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フンザの中心地カリマバードKarimabad
藩王国時代の藩主の居城バルチット・フォートとアルチット・フォート(共に現在は博物館)があり、カラコルム・ハイウェイを移動してきた旅人が必ず滞在するフンザの中心地です。昨今は観光客のためのゲストハウスや飲食店が多く建ち大変賑わっています。山の展望も素晴らしく、バルチット・フォートの背後にウルタル峰や、フンザ川の谷側にはラカポシ、ディラン、スパンティーク(ゴールデン・ピーク)等の高峰を望むことができます。
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ドゥイカルDuiker
カリマバードの北東に高峰を展望できるドゥイカル村があります。 ドゥイカルの丘からの山岳風景は、南側にフンザの名峰群ラカポシ(7,788m)やスパンティーク(7,027m)、北側にはフンザピーク(6,270m)やレディフィンガー(5,985m)など、まさに圧巻の一言。朝夕、刻一刻と変わりゆくカラコルム山脈の景観を満喫できます。朝と夕方にはカリマバードからの観光客で賑わいます。
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アッタバード湖Attabad Lake
2010年、大規模な地滑りによってフンザ川を堰き止めてできた湖。その後さらに雪解け水が流入し、全長21km、深さ100mの巨大な湖となりました。多くの村人が避難を余儀なくされ、中国との貿易の大動脈カラコルム・ハイウェイも水没したため、当時は渡し舟で人や物資を運んでいました。2015年に中国主導で5つのトンネルを含む新しいカラコルム・ハイウェイが開通しました。日差しを浴びてエメラルドグリーンに輝く湖は美しく、湖畔にホテルやレストランなども建ち始めました。
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グルミットGulmit
ゴジャール地区(上部フンザ)のワヒ族の村。アフガニスタンのワハーン回廊沿いの山岳地帯からやってきた「移牧」を営むワヒ族。標高2,500mの平坦な肥沃な土地に、灌漑用水路、農地、独特の建築様式を持つ民家が点在しています。かつてフンザの藩王(ミール)の別荘があった場所で、村の歴史は古く、伝統的な家屋も多く残り、最も古いものは700年前にさかのぼります。石垣で囲まれた迷路のような村の散策をお楽しみいただけます。
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パスーPassu
標高2,540m、上部フンザの村。村の少し手前の道沿いからも、パスー氷河、パスーピーク、鋭鋒シスパーレ(7,611m)を望むことができます。カラコルム5大氷河の一つバトゥーラ氷河トレッキングの基点の村で、氷河の先にある好展望地パトゥンダス(4,100m)からは、カラコルム山脈を360度望む大パノラマをお楽しみいただけます。
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スストSost
カラコルム・ハイウェイのパキスタン側の最後の村。標高2,700m。パキスタン側の出入国管理局と税関があり、クンジュラブ峠を越えるには、ここから専用のバスに乗り換えます。村のメインストリートには貿易会社や、中国語の看板をかかげたお店もあり、「国境の町」情緒にあふれています。ここから中国との国境・クンジュラブ峠まで82kmです。
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クンジュラブ峠(4,693m)Khunjerab pass
標高4,693mのパミール高原の峠がパキスタンと中国との国境です。峠の平らな部分には中国とパキスタンの国境を分ける記念碑が建っており、中国の検問を経て新疆ウイグル自治区のタシュクルガンまで続きます(中国入国はこのタシュクルガンにて行います)。パキスタン側のゴツゴツとした山岳地帯とは変わり、雄大なパミール高原が広がります。パキスタンでの検問はフレンドリーな雰囲気で写真撮影の自由があるのに対して、中国側では、手荷物検査も厳しく写真撮影も禁止されており、「違う国へ来た」ことを感じさせられます。
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ギルギットGilgit
標高1,500m、ギルギット渓谷の東端に位置するギルギット・バルティスタン州の中心地。古くから交通の要衝として栄え、シルクロードの通り道でもあり、郊外には摩崖仏が残っています。植民地時代はイギリスの駐屯地が置かれ、1978年のカラコルム・ハイウェイ完成後、町は急速に発展。空港もありイスラマバードからのフライトが1日2~3便運航しています。
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チラスChilas
チラスはカラコルム・ハイウェイの中でも乾燥が酷く気温が高いことで知られる山岳砂漠地帯にあります。この付近ではインダス川の川幅も広く浅くなり、川を渡る場所として利用されてきました。そのため、古来から河沿いの岩に絵が描かれるようになり、特に仏教僧によるストゥーパ(仏塔)などのモチーフのものが多く残されています。
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フェアリー・メドウFairy Medow
世界第9位峰の大展望を満喫できる展望地フェアリー・メドウ。多少のアップダウンはありますが、1日のハイキングで8,000m峰の全貌を眺めることができる展望地へ到着します。フェアリー・メドウには素晴らしい展望を誇るロッジ&テント「ライコットサライ」があり、前庭からはナンガパルバットをはじめ6,000m~7,000mの高峰群とライコット氷河の絶景を堪能できます。
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スカルドゥSkardu
標高2,500mのスカルドゥはバルチスタンの中心地で、イスラマバードからの国内線も毎日就航しています。スカルドゥ渓谷の端、インダス川とシガール川の合流地点にあります。周囲を高峰に囲まれ、ポプラや果樹が茂り、映画「草原の椅子」のロケ地としても話題になった寒冷地砂漠など、独得の景観が広がります。また、K2展望トレッキングでバルトロ氷河やフーシェ谷方面を目指す人々の拠点ともなっています。
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シガールShigar
シガール川沿い、K2トレッキング・バルトロ氷河への道の入り口となる渓谷。杏、桑、桃などの林が広がる肥沃な谷は大変美しく、伝統的な建物・生活が残されています。現在はアガ・ハーン財団によりチベット文化の影響が見られる建築の保存が行われています。かつての藩主の居城を改造したホテル「シガール・フォート」があり、パキスタン国内の観光客も訪れます。
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カプルーKhaplu
スカルドゥよりインダス川に沿って35kmほどののショク川との合流地点。古のカシミール・シュリーナガルへの交易路にあたる道です。 そして、ここからショク川沿い60km先にあるフーシェ川(谷)との合流点にあるのがカプルー村です。村は山の斜面に広がり、村を見下ろす位置にかつての「カプルー王国」の藩主の王宮跡があります。現在はアガ・ハーン財団による復興を終え、ホテルとして残されています。
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ナンガ・パルバット(8,126m)Nanga Parbat
サンスクリット語で「裸の山」という意味で、その近辺に他の山がない独立峰ゆえに名付けられました。天気が良ければカラコルム・ハイウェイからも展望を望めます。北面の有名な展望地・フェアリーメドウ(別名メルヘンビーゼ)へはわずか3時間ほどのハイキングで、眼前にライコット氷河とナンガパルバットを望むことができます。南側のルパール壁は、標高差4,800mと世界屈指の難所壁で登頂も難しいことから「魔の山」として登山家から恐れられています。
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ラカポシ(7,788m)Rakapopshi
カラコルム山脈の7,000m峰で、フンザ川の岸から5,500mもせり上がり壮大な山容を見せ、フンザのいたる所から展望することができるフンザの象徴です。フンザの住民から名山として崇められています。氷河に沿ってラカポシB.C.にたどり着けば、朝日に輝くこの巨大な姿を仰ぎ見ることができます。
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ディラン(7,257m)Diran
フンザの象徴ラカポシの東15㎞に位置します。北杜夫著『白きたおやかな峰』によって日本では良く知られた山で、美しくなだらかな三角形を描いた見事な姿は深く印象に残ることでしょう。カリマバードやドゥイカルからは山頂の一部分しか望むことができず、トレッキングで訪れるラカポシベースキャンプからは、ディラン~ラカポシの稜線を望む大パノラマの絶景を楽しむことができます。
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ウルタル(7,388m)Urutal
フンザの象徴バルチット城の背景にそびえる名峰(7,388m)。登山家・長谷川恒男氏は、ウルタルⅡ峰登攀中に雪崩で亡くなり、中腹のウルタルベースキャンプには墓石も建てられています。長谷川氏の遺志を継いでカリマバードに建てられたハセガワ・メモリアル・スクールは、フンザきってのエリート校にまで発展しました。