奥日光で冬鳥観察&会津でヤマセミ撮影にもチャレンジ!

report by 吉成才丈 2022年11月7日~10日

 

<1日目>
予定通り、JR宇都宮駅に集合後、専用車で日光方面に移動。車窓から紅葉を楽しみながら進み、中禅寺湖で昼食後に戦場ヶ原に到着。まずは、アオシギを求めて沢沿いを散策しました。いきなり出迎えてくれたのはカワガラスで、滝の周囲でずっと採餌していました。目の前でずっとエサを獲っていたため、皆さんかなりの枚数を撮影したようです。このあたりはカワガラスが普通にいる地域ですが、撮り飽きるまでいてくれるのは珍しいことですね。

カワガラス(西川 恵美子様 撮影)
カワガラス(西川 恵美子様 撮影)

 

カワガラス(齊藤 茂雄様 撮影)
カワガラス(齊藤 茂雄様 撮影)

 

アオシギが見つからなかったので、冬の小鳥たちを求めて下流の木道に移動すると、アトリやアカハラ、カケスが目の前に出現。時折、マヒワの声も聞こえましたが、この日は飛び去る姿を遠くに見送るだけに終わりました。

アトリ(齊藤 茂雄様 撮影)
アトリ(齊藤 茂雄様 撮影)

 

カケス(西川 恵美子様 撮影)
カケス(西川 恵美子様 撮影)

その後は近くの牧場に立ち寄って希望者はアイスクリームを頂き、ホテルにチェックインしました。
  
<2日目>
まだ薄暗い時間にホテルのロビーに集合し、朝食前に近くの沢沿いを散策しました。この沢もアオシギのポイントなので、まだ誰も訪れていない早朝はチャンスだったのですが、ここでもアオシギには出会えませんでしたが、カケスの群れが採餌しながら通過していきました。

カケス(齊藤 茂雄様 撮影)
カケス(齊藤 茂雄様 撮影)

 

ホテルの近くでゴジュウカラやアカゲラなどを観察していると、遠くでウソの声が聞こえました。朝食後には、またアオシギを求めて沢沿いを散策すると、昨日と同じ場所にカワガラスがおり、やはり目の前でわき目もふらずに採餌していました。昨日あれだけ撮ったのに、やはりカメラを向けたくなりますよね。カワガラスを見ていると、いつも元気をもらえるような気がします。

ここでもアオシギには出会えなかったため、狙いを変えて湯の湖畔を散策。いつもなら、ナナカマドの実にアトリやウソなどがいるはずなのですが、お目当ての鳥には会えず、カラ類やヒドリガモなどを観察しました。その後、昨日も歩いた木道を歩いてみると、入口付近でゴジュウカラが出迎えてくれました。

ゴジュウカラ(西川 恵美子様 撮影)
ゴジュウカラ(西川 恵美子様 撮影)

 

先に進むと、先行していたカメラマンが何かを狙っていました。静かに近づいてみると、待望のマヒワの群れが採餌しており、鮮やかな黄色いオスの姿も確認されました。木道脇の広場だったので、皆さんでじっくり観察・撮影していると、参加者のお1人の写真にミヤマホオジロのオスが写っていてびっくりしました。少ないながらも冬の奥日光を楽しみ、午後には専用車で会津に向けて移動しました。
  
<3日目>
まだ真っ暗な4時20分に出発し、ヤマセミのポイントに向かいました。最近のヤマセミは朝方に出ることが多く、暗いうちからスタンバイしておかないと警戒されてしまうとのことで、期待と緊張の中ブラインドに到着。暗いうちにカメラをセットして待つと、ヤマセミはまだ薄暗い時間に飛来し、一番近い倒木にとまりました。

ヤマセミのメス
ヤマセミのメス

 

ヤマセミ(齊藤 茂雄様 撮影)
ヤマセミ(齊藤 茂雄様 撮影)

 

カワセミ(齊藤 茂雄様 撮影)
カワセミ(齊藤 茂雄様 撮影)

その後も、少し離れた木にとまったり、目の前を通過したりで何度もチャンスがありましたが、皆さん、はじめてのロケーションでチャンスを生かせなかった場面もあったと思います。(だからヤマセミは、二日間必要なんですね)

 

10時30分すぎにホテルに戻って銘々に昼食を済ませ、午後には周辺の林や耕作地を巡りました。小鳥も多いとのことで鶴ヶ城に行くと、とても美しい紅葉が出迎えてくれました。カラの仲間やカワラヒワ、エナガなどの小鳥のほか、お堀ではカルガモやコガモなどのカモ類も観察されました。

ヤマガラ
ヤマガラ

 

その後は、移動途中にチェックしておいたハクチョウの群れを狙って耕作地へ移動。耕作地で休んでいたコハクチョウが飛び立つと、磐梯山や飯豊連峰を背景に飛翔する姿を撮影して楽しみました。

コハクチョウ(西川 恵美子様 撮影)
コハクチョウ(西川 恵美子様 撮影)

 

コハクチョウと磐梯山(上田 恵様 撮影)
コハクチョウと磐梯山(上田 恵様 撮影)

  

<4日目>
昨日同様、まだ暗い4時20分に出発し、ヤマセミのポイントに向かいました。昨日の経験があるため、この日は気持ちに余裕があります。昨日と座り順を変えてブラインド内で待機していると、やや遠めの木にヤマセミ2羽がとまりました。約70mの距離で、薄暗い霧の中という悪条件でしたが、モノクロのような趣のある写真が撮れたようです。そうなんです、ピーカンだと普通の写真しか撮れないのですが、条件が変わると思いもよらなかったカットが撮れるのですね。

ヤマセミのオス・メス
ヤマセミのオス・メス

 

その後も、ヤマセミは近くにとまったり目の前を飛翔したりで、この日は昨日以上に楽しめました。ここは背景や水面の映り込みもきれいなので、たとえ後ろ姿であっても、皆さん美しい写真をたくさん撮られたようです。

 

ヤマセミは午前中が勝負なので11時前にホテルに戻り、ここで解散となりました。
ご参加いただいた皆様、お疲れさまでした。

ヤマセミ(上田 恵様 撮影)
ヤマセミ(上田 恵様 撮影)

 

ヤマセミ(上田 恵様 撮影)
ヤマセミ(上田 恵様 撮影)

 

ヤマセミ(西川 恵美子様 撮影)
ヤマセミ(西川 恵美子様 撮影)

 

ヤマセミ
ヤマセミ

(観察種数59種)

 

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

奥日光で冬鳥観察&会津でヤマセミ撮影にもチャレンジ!

Report by 吉成才丈 / 2021年11月9日~12日

 

初日の11/9は宇都宮駅に集合し、まずは奥日光へ向かいました。現地では、あいにくの雨予報で時折強く雨が降るという悪条件のもと、湯の湖畔や湯滝下、赤沼周辺で探鳥。この日はカワガラスやコガラ、ヒガラなどを観察し、ちょっと早めにチェックインしました。

カワガラス(上山功夫さま撮影)

2日目は天候も回復し、まずは湯滝周辺の川や小さな沢でアオシギ探し。カワガラスやミソサザイが出現するも、アオシギには出会えませんでした。でも散策路の終点近くで、コガラやゴジュウカラ、エナガ、コゲラなどの混群に遭遇。それぞれの種を楽しみながら、木の幹をらせん状に上るキバシリを探すと、運よく2羽を観察することができました。キバシリは。まるでネズミみたいですね。

湯滝
キバシリ(上山功夫さま撮影)

赤沼の木道ではマヒワも観察できましたが、今年の奥日光はズミやナナカマドの実がすくなく、結局、ツグミやウソ、アトリなどには出会えませんでした。

奥日光は湿地も樹林もすばらしく、雄大な景色をみているだけで癒されますので、いろいろな季節に訪ねてみたいですね。この日の午後には会津に移動し、翌日のヤマセミに備えて、早めにお休みいただきました。

戦場ヶ原

さあ3日目は、いよいよこのツアーのハイライト、ヤマセミの観察&撮影にチャレンジです。暗いうちにブラインドに入って静かに待つと、まずは6:15頃に1回目の飛来があり、以降も何度か、とまりや飛翔がありました。距離も近いので興奮しましたが、皆さん、オス・メス2羽のとまり写真もバッチリ撮れたようです。

ヤマセミのオス・メス(上山功夫さま撮影)

そして4日目も、昨日と同様にヤマセミの観察&撮影にチャレンジしました。皆さん、昨日でかなり満足されようですが、まだまだ撮影できるシチュエーションがあります。そう、この日は飛翔やハンティングのシーンも意識して狙って頂きました。この日はヤマセミの動きもよく、予想していた以上の成果があり、皆さんの撮られた写真に驚かされました! 論より証拠、参加された方々の写真をご覧ください。

 

ヤマセミのホバリング(奥田恵子さま撮影)
ハンティング後のヤマセミ(奥田恵子さま撮影)
ハンティング後のヤマセミ(上山功夫さま撮影)

一部しか紹介できませんでしたが、皆さんの写真はいかがでしたか?
本当に、すごいですよね!

 

ここでは、カメラや写真、ヤマセミに精通した地元のヤマセミガイドさんが撮影方法を指導してくれるので、皆さん自身が予想していた以上に撮れちゃうんです。背景もきれいでしょ!

バーダー憧れのヤマセミのいろいろな行動を見ることができ、また撮影まで上手くいき、ヤマセミ主体のツアーは大成功でした。来年は幼鳥が巣立った後の夏、そして紅葉もきれいな今回と同じ時期に計画してみたいですね。

 

(確認種59種)

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。