありません。

6月21日(水) 5日目

この日も快晴です!風も弱く絶好なコンディション。早めに並び全員で船の前の部分でスタンバイします。参加者のみなさんはわかっていないようなので、とにかく海からの風景を撮ってね!携帯で動画も撮ってね!と言います。じつはこのコンディションは年に数回しかないくらいなのです。船のガイドさんも「今月はこの風景は初めてです!」と言っています。さてこの日は海鳥たちが比較的多く、ハシボソミズナギドリ、ハイイロミズナギドリ、フルマカモメが船の近くを飛んで行きます。時折ずんぐりむっくりなウトウも見られました。

ハシボソミズナギドリ
ハシボソミズナギドリ

ずんぐりむっくりなウトウ
ずんぐりむっくりなウトウ

フルマカモメ
フルマカモメ

驚いたのはクロアシアホウドリが近くで撮影ができたこととアホウドリの幼鳥も近くで撮影できたのですが、少し遠目に発見したアホウドリの成鳥に寄ってもらいたかったのですが、シャチが遠くで出ているという事で船長はそちらを優先します。仕方がない、私たちのメンバーもやはりシャチは撮りたいはずだから。しかしシャチは日露中間線よりもロシア側で手も足も出せません・・・運が良ければアホウドリの成鳥のところに行くかなと期待したが、たぶん飛んで行ってしまったのか見つけられませんでした。

アホウドリ幼鳥
アホウドリ幼鳥

遠くにいたアホウドリ成鳥
遠くにいたアホウドリ成鳥

港に戻る間も生き物を探します。運よくイシイルカが出てくれたのでみなさん必死に撮影をされていました。下船後はお弁当を買っていただき知床峠でギンザンマシコを狙いますが・・・出ません。そのうち飽きてしまったようで「もう原生花園に移動したい」という要望も出ましたが「14時までがんばろう!」と説得しました。結局時間までにギンザンマシコは出ませんでしたが、ウソ、ビンズイは見ることができました。時間になったので原生花園に移動してノビタキ、ホオアカを撮っていただきホテルに向かいました。夕食はホテルについていないので今回の旅の成果に居酒屋で祝杯をあげました。

ノビタキ♂
ノビタキ♂

ノビタキ♀
ノビタキ♀

6月22日(木) 6日目

朝は朝食の関係で8時に出発します。小清水原生花園でノビタキ、ホオアカの撮影をしていただきながら放牧している馬や乱舞するエゾシロチョウ、動物ではありませんがエゾスカシユリやエゾキスゲ、ハマナスなどのお花を撮影していただきました。網走湖湖畔での野鳥撮影よりも風景を撮りたいというリクエストで空港に送迎するまでしっかりと風景撮影を楽しんでいただき無事解散となりました。5泊6日と長丁場ではありましたが、終わってみればあっという間でした。みなさまお疲れさまでした!

ホオアカ
ホオアカ


撮れた鳥
アホウドリ・クロアシアホウドリ・ハシボソミズナギドリ・フルマカモメ・アオサギ・タンチョウ・カッコウ・アマツバメ・オオジシギ・ミツユビカモメ・オオセグロカモメ・ウミネコ・ケイマフリ・ウトウ・エトピリカ・オジロワシ・ショウドウツバメ・シマセンニュウ・コヨシキリ・ノビタキ・ホオアカ・アオジ・オオジュリン・エゾシカ・キタキツネ・エゾヒグマ・ラッコ・シャチ・イシイルカ

見れた鳥・声を聞けた鳥
ヒドリガモ・マガモ・オナガガモ・キンクロハジロ・スズガモ・クロガモ・シノリガモ・ウミアイサ・カンムリカイツブリ・キジバト・アオバト・シロエリオオハム・カンムリウミスズメ・ウミウ・ヒメウ・ツツドリ・トビ・ハイタカ・ハシブトガラス・ハシボソガラス・ヒガラ・シジュウカラ・ヒバリ・ウグイス・エゾムシクイ・シマセンニュウ・エゾセンニュウ・コムクドリ・スズメ・ニュウナイスズメ・ハクセキレイ・ビンズイ・カワラヒワ・ベニマシコ・ウソ・ウソ

他の生き物
ヒグマ(撮)・ラッコ(撮)・エゾシカ(撮)キタキツネ(撮)・イシイルカ

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル【前編】

Report by 戸塚学 / 2023年6月17日~22日

全体的にはこの時期天気があまり良くない根室地域では奇跡的に好天に恵まれた条件となりました。私としてシマフクロウ・ギンザンマシコ・シャチ・ラッコ・ヒグマ・エトピリカの順番で難易度が上がるのですが、逆になってしまい予想外の展開となりました。

6月17日(土) 1日目

飛行機の到着が少し遅くなったのですぐに専用車に乗って霧多布岬を目指します。前日までは1週間毎日霧、霧雨の天気だったのですがみなさんの到着とともに晴れになっていました。移動途中牧場に中にタンチョウがいたので撮影をしていただきました。霧多布に近づくにつれ徐々に霧が濃くなりラッコがいるポイントでは視界がなくなってしまいましたが、霧の中からラッコの赤ちゃんの泣く声がするのでその周辺を探すとようやく発見することができました。しかし霧に包まれているのではっきりと観察することがきず残念でした。宿に向かう途中にタンチョウを探しますが残念ながら見つけることができませんでした。宿の前で夕陽を狙っていると、もの凄い数のヌカカに襲われながらも素晴らしい夕陽を堪能しました。

牧場で観察したタンチョウ
牧場で観察したタンチョウ

風連湖の美しい夕日
風連湖の美しい夕日

6月18日(日) 2日目

天気は最高で予定通り早朝観察&撮影を楽しみます。ハイド(観察小屋)近くでコヨシキリがさえずっているので、ハイドに入り窓を開けるとめっちゃ近い!逃げないのでしっかりと撮影を堪能できました。またオジロワシのペアが近くで飛翔したり、とまってくれたりとサービス満点の早朝となりました。

コヨシキリ
コヨシキリ

オジロワシのペア
オジロワシのペア

落石ネイチャークルーズはやや波は高いが出航という事で海へ出ますが、波よりもうねりがあり鳥たちを探すのも苦労します。そんな中でガイドさんが飛び回るエトピリカを成鳥見つけてくれたので撮影していると・・・着水!ゆっくり近づいてゆくと、なんとエトピリカからこちらに近づいて来るではありませんか!おまけに海上に漂う枝などを巣材として集めていることに集中しているので、こちらはほぼ無視。おかげでみなさんしっかりと撮影をすることができました。光もいいし近いしこんなことはないよと私が一人で興奮して熱くしゃべくっていました。

枝を集めるエトピリカ
枝を集めるエトピリカ

エトピリカ
エトピリカ

近くにいるはずの10数頭を超えるラッコの群れは波が高くて見つけられませんでしたが、若い2頭は何とか撮影ができたと思います。下船後は道の駅でランチをするのですが、根室名物という事で「エスカロップ」をみんなで食べました。

若い2頭のラッコ
若い2頭のラッコ

午後はどうするかをみなさんに聞くと「霧多布のラッコはもういい」という事で、走古丹でキタキツネの子ぎつねとタンチョウの親子を探すことになりました。残念ながら大人のキタキツネはちょくちょく見られるのですが、下見で見つけた巣穴の4頭の子ぎつねには出会う事はできませんでした。タンチョウの親子ははじめ見つけられませんでしたが、さすが熟練のバードウォッチャーでもあるドライバーさんが見つけてくれて何とか撮影をすることもできました。

タンチョウの親子
タンチョウの親子

時間があれば野付半島にも行く予定でしたが明日は野付半島での観察と撮影にしっかり時間をかけることができるので、この日は早めに切り上げて宿の向かいにある温泉を楽しんでいただきました。

6月19日(月) 3日目

予定より1時間遅く出発して、コンビニで朝食を買い込んで野付半島に向かいましたが・・・天気は晴れているのですが、風が強く寒い=小鳥の出現率が下がるのでターゲットをエゾシカに切り替えて群れを見つけては車を停めて撮影を楽しみます。

エゾシカ
エゾシカ

エゾシカ
エゾシカ

10時を過ぎたところで気温も上がり風も弱まったので花と小鳥を歩きながら撮影を進めます。ここで電話が鳴り尾岱沼の外洋クルーズが波が高いために欠航という電話でした。風は弱まったと思ったのですが、どうやら位置的に風が弱くなっていただけで全体的には風は弱まっていなかったようでした。予定を一気に変更してまず、標津の町までランチを食べに行きました。その後は今日から泊まる宿へ電話をして早めにチェックインすることを伝えました。時間はたっぷりあるので下見で見つけたショウドウツバメのコロニーでみなさん撮影を楽しみました。

ショウドウツバメのコロニー
ショウドウツバメのコロニー

羅臼に移動して早めに宿へ入り休憩。そして夕食をとり、18時30分シマフクロウを狙いに行きました。1度でも出れば23時、出なければ0時まで粘ることにして頑張りましたが、結局1度も出ることが無く引き上げると10分後に出たらしい!悔しい。

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員