秋の石垣島でアカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う【後編】

Report by 戸塚学 / 2023年9月24日~26日

2日目

朝7時に出発して、ズグロミゾゴイを探しますが・・・残念見つかりませんでしたがクジャクは出まくりでした。さて展望台に移動をすると7時30分には既に飛び始めているという。これは期待ができると思いきや、風が無いのでとにかくタカ柱が出ても高い!2つの大きなタカ柱は確認ができたがそれっきり。

カンムリワシタカ柱

今回のみなさんが到着前に珍鳥のハシブトアジサシとジャワアカガシラサギが来ていたのでまずはハシブトアジサシのポイントへ向かうが、他社のグループが来ていたのでパスして、田んぼを探しますが暑いせいかさっぱり。

ハシブトアジサシ
ジャワアカガシラサギ(下見中に撮影)

 

11時に午前の部は終了なので各自で昼食をとってもらいお昼休憩をとります。午後は15時からハシブトアジサシに向かいますが・・・予想よりも潮が満ちていていない!とりあえず近くにないかと探すとクロハラアジサシが飛び回り何とか撮影をしました。参加者がトイレに行きたいというリクエストがあったのでドライバーさんの知人がやっているトロピカルジュース屋さんへ。川平ファーム「Coccoala」でめっちゃうまいマンゴージュースを飲むことができ、リフレッシュ!

マンゴージュース

 

夕方になり少し涼しくなってきたし、風も出てきたのでカンムリワシに期待して探すとドライバーさんがまたしても発見!電柱の上にとまっています。下ではトラクターが畑を耕しています。よく見るとカラスに紛れカンムリワシが!どうやらペアのようで電柱の上がオスのようでしきりに下のメスに声をかけているようだが、メスはまったく無反応・・・男はつらいのである。(笑)まったくこちらを警戒せずに飛ばなかったのでしっかりと撮影をできてみなさん満足そうでした。

カンムリワシ
カンムリワシ

 

少し時間があったのでホテル近くの田んぼを流すと電線に何かとまっています。双眼鏡で見ると「カタグロトビ!」ゆっくりと車を近づけ狙ってもらいます。鳥自体が小さいので800㎜のお客様はフレームに入れる前に歩いてきた人に飛ばされてしまいましたが、他のお客様は撮影できて感動されていました。1日の最後の最後でサプライズ撮影ができみなさん満足してホテルへ向かいました。

カタグロトビ

3日目

7時にホテルを出発してまずは昨日カタグロトビがいた田に行き、昨日の夢をもう一度にかけましたが、甘くはありませんでした。ジャワアカガシラサギもいるので期待しましたがこちらもダメでした。さて気を取り直して展望台へ向かいます。今日は昨日と違い風もあり期待ができます。予想よりも数は少なかったのですが、タカ柱も単独飛翔の近い物も何とか撮影ができ、このツアーの目玉3種をゲットできました。

アカハラダカ成鳥オス
アカハラダカ成鳥メス
アカハラダカ幼鳥

10時になったので最後の挑戦でハシブトアジサシに期待します。ポイントへ向かう途中道路上に石が?いや違う、セマルハコガメです。すぐに車から降りて大撮影会です。800㎜しか持ってきていないお客様には携帯で撮ってもらいました。さてポイントへ到着すると今度は潮が引きすぎていてアウト!

どうやらハシブトアジサシもジャワアカガシラサギにも縁がなかったようで悔しい限りです。移動をさせてすぐの事、道路上に何かいます?ズグロミゾゴイかと思ったら、リュウキュウヨシゴイの幼鳥でした!撮影をしようとすると後ろから来た車の通過で飛ばれてしまった!残念。時間も迫ってきたので林道を流します。しかし・・・何も出なかった。残念!時間になったので空港へ送っていただき無事終了となりました。みなさん満足をされてやってよかったと肩の荷がおりました。来年はもう1日増やした方が私の精神衛生上よろしくないのでそうしたい。(笑)

 

撮影できた鳥

ズグロミゾゴイ・アマサギ・ダイサギ・チュウサギ・コサギ・アオサギ・ムラサキサギ・カルガモ・アカハラダカ・カンムリワシ・コチドリ・トウネン・ヒバリシギ・アカアシシギ・コアオアシシギ・アオアシシギ・クサシギ・イソシギ・セイタカシギ・クロハラアジサシ・リュウキュウコノハズク・リュウキュウアオバズク・リュウキュウアカショウビン・ツメナガセキレイ・キセキレイ・エゾビタキ

 

見られた&声が聞かれた

リュウキュウヨシゴイ・ミサゴ・チョウゲンボウ・シロハラクイナ・バン・ムナグロ・アメリカウズラシギ・エリマキシギ・ジシギSP・ハシブトアジサシ・Rキジバト・ベニバト・チュウダイズアカアオバト・ツバメ・リュウキュウサンショウクイ・リュウキュウヒヨドリ・リュウキュウメジロ・スズメ・セッカ・オサハシブトガラス

 

その他

ヤエヤマオオコウモリ・オオヒキガエル・セマルハコガメ・サキシマスジオ

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

秋の石垣島でアカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う【前編】

Report by 戸塚学 / 2023年9月24日~26日

今年は夏にあれほど来ていた台風が、ぱたりとなりを潜めて。おかげさまでこのツアー中は晴れの3日間でした。ただし暑すぎると鳥たちが日中出ないというのは・・・なんともつらい。また最近の沖縄はどこも田んぼで耕作をしてない場所が増えて、鳥が入っていない田が増えたのが困りもの。石垣島も二毛作が有名なのに、労力の割に米が安いので止める農家も多いとか。予定していた三種以外にもツアー中にハシブトアジサシ、ジャワアカガシラサギという珍鳥が出ていたのですがどうも今回は縁が無かったようで。

 

1日目

空港に時間通りみなさん集合されたので、専用車でまずは林道を流すことに。理由は日中暑すぎて鳥たちがなりを潜めてしまうので、林道で休んでいるカンムリワシは見つけやすいと考えたからです。しかし見当たりません。いつもいる場所にいないのです。ゆっくりと探しながら進むとリュウキュウアカショウビンが出ましたが、これまた枝被りでなんともならず。結局枝越しで見られただけでした。しばらく進むとドライバーさんが「いた!」というので見るとガードレールにとまるカンムリワシ。私的にはロケーションがイマイチだったのですが、みなさん初めてのカンムリワシなのでしっかりと撮ってもらいました。そのあとはいつも廻る田を廻りますが、昨日多くのシギ・チドリが抜けてしまったようでさみしい。違う田んぼで鳥を探すとムラサキサギがいたが稲に隠れている姿を何とか撮影できました。そのあとはたくさんいるがちっとも近くに来ないツメナガセキレイに翻弄されました。

ツメナガセキレイ
ヒバリシギ
アオアシシギ
アカアシシギ

ハシブトアジサシポイントへ向かう途中の田にムラサキサギがいたので車を撮影しやすい場所へ回してもらうと、車の横からリュウキュウヨシゴイが飛び出して消えていった!しかしムラサキサギはしっかりと撮影できてみなさま満足そうでした。しかしハシブトアジサシは・・・潮が満ちていて、いなくなっていた。残念!宿近くの田んぼで時間いっぱいまで撮影しましたが、残念ながらジャワアカガシラサギは見つけられませんでした。一旦ホテルに戻り、ナイトサファリに備えます。

ムラサキサギ
セイタカシギ
エリマキシギ

19時30分迎えに来たガイドさんと夜の森へ。リュウキュウアオバズクは出るのですがすぐ飛んでしまう。この日はリュウキュウコノハズクが良く鳴いているので何度か撮影チャンスに恵まれ撮影を楽しむことができました。そしてズグロミゾゴイも寝ている姿を撮影できました。さてリュウキュウアカショウビンですが、最後の最後に何とか撮影できました。私も撮影したのですが、残念ながらすべてブレていたので下見に撮ったものを載せておきます。ヤエヤマオオコウモリも撮影できました。みなさん満足してホテルに戻りました。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウコノハズク
ズグロミゾゴイ
リュウキュウアカショウビン

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

やんばるの森に生きる固有種を撮る

Report by 戸塚学 / 2023年9月8日~10日

昨年ばっちりと撮影できた場所を下見で確認に行くと1か所は放棄地となって草が茂ってヤンバルクイナがいたとしても見られる状況ではなかった。周囲にはペアがいるが、場所が民家前なので使用を中止した。夕方のポイントも出現はするが、昨年に比べて出現が悪いのも悩ましかった。夕方のポイント周辺はヤンバルクイナの個体群が多いようで最低5ペアはいると思われる。

夜間は1日がヤンバルクイナ6羽、フクロウ類0、2日目はヤンバルクイナ0、フクロウ類0と厳しい状況で本番を迎えることになる。

ヤンバルクイナ下見

<1日目>

空港で皆さんをピックアップして喜如嘉へ。期待をしたがやはり少なく、シギやチドリが遠くすぐに引き上げて宿へ向かう。各自部屋へ荷物を置いてもらい、すぐに夕方のポイントへ移動します。とりあえずシートのブラインドを張るが、ブラインドの自重でうまく張れなかったせいか?人がたくさんいてオーラが出すぎたせいか、ヤンバルクイナは超速で道路を通過してしまい、薄暗くなるまで出現はなかった。そのまま夕食を食べてから夜間撮影の練習をしました。撮影は3段階での撮影をする練習をマスターしてもらったので、周囲になにか生き物はいないか探しに出ました。「以前ここにヤンバルクイナが眠っていたんだよね」とライトを当てると・・・いた!まさか本当にいるとは!この個体がまた逃げないし、すごく撮影がしやすい場所でがっつり撮影をしてもらいました。さて戻りましょうかと歩き出すとリュウキュウコノハズクが近くで鳴いているので探すと、これまた近くにとまっていたのでしっかり撮影をしてもらいました。予想外の撮影ができてみなさんルンルンで部屋に戻られました。

ヤンバルクイナ
コノハズク

<2日目>

5時半集合出発で夕方のポイントへ向かい、今回は2名が外でブラインド、4名は専用車の中からヤンバルクイナを待ちますが、残念ながら出ませんでした。本来回るコースを専用車で回ると道路上で1度だけ遭遇しましたが、撮影はできませんでした。Uターンする場所ではヤンバルクイナだけではなく、ホントウアカヒゲも近くで出るので20分待機しましたが近くまで声が近づきますが姿を現さなかった。一旦宿へ戻り、敷地内のトレッキングコースで鳥を探すと小鳥の混群が現れたのでリュウキュウメジロ・リュウキュウシジュウカラ・リュウキュウキビタキ、リュウキュウコゲラを撮影できました。

キビタキ
コゲラ

ノグチゲラの気配はするのですが、出会うことはできませんでした。カラスバトのうめき声を聞きながらトレッキングコースを歩いているとオキナワキノボリトカゲが出現したので撮影をしてもらいます。11時になったので一旦辺士名へランチを食べに行きます。下見の時にリュウキュウツバメがいたのでカメラは携帯してもらいます。食後は待っていたようにリュウキュウツバメが定位置にとまったところを撮影できました。

オキナワキノボリトカゲ
ツバメ

宿に戻る途中でリュウキュウイノシシのウリ坊が道路わきに出たので撮影してもらおうとしたのですが、さすがに6名も出てくると山へ逃げ込んでしまいました(笑)

お昼休みとしてる時間も皆さん活発に動いておられたようで、2名ほどが部屋のベランダからノグチゲラが撮れたようで報告を受けました。17時になったのでヤンバルクイナのポイントで待ちます。この日は道路の反対側をゆっくり歩いてきたのですが「これから」という時に車が来て叢へ入ってしまった。その後いつの間にか水路で水浴びをしていたようでちょっぴり出たがまたしても叢へ。そして最後は足早に通過してタイムアップ!いったん宿に戻り食事と準備をして夜間撮影を開始です。昨日ヤンバルクイナが眠っていた場所にはいませんでした。しばらく走ると道路を走る哺乳類が?なんとこちらに向かってくる?ケナガネズミです。車を止めて撮影してもらおうとしたのですが・・・茂みに消えてしまいました、残念。コース1/3でヤンバルクイナのペアを発見!しかし時間が早いせいか枝から降りてしまった・・・。

その後はオリイオオコウモリを撮影するために集落内の公民館で撮影をしていると鳥が???電線にアオバズクがとまったので撮影をしてもらいました。これはラッキーでした。その後も1羽を見つけるがこれまた逃げられてしまった!Uターン位置まで行ったので、そのまま引き返しながら探しますが見当たりません。諦めかけた時にライトが枝の上の塊を一瞬捉えました。車を止めてもらい探すが見当たらない?おかしいなぁとふと5歩ほど下がると枝に隠れていた塊をライトが照らします。なんとリュウキュウオだったのです。皆さんに撮影をしてもらっている間にまぶしかったのか横向きになってしまい、私は横姿しか撮れなかったが、皆さんは撮れたようで興奮をされていました。しばらく進むとまたしてもケナガネズミ!なんて日でしょう2頭も見られるとはアンビリーバボーです。まずまずの成果で事故もなく無事帰宅です。

オリイオオコウモリ
オオコノハズク

<3日目>

5時半集合出発で夕方のポイントへ向かい、今回は全員でブラインドからヤンバルクイナを待ちますが、なんと・・・家族連れのお父さんがヤンバルクイナの通り道でカメラを構えてうろうろする!参った・・・まさかこんな状況になるとは!30分ほどで切り上げてくれたが、陽が強く照りだしてきたので早めに切り上げて宿に戻ることに。敷地内に入り、駐車場に入ろうとしたら近くにヤンバルクイナのペアが!以前もここで出現したことがあったが・・・出るとは不覚だった。一度茂みに入ると出てこないので、皆さんには部屋に戻りパッキングをしてもらい車に積み込んでもらいます。皆さんを待っていると?ノグチゲラの声が近くで聞こえるので、荷物を積みに来た順番でそちらへ行ってもらいました。全員が荷物を積み込んだので私も行ってみると?誰もいない?反対側へ飛んで行ったそうで皆さんそちら側にいました。そのまま探しに行くと道路わきの地面からノグチゲラが飛び出すがとまった場所が竹や木の茂みで撮れそうで撮れない!トレッキングコースを途中まで歩き、ベンチがある場所で出発までの時間までフリーで行動をしてもらうことに。少人数とはいえ7名でぞろぞろと歩くだけで鳥との出現率は下がるので皆さん納得です。さて私はトイレに行きたいので施設に戻る途中、足元でガサゴソと何かが動く音が。すぐにノグチゲラと分かったので近くにいる人に伝えますが、またしても近いけれど撮れない!元来た道に戻り、皆さんに声を掛けました。そして私はトイレに(笑)戻って皆さんが何かを狙っているので聞くとホントウアカヒゲを狙っているようでした。時間になったので専用車に乗って喜如嘉へ。期待をしたのですが、パッとした結果は得られませんでしたがセイタカシギ・タカブシギは何とか撮ることができました。

ホントウアカヒゲ
タカブシギ

そして最後の時間調整地「三角池」へ。下見ではもう少し鳥たちがいたのですが、クロツラヘラサギ・ヘラサギ・アカアシシギ・アオアシシギ・キアシシギ・トウネン・ヒバリシギ・バン・コチドリを軽く撮影して空港へGo!怪我も事故もなく、皆さん無事帰路に就かれました。お疲れさまでした!

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員