ウダイプル④ チットールガル城に伝わる悲劇の女王パドマーワト

ナマステ!

西遊インディアの橋本です。
前回、ウダイプル郊外に建つチットールガル城について、紹介しました(記事はこちら)。ウダイプル4回目となる今記事では、チットールガル城を舞台として起こったイスラム王朝との攻防と、その戦に巻き込まれた悲劇の王妃・パドミニ―の伝説についてご紹介します。

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グーマルのシーンのため、ディーピカーはラージャスターンの踊りのトレーニングを毎日3時間、計12日間続けた。指先足先まで繊細な動きが要求されるこのダンスで身に着けた衣装や装飾品の重さが30キロ!彼女はこのダンスで66回も回ることになったという🌀💦
#パドマーワト

映画「パドマーワト 女神の誕生」さんの投稿 2019年5月20日月曜日

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メーワール王国と、北インドの猛威・ハルジー朝との攻防

1303年、ラージプートの国として代々繁栄してきたメーワ―ル王国にて、ラタン・シン王が即位します。その王妃として、スリランカからパドミニ―が迎えられました。
同じ時、北インドではハルジー朝の第3代スルターン(王)であるアラーウッディーンが即位します。野心に満ちた彼は、第二のアレクサンダー大王と自称し、インド各地に次々と遠征し、その勢力を広げていきました。

 

アラーウッディーンは、グジャラート侵攻に向けメーワ―ル王国内の通過を求めましたが、王のラタン・シンはこれを拒否します。その結果1303年、アラーウッディーンは、チットールガル城を包囲。メーワ―ル王国は約8か月にわたり籠城し激しい攻撃に耐えつつ応戦しましたが、最終的には陥落してしまいます。

 

 

ラージプートの風習ジョーハル

武勇と名誉を何よりも重んじていた誇り高きラージプート族の戦士たちは、最後まで戦い抜き、非業の死を遂げました。残された女性たちも、捉えられることを拒み、自ら、火の中に身を投じたといいます(このような、戦局において敗北が確実となったとき、女性たちが侵略・略奪されないように子どもや金目のものを持って集団焼身自殺を行うことを、ジョーハルといいます。この風習は、ラージプート諸王朝間の内紛に起源をもつとされています)。

 

チットールガル城は16世紀までに度重なる周辺国からの侵略を受けたことで、合計13000人を越える女性がなくなりました。15世紀に建てられた勝利の塔の周囲には、ジョーハルにより亡くなった女性たちの墓石があります。また、このエリアでは、一族の武勲をたたえジョーハルで落命した人々を悼むジョーハル・メーラ(Jauhar Mela)という追悼祭が年中行事として行われています。

 

 

悲劇の王妃パドミニーとインド映画の超大作「Padmaavat」

1540年に描かれた叙事詩「パドマーワト」は、多くのインド人が知る古典文学ですが、2017年12月、この悲劇の王妃パドミニーを主人公にした映画、その名も「Padmaavat」がインドをはじめ全世界で公開されました。

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グーマルのダンスシーンの撮影にあたっては、100人のラージャスターン職人がムンバイの撮影所に40日かけてセットを制作、照明等の撮影準備にさらに2日かかった😯バックダンサーはラージャスターンからムンバイに呼ばれ、4日間かけて撮影された。
#パドマーワト

映画「パドマーワト 女神の誕生」さんの投稿 2019年5月19日日曜日

 

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王妃パドミニ―は実在の人物ですが、その詳細については史実は残っておらず、分からない部分も多いです。叙事詩と映画は、パドミニ―を絶世の美女とし、美と愛を巡る義の戦いの物語にしたものといわれています。
しかし、「パドマーワト」の中では絶世の美女とされ、女性の尊厳を守るため悲劇的な最期も遂げたことから、インド歴史上の女傑のひとりとして、ラージャスターン地方では女神のように信仰されています(映画「パドマーワト 女神の誕生」http://padmaavat.jp/ プロダクションノートより一部抜粋)。

 

・―・―・―・―・― 簡単なあらすじ ・―・―・―・―・

 

女王・パドミニー(Padmini, Padmavati)は、その美貌ゆえにインド国全体で大変な評判になっていた。また、パドミニーは、美しさだけでなく、賢く聡明でもあった。北インド・デリーに構えるハルジー朝の王・アラーウッディーンは、メーワール王にパドミニーの姿を一目見せてくれたらメーワールへの侵略を諦めて撤退すると言った。メーワール王は水面に映るパドミニーの姿をさらに鏡に映してアラーウッディーンに見せたが、鏡に映る姿でもパドミニ―の美しさを確認したアラーウッディーンは、その美しさをどうしても自分のものにしたいと考え、猛攻を仕掛ける。応戦しつつも苦境に立たされるメーワ―ル王国のその後と、パドミニーの判断とは…。

 

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この映画、インド映画史上最高額の制作費がかけられ人々の期待も最高潮のなか公開が待たれていましたが、直前に上映禁止を求めて大規模な反対運動が起こりました。パドミニーとアラーウッディーンのロマンスが描かれているとの噂が流れ、「夫の為に殉死したパドミニーのイメージを汚す」と行った意見が起こり、また他方イスラム指導者側からは「アラーウッディーンの描写が誤っている」として映画の上映中止を求め監督の家の前でデモがおこったり、主演女優に危害を加えるといった脅迫や、映画館が襲撃を受けたり等などが起こったためです…(実際、当時映画館の周辺に警備の人や警官が配置されていたのを見ました…)。

 

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ラタン・シン役のシャーヒド・カプールは、これまで演じてきた役とは異なり得意のダンスシーンが無かったものの、「身体的・精神的に最も挑戦的な役のひとつでありキャリアのターニングポイントになった」とインタビューで答えている👍✨

映画「パドマーワト 女神の誕生」さんの投稿 2019年5月11日土曜日

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そんな上映までに一波乱あった映画ですが、タイトルが変更されたうえで無事公開となりました(以前は、「Padmaavati」というタイトルでした)。日本でも上映されたのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。当時の城塞の様子や人々の衣装などがものすごく豪華で、映画の宣伝文句のとおり、まさに「究極の映像美」!(衣装やジュエリーの制作には、時代や地方の伝統を徹底的にリサーチのうえ、約2年程をかけて作成されたそうです)。

 

#パドマーワト の豪華な衣装制作には何人もの職人が携わり、メインキャストの衣装だけで150着近くを制作👗装身具もパドマーワティとラタンはラージャスターン風、アラーウッディーンはアフガニスタン風のデザインに仕上げられた✨

映画「パドマーワト 女神の誕生」さんの投稿 2019年5月14日火曜日

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内容的に一部の州では上映禁止となったそうですが、最終的には興行収入は58億ルピー越えを記録しており、最終的にはインド映画史上最も興行的に成功した映画の一つとなりました。

 

ちなみに絶世の美女・パドミニーを演じたのは「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」に出演、最近ではハリウッドにも活躍の場を広げている、ディーピカー・パドゥコーンです。パドミニー役の彼女は美しすぎて直視できないほどでした…!!

映画は既にDVD化もされていますので、ぜひご覧になってみて下さい。

 

 

映画の撮影自体は他の城塞ならびにセットで行われ、チットールガル城での撮影は行われなかったそうですが、ウダイプルならびにチットールガル城訪問予定の方は、この映画をご覧になったうえで訪問いただくと、より旅の面白さが増すこと間違いなしです!

 

 

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ウダイプル③ かつての難攻不落の城・世界遺産チットールガルフォートへ!

ナマステ! 西遊インディアの橋本です。
今回は、ウダイプル郊外に建つチットールガル城について、紹介します。
(前回:ウダイプル市内観光とラナクプルのジャイナ教寺院の紹介はこちら

 

チットールガルは、ウダイプル中心部から東に約110㎞行った場所にある小さな村です。ウダイプルから車両で行くと片道2時間程かかり、往復すると結構大変ですが、チットールガル城はウダイプル観光と併せ、ぜひ訪れていただきたい名所のひとつです。

 

チットールガル城全景(ビューポイントから撮影)

 

▮誇り高き勇敢な戦士ラージプートとラージャスターンの丘陵城塞群

まずはラージプート族のおさらいです。過去、こちらの記事でも詳しく紹介しました。
ラージプート族は、インド西部のラージャスターン州を拠点としており、誇り高き勇敢な戦士として知られています。ラージプートの起源は定かではありませんが、5〜6世紀ごろ中央アジアからやって来た騎馬遊牧民という説が濃厚です。

 

かつて西インドにはラージプートによる様々な王朝が栄えました。街ごとに堅牢な城塞が建てられ、今でもその城塞群は健在です。2013年にはこれらのうち6つの城が「ラージャスターンの丘陵城塞群」として世界遺産登録されました。ジャイプルのアンベール城、ジャイサルメール城、ランタンボール城、クンバルガール城、ガグロン城、そしてチットールガル城です。

 

ジャイサルメール城
ランタンボール城

これらはそれぞれ、8世紀から18世紀までのラージプート諸王国の繁栄を伝える建物であり、その建築様式や文化的伝統上の意義が見出されての登録でした。

 

 

▮メーワ―ル王国の難攻不落の城・チットールガル城

チットールガル城は、かつてメーワール王国というラージプート族の王国の首都として栄えていました。難攻不落の城としてその名を轟かせており、ラージャスターンの城塞のなかでも最強といわれていました。

 

チットールガル城は1303年にデリーのイスラム王朝のアラーウディーン・ハールジー、1535年にグジャラート・スルターン朝のバハードゥル・シャーによって侵攻され一時占領されますが、その度に奪回します。

しかし1567年、ムガル帝国のアクバルへの服従を拒否したことで攻め入られ、長期に渡る包囲戦にしばらくは耐えたものの、落城。メーワール国王ウダイ・シング2世はチットールガル城を去りウダイプルへ都を移しました。この時、武勇と名誉を何よりも重んじるラージプートの兵士たちは死兵となって殉死し、多くの女性たちは自害したとされています。

 

チットールガル城は長年メーワール王国の首都であったと同時に、ラージプートとイスラム王朝との度重なる戦いの舞台でもあった場所なのです。

 

チットールガル城の訪問は、オートリキシャでの移動がおすすめ!
城内へ!

チットールガル城は標高180mの丘の上に建ち、城内に入るには7つの城門をくぐります。42 の宮殿、84 の貯水池、113の寺院(ヒンドゥー教、ジャイナ教)があり、建築的に価値の非常に高い2つの塔も残っています。

 

▮クンバパレス (Kumbha Palace)

15世紀に建てられたクンバ王の王宮は、非常に大規模で多くの建物跡が残り、当時の王の権力の強さを感じさせます。宮殿の建築様式や装飾は、ラージプート様式の最初期のものと言われています。

今は廃墟化していますが、写真映えするスポットとして、最近では若い人達にも大変人気のスポットだそうです。ここからは城下町を見渡すことができます。

 

クンバパレス

 

▮パドミニー宮殿 (Padmini Palace)

城内の南側に残る、王妃パドミニーのために建てられた宮殿です。ゴームク(牛の口の意味)という名前の貯水池と中庭も有しています。

 

パドミニパレス
水の宮殿

ラーニー・パドミニーは、ラーワル・ラタン・シンの妻で、叙事詩に残るように、非常に美しく聡明であったと伝えられています。池の中央には、3階建ての通称・水の宮殿(Jal Mahal)が建ち、ここでパドミニ妃が沐浴していたそうです。

 

▮勝利の塔 (Kirti Stambha)  、名誉の塔 (Jaya Stambha)  

 

勝利の塔 中に入って登ることもできます

勝利の塔は、1448年ラーナー・クンバ王がムスリム軍に勝利したことを記念して建てられました。高さ37m、9階建ての塔で、イスラーム建築であるミナレットがインドで建てられ始める前に出来た塔としては非常に珍しい例です。

 

名誉の塔とジャイナ教寺院

12 世紀に造られた 22mの「名誉の塔」は、1301年にジャイナ教の始祖アディナートにささげて建てられたものです。こちらは24m、7階建。隣にはジャイナ教の寺院が建っています。ヒンドゥー教寺院に形が似ていますが、その当時は建築家が宗教にかかわらず同じだったので、似たような建築になってしまったのだそうです。

 

メーワ―ル王国は代々ヒンドゥー教を信仰しておりましたが、チットールガル城内にあるジャイナ教寺院をみても分かる通り、宗教に非常に寛容的であったことが分かります。

 

次回は、チットールガル城にて伝説となっている悲劇の王妃パドミニについてご紹介します。

ウダイプル④ チットールガル城に伝わる悲劇の女王パドマーワト

 

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ウダイプル② 市内観光へ! 古都ウダイプルと奥地に佇む圧倒的存在感のジャイナ教寺院

西遊インディアです。
引き続き、ウダイプルを紹介する記事・第二弾です。

前回:ウダイプル① 美しき湖と白亜の宮殿タージレイクパレス

 

ウダイプル市内の見どころは集中しており、かなり効率的に巡ることができます。今回はウダイプル市内の代表的な訪問地と、郊外に建つインド建築最高峰ともいわれるジャイナ教寺院について、ご紹介いたします。

 

▮シティパレス(City Palace)

街の創設者である、マハーラーナー・ウダイ・シン2世によって建設が始められた、ピチョラ―湖の湖畔に建つ白亜の宮殿です。増改築が繰り返され、今の姿になるまでに約400年かかったといわれています。パレスの本殿は博物館となって一般公開されておりますが、南側は、今も王族の居住区となっています(また、一部はホテルとして改装されております)。

 

シティパレス外観。あまりに壮大でカメラに収まりません
シティパレス内の美しいステンドグラスのお部屋

内部にはマハーラーナーがかつて使用していた輿やゆりかご、武器や全世界から集められた装飾品など、たくさんの宝物が展示されています。当時、マハーラーナーの体重と同じ重さの金が民衆に与えられていたという逸話からも、藩として非常に豊かであり、豪華な暮らしぶりであったことが想像できます。

テラスからは湖と街の美しい眺めを見晴らすことができます。非常に気持ちの良い場所ですので、お天気が良ければぜひ行ってください。

 

旧市街が広く見渡せます

 

▮ロークカラマンダル博物館 (Bhartiya Lok Kala Museum)

ラージャスターンの伝統芸能の1つ、操り人形劇の博物館です。ラージャスターンだけでなくインド全土の人形・化面・楽器などが集められた素朴な展示物を見学したあとは、実際に人形劇のショーを楽しむことができます。 ショーの最後には人形の動かし方を種明かししてくれることも。この人形劇は、お祭りや人通りの多い街角などラージャスターン各地で見られます。

 

 

▮サヘリーヨーン・キ・バーリー  侍女たちの庭園(Sahelyon Ki Bari)

緑が眩しいたくさんの樹々と、色とりどりの花が植えられた、噴水のある公園です。1710年に時の王様・マハーラーナ―・サングラーム・シンが侍女たちのために建てました。こちらも、噴水の建築にあたり高度な水利システムが用いられております。緑と水が大変豊かなこの公園には、今も昔も癒しと涼を求めてたくさんの人が集まっています。

 

ブーゲンビリアと噴水の広場。天気もよく、ピクニックに来ている地元のファミリーの方でいっぱいでした
大理石製の象のモニュメント
ウダイプルの伝統的な衣装を着た女性(お土産物屋の店員さんですが…)

 

▮ジャグディーシュ寺院(Jagdish Temple)

1651年創建のウダイプル最大のヒンドゥー寺院です。ヴィシュヌ神を祀る寺院で、本堂の前にはヴィシュヌ神の乗り物であるガルーダ像が置かれております。他、お堂の周りには、四方それぞれガネーシャ、スーリヤ(太陽神)、シャクティ(シヴァの神妃)、シヴァが祀られています。寺院の外壁は細かな彫刻がびっしりと施されており、とても見ごたえのある装飾です。

 

ジャグディーシュ寺院 正門
本堂
彫刻がびっしりと施された本堂の外壁

 

▮ラナクプルのアーディナータ寺院 (Adinatha temple at Ranakpur)
ウダイプル市内から北西90㎞程行った場所にラナクプルという村があり、その村からさらに奥へと進んだ場所に建つ巨大なジャイナ教の寺院が、アーディナータ寺院です。アーディナータというジャイナ教の一番目の預言者を祀っています。15世紀創建です。

 

ジャグディーシュ寺院外観 こちらも壮大過ぎてカメラに収まらない
ジャイナ教寺院の場合、細長い旗が掲げられています(ヒンドゥー教寺院の場合は三角の旗です)

寺院内部はほとんどが白大理石でできています。固い大理石への彫刻は至難の業ですが、一度施した彫刻はその後一切朽ち果てることはありません。寺院内には緻密で美しい彫刻が至る所に施されています。

 

見事な大理石の装飾

また内部には444 本の見事な装飾の柱が並んでおり、一本として同じ装飾の柱はなく、全て異なる彫刻が施されています。

(インドの建築について多数の著書がある神谷武夫氏は、「ジャイナ教の建築」という本のなかで、このアーディナータ寺院を「インド建築の最高傑作だ!」と述べています)。

 

全ての柱にびっしりと彫刻が!

天井

仏教と同時代に成立したというジャイナ教ですが、5つの戒律(不殺生、虚偽の禁止、盗みの禁止、性的行為の禁止、不所有)を持ち、不所有の考えから、商業で大成功している商人たちの寄進によって見事な寺院がたくさん建てられています。

 

こんな小さな村のさらに奥にこのような立派な建造物があるとは…驚きです。アーディナータ寺院は、アクセスは非常に悪い場所にありますが、訪問にはちょっとした秘境感も味わえます。見ごたえ十分、必見の建造物です!

 

巡礼に来ていたジャイナ教徒のおじいちゃん

その他、郊外にはチットールガル城という、2013年に「ラージャスターンの丘陵城塞群」の一つとして世界遺産に登録された城塞も残っています。

 

次回は、このチットールガル城についてご紹介します。

ウダイプル③ かつての難攻不落の城・世界遺産チットールガルフォートへ!

 

Text :Hashimoto

 

 

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ウダイプル① 美しき湖と白亜の宮殿タージレイクパレス

ナマステ!!西遊インディアの橋本です。
今回は、ラージャスターン州の街・ウダイプルをご紹介します。

 

青く美しいピチョラー湖と周囲の乾いた山々、湖に浮かぶ豪華な宮殿。他のラージャスターン州の街とはちょっと異なる雰囲気のウダイプル。最後までムガル帝国に対して独立を守り通した誇り高き古都でもあります。

 

ウダイプルは市内の観光に加え、郊外にもかなり見ごたえのある城塞跡等あり、1泊2日でかなり楽しめます。
また、インド有数のホテルである「レイクパレス」があり、こちらのホテルでの宿泊を目的に訪れる方も少なくありません。

 

夕刻のレイクパレス (www.tajhotels.com/taj-lake-palace-udaipur/より)

 

ウダイプルは、ラージャスターン州の南側に位置しています。デリーから飛行機で約1時間30分のフライト、その後空港から車で約30分でウダイプル市内に到着します。街の中心にはピチョラー湖が広がり、その周辺には王宮・シティパレスや、寺院、ホテル等白い建物が並びその景観の美しさから「ホワイト・シティ」と称されています(雰囲気が似ていることから「東洋のヴェネチア」とも言われています)。

 

街の中心にあるピチョラ―湖は、16世紀に造られた人造湖です。ムガル帝国の攻撃を受けてチットールガルを追われたウダイ・シン2世が、現在のウダイプルの地に移住。ウダイ・シン2世の名から「ウダイプル」と名付け街を築き、水の確保のために川をせき止め湖を造りました。非常に高性能な水利システムがとられており、ピチョラ―湖の横にファテ・サーガル湖もつなげて築くことで、隣の湖と相互に水量を調節できるようになっています。

 

ピチョラ―湖遠景。湖の周りほとんどは山に囲まれおり落ち着いた雰囲気
シティ・パレス
ピチョラ―湖・湖畔に並ぶ建物は白色で統一されています

 

▮レイクパレスに宿泊
ウダイプルは、ピチョラ―湖に浮かぶ白亜の宮殿です。もともとは、1746年にマハーラーナの離宮として建てられました。その後1963年にウダイプル初の高級ホテルとして改装されました。1983年に公開された「007 オクトパシー」の舞台にもなった有名な宮殿ホテルです。

 

真っ白!なレイクパレス

レイクパレス行のボート乗り場は、湖畔のシティパレスの近くにありますが、ここからボートに乗ることができるのはホテル宿泊者のみ! 赤い絨毯が敷かれた発着所でボートを待つ間、特別感を味わえるとともに期待が高まります!

 

赤い絨毯の敷かれた船着き場

宿泊者専用のボートに乗っている間、ボートのスタッフがホテル周辺の説明をしてくれます。ホテルの船着場に到着すると、大きな日傘を持ったドアマンと真っ赤なサリーを着たホテルのスタッフが出迎えてくれます。ホテル入口では屋上から赤いバラの花びらが舞い降りてきました。

パレス内部は、さすがマハラジャの宮殿を改装したホテルだけあって、造りが大変豪華で、中庭も湖の上とは思えない程の美しさでした。

 

ホテルでは、ホテル主催のプログラムが用意されており、時間が合えば参加できます。夕方、湖を巡るサンセットクルーズなどおすすめです! ロイヤルファミリーが住んでいるというシティ・パレス、ジョグマンディル宮殿やその他宮殿ホテルを眺めながら優雅なひとときを過ごすことができます。

 

美しい中庭
Palace Room Lake View
Grand Royal Suite (www.tajhotels.com/taj-lake-palace-udaipur/より)
Luxury Room Lake View (www.tajhotels.com/taj-lake-palace-udaipur/より)

全てのサービスは文句なしで、お食事もインド料理だけでなく、コンチネンタル料理もお楽しみいただけます。今回宿泊したお部屋は窓からシティ・パレスを眺望できました。特に夜のライトアップされたシティ・パレスはとても美しかったです。

 

都市の喧騒を離れ、優雅にのんびりとマハラジャ気分を味わいたい方、レイクパレスでのご宿泊はいかがでしょうか。大変お勧めです。

 

パレスでの食事一例(www.tajhotels.com/taj-lake-palace-udaipur/より)

 

ウダイプル訪問は年中おすすめできますが、乾期の終わりごろ(4-5月頃)に訪れる場合、ピチョラ―湖の水が結構干上がってしまっていることがあるので、要事前確認です。また、5~9月末頃は、観光オフシーズンのため、通常料金よりかなりお安くご宿泊いただけます!!

 

 

 

ウダイプルその②に続きます。
②市内観光へ! 古都ウダイプルと奥地に佇む圧倒的存在感のジャイナ教寺院

 

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