冬の九州縦断 越冬珍鳥を求めて【前編】

Report by 簗川堅治 / 2024年1月23日~27日

2022年2月の同ツアー以来の九州です。今季はどんな珍鳥に出会えるのでしょうか?

<1日目>

集合の宮崎空港を出発し、最初は珍鳥・キバラガラです。この日から九州は今季一番の寒波に覆われ、寒い中でのスタートです。しかも宮崎は強風!小鳥類観察には不向きな状況です。シジュウカラやヤマガラにちょっと騙されながら、粘り強く探したものの見つかりませんでした。池のカワセミがきれいでした。

カワセミ 撮影:K.S様

気を取り直して、水鳥観察に行きました。

観察風景

こちらは更に強風!そんな中、なんとかヘラサギやクサシギを観察し、再びキバラガラに挑戦しました。しかし、残念な結果に終わりました。宿泊先の霧島市の夜は小雪が舞っていました。

<2日目>

昨日の挽回をすべく、まずは海沿いの調整池へ。お目当てはメジロガモです。♂、♀、そして交雑種?がいる情報でした。それらを探していると、目の前にオニアジサシが飛んできて、しきりに探餌をして、我々の前を行ったり来たり。

オニアジサシ 撮影:上山様

そしてついに魚を捕らえて、海へと消えていきました。肝心のメジロガモは交雑個体がいたのみ…

メジロガモ×ホシハジロ 撮影:簗川

続いては、外海に行かないと見られないカツオドリを陸地から、しかも至近距離で見られるポイントへ。カツオドリはやや遠かったものの、我々の目の前で何度もダイビングしていました。顔が水色の♂もいます。

カツオドリ 撮影:上山様

この日最後は出水市のツルです。まずはソデグロヅルのポイントへ。あっさり見れました。

ソデグロヅルとマナヅル 撮影:上山様

他、カナダヅル、そしてクロヅルも難なく見れました。その他、大群のミヤマガラスとその中に複数のコクマルガラスも観察。シロマルもいます。

続いて、ねぐら入り前に集まったホシムクドリを観察後、今度はツルたちのねぐら入りを見て、この日は終了です。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

秋の奄美大島 アカハラダカの渡りと奄美固有種【後編】

Report by 簗川堅治 / 2023年9月21日~24日

3日目。
昨日に引き続きアカハラダカの渡り観察です。風が出てきました。期待できるか?すると遠くに20羽。次、20羽。さらに50羽旋回上昇しています!そして、群れの一部がついにこちらへ。近距離、そして頭上を次々と、あっという間に通り過ぎていきます。感動の瞬間!しばらくし、今度は200羽の鷹柱。さらに増え300羽、最終的には600羽の鷹柱になりました!圧巻!

アカハラダカの鷹柱(撮影:上山様)
アカハラダカの鷹柱(撮影:上山様)
アカハラダカ(撮影:簗川)
アカハラダカ(撮影:簗川)
アカハラダカ幼鳥(撮影:簗川)
アカハラダカ幼鳥(撮影:簗川)

結局、この朝は合計1,000羽の渡りを見ることができました。

気分が高揚した中、観察の森へ向かいました。またしても到着後に雨。どうにもうまくいきません。アマミイシカワガエルをまた確認し、雨が上がったところで探鳥スタートです。アカヒゲ待ちをするも、今日も出ず。ルリカケス数羽を見たにすぎませんでした。

 

昼食をとりに一旦、観察の森をあとにし、昼食後、再び観察の森へ。

観察の森到着後は自由時間とし、それぞれ過ごしてもらいました。ズアカアオバトとアカヒゲは声のみでしたが、みなさん、(オーストン)オオアカゲラ、(アマミ)ヤマガラ、(アマミ)シジュウカラの姿は見れたようでした。

オーストンオオアカゲラ(撮影:K.I様)
オーストンオオアカゲラ(撮影:K.I様)

 

4日目。
最終日です。この日は朝から観察の森へ行きました。未だよく観察していないアカヒゲやオーストンオオアカゲラ、オオトラツグミに最後の挑戦です。到着早々、何人かの方がアカヒゲを複数羽見れたようです。

アカヒゲ(撮影:K.I様)
アカヒゲ(撮影:K.I様)

やはり朝は出がいいですね。しかし残念ながら、オーストンオオアカゲラやオオトラツグミは見れませんでした。

続いて、別の場所でルリカケスを狙うもダメでした。海岸も回りましたが、いい鳥には出会えないまま時間となり、空港へ向かいました。

心配していた台風も来ず、予定通りアカハラダカの渡りはばっちり観察でき、鳥以外の奄美固有の動植物を満喫した旅になりました。参加者のみなさん、お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

秋の奄美大島 アカハラダカの渡りと奄美固有種【前編】

Report by 簗川堅治 / 2023年9月21日~24日

台風の時期なので毎年ハラハラドキドキしながらのツアーです。

1日目。台風の心配はなさそうなうで、安心してスタート。まずは空港近くの海岸で、シギチ類を観察しました。ムナグロやダイゼンなどのチドリ類とチュウシャクシギやキョウジョシギなどシギ類の他、ツバメチドリが複数いました。ミサゴも大きな魚を捕って食べていました。

ミサゴ(撮影:上山様)
ミサゴ(撮影:上山様)

白いクロサギは遠くにいて、ちょっとわかりづらかったですね。

続いて観察の森へ向かいました。途中、電線に止まるカラスバトやズアカアオバトを見ました。観察の森に到着時はあいにくの雨。しばらく待機し、まずは世界でここだけのカエル、アマミイシカワガエルの観察です。意外な所(?)にいました!

定点観察をしていたら、「コンコン、コンコン……」と(オーストン)オオアカゲラの木をつつく音がしました。しかし、どんな方向から探しても結局見れず。その後はアカヒゲを待つも、これも見れずに終わりました。

夜は恒例のナイトウォッチングです。ズアカアオバトが2羽寄り添って寝ていたのを皮切りに、まだ残っていた(リュウキュウ)アカショウビンや電線で眠るルリカケス、至近距離でみることができたリュウキュウコノハズクやアマミヤマシギもじっくりと見ることができました。

ズアカアオバト(撮影:上山様)
ズアカアオバト(撮影:上山様)
リュウキュウコノハズク(撮影:吉田様)
リュウキュウコノハズク(撮影:吉田様)
アマミヤマシギ(撮影:K.I様)
アマミヤマシギ(撮影:K.I様)

もちろん、アマミノクロウサギも複数見ることができましたし、奄美固有種のアマミトゲネズミの姿も肉眼のみではあったものの、数回、見ることができました。

 

2日目。アカハラダカの渡り観察に出発です。風がないのが気になります。やはり、風のせいか、なかなか現れず、あきらめかけた頃、遠くで2羽旋回上昇中!ちょっと盛り上がりましたが、遠すぎます。その後も複数羽が複数回飛んで行き、最終的には20羽程度確認できました。ただ、遠い!その他、(リュウキュウ)サンショウクイの姿も遠目ながら見ることができました。

続いて観察の森へ向かいましたが、雨が降ってきたので農耕地へ変更しました。降ったり止んだりを繰り返し、ツメナガセキレイ3羽を観察しました。

ツメナガセキレイ(撮影:上山様)
ツメナガセキレイ(撮影:上山様)

あとは特にいないようでしたので昼食をとりに行き、午前中は終了です。

昼食後、観察の森へ。アマミイシカワガエルは今日も同じ所にいました。

アマミイシカワガエル(撮影:簗川)
アマミイシカワガエル(撮影:簗川)

アカヒゲを待つものの、今日もダメでした。ただ、昨日よりはカシの実を食べるルリカケス数羽を比較的よく見ることができました。

ルリカケス(撮影:吉田様)
ルリカケス(撮影:吉田様)

(オーストン)オオアカゲラや(オオ)トラツグミもダメでした。なかなかうまくいきません。

ホテルへの帰りすがらにヒメアマツバメを見てホテルへ入り、夕食後のナイトウォッチングに備えました。

ナイトウォッチング2晩目です。アカハラダカとオオトラツグミに的を絞り、森を走ります。まずはリュウキュウアオヘビがお出迎えです。3匹が絡み合って交尾をしている光景にに出会いました。今日も(リュウキュウ)アカショウビンに会いました。

リュウキュウアカショウビン(撮影:上山様)
リュウキュウアカショウビン(撮影:上山様)

そしてついにアカハラダカ発見!一気に盛り上がりました。さらにオオトラツグミも!結果として、アカハラダカとオオトラツグミは2羽ずつ見ることができました。

アカハラダカ(撮影:K.I様)
アカハラダカ(撮影:K.I様)
オオトラツグミ(撮影:吉田様)
オオトラツグミ(撮影:吉田様)

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簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

秋の石垣島でアカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う【前編】

Report by 戸塚学 / 2023年9月24日~26日

今年は夏にあれほど来ていた台風が、ぱたりとなりを潜めて。おかげさまでこのツアー中は晴れの3日間でした。ただし暑すぎると鳥たちが日中出ないというのは・・・なんともつらい。また最近の沖縄はどこも田んぼで耕作をしてない場所が増えて、鳥が入っていない田が増えたのが困りもの。石垣島も二毛作が有名なのに、労力の割に米が安いので止める農家も多いとか。予定していた三種以外にもツアー中にハシブトアジサシ、ジャワアカガシラサギという珍鳥が出ていたのですがどうも今回は縁が無かったようで。

 

1日目

空港に時間通りみなさん集合されたので、専用車でまずは林道を流すことに。理由は日中暑すぎて鳥たちがなりを潜めてしまうので、林道で休んでいるカンムリワシは見つけやすいと考えたからです。しかし見当たりません。いつもいる場所にいないのです。ゆっくりと探しながら進むとリュウキュウアカショウビンが出ましたが、これまた枝被りでなんともならず。結局枝越しで見られただけでした。しばらく進むとドライバーさんが「いた!」というので見るとガードレールにとまるカンムリワシ。私的にはロケーションがイマイチだったのですが、みなさん初めてのカンムリワシなのでしっかりと撮ってもらいました。そのあとはいつも廻る田を廻りますが、昨日多くのシギ・チドリが抜けてしまったようでさみしい。違う田んぼで鳥を探すとムラサキサギがいたが稲に隠れている姿を何とか撮影できました。そのあとはたくさんいるがちっとも近くに来ないツメナガセキレイに翻弄されました。

ツメナガセキレイ
ヒバリシギ
アオアシシギ
アカアシシギ

ハシブトアジサシポイントへ向かう途中の田にムラサキサギがいたので車を撮影しやすい場所へ回してもらうと、車の横からリュウキュウヨシゴイが飛び出して消えていった!しかしムラサキサギはしっかりと撮影できてみなさま満足そうでした。しかしハシブトアジサシは・・・潮が満ちていて、いなくなっていた。残念!宿近くの田んぼで時間いっぱいまで撮影しましたが、残念ながらジャワアカガシラサギは見つけられませんでした。一旦ホテルに戻り、ナイトサファリに備えます。

ムラサキサギ
セイタカシギ
エリマキシギ

19時30分迎えに来たガイドさんと夜の森へ。リュウキュウアオバズクは出るのですがすぐ飛んでしまう。この日はリュウキュウコノハズクが良く鳴いているので何度か撮影チャンスに恵まれ撮影を楽しむことができました。そしてズグロミゾゴイも寝ている姿を撮影できました。さてリュウキュウアカショウビンですが、最後の最後に何とか撮影できました。私も撮影したのですが、残念ながらすべてブレていたので下見に撮ったものを載せておきます。ヤエヤマオオコウモリも撮影できました。みなさん満足してホテルに戻りました。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウコノハズク
ズグロミゾゴイ
リュウキュウアカショウビン

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戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

韓国BIG3 ヤイロチョウ・ヤマショウビン・ ワシミミズク撮影&観察【その2】

Report by 戸塚学 / 2023年5月28日~6月2日

 

6月1日 5日目 晴れ時々曇り (Big3 ヤマショウビン)

本当は早くからヤマショウビンのポイントへ行きたかったが、朝食時間と渋滞の関係で9時出発、10時30分着となった。ここは朴さんが下見に来た時ヤマショウビンの繁殖を確認しているので「今度こそは!」と気合を入れると鳴き声が!巣穴近くの電線にとまったので少し遠いが撮影をしてもらう。とりあえずは全員撮影ができた!

ヤマショウビン

2手に分かれてブラインドを張って近くで狙う組と離れた場所から他の鳥も狙う組とで分かれたが、急ごしらえのブラインドがいけなかったようで撤収して、離れた組の場所でブラインドを張りなおし待つ。ここもコウライウグイス、ブッポウソウが飛び回りカッコウが近くの電線にとまる。しかしブッポウソウもコウライウグイスがエサ取りのために飛び回るも撮影が難しい・・・。

コウライウグイス

コウライウグイス

チョウセンチョウゲンボウ

カッコウ飛翔

カッコウ

近くでアカショウビンとセグロカッコウの声もするが姿は確認できなかった。ブラインドを張っている場所が桜並木になっているので毛虫がわんさか。どうやらこれが鳥たちの大事なエサになっているようだ。五百澤氏が「アカハラダカがいる」というので撮りたい人はそちらについて行った。結果は遠いのが撮れたのみとのことだった。

アカハラダカ

さて本命のヤマショウビンは鳴きながら現れるがすぐに飛び去るか、林の中に入ってしまいなかなかチャンスに恵まれない。18時まで粘ったが暗くなってきたので切り上げる。それにしてもどうも「がっつり」と撮れないのが悔しい。

ヤマショウビン飛び去り

 

6月2日 最終日 曇り

最終日はホテルで朝食を食べず、仁川の街の食堂で牛の煮込みスープ(ソルロンタン)を食べる。朝ステーキもグレートだが、やはりこちらの方が韓国らしく身体にやさしい。

今日のラストを締めくくるのは夏羽クロツラヘラサギのいる湿地公園。とてもきれいな場所で夏羽のクロツラヘラサギを近くから撮れちゃうという最強の場所のはずが。現地に着くといつもいる池にいない?よく見るとガマを作業員さんたちが抜いてる・・・。それでいないのか。ハスの葉の上でさえずるオオヨシキリがいたので撮影してもらってからクロツラヘラサギを探しに行くと「いた!」との声。みなさんが撮影しようとすると飛んだ?なんで?かなり距離があるのに・・・。不思議だなぁという思いと嫌な予感を抱えながら降りた池に向かうとダイサギと3羽のクロツラヘラサギを確認。こちらに向かって採餌しながら近づいてくる。ハスの葉から全身が出る場所で待っていると・・・突然飛び立った!3羽と思ったがもう1羽いて4羽だったのだ。私たちが最初撮ろうとして飛んだ2羽のうちで、どうやら警戒心が強い1羽が飛び立ち、それに引きずられて他のクロツラヘラサギたちも飛んでしまったのかもしれない。飛び去った方向を追うがかなり遠かった。そこまで向かって見つけられないと時間の無駄になるので、悔しいが切り上げることにする。それにしても悔しい・・・なんで今回に限って、どいつもこいつも「ちょっとだけよ」と撮らしてくれないんだ!見られているのに撮れないなんて・・・。最後の最後は時間調整用に用意してあるクロツラヘラサギたちのコロニーへ行きます。ここではモンゴルカモメも繁殖しているのでそれらを望遠鏡で見てもらいます。よく見るとヒシクイとマガンもいたので怪我をして戻れなくなっているのかもしれません。

オオヨシキリ

五百澤氏、朴さんと3人で来年どうやってツアーを組みなおすか?を話している時でした。参加者のみなさんの前にあるアシの上にダルマエナガが飛んできたのです。すぐに「目の前、ダルマエナガ!」と声をかけるといつもはすぐに隠れるダルマエナガが結構長く同じ場所で停まっていてくれた。なんとなくだがその下が巣のような気もするが(笑)おかげで最後の最後で「たくさんいるけど手強い韓国Big3」の一つ、ダルマエナガをゲットできてみなさん嬉しそうでした。ちなみに残りはブッポウソウとコウライウグイスです。

ダルマエナガ

その後は関西空港組と成田空港組に分かれて、私は関西空港組で帰宅の途へ。ところが関西空港に到着すると台風の大雨のためバス・電車すべてがストップ!脱出不能なので空港で1泊する羽目に。参加者の方は4時間待ちで、無事タクシーで帰宅できたそうです。成田組も台風の影響で、1時間遅れの到着。途中大きな揺れが2~3回あり、生きた心地がしなかったそうです。今回は本当に台風と梅雨前線で泣かされましたが、次回は天気も味方につけ、もう少し絞り込んだ内容でより充実した写真撮影の旅ができるようにしたいと思います。これを読んでもし韓国に行きたいが辛いモノばかりで食べられないかもと不安に思われる方も多いと思います。実際今回の参加者4名がそうでしたが、コーディネーターの朴さんが日本人並みに辛いのが苦手なので、チョイスする料理はたいして辛くありません。なのでみなさん韓国料理の虜になってしまったようです。たぶん日本のカレーライス中辛が食べられれば大丈夫です。もちろん辛くしたい方はいくらでも辛くできるのでご心配無用です。

 

 

撮れた鳥

カラシラサギ・チュウサギ・ダイサギ・クロツラヘラサギ・ミヤコドリ・ウミネコ・カッコウ・ヤマショウビン・ブッポウソウ・チョウセンチョウゲンボウ・チゴモズ・コウライウグイス・カササギ・ツバメ・オオヨシキリ・ダルマエナガ・ホオジロハクセキレイ・ワシミミズク

 

見られた&声を聞かれた鳥

ヒシクイ・マガン・マガモ・カルガモ・コウライキジ・カワウ・アオサギ・コサギ・アマサギ・ササゴイ・ゴイサギ・バン・オオバン・シロチドリ・ウミネコ・モンゴルカモメ・ヒガシシナアジサシ・ドバト・キジバト・セグロカッコウ・ツツドリ・ホトトギス・アオバズク・ヤツガシラ・カワセミ・アカショウビン・コゲラ・アカゲラ・ヤマゲラ・ヤイロチョウ・サンショウクイ・オナガ・ハシブトガラス・コシアカツバメ・シジュウカラ・ヒヨドリ・チョウセンウグイス・オオムシクイ・メジロ・ジョウビタキ・カラアカハラ・ギンムクドリ・ムクドリ・ホオジロハクセキレイ・スズメ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

奥日光で冬鳥観察&会津でヤマセミ撮影にもチャレンジ!

report by 吉成才丈 2022年11月7日~10日

 

<1日目>
予定通り、JR宇都宮駅に集合後、専用車で日光方面に移動。車窓から紅葉を楽しみながら進み、中禅寺湖で昼食後に戦場ヶ原に到着。まずは、アオシギを求めて沢沿いを散策しました。いきなり出迎えてくれたのはカワガラスで、滝の周囲でずっと採餌していました。目の前でずっとエサを獲っていたため、皆さんかなりの枚数を撮影したようです。このあたりはカワガラスが普通にいる地域ですが、撮り飽きるまでいてくれるのは珍しいことですね。

カワガラス(西川 恵美子様 撮影)
カワガラス(西川 恵美子様 撮影)

 

カワガラス(齊藤 茂雄様 撮影)
カワガラス(齊藤 茂雄様 撮影)

 

アオシギが見つからなかったので、冬の小鳥たちを求めて下流の木道に移動すると、アトリやアカハラ、カケスが目の前に出現。時折、マヒワの声も聞こえましたが、この日は飛び去る姿を遠くに見送るだけに終わりました。

アトリ(齊藤 茂雄様 撮影)
アトリ(齊藤 茂雄様 撮影)

 

カケス(西川 恵美子様 撮影)
カケス(西川 恵美子様 撮影)

その後は近くの牧場に立ち寄って希望者はアイスクリームを頂き、ホテルにチェックインしました。
  
<2日目>
まだ薄暗い時間にホテルのロビーに集合し、朝食前に近くの沢沿いを散策しました。この沢もアオシギのポイントなので、まだ誰も訪れていない早朝はチャンスだったのですが、ここでもアオシギには出会えませんでしたが、カケスの群れが採餌しながら通過していきました。

カケス(齊藤 茂雄様 撮影)
カケス(齊藤 茂雄様 撮影)

 

ホテルの近くでゴジュウカラやアカゲラなどを観察していると、遠くでウソの声が聞こえました。朝食後には、またアオシギを求めて沢沿いを散策すると、昨日と同じ場所にカワガラスがおり、やはり目の前でわき目もふらずに採餌していました。昨日あれだけ撮ったのに、やはりカメラを向けたくなりますよね。カワガラスを見ていると、いつも元気をもらえるような気がします。

ここでもアオシギには出会えなかったため、狙いを変えて湯の湖畔を散策。いつもなら、ナナカマドの実にアトリやウソなどがいるはずなのですが、お目当ての鳥には会えず、カラ類やヒドリガモなどを観察しました。その後、昨日も歩いた木道を歩いてみると、入口付近でゴジュウカラが出迎えてくれました。

ゴジュウカラ(西川 恵美子様 撮影)
ゴジュウカラ(西川 恵美子様 撮影)

 

先に進むと、先行していたカメラマンが何かを狙っていました。静かに近づいてみると、待望のマヒワの群れが採餌しており、鮮やかな黄色いオスの姿も確認されました。木道脇の広場だったので、皆さんでじっくり観察・撮影していると、参加者のお1人の写真にミヤマホオジロのオスが写っていてびっくりしました。少ないながらも冬の奥日光を楽しみ、午後には専用車で会津に向けて移動しました。
  
<3日目>
まだ真っ暗な4時20分に出発し、ヤマセミのポイントに向かいました。最近のヤマセミは朝方に出ることが多く、暗いうちからスタンバイしておかないと警戒されてしまうとのことで、期待と緊張の中ブラインドに到着。暗いうちにカメラをセットして待つと、ヤマセミはまだ薄暗い時間に飛来し、一番近い倒木にとまりました。

ヤマセミのメス
ヤマセミのメス

 

ヤマセミ(齊藤 茂雄様 撮影)
ヤマセミ(齊藤 茂雄様 撮影)

 

カワセミ(齊藤 茂雄様 撮影)
カワセミ(齊藤 茂雄様 撮影)

その後も、少し離れた木にとまったり、目の前を通過したりで何度もチャンスがありましたが、皆さん、はじめてのロケーションでチャンスを生かせなかった場面もあったと思います。(だからヤマセミは、二日間必要なんですね)

 

10時30分すぎにホテルに戻って銘々に昼食を済ませ、午後には周辺の林や耕作地を巡りました。小鳥も多いとのことで鶴ヶ城に行くと、とても美しい紅葉が出迎えてくれました。カラの仲間やカワラヒワ、エナガなどの小鳥のほか、お堀ではカルガモやコガモなどのカモ類も観察されました。

ヤマガラ
ヤマガラ

 

その後は、移動途中にチェックしておいたハクチョウの群れを狙って耕作地へ移動。耕作地で休んでいたコハクチョウが飛び立つと、磐梯山や飯豊連峰を背景に飛翔する姿を撮影して楽しみました。

コハクチョウ(西川 恵美子様 撮影)
コハクチョウ(西川 恵美子様 撮影)

 

コハクチョウと磐梯山(上田 恵様 撮影)
コハクチョウと磐梯山(上田 恵様 撮影)

  

<4日目>
昨日同様、まだ暗い4時20分に出発し、ヤマセミのポイントに向かいました。昨日の経験があるため、この日は気持ちに余裕があります。昨日と座り順を変えてブラインド内で待機していると、やや遠めの木にヤマセミ2羽がとまりました。約70mの距離で、薄暗い霧の中という悪条件でしたが、モノクロのような趣のある写真が撮れたようです。そうなんです、ピーカンだと普通の写真しか撮れないのですが、条件が変わると思いもよらなかったカットが撮れるのですね。

ヤマセミのオス・メス
ヤマセミのオス・メス

 

その後も、ヤマセミは近くにとまったり目の前を飛翔したりで、この日は昨日以上に楽しめました。ここは背景や水面の映り込みもきれいなので、たとえ後ろ姿であっても、皆さん美しい写真をたくさん撮られたようです。

 

ヤマセミは午前中が勝負なので11時前にホテルに戻り、ここで解散となりました。
ご参加いただいた皆様、お疲れさまでした。

ヤマセミ(上田 恵様 撮影)
ヤマセミ(上田 恵様 撮影)

 

ヤマセミ(上田 恵様 撮影)
ヤマセミ(上田 恵様 撮影)

 

ヤマセミ(西川 恵美子様 撮影)
ヤマセミ(西川 恵美子様 撮影)

 

ヤマセミ
ヤマセミ

(観察種数59種)

 

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

秋の石垣島で
アカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う

Report by 戸塚学 / 2022年9月23日~25日

 

台風14号の影響で、下見の出発が1日遅れたものの無事石垣島へ入ることができた。現地の方たちから情報が入るものの・・・シギやチドリが少ない。どうやら抜けたようだ。

ツアーは23日~25日なのでまだ時間があるものの24・25日が雨予報。ところが23日に天気予報が一気に変わり前日の晴れ!特に24日は今年初めての大当たり!他にも連日鳥たちの撮影を堪能できてみなさま大満足の3日間となりました。

 

*本文中「リュウキュウ○○」という表記を「R」に省略させていただきます。

<1日目>

空港に時間通りみなさん集合されたので、専用車でまずは前日から出ているソリハシセイタカシギ(アボセット)の出ている田へ直行します。少し遠いのですが、超珍鳥なので時間をかけてしっかりと撮影を楽しんでいただきました。他にも周辺の田をゆっくりと車で流しながらシギやチドリを堪能します。途中数は減りましたが、まだクロハラアジサシやハジロクロハラアジサシが飛んでいるので、車から降りて撮影を楽しみました。

クロハラアジサシ
クロハラアジサシ

カンムリワシが飛んできたのですが、すぐに飛んで行ってしまったことで撮影ができず悔しい思いもしましたが次回のチャンスという事で引き続き時間いっぱいまで鳥たちを探しては撮影を繰り返しました。一旦18時にホテルに戻り、各自食事をとっていただいた後、ナイトサファリは19時30分から開始です。現地ガイドさんの案内で、Rアオバズク、Rコノハズク、ヤエヤマオオコウモリを無事撮影ができたので別の場所へ。

ヤエヤマオオコウモリ
ヤエヤマオオコウモリ
リュウキュウコノハズク
リュウキュウコノハズク

この場所は遊歩道を歩きながら生き物を探すスタイル。外来種のオオヒキガエルやサソリモドキ、オカヤドカリ、各種ゴキブリ、Rアオヘビも撮影しました。鳥はRコノハズク、ズグロミゾゴイの成鳥が撮れたのはラッキーでした!

オオヒキガエル
オオヒキガエル
ズグロミゾゴイ
ズグロミゾゴイ
リュウキュウアカショウビン
リュウキュウアカショウビン

<2日目>

7時にホテルを出発して展望台を目指します。アカハラダカはだいたい8時から10時の間に飛ぶのですが、少し早めに来て場所の説明や光の回り方、アカハラダカの出現の仕方を説明して待ちました。チョウゲンボウが皮切りに飛び出した後、ズアカアオバトがとまっているのを発見して撮影をすることができました。

ズアカアオバト
ズアカアオバト

風もいい、晴れているというベストコンディション。そして今年はまだアカハラダカの大きなあたりが無いので「今日が当たるかも・爆発ですよ!」なんて冗談交じりに参加者の皆さんには話していたのが、本当になっちゃった!パラパラ飛んできたかなと思ったら頭上でタカ柱!遠くに見つけたタカ柱が上空高くに消えたかと思ったらいきなり目の前にジャンジャン飛んできたりとみなさん大興奮!

タカ柱
タカ柱
アカハラダカ♀
アカハラダカ♀
アカハラダカ♂
アカハラダカ♂
アカハラダカ♂
アカハラダカ♂
アカハラダカ♂
アカハラダカ♂

この時一番驚いたのはカンムリワシが目線でこちらに向かって飛んできたこと!こんなことは滅多にないし、私も初体験で焦ってしまった。

カンムリワシ
カンムリワシ

9時30分を過ぎた頃には渡りも落ち着いてきたのでシベリアムクドリ・カラムクドリが出ているポイントへ早めに移動。現地に着くと知り合いの現地ガイドさんがいて、いろいろと教えてもらい大助かり。おかげでシベリアムクドリ・カラムクドリは撮れました。

シベリアムクドリ
シベリアムクドリ

11時~15時まで休憩を入れてあるので、ここで一時解散です。この状況でみなさん歩いてホテルまで戻るわけもないので、好きなだけここで撮影をしてもらう事にしました。ただ水分補給だけは忘れないように伝えて私はホテルへ戻りました。さて皆さんの撮影結果はRサンコウチョウ、サメビタキ、シロガシラ、オサハシブトガラス、イソヒヨドリが撮れたと後から報告をいただきました。

シロガシラ
シロガシラ

15時専用車で再び田んぼを巡る旅です。もしかしてアボセットが昨日より近い場所にいるかもと行くと・・・本当にいた!昨日よりも撮りやすく近くて、がっつり撮影ができました!「とまっているカンムリワシ~」というリクエストで探すが見つからない。かわりにツメナガセキレイ、アカガシラサギ、ムラサキサギを撮ることができてみなさん満足そうです。時間になったのでホテルに戻りました。

ツメナガセキレイ
ツメナガセキレイ
アカガシラサギ
アカガシラサギ
ムラサキサギ
ムラサキサギ

<3日目>

ホテルの前の電線にツバメがとまっていた。朝日に照らされ若干赤っぽく見えていた。何気なく双眼鏡で見ると???Rツバメだった。今回ツバメは多かったがRツバメは見られなかったので急に撮影大会になってしまった。

リュウキュウツバメ
リュウキュウツバメ

とはいえいつまでも撮影していては本命がおろそかになるので、展望台へ向かいます。みなさんの期待が高まるも昨日のようにアカハラダカが爆発しません。時折近くに出てもそういう時に限って太陽が雲に隠れてしまう。この日はアカハラダカ以外にチョウゲンボウ・チゴハヤブサ・ハヤブサを見ることができました。残念ながら昨日を超える渡りは望めませんでした。10時なったので田んぼ巡りを開始です。やはり今日も「とまってるカンムリワシ~」というリクエストでカンムリワシを探します。飛んでいる姿を確認できたが見失ってしまった・・・残念。そんな時ドライバーさんが「あのスプリンクラーの上は違うかな?」と指さす先に、いた!カンムリワシです。ちょっと距離はあったがしっかりとその雄姿を撮影ができました。

その後も田を巡り最後まで撮影を楽しみます。12時近くになったので空港近くの田に移動します。運が良ければ何か入っていないかなと思っているとまたしてもドライバーさんが「あれ、何?」と指さす先にムラサキサギの成鳥が!みなさん夢中で撮っていると、突然ムラサキサギは飛び立った!時計を見ると12時30分まるで時計を持っているかのような行動です。本当に最後の最後まで撮影を堪能して空港で無事終了解散となりました。

みなさまお疲れさまでしたね、それにしても超ツキまくりの3日間でした。

リュウキュウツミ
リュウキュウツミ
シマアカモズ
シマアカモズ

 


撮れた鳥
ズグロミゾゴイ・アカガシラサギ・アマサギ・ダイサギ・チュウサギ・コサギ・アオサギ・ムラサキサギ・カルガモ・アカハラダカ・Rツミ・カンムリワシ・ハヤブサ・チョウゲンボウ・チゴハヤブサ・シロハラクイナ・バン・コチドリ・トウネン・ヒバリシギ・エリマキシギ・アカアシシギ・コアオアシシギ・アオアシシギ・クサシギ・イソシギ・タシギ・(チュウシャクシギ?)・セイタカシギ・ソリハシセイタカシギ・クロハラアジサシ・ズアカアオバト・Rコノハズク・Rアオバズク・Rアカショウビン・ツメナガセキレイ・シロガシラ・Rサンコウチョウ・シマアカモズ・イソヒヨドリ・サメビタキ・セッカ・カラムクドリ・シベリアムクドリ・オサハシブトガラス

 

観られた鳥・さえずり
Rヨシゴイ・シマアジ・コガモ・ムナグロ・ツバメチドリ・ハジロクロハラアジサシ・Rキジバト・キセキレイ・Rサンショウクイ・Rヒヨドリ・Rメジロ

 

その他
ヤエヤマオオコウモリ・サキシマキノボリトカゲ・サツマゴキブリ・サソリモドキ・オオヒキガエル・Rアオヘビ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

鳥取・八東ふるさとの森でアカショウビンを撮る【2本目】

Report by 戸塚学 / 2022年7月11日~13日


<1日目>

天気は予報に反して晴れ。空港でお客様をピックアップし、そのまま現地へ。到着早々、オジサンが呼ぶので行ってみるとコノハズクがいた!前回の組が帰った後に巣箱が見つかったようで・・・あと1日早ければと思ってしまいました。みなさんを連れて現地の説明をして廻ります。その時に先ほどのコノハズクを高台から探すと、枝越しに確認!場所を教えて撮影を楽しんでもらいました。

昼間のコノハズク

続いてアオバズクがいるポイントへ移動します。アオバズクがいる場所を教えると、こちもみなさん必死に撮影をされています。以前ならここでシャッターシャワーが響き渡るのですが、ミラーレスカメラが多いので静か静か(笑)

アオバズク

さて本題のアカショウビンです。昨日2時間出ていた場所へ行き、待ちますが・・・出ない。しかしオオルリが低い場所へ降りてきてくれたことが唯一の救いだったかな?17時になったのでタイムアップ。夕食のために移動しました。

オオルリ

夕食は焼肉です。地場産の野菜と牛・豚・鹿の三種盛。とてもおいしく頂きました。夜はアオバズク組とコノハズク組に分かれて撮影を楽しみました。コノハズク初体験の方の興奮はこちらにも伝わります。アオバズク組ははじめ2名だったので、もう近くで出まくり、飛びまくり、留まりまくりでとても満足されていました。途中からは一般の宿泊者もアオバズクの方に移動をしたためコノハズクの撮影者が減ります。こうなるとやはりプレッシャーが減ったせいか、出が良くなりペアどまりまで撮れてしまいました。22時に小雨がぱらついたのでみなさん切り上げてバンガローへ戻った30分後すごい豪雨になり、ぎりぎりセーフでした!

コノハズクのペアどまり

<2日目>

4時30分いつもなら名物館長の「おはよ~~~」が森に響き渡るのですが、さすがに雨が降っているせいか鳥たちのさえずりはお休みのようです。早朝撮影は誰も出ていなかったようなので朝食をとりました。食べ終わると雨が止んで陽が差し出したのでアカショウビンのポイントへ。しかし出ません・・・。鳴き声もしません・・・。

ブナの森

お昼になったので鹿カツカレーのランチをいただき、休憩をしているとスタッフの方が「アカショウビンが鳴いてるよ」と教えに来てくれたので外へ出てみると鳴いてる!その方向を見ていると・・・何かがこちらに飛んできた。そして頭上を通過した際に黒いシルエットの頭がロケット!アカショウビンだった。これは出るかもと雨の中、建物の庇の下で待つが・・・出ない。出ないまま夕食の時間です。今晩は酒米で作った特性パエリア!おいしく頂いた後は夜の撮影です。昨日とは逆にアオバズク組とコノハズク組が入れ替わって撮影開始。しかし・・・雨が止まないどころか時々土砂降り。傘をさしての撮影はなかなか夜間という事もあって厳しい。それでも22時までみなさん頑張って撮影をされていました。

左:鹿カツカレー 右:特性パエリア

<3日目>

4時40分・・・遠くでアカショウビンの鳴き声が聞こえたと思ったら、バンガローの近くで、大音量で鳴き声が響き渡る!はっきり言ってやかましい(笑)トイレに行くとどうやらアカショウビンは鳴き交わしているようで、まるで合いの手を入れるようにトラツグミの「ヒ~~~~」が聞こえてくる。「これはみんな朝が早いな」と思いながらもうひと眠り。

5時30分にアカショウビンのポイントへ行くと参加者が4名のみ。どうやら一般の方はこの雨で撮影は諦めたようでした。その後に2名の参加者が加わり私たちのグループで貸し切り状態だというのにアカショウビンは出ません。7時になったので朝食を食べに一時中断。

朝食の時に荷物をまとめていただき管理棟へ預け、朝食後も雨の中10時まで粘りますが・・・ダメだった!野鳥ではないのだが、ここのマスコット的存在のアナグマ「はじめちゃん」はこの3日間行方不明。会いたがっていた参加者はがっかりしていたが仕方がないですね。11時に迎えのバスが来たので乗り込み、みなさん無事に駅と空港で解散となりました。
天気予報が当たらない、コノハズクが出たのにアカショウビンは大きな声と飛び去るシルエットだけだったが、それでもみなさん楽しんでいただけたようでなによりでした。

アカショウビン(別日)

撮れた鳥
コノハズク・アオバズク・オオルリ
観られた鳥・さえずり
キビタキ・トラツグミ・キセキレイ・カケス・オオアカゲラ・クロツグミ・ミソサザイ・ジュウイチ・アオバト

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員