渡り鳥の交差点・秋の与那国島【前編】

Report by 簗川堅治 / 2023年10月3日~6日

台風14号の影響が心配されましたが、無事予定通りスタートできました。

1日目。
まずは珍鳥キタヤナギムシクイに挑戦です。エリマキシギやセイタカシギなどを見ながら、待つことしばし。現れました!キタヤナギムシクイ。虫を探しながら動いています。さらにムジセッカも出て来ました。

エリマキシギ (撮影:山本様)
エリマキシギ (撮影:山本様)
キタヤナギムシクイ(撮影:山本様)
キタヤナギムシクイ(撮影:山本様)
ムジセッカ(撮影:山本様)
ムジセッカ(撮影:山本様)

そしてもう1つ。ヒメクイナも出て来ました!一ヶ所で珍鳥3種!幸先いいスタートでした。

ヒメクイナ(撮影:簗川)
ヒメクイナ(撮影:簗川)

次の場所へ移動する前に一ヶ所立ち寄り、クロハラアジサシを見て、3ヵ所目では、ベニバト♂と幼鳥、そしてコホオアカ複数を見ました。

クロハラアジサシ(撮影:簗川)
クロハラアジサシ(撮影:簗川)
ベニバト(撮影:山本様)
ベニバト(撮影:山本様)

最後は、亜種ホオジロハクセキレイやクロハラアジサシ、ヒバリシギなどを見て、宿入りしました。

 

2日目。
朝食前は、有志で宿周辺を回りました。雨の心配はありましたが、結果的には降らずにすみ、ツメナガセキレイや亜種ホオジロハクセキレイ、そして、カラムクドリやコムクドリ、亜種シマアカモズなどを見ることができました。

カラムクドリ(撮影:簗川)
カラムクドリ(撮影:簗川)

朝食後も再び宿周辺を回るも、特にこれといった種は見られず、観光を兼ねて日本最西端の西崎へ行き、亜種サンショウクイの小群を見ることができました。
続いて訪れた集落では、天気の変化が目まぐるしく、雨が降ったり止んだりの繰り返しで思うように探鳥はできませんでした。しかし、複数のコホオアカが見られましたし、セジロタヒバリの飛ぶ姿も見ることができました。

コホオアカ(撮影:山本様)
コホオアカ(撮影:山本様)

昼食を挟み、今度は北の集落へ。ムナグロの群れや亜種タイワンヒヨドリ、外来種のインドハッカなどを観察し、観光がてらティンダバナへも行きました。

タイワンヒヨドリ(撮影:簗川)
タイワンヒヨドリ(撮影:簗川)

この日の最後は、昨日最初に行った場所で昨日同様、キタヤナギムシクイ、ムジセッカなどを観察しました。

キタヤナギムシクイ(撮影:簗川)
キタヤナギムシクイ(撮影:簗川)

驚いたことにキタヤナギムシクイは2羽いました。「ヒューイ」という地鳴きも確認できました。ただ、ヒメクイナは現れませんでした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

秋の石垣島でアカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う【前編】

Report by 戸塚学 / 2023年9月24日~26日

今年は夏にあれほど来ていた台風が、ぱたりとなりを潜めて。おかげさまでこのツアー中は晴れの3日間でした。ただし暑すぎると鳥たちが日中出ないというのは・・・なんともつらい。また最近の沖縄はどこも田んぼで耕作をしてない場所が増えて、鳥が入っていない田が増えたのが困りもの。石垣島も二毛作が有名なのに、労力の割に米が安いので止める農家も多いとか。予定していた三種以外にもツアー中にハシブトアジサシ、ジャワアカガシラサギという珍鳥が出ていたのですがどうも今回は縁が無かったようで。

 

1日目

空港に時間通りみなさん集合されたので、専用車でまずは林道を流すことに。理由は日中暑すぎて鳥たちがなりを潜めてしまうので、林道で休んでいるカンムリワシは見つけやすいと考えたからです。しかし見当たりません。いつもいる場所にいないのです。ゆっくりと探しながら進むとリュウキュウアカショウビンが出ましたが、これまた枝被りでなんともならず。結局枝越しで見られただけでした。しばらく進むとドライバーさんが「いた!」というので見るとガードレールにとまるカンムリワシ。私的にはロケーションがイマイチだったのですが、みなさん初めてのカンムリワシなのでしっかりと撮ってもらいました。そのあとはいつも廻る田を廻りますが、昨日多くのシギ・チドリが抜けてしまったようでさみしい。違う田んぼで鳥を探すとムラサキサギがいたが稲に隠れている姿を何とか撮影できました。そのあとはたくさんいるがちっとも近くに来ないツメナガセキレイに翻弄されました。

ツメナガセキレイ
ヒバリシギ
アオアシシギ
アカアシシギ

ハシブトアジサシポイントへ向かう途中の田にムラサキサギがいたので車を撮影しやすい場所へ回してもらうと、車の横からリュウキュウヨシゴイが飛び出して消えていった!しかしムラサキサギはしっかりと撮影できてみなさま満足そうでした。しかしハシブトアジサシは・・・潮が満ちていて、いなくなっていた。残念!宿近くの田んぼで時間いっぱいまで撮影しましたが、残念ながらジャワアカガシラサギは見つけられませんでした。一旦ホテルに戻り、ナイトサファリに備えます。

ムラサキサギ
セイタカシギ
エリマキシギ

19時30分迎えに来たガイドさんと夜の森へ。リュウキュウアオバズクは出るのですがすぐ飛んでしまう。この日はリュウキュウコノハズクが良く鳴いているので何度か撮影チャンスに恵まれ撮影を楽しむことができました。そしてズグロミゾゴイも寝ている姿を撮影できました。さてリュウキュウアカショウビンですが、最後の最後に何とか撮影できました。私も撮影したのですが、残念ながらすべてブレていたので下見に撮ったものを載せておきます。ヤエヤマオオコウモリも撮影できました。みなさん満足してホテルに戻りました。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウコノハズク
ズグロミゾゴイ
リュウキュウアカショウビン

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員