韓国最大のクロハゲワシ越冬地と越冬する鳥たち【後編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月12日~16日

<4日目>

この日は2か所のワシミミズクポイントを巡ります。1ヶ所目は光が悪くなかなか厳しい状況のなか、昨日とは違う参加者がすぐにワシミミズクを発見!凄く見つけにくい場所なのに・・・ガイド失格や(笑)光がイマイチなので一応撮影してもらった後、もう1ヶ所へ一旦行く事にします。こちらはほぼ鉄板な場所なので軽い気持ちだったのに・・・探しても見当たりません。最近この場所はカメラマンがたくさん来て必要以上に近づくのでどこかへ行ってしまった可能性もあります。葦原ではカシラダカ、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、ダルマエナガ、カササギを見ることができました。帰り際に参加者が「あの猛禽は?」と指をさすとそこにはクロハゲワシが飛んでいました。もう一度気を取り直してワシミミズクがいた場所へ行くとまだいました!今度は若干光が良くなっていたのでリベンジ撮影を楽しみました。それにしても北風が強くて寒いので北上してきたんだなぁと実感します。

ワシミミズク
ワシミミズク
ミヤマホオジロ
ミヤマホオジロ

この後は夕方に36万羽と言われるトモエガモが集結する場所へ向かいます。ただ時間が早いので干潟で観察と撮影です。ズグロカモメ、ユリカモメ、セグロカモメっぽいのはモンゴルか?ダイシャクシギかホウロクシギも遠く陽炎の中に揺らめいています。干潟の杭にオジロワシとハヤブサもいます。カモ類はマガモとツクシガモは何とか確認できるが他は遠くてわからない。この上流域でトモエガモが集まり乱舞するというので一番いい場所を探すのですが、どうやら対岸に来てしまったようで再び移動です。この時対岸には数名の人しかいなかったのですが現地に来ると道路わきに車がたくさん停まっています。堤防に上がると目の前に広がるトモエガモの大群!これだけでも圧巻なのにこれが頭上で乱舞するなんて想像すると鼻血が出そうだ(笑)。空腹なのか一部のトモエガモたちが河川敷に上がり草を貪り食っているのでそちらも撮影してもらいます。ふと周りを見るとずいぶんと人が集まっているなと思うと・・・パトカーが来て「車をどかせ」とサイレンを鳴らし拡声器で呼びかけるが誰も動きません。恐るべし韓国人(笑)17時まで粘ったのだが、飛ばないの切り上げて移動を始めるとパトカーが2台追加で来ていた!これは来年どうなる事やら。ここ数年の間に韓国でも野鳥カメラマンが爆発的に増えているようで、いずれ日本のようになるのかなと感じさせられました。

トモエガモの大群!
トモエガモの大群!
トモエガモの大群
トモエガモの大群
トモエガモ
トモエガモ

<5日目>

帰国までのギリギリまで撮影を楽しむためクロツラヘラサギの繁殖地へ行くと・・・池が凍結している!そのせいか繁殖用の人工島にクロツラヘラサギが1羽もいない!!!セグロカモメ系が飛んでいる以外、ツクシガモ、ホシハジロ、マガモ、カルガモが見られるだけ。さてどうしたものかと思っていても仕方ないので「ここの葦原にはダルマエナガが多いので探しましょう!」と伝えると小鳥の声がそこら中から近づいてきたと思ったら混群に取り囲まれているではありませんか!アトリ、シメ、コイカル、シロガシラ、キクイタダキ、スズメ、シジュウカラ、エナガ、シマエナガ、ヒガラ、ダルマエナガ!私はパニックになっていて見落としたがヒゲガラまでもいたようです。これがほぼ1時間私たちの周りから動かなかったのだから超ラッキーとしか言いようがない。日本では考えられないが、シマエナガとエナガを同時に見られるなんて!小鳥たちが去ってしまって静かになったので、少々時間は早いのですが心地よい放心状態のまま仁川空港に向かい帰国の途に就きました。

アトリ
アトリ
エナガ
エナガ
シマエナガまで!
シマエナガまで!

参加していただいたみなさまお疲れさまでした、超少人数でゆっくりとした日程と朴さん厳選の食事も堪能できて超ラッキーなツアーになったと思います。

【撮れた鳥&哺乳類】
クロハゲワシ・ワシミミズク・オジロワシ・ノスリ・オオノスリ・ハイイロチュウヒ・オオタカ・ハイタカ・チョウゲンボウ・ヒシクイ・オオヒシクイ・マガン・トモエガモ・ユリカモメ・ズグロカモメ・ドバト・コウライバト・カササギ・ヒガラ・シジュウカラ・エナガ・シマエナガ・シロガシラ・ダルマエナガ・ジョウビタキ・ギンムクドリ・カシラダカ・ミヤマホオジロ・アオジ・コイカル

【見られた鳥&哺乳類】
ハヤブサ・チュウヒ・ツクシガモ・マガモ・ホシハジロ・オナガガモ・カルガモ・カワアイサ・マガモ・カンムリカイツブリ・カワウ・アオサギ・ダイサギ・コサギ・クロツ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

韓国最大のクロハゲワシ越冬地と越冬する鳥たち【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月12日~16日

 

なかなか参加者が集まらなかったのですが、現地通訳兼コーディネーターの朴さんから「まずやってみないと」という事で参加者3名、ガイド1名での催行となりましたが全日晴れで超少人数でのツアーは大成功だったと思います。

<1日目>

全員関空出発で、夕方釜山空港に到着だったのでまっすぐホテルへ向かいました。

<2日目>

クロハゲワシの給餌は10時からなので、8時にホテル隣のオモニ食堂で伝統的?韓国朝食をとって9時20分に出発です。遅いと思うだろうが現場まですぐなので十分間に合うのだ。現場近くになるとすでにクロハゲワシが飛んでいる姿が目に入ります。到着をして車の外に出るとすでに空いっぱいに怪鳥クロハゲワシが舞っています。観察用のテント内からエサに向って降りるクロハゲを狙いますが、風が向かい風なのですべてお尻向きなのが悔しい。次々と舞い降りるクロハゲワシであっという間に田が埋め尽くされる光景は圧巻です。時々餌を奪い合うために大騒ぎをすると砂ぼこりがこちらに来るので、これはマスクが必要だと実感!

空いっぱいに舞うクロハゲワシ
空いっぱいに舞うクロハゲワシ
クロハゲワシで田が埋め尽くされる
クロハゲワシで田が埋め尽くされる
クロハゲワシ群れ
クロハゲワシ群れ

光りがどうしても逆光側になるのでテントから外に出て光がいい場所に移動してから再び撮影続行です。3年前では考えられないぐらい近くまで来るので迫力満点!風も若干変わったことで降下してくる姿も撮影ができます。気がつけば12時を過ぎています。おなかを満たしたクロハゲワシたちは三々五々飛び立ち、半分以上が飛び立つとこれはこれで個体個体を撮影がしやすくなっていい感じ。予定時間をオーバーしましたが十分撮影を満喫できました。

クロハゲワシ
クロハゲワシ
降下するクロハゲワシ
降下するクロハゲワシ
クロハゲワシ
クロハゲワシ

昼食にサムゲタンを食べて午後のポイントに移動ですが、いつも行くポイントが昨年鳥インフルエンザで閉鎖されていたので今年は順天湾というところへ行きました。ここはナベヅルの越冬地で道路わきからはナベヅル、ヒシクイ、マガンの群れが見られ時折空をオオノスリやチョウゲンボウ、ハイイロチュウヒ、ノスリが飛んでいます。ここも残念ながら光が悪くなんともなりません。それでも順光側を飛ぶナベヅルやガン類の撮影を楽しみました。自然観察公園になっていて入場料を払うと園内に入れるのですが、時間がないのが悔しい。ここは1日中いたいなぁと思える雰囲気でした。夕食を食べてホテルに向かいました。

ナベヅル
ナベヅル
ヒシクイ
ヒシクイ

<3日目>

この日も前日と同じルーティーンでクロハゲワシのポイントへ向かうと???クロハゲワシもカラスもいない?アオサギの群れが畔にずらりと並んでいるだけ?お客さんはどんどん入るがクロハゲワシが集まらない・・・エサはあるのに。よく見るとまだビニールから出してない。これが原因か。暇なので給仕場の裏を覗くと参加者が「ギンムクドリが電線にとまっている」というので見てみるとムクドリと一緒にいます。石垣島で見ることはあってもまさかこんなところで見られるなんて!私も負けじと双眼鏡を覗くと???ヤツガシラが木の枝にとまっている!急いでみんなに知らせて説明をすると、先ほどの参加者が「こっちにもいます!」というのでそれを撮影しているともう1羽出てきて合計3羽も狭いエリアにいるではありませんか!畑で採餌したあとすべて飛び去りそれっきり姿を見せることはありませんでした。ギンムクドリがよく出る場所を観察しているとどうやら生ごみ置き場に集まっているようでした。そこで撮影と観察をしているとシロガシラがいるじゃありませんか!私はギンムクドリとシロガシラという沖縄の常連さんをこんな北の大地で見られるとは思いませんでした!

沖縄の常連ギンムクドリが!
沖縄の常連ギンムクドリが!
シロガシラ
シロガシラ

さて主役たちですがどうやら日曜日でお客さんや子供たちにレクチャーをしてから給餌を始めるようでエサを包んであるビニール袋を剥がすとすぐにカラスたちが集まってきます。その光景をどこかで見ていたようでクロハゲワシも集まってきますが、私たちは次のポイントへ移動するためここでタイムアップ!ただし昨日がっちりとクロハゲワシの撮影ができたので今日ができなくても大丈夫そうでした。それ以上にヤツガシラとギンムクドリが見られた方がよかったようです。次のポイントまで移動してここで昼食を食べ、そのままコウライバトの撮影を楽しみました。撮影をしているとそれまでのんびりとくつろいでいたハトたちがいきなり釣り鐘堂に飛び込んで行きます。おかしいなぁと思ったらオオタカ2羽が上空を飛んでいます!納得。ここでは昨年コイカルとオナガがたくさんいて撮影もできたのですが、今回は見当たらず残念です。この後は約2時間ほど、高速道路を走りホテルへ向かいました。

コウライバト
コウライバト
オオタカが上空を飛んでいた..!
オオタカが上空を飛んでいた..!

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【後編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月7日~10日

<3日目>

この日も天気がいいので5時30分出発です。道路わきの木々の枝がヘッドライトで照らされると銀色に輝いているのが確認できたのでちょっぴり期待をします。晴れているので日の出時間からしばらく一番気温が下がるのでみなさん我慢大会ですが目の前の光景を目の当たりにすれば撮らざるをえない!日が昇り和田さんが8時過ぎに迎えに来てくれたのですが、あまりにいいシーンが続いたので少し待ってもらいました。ダイヤモンドダストがちょっぴり出ましたが撮影にはちょっぴり厳しいので目でいただき記憶に焼き付けていただきました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら

昨日に続き元気いっぱいな方たちは朝食後にエゾリスを狙いに行きますがなかなか難しいようです。タンチョウサンクチュアリーはよく冷えたこともあり葦の穂に霧氷が輝きとてもきれいでした。ただし昨日に比べて動きが少なくちょっと暇でした。

タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ

この日は一旦ホテルに戻り温かいランチを食べてリフレッシュ!しかし午後もあまり動きが無いので、30分早く夕陽のポイントへ移動しました。これが当たり!到着早々青空を飛翔する姿を撮影できました。しかし夕陽絡めの飛翔はこの日も厳しい結果になりましたが、夕焼け空をバックに歩くタンチョウが撮れたのはラッキーでした。

タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔

<4日目>

最終日も5時30分出発です。この日は道路わきの木々の枝がヘッドライトで照らされると銀色に輝いていないので「まぁ仕方ないな」と諦めながら現場に到着後すぐにスタンバイしますが、予想に反して寒い。明るくなるとみるみる木々の枝が白く霧氷を纏ってゆきます。夜明け前から一気に気温が下がり、気嵐も立ち上り朝陽を受けて輝きます。その分気温は下がりたぶんマイナス18度くらいです。ベストは-15~20度なのでちょうどいい!!!もう刻々と変わりゆく光と影の世界に歩くタンチョウたちを絡めて撮影を楽しんでもらいました。和田さんが迎えに来た時です。なんとすごい勢いでダイヤモンドダストが輝いています。ファインダーを覗くとしっかりと撮れる状況だったのでみなさんに説明をしてしっかりと撮影をしていただきました。なんともすごい朝になりました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
ダイヤモンドダスト
ダイヤモンドダスト

ホテルで朝食を食べたあとは荷物を片付けていただきホテルの廊下にデポしてもらいタンチョウサンクチュアリーに行きます。泣いても笑っても2時間30分なのでしっかり楽しんでもらいます。12時に送迎用タクシーが来たので、ホテルに戻り荷物を積み込みます。この時ドライバーさんに鶴見台で10~15分時間をもらえないかと相談するとOKが出たので短時間ですが、ここでカナダヅルを狙います。思った以上に近くにいてしっかり撮影ができたのでそのまま空港に戻りました。それにしても最後の最後までこのツアーは引き当てっぱなしです。

タンチョウ
タンチョウ
カナダヅル
カナダヅル

参加していただいたみなさまありがとうございました、そしてお疲れさまでした!


撮れた鳥&哺乳類

オジロワシ・ノスリ・タンチョウ・マナヅル・カナダヅル・オオハクチョウ・エゾフクロウ・アカゲラ・ミヤマカケス・シジュウカラ・ヒガラ・ハシブトガラ・シマエナガ・シロハラゴジュウカラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月7日~10日

 

好評のこのツアーも今年で3年目。今年は過去最高な出来だったと思います。全日晴れと予想以上に気温も下がり霧氷が朝陽に輝く情景はもちろんダイヤモンドダストまで撮影できるチャンスに恵まれました。

<1日目>

昨年も参加された方が2名、このツアー初参加が3名の5名での開催になりました。空港と先入りの方をホテルでピックアップして現地に向かいます。

天気は快晴でまだ道路わきの木々の枝に霧氷が残り、陽光に輝いています。今回泊まるホテルTAITOに不要な荷物を置いてすぐにタンチョウサンクチュアリーへ向かいます。コンビニで買ったお昼ご飯を食べながらしっかりと撮影をしていただきました。残念なのは風向きが悪くこちらに向かって飛んでくれないのが悔しい。ただし今年は珍しくマナヅルが1羽来ていてるのでこちらを撮れたのはラッキーでした。夕方は夕鶴を狙えるポイントへ向かってチャンスを待ちますが・・・残念ながら不発で終わってしまいましたが、まだ初日です。残りの日に期待をすることにしてホテルに戻りました。

タンチョウサンクチュアリー
タンチョウサンクチュアリー
タンチョウ
タンチョウ
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました

<2日目>

TAITOのオーナー和田さんから「明日は天気がよさそうだから5時30分に出発しよう!」と提案をされていたのでまだ暗い中の出発です。さほど冷えてる感じはなかったのですが、晴れています。現場に到着するとまだ辺りは真っ暗です。私たち以外にほとんど人がいないのでいいポイントを確保できました。空には細い月が浮かび、川面には月の光の帯と星が映り込んでいましたのでそれらも撮っていただきました。徐々に明るくなるタイミングで撮影を楽しんでいただきながらアドバイスを伝えました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら

本来は午後エゾフクロウポイントへ行く予定でしたが、和田さんの提案でそのままエゾフクロウの撮影を楽しみました。ペアが並んでいる姿を期待しましたが、今年も1羽だけ。それでもしっかりと楽しむことができました。

エゾフクロウ
エゾフクロウ

一旦ホテルに戻り、凍える身体で朝ご飯を食べると元気のいい参加者はすぐにホテルの庭に来るエゾリスを撮るために飛び出してゆきましたが、残念ながら撮影はできなかったようです。しかし日中は昨日と風が反対側から吹くのでこちらに向かって来るタンチョウを撮影するチャンスに恵まれたのですが、すぐ頭の上を飛ぶので望遠では撮れません!レンズの選択が難しく皆さんの歓喜と嘆きの声が交互に響きます。(笑)昨日同様今日も各自コンビニで買ったお弁当を食べながらの撮影を楽しみました。

真上を飛んでいったタンチョウ
真上を飛んでいったタンチョウ

夕方移動をして希望者だけタンチョウの飛翔を狙いつつ小鳥の撮影を楽しみます。ここではエサ台がありシマエナガ、シジュウカラ、ハシブトガラ、ミヤマカケス、アカゲラの撮影を楽しみました。太陽と飛翔を絡めた撮影はイマイチでしたが、十分楽しめた1日だと思います。

シマエナガ
シマエナガ
ハシブトガラ
ハシブトガラ
アカゲラ
アカゲラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

秋色の佐渡島に舞う朱鷺色トキを狙う

Report by 戸塚学 / 2023年10月9日~12日

1日目 新潟 

夕方までに各自で新潟駅前のホテルにチェックインしていただきました。17時30分にロビーに集合をしていただきミーティングを行いました。ミィーティング終了後は各自で食事に行っていただきました。

2日目 佐渡島

早朝5時と5時20分組に分かれてタクシーでフェリーターミナルに向かい現地で合流してから佐渡島に向かいます。天気予報では「雨、所によっては雷雨」だったのでフェリーが出るのか心配しましたが、天気は穏やかで海況も穏やか。無事佐渡島に到着しました。下船後は専用車でトキを探しに出かけます。まずはトキ交流館周囲の田で探しますが、見当たりません。引き続きいつもよく見かけるエリアを探すと2~6羽の群れをよく見かけますが、群れていることもありなかなか近づけません。群れの中に警戒心が強い個体がいるとすぐに飛ばれることが多くなるからです。少し距離があるものの比較的落ち着いついている群れを見つけては撮影をすることができました。

 

 

途中もの凄い大雨が降り「天気予報が当たっている」と実感。せっかくなのでトキと雨を高速シャッターとスローシャッターで撮影していただきました。突然雨が降り出したり晴れたりするので「虹」に期待するも出なかったのが残念。夕方はドライバーさんが「以前ここに集まってねぐらにしていた」という場所で待つもダメだった。時間になったのでホテルに戻りました。

 

 

 

3日目 佐渡島

天気予報が外れて?晴れです。渋滞を避けて田んぼ道を進むと朝露に輝く草がとてもきれいなのですが・・・主役のトキがいない、残念。トキの警戒心は やはり結構強いのでのんびりしている群れを見つけて待ちます。狙いは飛び立つ姿です。しかしトキはこの時期群れになる習性があるので、私たちが撮影している群れの中にあちこちから飛んできます。それと同じようにそこから飛び立つ個体も多く、約2時間しっかりと楽しむことができました。

 

 

 

 

 

ドアップは撮れませんがこれはこれでいいシーンをたくさん撮れるので今後は無理はせずこの作戦に切り替えて撮影を試みるようにしました。ドアップばかりがいい写真ではないし、今のカメラは高画素なので後でトリミングをすればいいのである。お昼ご飯を食べてから冬に良くトキが集まるエリアに行きますが、見つかりません。どうやら秋はこちら周辺の田はあまり使わないのか?まだ稲刈りや圃場整備のせいか?わかりませんがこちらをパスすることにしました。さて今回良くトキを撮影できる場所へ移動すると、遠くの神社の森にある立派な杉の木の枝に白い点が2つ。車を停めてもらい双眼鏡で見るとトキです!ようやく枝とまりのトキです。早速車を近づけていただき、青空バックでペアのトキをしっかりと撮影していただきました。

 

 

 

 

約1時間「ぐぁ~」と鳴き出したので、「飛ぶかも!狙って」とアドバイスをして飛ぶ姿も撮影できました。

 



 

冬にねぐらにしていた場所へ覗くと・・・いた!8羽いた。もうねぐら入りしているとは思わなかった。写真的にはあまりいい状況ではないがとりあえず撮影をしてもらいます。なんだか今日は凄いぞ。こういう日はやたらと当たるので次の場所に移動してみると、まもや8羽の群れがいる!これはここで待って撮影するしかありません。しかしここで日没まで待つのはもったいないので違う場所へ移動を始めるとドライバーさんが立派な杉の大木の梢にとまるトキを発見。早速移動をして撮影をしていると畑仕事をしているおじぃちゃんが「毎日夕方に5~6羽来るよ」と教えてくれた。

 

 

さて光に赤味が増してきたので先ほどの群れの場所に戻ると・・・いない!せっかく夕陽に色づく紅のトキが撮れると思ったのに。その時参加者が車の横にいる!と言うので見ると逆光の二番穂の中にペアがいた。気がつかずに近くまで来てしまったようで、ゆっくりと車をバックで移動してもらい狙ってもらいます。私もファインダーを覗くと・・・輝く2番穂の上に輝く白い糸がたくさん風になびく?なんと蜘蛛の糸がいっぱい引っかかっていっるのだ!「蜘蛛の糸が写るように撮って!」と叫ぶ私の言葉をみなさん「雲の糸???が写るように」と聞こえて「なんのこっちゃ」と思ったようですが途中から気がついたようで無事全員撮ることができました。

 

 

撮り終わるのを待っていたかのように2羽とも飛び去ると周りにトキの姿が見られなくなっていた。どうやらこの時間前にみなねぐら入りしてしまったようだったので、私たちも日没と同時に終了となりホテルに向かおうとすると、渡ってきたばかりと思われるコハクチョウの群れとムナグロの群れに遭遇して堪能することができました。大当たりな1日でした!

 

4日目 佐渡島

本日は快晴!みんな昨日までしっかりと撮れているので余裕の表情ですが、それでも最後の最後まで撮影をします。昨日と同じように落ち着いた群れを探し、待ちの撮影です。群れが離れたり、飛び去ったら移動開始でまた探すというパターンで撮影を楽しみました。1羽のトキがこちらに寄って来るのを待っているとドライバーさんが「前、前、たくさんのトキが飛んでる!」と叫ぶので見ると22~25羽のトキの群れが飛んで行きます!

 

 

とりあえず下に降りた位置をドライバーさんは確認すると「たぶんあそこらへんだと思う」と車を走らせてくれました。そして到着すると12、13羽のトキが広い田にあちこち散らばっています。ここでも待ちの撮影をしているとトキの群れに向かう車が?「飛ぶから狙って」と声をかけると6羽のトキがこちらに向かって飛んで来て車内は軽くパニック(笑)トキを飛ばした車はただ単に通過する際に飛ばしただけでしたが、私たちには超ラッキーな出来事でした。その後も時間いっぱい、おなかいっぱいトキの撮影を堪能してフェリーに乗り込み無事終了しました!

 

 

 

[撮れた鳥]
トキ・コハクチョウ・マガン・ヒシクイ・ノスリ

[見られた&声を聞かれた鳥]
キジ・カルガモ・マガモ・コガモ・ヒドリガモ・オナガガモ・オシドリ・キジバト・カワウ・チュウサギ・ダイサギ・アオサギ・クサシギ・ムナグロ・ウミネコ・トビ・チョウゲンボウ・アカゲラ・モズ・カケス・ハシボソガラス・ハシブトガラス・シジュウカラ・メジロ・イソヒヨドリ・スズメ・ハクセキレイ・セグロセキレイ・カワラヒワ・マヒワ・ホオジロ・タヌキ

 

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

秋の石垣島でアカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う【後編】

Report by 戸塚学 / 2023年9月24日~26日

2日目

朝7時に出発して、ズグロミゾゴイを探しますが・・・残念見つかりませんでしたがクジャクは出まくりでした。さて展望台に移動をすると7時30分には既に飛び始めているという。これは期待ができると思いきや、風が無いのでとにかくタカ柱が出ても高い!2つの大きなタカ柱は確認ができたがそれっきり。

カンムリワシタカ柱

今回のみなさんが到着前に珍鳥のハシブトアジサシとジャワアカガシラサギが来ていたのでまずはハシブトアジサシのポイントへ向かうが、他社のグループが来ていたのでパスして、田んぼを探しますが暑いせいかさっぱり。

ハシブトアジサシ
ジャワアカガシラサギ(下見中に撮影)

 

11時に午前の部は終了なので各自で昼食をとってもらいお昼休憩をとります。午後は15時からハシブトアジサシに向かいますが・・・予想よりも潮が満ちていていない!とりあえず近くにないかと探すとクロハラアジサシが飛び回り何とか撮影をしました。参加者がトイレに行きたいというリクエストがあったのでドライバーさんの知人がやっているトロピカルジュース屋さんへ。川平ファーム「Coccoala」でめっちゃうまいマンゴージュースを飲むことができ、リフレッシュ!

マンゴージュース

 

夕方になり少し涼しくなってきたし、風も出てきたのでカンムリワシに期待して探すとドライバーさんがまたしても発見!電柱の上にとまっています。下ではトラクターが畑を耕しています。よく見るとカラスに紛れカンムリワシが!どうやらペアのようで電柱の上がオスのようでしきりに下のメスに声をかけているようだが、メスはまったく無反応・・・男はつらいのである。(笑)まったくこちらを警戒せずに飛ばなかったのでしっかりと撮影をできてみなさん満足そうでした。

カンムリワシ
カンムリワシ

 

少し時間があったのでホテル近くの田んぼを流すと電線に何かとまっています。双眼鏡で見ると「カタグロトビ!」ゆっくりと車を近づけ狙ってもらいます。鳥自体が小さいので800㎜のお客様はフレームに入れる前に歩いてきた人に飛ばされてしまいましたが、他のお客様は撮影できて感動されていました。1日の最後の最後でサプライズ撮影ができみなさん満足してホテルへ向かいました。

カタグロトビ

3日目

7時にホテルを出発してまずは昨日カタグロトビがいた田に行き、昨日の夢をもう一度にかけましたが、甘くはありませんでした。ジャワアカガシラサギもいるので期待しましたがこちらもダメでした。さて気を取り直して展望台へ向かいます。今日は昨日と違い風もあり期待ができます。予想よりも数は少なかったのですが、タカ柱も単独飛翔の近い物も何とか撮影ができ、このツアーの目玉3種をゲットできました。

アカハラダカ成鳥オス
アカハラダカ成鳥メス
アカハラダカ幼鳥

10時になったので最後の挑戦でハシブトアジサシに期待します。ポイントへ向かう途中道路上に石が?いや違う、セマルハコガメです。すぐに車から降りて大撮影会です。800㎜しか持ってきていないお客様には携帯で撮ってもらいました。さてポイントへ到着すると今度は潮が引きすぎていてアウト!

どうやらハシブトアジサシもジャワアカガシラサギにも縁がなかったようで悔しい限りです。移動をさせてすぐの事、道路上に何かいます?ズグロミゾゴイかと思ったら、リュウキュウヨシゴイの幼鳥でした!撮影をしようとすると後ろから来た車の通過で飛ばれてしまった!残念。時間も迫ってきたので林道を流します。しかし・・・何も出なかった。残念!時間になったので空港へ送っていただき無事終了となりました。みなさん満足をされてやってよかったと肩の荷がおりました。来年はもう1日増やした方が私の精神衛生上よろしくないのでそうしたい。(笑)

 

撮影できた鳥

ズグロミゾゴイ・アマサギ・ダイサギ・チュウサギ・コサギ・アオサギ・ムラサキサギ・カルガモ・アカハラダカ・カンムリワシ・コチドリ・トウネン・ヒバリシギ・アカアシシギ・コアオアシシギ・アオアシシギ・クサシギ・イソシギ・セイタカシギ・クロハラアジサシ・リュウキュウコノハズク・リュウキュウアオバズク・リュウキュウアカショウビン・ツメナガセキレイ・キセキレイ・エゾビタキ

 

見られた&声が聞かれた

リュウキュウヨシゴイ・ミサゴ・チョウゲンボウ・シロハラクイナ・バン・ムナグロ・アメリカウズラシギ・エリマキシギ・ジシギSP・ハシブトアジサシ・Rキジバト・ベニバト・チュウダイズアカアオバト・ツバメ・リュウキュウサンショウクイ・リュウキュウヒヨドリ・リュウキュウメジロ・スズメ・セッカ・オサハシブトガラス

 

その他

ヤエヤマオオコウモリ・オオヒキガエル・セマルハコガメ・サキシマスジオ

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

秋の石垣島でアカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う【前編】

Report by 戸塚学 / 2023年9月24日~26日

今年は夏にあれほど来ていた台風が、ぱたりとなりを潜めて。おかげさまでこのツアー中は晴れの3日間でした。ただし暑すぎると鳥たちが日中出ないというのは・・・なんともつらい。また最近の沖縄はどこも田んぼで耕作をしてない場所が増えて、鳥が入っていない田が増えたのが困りもの。石垣島も二毛作が有名なのに、労力の割に米が安いので止める農家も多いとか。予定していた三種以外にもツアー中にハシブトアジサシ、ジャワアカガシラサギという珍鳥が出ていたのですがどうも今回は縁が無かったようで。

 

1日目

空港に時間通りみなさん集合されたので、専用車でまずは林道を流すことに。理由は日中暑すぎて鳥たちがなりを潜めてしまうので、林道で休んでいるカンムリワシは見つけやすいと考えたからです。しかし見当たりません。いつもいる場所にいないのです。ゆっくりと探しながら進むとリュウキュウアカショウビンが出ましたが、これまた枝被りでなんともならず。結局枝越しで見られただけでした。しばらく進むとドライバーさんが「いた!」というので見るとガードレールにとまるカンムリワシ。私的にはロケーションがイマイチだったのですが、みなさん初めてのカンムリワシなのでしっかりと撮ってもらいました。そのあとはいつも廻る田を廻りますが、昨日多くのシギ・チドリが抜けてしまったようでさみしい。違う田んぼで鳥を探すとムラサキサギがいたが稲に隠れている姿を何とか撮影できました。そのあとはたくさんいるがちっとも近くに来ないツメナガセキレイに翻弄されました。

ツメナガセキレイ
ヒバリシギ
アオアシシギ
アカアシシギ

ハシブトアジサシポイントへ向かう途中の田にムラサキサギがいたので車を撮影しやすい場所へ回してもらうと、車の横からリュウキュウヨシゴイが飛び出して消えていった!しかしムラサキサギはしっかりと撮影できてみなさま満足そうでした。しかしハシブトアジサシは・・・潮が満ちていて、いなくなっていた。残念!宿近くの田んぼで時間いっぱいまで撮影しましたが、残念ながらジャワアカガシラサギは見つけられませんでした。一旦ホテルに戻り、ナイトサファリに備えます。

ムラサキサギ
セイタカシギ
エリマキシギ

19時30分迎えに来たガイドさんと夜の森へ。リュウキュウアオバズクは出るのですがすぐ飛んでしまう。この日はリュウキュウコノハズクが良く鳴いているので何度か撮影チャンスに恵まれ撮影を楽しむことができました。そしてズグロミゾゴイも寝ている姿を撮影できました。さてリュウキュウアカショウビンですが、最後の最後に何とか撮影できました。私も撮影したのですが、残念ながらすべてブレていたので下見に撮ったものを載せておきます。ヤエヤマオオコウモリも撮影できました。みなさん満足してホテルに戻りました。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウコノハズク
ズグロミゾゴイ
リュウキュウアカショウビン

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

やんばるの森に生きる固有種を撮る

Report by 戸塚学 / 2023年9月8日~10日

昨年ばっちりと撮影できた場所を下見で確認に行くと1か所は放棄地となって草が茂ってヤンバルクイナがいたとしても見られる状況ではなかった。周囲にはペアがいるが、場所が民家前なので使用を中止した。夕方のポイントも出現はするが、昨年に比べて出現が悪いのも悩ましかった。夕方のポイント周辺はヤンバルクイナの個体群が多いようで最低5ペアはいると思われる。

夜間は1日がヤンバルクイナ6羽、フクロウ類0、2日目はヤンバルクイナ0、フクロウ類0と厳しい状況で本番を迎えることになる。

ヤンバルクイナ下見

<1日目>

空港で皆さんをピックアップして喜如嘉へ。期待をしたがやはり少なく、シギやチドリが遠くすぐに引き上げて宿へ向かう。各自部屋へ荷物を置いてもらい、すぐに夕方のポイントへ移動します。とりあえずシートのブラインドを張るが、ブラインドの自重でうまく張れなかったせいか?人がたくさんいてオーラが出すぎたせいか、ヤンバルクイナは超速で道路を通過してしまい、薄暗くなるまで出現はなかった。そのまま夕食を食べてから夜間撮影の練習をしました。撮影は3段階での撮影をする練習をマスターしてもらったので、周囲になにか生き物はいないか探しに出ました。「以前ここにヤンバルクイナが眠っていたんだよね」とライトを当てると・・・いた!まさか本当にいるとは!この個体がまた逃げないし、すごく撮影がしやすい場所でがっつり撮影をしてもらいました。さて戻りましょうかと歩き出すとリュウキュウコノハズクが近くで鳴いているので探すと、これまた近くにとまっていたのでしっかり撮影をしてもらいました。予想外の撮影ができてみなさんルンルンで部屋に戻られました。

ヤンバルクイナ
コノハズク

<2日目>

5時半集合出発で夕方のポイントへ向かい、今回は2名が外でブラインド、4名は専用車の中からヤンバルクイナを待ちますが、残念ながら出ませんでした。本来回るコースを専用車で回ると道路上で1度だけ遭遇しましたが、撮影はできませんでした。Uターンする場所ではヤンバルクイナだけではなく、ホントウアカヒゲも近くで出るので20分待機しましたが近くまで声が近づきますが姿を現さなかった。一旦宿へ戻り、敷地内のトレッキングコースで鳥を探すと小鳥の混群が現れたのでリュウキュウメジロ・リュウキュウシジュウカラ・リュウキュウキビタキ、リュウキュウコゲラを撮影できました。

キビタキ
コゲラ

ノグチゲラの気配はするのですが、出会うことはできませんでした。カラスバトのうめき声を聞きながらトレッキングコースを歩いているとオキナワキノボリトカゲが出現したので撮影をしてもらいます。11時になったので一旦辺士名へランチを食べに行きます。下見の時にリュウキュウツバメがいたのでカメラは携帯してもらいます。食後は待っていたようにリュウキュウツバメが定位置にとまったところを撮影できました。

オキナワキノボリトカゲ
ツバメ

宿に戻る途中でリュウキュウイノシシのウリ坊が道路わきに出たので撮影してもらおうとしたのですが、さすがに6名も出てくると山へ逃げ込んでしまいました(笑)

お昼休みとしてる時間も皆さん活発に動いておられたようで、2名ほどが部屋のベランダからノグチゲラが撮れたようで報告を受けました。17時になったのでヤンバルクイナのポイントで待ちます。この日は道路の反対側をゆっくり歩いてきたのですが「これから」という時に車が来て叢へ入ってしまった。その後いつの間にか水路で水浴びをしていたようでちょっぴり出たがまたしても叢へ。そして最後は足早に通過してタイムアップ!いったん宿に戻り食事と準備をして夜間撮影を開始です。昨日ヤンバルクイナが眠っていた場所にはいませんでした。しばらく走ると道路を走る哺乳類が?なんとこちらに向かってくる?ケナガネズミです。車を止めて撮影してもらおうとしたのですが・・・茂みに消えてしまいました、残念。コース1/3でヤンバルクイナのペアを発見!しかし時間が早いせいか枝から降りてしまった・・・。

その後はオリイオオコウモリを撮影するために集落内の公民館で撮影をしていると鳥が???電線にアオバズクがとまったので撮影をしてもらいました。これはラッキーでした。その後も1羽を見つけるがこれまた逃げられてしまった!Uターン位置まで行ったので、そのまま引き返しながら探しますが見当たりません。諦めかけた時にライトが枝の上の塊を一瞬捉えました。車を止めてもらい探すが見当たらない?おかしいなぁとふと5歩ほど下がると枝に隠れていた塊をライトが照らします。なんとリュウキュウオだったのです。皆さんに撮影をしてもらっている間にまぶしかったのか横向きになってしまい、私は横姿しか撮れなかったが、皆さんは撮れたようで興奮をされていました。しばらく進むとまたしてもケナガネズミ!なんて日でしょう2頭も見られるとはアンビリーバボーです。まずまずの成果で事故もなく無事帰宅です。

オリイオオコウモリ
オオコノハズク

<3日目>

5時半集合出発で夕方のポイントへ向かい、今回は全員でブラインドからヤンバルクイナを待ちますが、なんと・・・家族連れのお父さんがヤンバルクイナの通り道でカメラを構えてうろうろする!参った・・・まさかこんな状況になるとは!30分ほどで切り上げてくれたが、陽が強く照りだしてきたので早めに切り上げて宿に戻ることに。敷地内に入り、駐車場に入ろうとしたら近くにヤンバルクイナのペアが!以前もここで出現したことがあったが・・・出るとは不覚だった。一度茂みに入ると出てこないので、皆さんには部屋に戻りパッキングをしてもらい車に積み込んでもらいます。皆さんを待っていると?ノグチゲラの声が近くで聞こえるので、荷物を積みに来た順番でそちらへ行ってもらいました。全員が荷物を積み込んだので私も行ってみると?誰もいない?反対側へ飛んで行ったそうで皆さんそちら側にいました。そのまま探しに行くと道路わきの地面からノグチゲラが飛び出すがとまった場所が竹や木の茂みで撮れそうで撮れない!トレッキングコースを途中まで歩き、ベンチがある場所で出発までの時間までフリーで行動をしてもらうことに。少人数とはいえ7名でぞろぞろと歩くだけで鳥との出現率は下がるので皆さん納得です。さて私はトイレに行きたいので施設に戻る途中、足元でガサゴソと何かが動く音が。すぐにノグチゲラと分かったので近くにいる人に伝えますが、またしても近いけれど撮れない!元来た道に戻り、皆さんに声を掛けました。そして私はトイレに(笑)戻って皆さんが何かを狙っているので聞くとホントウアカヒゲを狙っているようでした。時間になったので専用車に乗って喜如嘉へ。期待をしたのですが、パッとした結果は得られませんでしたがセイタカシギ・タカブシギは何とか撮ることができました。

ホントウアカヒゲ
タカブシギ

そして最後の時間調整地「三角池」へ。下見ではもう少し鳥たちがいたのですが、クロツラヘラサギ・ヘラサギ・アカアシシギ・アオアシシギ・キアシシギ・トウネン・ヒバリシギ・バン・コチドリを軽く撮影して空港へGo!怪我も事故もなく、皆さん無事帰路に就かれました。お疲れさまでした!

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員