シュラバナベルゴラのジャイナ教寺院

巨大なゴマテシュワラ像

ナマステ!西遊インディアです。
今回は、南インドの特別企画ツアーで訪れたジャイナ教寺院をご紹介します。
 
なじみのない方も多いと思いますが、ジャイナ教は仏教と同じ頃に生まれた、インド発祥の宗教のひとつです。

■ジャイナ教とは
インド発祥の宗教といえば仏教が思い浮かびますが、ジャイナ教も仏教と同時期頃に生まれたインド発祥の宗教です。紀元前6~5世紀に生まれ、開祖はマハーヴィーラ。仏教におけるブッダと同じ時代に生きた人だといわれています。
教えの特徴としては、徹底した苦行、禁欲、不殺生の実践を重んじることで知られます。5つの戒律(不殺生、虚偽の禁止、盗みの禁止、性的行為の禁止、不所有)をもち、不所有の考えをベースに商業で成功した商人たちの寄進によって、見事な寺院がたくさん建てられているのも特徴です。
とくに、生きものを傷つけない「アーヒンサー」という戒律は重要視されていて、宗派によっては空気中の小さな生物も殺さないように、マスクのような白い小さな布で口を覆う人もいます。
ジャイナ教では、今私たちが存在している宇宙的時間軸において、24人の救済者(ティールタンカラ)が出現したと考えられています。そのうちの最後の一人が、開祖であるマハーヴィーラだとされています。
 

『カルパ・スートラ』より「マハーヴィーラの誕生」(一部分)、14世紀第4四半世紀

Mahavira マハーヴィーラ(ヴァルダマーナ)座像(15世紀)

 
インド南部、カルナータカ州の州都バンガロールに次ぐ大きな都市であるマイソールから約80km。車で約2時間走ると、シュラバナベルゴラ(シュラバナベラゴラ)Shravanabelagola の町に到着します。シュラバナベルゴラは大きな町ではありませんが、ジャイナ教の人々にとっては南インドにおける最大の聖地。町にはヴィンディヤギリ Vindhyagiri 、チャンドラギリ Chandragiri の2つの大きな岩山があります。
 

ヴィンディヤギリから望むチャンドラギリの丘

高い方のヴィンディヤギリの丘(約143m)の頂上には寺院があり、約18mの巨大なゴマテシュワラ像が立ちます。
 

Photo by Hasenläufer (original:Matthew Logelin) – This photo shows the lord bahubali statue from a different view.(2017) / CC BY 3.0

この頂上寺院では12年に一度、マスタカービシェーカ Mahamastakabhisheka というお祭が行われ、信者たちが像の上から神聖なギーやミルクを注ぐことで知られます(次回は2030年に開催予定)。
 

12年に1度、牛乳や香辛料などがゴマテーシュワラ像にかけられる様子
Photo by Matthew Logelin – Offerings poured over the Jain Lord Bahubali, the world’s largest monolithic statue.(2006) / CC BY 2.0

 

伝説によると、寺院の創建は紀元前3世紀までさかのぼります。当時この地域を治めていたのはマウリヤ朝のチャンドラグプタ王。その王が師と崇める、ジャイナ教の第6代教団長・聖典伝承者のバグワン・バドラワーフ Bhagwan Bhadrabahu とともに、この地にやってきたのがはじまりといわれています。

 

寺院へとつづく脇道を進むと、岩のふもとの周囲に小さな寺院がいくつかあり、門前町のようになっています。寺院入口には土産物売りの人に加え、寺院は靴を脱いで登るので靴下売りの人もいました。頂上にある寺院へ参拝するには、ここで靴を預けて裸足になり、645段の階段をひたすら登ります。

寺院の入口につづく脇道
裸足でひたすら登ります。けっこう傾斜があります!日影がないので暑い日は水分補給をお忘れなく。12月頭でも汗だくになりました

階段を登っていると、途中からデカン高原のパノラマが広がります。頂上からも見晴らしが良いため、地元の人の中ではバンガロールからの週末のお出かけスポットとしても人気があるそうです。私たちが訪れた日も土曜日で、学生の友達グループでにぎわっていました。

岩山の頂上は広場のようになっていて見晴らしもいいです。

頂上からの見晴らし。シュラバナベルゴラの町とデカン高原の緑が広がります

ここでゴール…かと思いきや、巨像がある本殿は、ここからさらに右奥につづく階段をのぼった先。もうひと踏ん張りして、本殿に到着しました。

さらに奥へと階段がつづきます

本殿の外観

本殿についたら、中を右繞(うにょう:時計回りで寺院内を参拝すること)しました。
中を進むと中庭のような広場があり、そこに「バーフバリ」ともよばれる巨大なゴマテシュワラ像が立っています。

巨大なゴマテシュワラ像

この像は、なんとひとつの大きな花崗岩からつくられているのだとか!10世紀に西ガンガ朝の大臣であったチャームンダラーヤの命を受けて建てられたことが、古いカンナダ語の碑文からわかっています。

 

寺院の入口に彫刻(上)と、内部に古い碑文(下)がありました

寺院内部に祀られているゴンマテーシュワラ像

巨像が作られた「バーフバリ」は、一番初めの救済者(ティールタンカラ)である「リシャパ」の子供と伝えられていて、本来の名前は「ゴンマテーシュワラ」といいます。ゴンマテーシュワラは兄弟間の闘いに勝利した経緯から、その異名としてバーフバリ(バーフ:前腕、バリ(バリン):力が強い=強い腕をもつもの)とも呼ばれます。
 
ゴンマテーシュワラが一年間ヨガの修行で微動だにしなかったことで、体に蔦が巻き付いて足元には蟻塚までできたという伝説があり、バーフバリの巨像はその姿を表現しています。
なぜ裸体の姿かというと、ジャイナ教の教えで物を所有することを拒む「無所有」が美徳とされる面があるため、衣類は身に着けず裸で瞑想を続けている様を表しています。

現在、ジャイナ教徒はインドの人口の約0.4%ほどしかいませんが、白衣派・裸で修行をする派閥とも多くの分派が派生しており、白衣派の人々はグジャラートやラジャスタンなどインドの西側、裸の派閥は南インドを中心に現代もつづいています。
 
シュラバナベルゴラは、インドでも有数の数多く石碑が集まる場所。ジャイナ教が始まって以来2500年以上の間、文化・芸術・建築などジャイナ教の人々に親しまれ、今なおその歴史がつづいています。
 

 

寺院内の柱や門に彫られた装飾もおもしろいです

 
■ひとくちメモ
ジャイナ教寺院の場合、5色の旗が掲げられています(ヒンドゥー教寺院の場合は三角の旗です)

 
Text & Photo: Kondo

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栄華を誇った古都 マイソール 

インドと一言で言っても、北と南では文化が全く異なります。

本日はカルナータカ州にあるマイソール宮殿をご紹介します。

 

 

■マイソールとは・・・

マイソールはカルナータカ州2番目の規模をもつ都市です。14世紀から20世紀にかけてこの地方にて繁栄したマイソール王国の首都でした。1956年に州として成立するまでは、インド一の裕福なマハラジャのいる州として、栄華を誇りました。

 

■豪華賢覧 マイソール宮殿

藩王時代の宮殿で、インド一の大きさ、豪華さで知られています。元は木造でしたが、1897年の火事にて全焼、その後15年かけて再建され1912年に完成しました。著名なイギリス人建築家・ヘンリーアーウィンによって設計され、インド・サラセン様式の代表的な建築物として、現在は博物館として公開されています。

 

入り口のセキュリティもしっかり。

入ったら靴を預けましょう。

 

セキュリティ通過後、ぐるっと90度回ると東側の入り口に到着。

ここが、宮殿を正面に見ることが出来るスポットです。

パレス内部には、イタリアからのタイル、イギリスからのステンドグラス、など各国からの輸入品で豪華に装飾されており、なかでもローズウッドのドアに象嵌が施されたドアは、一見の価値有です。

 

※豪華な天井ですが、鳩対策のネットがしてあります。

 

内部にはヒンドゥー教の寺院もあります。

 

約600年続いたマイソール王国は、その多くをウォディヤール家が治めていますが、中でも、王国を大いに繁栄させ、最後までイギリスとの抗戦を貫いた、ハイダル・アリーとその息子ティプー・スルタンが有名です。ハイダル・アリーは軍を西洋式にするなどの近代化、行政機構の中央集権化、マイソール王国の領土の拡大等を進めました。ティプー・スルタンも彼の父同様「マイソールの虎」といわれるほど非常に優秀で、土地制度や司法制度、幣制の改革を行い、マイソール王国の国力の向上を目指しました。親子は徹底的にイギリスに対し戦いましたが、結局は敗れてしまい、マイソールはイギリスに制圧されてしまいます。

 

近代になり、マイソールはカルナータカ州のなかの一都市となりますが、ハイダル・アリー等優秀な藩王が多かったため行政機構等整っており、その後の工業化は順調に進みました。現在ではバンガロールとマイソールの2都市を中心として、南インド最大の工業地帯を形成しています。

 

 

マイソール市内はパレスの他にも、公共機関の建物等はインド・サラセン様式のものが多く、また街自体も非常に整備され綺麗です。酷暑期でも、標高が700m程あるので少し快適に過ごせます。

無料の音声ガイドは日本語にも対応していますので、入り口でレンタルしてゆっくりと見学するのもお勧めです。

毎週日曜の夜にはライトアップも行われていますので、マイソールで1泊して是非訪れてみてください。

 

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南インドの世界遺産 大チョーラ朝寺院群

ワッナカム!!西遊インディアです。

 

北インドのグプタ朝が弱体化し、ラージプート族が小国を乱立させ勢力を拡大させている頃、9~13世紀にかけて南インドを支配したのがチョーラ朝です。(紀元前3世紀から紀元後3世紀にかけてを前期チョーラ朝、一時滅亡後、9世紀から13世紀にかけて復活した時期を後期チョーラ朝と呼んでいます)

国家規模にふさわしい大寺院建築を発展させ、南インドにおけるチョーラ朝の覇権を示す一大国家事業として多くの寺院が建立されました。

中でも、11、12世紀に建立された、タンジャブールにあるブリハディーシュワラ寺院は1987年に、ダーラースラムにあるアイラーヴァテーシュワラ寺院とガンガイコンダチョーラプラムにあるブリハディーシュワラ寺院は2004年に世界遺産に登録され、この3つの寺院を「大チョーラ朝寺院群」と呼びます。

 

 

■ブリハディーシュワラ寺院(タンジャブール)

ベンガル湾に注ぐカーヴェリ川下流域にできた新首都タンジャブールの南西部に、ラージャラージャ1世によって1010年に創建されました。当時は王の名をとって、ラージャラージェーシュワラ寺院とよばれていたそうです。

シヴァ神を祀るチョーラ期の最高傑作と言われる寺院で、巨大なナンディ像の向かいには高さ63mの南インド最大の本堂があり、周囲はレリーフで埋め尽くされています。

 

境内を囲む回廊にはシヴァ神の象徴であるリンガが立ち並んでいます。

 

 

■アイラーヴァテーシュワラ寺院(ダーラースラム)

12世紀にラージャラージャ2世の命により創建された寺院でシヴァ神を祀っています。山車に見立てられた寺院は他の2つに比べると小ぶりではありますが、本堂の基壇にはインドラ神の乗り物の白い象や車輪のレリーフがあり、本堂の柱には精緻なレリーフが施されています。

 

 

■ブリハディーシュワラ寺院(ガンガイコンダチョーラプラム)

のブリハディーシュワラ寺院を建立したラージャラージャ1世の息子ラージェンドラ1世の命により創建された寺院です。ラージェンドラ1世の名をとってラージェンドラ・チョーリーシュワラ寺院とも呼ばれています。

タンジャブールの寺院と同じ名前になったのには、ラージェンドラ1世の父ラージャラージャ1世に対する対抗心から名づけられたという説やタンジャブールの寺院の建築様式を受け継いで建設された為等、様々な説があるようです。

 

他にも、南インドの寺院は特徴的なゴープラム(塔門)が多く、色々と見学するのも楽しい場所です。

食も文化も北部とは全然違う南インド。今後も魅力をご紹介していきたいと思います。

 

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インドの山岳鉄道の旅!南インドニルギリ鉄道

ナマステ! 西遊インディアです。
インドの鉄道というと、ダージリンのトイトレインが有名かもしれませんが
これは「インドの山岳鉄道群」として国内3か所の鉄道が登録されている複合世界遺産です。
残る2つは南インドにあるニルギリ鉄道、インド北部へと続くカルカ・シムラ鉄道です。

今日はそのうちの一つ南インドのニルギリ鉄道のご紹介です。

 

インド最古の山岳鉄道のひとつで、2005年にダージリン・ヒマラヤ鉄道とともに、世界遺産「インドの山岳鉄道群」に指定されています。
1845年に計画が持ち上がり最終的にはイギリスの手で敷設が行われ、1899年6月にマドラス鉄道会社の経営で一般向けのものとなったこの鉄道は麓のメットゥパラヤムとウダカマンダラム(ウーティ)を結んでおり、山岳部の駅は標高 2,203mにもなります。ウーティは「青い山」を意味するというニルギリ山地の一部は高原状になっていて、イギリス統治時代の19世紀半ばに避暑地として拓かれました。

ニルギリ鉄道の蒸気機関は正面が客車に連結されています。写真はクーヌ-ル駅着後、蒸気機関のみスイッチバックして車庫に入るときに撮影したものです。

 

朝、クーヌール駅で地元の方に混ざって、入線を待ちます。

 

ダージリン鉄道は、町中すれすれを走るのが魅力ですが、ニルギリ鉄道は何といっても茶畑を眺めながらの走行が魅力!!
景色がきれいなのはウーティからクーヌールの間、茶畑も広がりのどかな風景が広がります。

 

列車の最高時速は13㎞。

時折給水のために停車し、スイッチバックを繰り返しながら、高低差1,386mのニルギリの山を2時間50分かけて登ります。運行開始から100年以上変わらない、ゆったりとした列車の旅をお楽しみください。

そのまま乗車していくと列車は麓の町メットゥパラヤムに到着。下るにつれて茶畑は耕地まじりに変わっていきます。また窓を開けて走る列車、途中数々のトンネルも通りますので、乗車する際はスカーフなどあったほうがよいでしょう。

鉄道好きな方はもちろん、地元の人とも交流ができるプチ鉄道の旅です。

 

クーヌールでは、ホテルのお庭でティータイムや、紅茶工場の見学が可能です。

茶葉に癖がなく、すっきりとした味わいの為、フレイバーティーとして流通することの多いニルギリティー。あっさりとした紅茶がお好きな方にはおすすめです。是非、味わってみてください。

 

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ケーララ州の魅力③ テッカディとペリヤール国立公園<3>

ナマステ! 西遊インディアです。

 

今回は、ペリヤール国立公園にて体験した4つ目のアクティビティ、バンブーラフティング+ショートハイキングについてご紹介いたします。

前回:ペリヤール国立公園でのアクティビティ紹介 ボーダーハイキング

 

▮バンブーラフティング+ショートハイキング

湖への往復ハイキングと、竹製のいかだでの湖の遊覧が含まれる、約5時間のプログラムです。朝7時半と、9時半からの2枠の設定で、定員はそれぞれ10名。ツアー中は、2名のフォレストガイドが同行します。同じ内容でハイキングを長めに楽しむ朝8時から17時までの終日プログラムもあります。

 

 

今回は7時半からの回に参加しました。
7時15分、集合場所へ。

ボーダーハイキングの時同様、ハイキングセット(朝食と水)が配られますので、そちらを受け取り出発。

開始早々、整備された道の横で、世界一小さい鹿 ・マメジカ(mouse deer) と遭遇しました。夜行性なので、日中はほとんど見られることがないと言われているマメジカですが、フォレストガイドが確認すると足に傷を負ってしまっていたようです。

 

マメジカ(mouse deer)

人通りの少ない場所にガイドが移動してあげていました。

 

さらに進んでいくと今度は野生の象が!!
2頭の子どものゾウも一緒です。

 

アジアゾウ(Asian Elephant)
子どもたちも一緒でした。お母さんにぴったりくっついて可愛いですね

象までの距離をしっかり保ちつつ、しばらくその場所で象の観察をしていました。親子象は森の奥に入って行ってしまったので、私たちも観察を終了し先へ進みます。

道中は、インドアカガシラサギ(Indian pond heron)やインドオオリス (Indian giant squirrel)などに出会いました。

 

インドアカガシラサギ(Indian pond heron)

インドアカガシラサギはイランからインド、ネパール、タイ、ミャンマーなどにかけて分布しています。

 

インドオオリス (Indian giant squirrel)
クロカッコウハヤブサ(Black baza)

クロカッコウハヤブサは、インド、中国、東南アジア等広いエリアで生息する小型の猛禽類です。多くは渡り鳥で、インド南部とスリランカで越冬しています。

 

シロエリコウ(Woolly-necked stork)

コウノトリの仲間のシロエリコウ。インドでは広く全国的に分布しています。名前の通りの白い首と赤色を帯びた体が特徴です。

 

ショートハイキングを終え、9時半ごろ、湖に到着しました。次はバンブーラフティングです。休憩所にて出発を待つ間、もらった朝食のお弁当をいただきました。

 

係員が出発の準備をしている様子。
このいかだに乗ります。

 

一瞬、大丈夫かな…と思ってしまう作り…

ラフティング中、荷物はまとめて休憩所に保管します。
ライフジャケットを装着し、いざ出発です!

 

いかだ乗り場へ
乗り込み中…

初のいかだ体験。おしりのすぐ下が水なので緊張しましたが、乗ってみると意外と安定感があり、心配もなくなりました。

またラフティングといっても自身で漕ぐものではなく、スタッフが2名同乗し漕いでくれますので、何もせずとも湖上からの眺めを楽しめます。

 

出発! いかだは、ゆっくりゆっくり進みます
スタッフが頑張って漕いでくれます

バンブーラフティングはゆったりと1時間ほど。いかだからは、ガウル(Gaur)や、カワセミ(Kingfisher)など様々な野鳥を観察できました。

 

カワセミ(Kingfisher) 水色がとても鮮やかで美しいです

シンプルな竹のいかだなので、水や風を間近に感じることができ、大きな船とは違った良さがありました。

その後、荷物を受け取り別のルートにて公園の出口へ。少々早めの12時頃に到着し、解散しました。

 

 

今回は半日のプログラムに参加しましたが、ハイキングとラフティングの時間配分がちょうどよく、飽きない様になっており、バランスの良いプログラムだと思いました。またラッキーなことに野生動物にも遭遇でき、個人的にもとても楽しい体験ができました!

歩くだけではなく野生動物、野鳥観察もしたい!という方には、こちらのプログラムは大変おすすめです。

(ツアーはお昼頃に終了するので、ツアー後街やホテルに戻ってからゆっくり食事が取れるのもよいと思いました)。

 

最後に、バンブーラフティング+ハイキングでのおすすめの持ち物をご紹介します。

 

1.日焼け止めグッズ
2.ウェットティッシュ (朝食の際など)
3.長ズボン (草木や日差しから守るため) ※上も長袖の方がベターですが、暑いので半そで+薄手の羽織などでもOK
4.タオル (バンブーラフティングで濡れることがあります)
5.ハイキング用の靴(防水だとなお良) ※ハイキングは2時間ほどなので、そこまでしっかりしたものでなくてもよいかと思います。

 

 

以上、数回に渡り、ペリヤール国立公園の4つのプログラムをご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。

個人的にはジャングルナイトパトロールとバンブーラフティング+ハイキング(半日)が大変楽しく、おすすめです。

 

滞在の期間に合わせて、プランを組めますので、大自然に触れたい方、野鳥が好きな方、お問い合わせお待ちしております!

 

 

 

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ケーララ州の魅力③ テッカディとペリヤール国立公園<2>

ナマステ! 西遊インディアです。
ペリヤール国立公園でのアクティビティについて、今回はボーダーハイキングをご紹介します。

 

前回: テッカディとペリヤール国立公園<1> ボートライディングとジャングルナイトパトロール

 

 

▮ボーダーハイキング

タルミナードゥ州とケーララ州の州境を目指す全長15~18kmのハイキング。朝8時から17時までの終日プログラムです。

1回の枠の定員は6名。2名のフォレストガイドが同行します。

7時40分ごろに集合場所へ。リュックにはいったハイキングセットを受け取りました!

 

泥除けも入っていました。足元は、ハイキングシューズもしくはトレッキングシューズがおすすめです

リュックの中にはバナナやアールーパラタなどの朝食や昼食、水、足のカバーなどが入っていました(お水は500mlだけなので、別途ご自身でも持って行った方がよいです)。

ペリヤール国立公園入口の看板を通り、ボーダーハイキングスタートです!

 

ここからトレッキングスタート!

朝日を浴びながら、森の奥へ進んでいきます。道のりは様々で、木々が生い茂る険しい道や、見晴らしのよい開けた道もありました。

 

ガイドさんの後をついて行きます。ペースはこちらに合わせてくれます
森のなかをどんどん進みます…

途中、象の足跡やフンが見つかりました!
順路を変更し探してみるも、姿は確認できず。
ちょっと遅かったようです…。

 

天気も良く気持ちよく歩けました!
小川にかかる木の橋を渡ります
朝食タイム

時間を見つつ、朝食。丁度良い岩場に座って休憩です。

ハイキング再開後、少しするとニルギリラングールやシロハラオナガに遭遇しました。

 

ニルギリラングール(Nilgiri Langur)
特徴的な長い尻尾は0.7~1mです

ニルギリラングールは、インド南西部の標高2500mまでの湿潤落葉林などに生息しています。昼行性で、主に葉を食べますが、他には果実や種子、花、昆虫、土などを食べることもあるそうです。
絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

 

シロハラオナガ(White-bellied treepie)

シロハラオナガは、南インド、特に西ガーツ山脈周辺のみで観察される固有種です。仲間のチャイロオナガ (Rufous-treepie)と分布は重なっておりますが、シロハラオナガは頭と首の後ろ、お腹部分が白く、遠目でも見分けることができます。

 

目的地のタルミナードゥ州とケーララ州の州境に到着!!
体感としては意外と早かったです。

 

州境です

その後は山の頂上を目指します。

 

森を抜け開けた場所を歩きます

山頂に到着。少し靄がかかっていてクリアには見えませんでしたが、想像以上の高さで驚きました!

 

頂上からの眺め

パトロールの小屋に移動し、昼食です。

 

用意してくれたお弁当をいただきました。メニューは、ダール(豆)カレーと、プラーオ(ピラフのようなもの)でした。

昼食の後、少し休憩をとり、もと来た道を戻ります。

 

帰りはゆっくり、景色を眺めながら

今回のツアーも他にお客さんがおらす、西遊チームだけだったということもあり、予定時間よりも大分早めの15時に戻ってきました(本当は17時頃の予定)。

ハイキングセットを返却し、トレッキング終了です。

 

今回は残念ながら象などお目当ての動物は会えませんでしたが、他の国立公園のサファリではジープで通るような景色を徒歩で回れたこと、そしてジープでは入れないような細い道も散策できたことは非常に楽しい体験となりました!

 

ボーダーハイキングは15kmもの長距離ハイキングなので、結構しんどいのですが、歩くのが好きな方であれば大丈夫だと思います(私は普段から運動はほとんどしないですが、意外とついていけました)。

大自然にどっぷりと漬かりたい方、お勧めのプログラムです!

 

 

最後に、ボーダーハイキングでのおすすめの持ち物をご紹介します。

 

1.ミネラルウォーター (支給される500mlのみでは足りず、私は1L追加でもっていきました)
2.日焼け止めグッズ (1日中外にいますので、日焼け止めや帽子は必須です)
3.ウェットティッシュ (食事の際などのお手拭きとして。小屋で食事の場合は水場がありました)
4.長ズボン (草木や日差しから守るため) ※上も長袖の方がベターですが、暑いので半そで+薄手の羽織などでもOK。
5.ハイキング用の靴 (道は整っていないところがほとんどですので、靴底がしっかりしたハイキングシューズがあるとよいです。防水だとなお良いです。)

 

 

次回は、4つ目のアクティビティ・バンブーラフティング+ハイキング(半日)をご紹介します。

 

 

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ケーララ州の魅力③ テッカディとペリヤール国立公園<1>

ナマステ! 西遊インディアです。
ケーララ州の魅力をご紹介!第3弾は「テッカディ(Thekkady)」です。

 

<過去のケーララ州の記事はこちら>
南国ケーララでハウスボートクルージング
ケーララ州の魅力② タッテカッド鳥類保護区 

 

テッカディはコーチン空港から約150km、車で約5時間の位置にあります。先日ご案内したタッテカッドからは約100km、車で約3時間です。

 

ペリヤール国立公園でのボートサファリ

テッカディでの一番の目的はペリヤール国立公園の訪問です。こちらは、世界で最も生物の多様性に富むスポットとして世界自然遺産に認定された「西ガーツ山脈」にある国立公園のひとつです。

 

西ガーツ山脈
インド亜大陸の西海岸沿いに、マハラシュトラ州、ゴア州、カルナータカ州、ケララ州、タミル・ナードゥ州までまたがる縦に長い山脈。その広さは120,000㎢、距離は 約1,600kmにも及びます。ヒマラヤ山脈よりも古い山脈で、インド全域の気候に大きな影響を与えており、多くの川の水源となっています。2012年に、世界で最も多様な生物が見られる8つの「ホットスポット」の一つとして、UNESCOの世界自然遺産に登録されました。

 

西ガーツ山脈特有の生物との出会いを求めて、そしてインドではレアな「ウォーキングサファリ」を体験してきましたので、ご紹介いたします!

 

■ペリヤール国立公園

ケーララ州イドゥッキおよびパタナムティッタ地区に、ペリヤール野生動物保護区があります。その規模は925㎢。1982年にその内の305㎢がペリヤール国立公園として定められました。保護区では35種の哺乳類が観測されており、絶滅危惧種も多く含まれます。観測される哺乳類は、象、ガウル、サンバー、ナマケグマ、ニルギリタール、ニルギリラングール、ベンガルタイガーなど。

 

ペリヤール国立公園では様々なプログラムがありますが、今回は下記4つを体験してきました。

 

ボートライディング: ペリヤール湖の混載クルーズ。 大きなボートで1時間ほど湖を遊覧します。

ジャングルナイトパトロール:夜間の係員の園内パトロールに同行させてもらい、夜のジャングルを約3時間歩きます。

3.ボーダーハイキング:タルミナドゥ州とケララ州の国境を目指す全長15~18kmのハイキング。朝8時から17時までの終日プログラムです。

バンブーラフティング+ハイキング:(竹のいかだで)湖の遊覧と湖への往復ハイキングが含まれる、約5時間のプログラムです。

 

 

まず、ボートライディングについてご案内いたします。

 

 

▮ボートライディング

ペリヤール湖発着のボート遊覧。1艘の定員は70名ほどで、1日5回運航しております。所要時間は1時間半ほどです。

今回は15時半の回に乗ります。ボートライディングの発着地であるペリヤール湖まで、バスを利用し向かいます。

 

バス発着所
バスに乗り込んで出発!

バスに乗って10分ほどで到着。
下車後、徒歩にて乗船場所まで向かいます。

 

ボート乗り場
インドでよく見るタイプの旅客船です

ボートは1階と2階に分かれており、70人ほど乗れる大きなものでした。見晴らしがよさそうな2階へ。席は全て自由席です。早めに乗り込んで窓際の席を確保しましょう。

出発を待っていると、係員よりライフジャケットが配られました。着用し、出発を待ちます。

 

船内の様子。結構ぎゅうぎゅうでした

船内はこのように満席でした! 出航後は自由に動けないので、写真撮影目的の方は窓側確保がマストです。

 

いよいよ出発です。
ペリヤール湖は、1895年にムラペリヤルダムが建設された際に形成された貯水池。その広さ26 ㎢。ボートからは広大な景色を楽しめます。

 

出航間もなくの景色

ゆっくりと湖を進んでいきます。

この湖は野生動物の水浴び、水飲み場となっているため、ボートから動物を観察できるチャンスは高いです。

 

出発早々、象の水浴びの様子が見えました!

 

その他、ガウルやシカも集まっていました。 ガウルのお尻。正面は撮れませんでした…。

鳥は、カワウ、ヘビウ、そしてアオサギやミサゴ、コウハシショウビンが観察できました。

 

カワウ (Great cormorant)
ヘビウ(Darters)

ボートライディングではケララの穏やかな風を感じながら、ゆっくりと景色を楽しむことができました。約1時間の遊覧でしたが、意外とあっという間でした。今回は15:30発のボートに乗りましたが、朝一の07:30発で少し冷たいフレッシュな空気の中の遊覧も良さそうです (その時間帯は霧がでることが多く、幻想的な景色を御覧いただけるかも)。

 

またボートは岸に近づくこともあるのですが、だいたいは岸から十分に距離を保って進んでいくので、野生動物が出てきていても、よく見えないのが少し残念なところ。しっかり観察したい場合は、双眼鏡の持参が望ましいです。

なおペリヤール国立公園では、現在ジープサファリは行われておらず、基本的にウォーキングサファリのみとなります。旅に変化をつけるという意味でも、ボートライディングはお勧めのプログラムです!

 

続きまして、ジャングルナイトパトロールについてご案内します。

 

 

▮ジャングルナイトパトロール

国立公園の夜間のパトロールに同行することができるプログラムです。1日3回 2つのルートで開催されています。安全性を考慮し、定員は2~6名の少人数制です。武装したレンジャー1名とフォレストガイド2名と一緒に回ります。1回のパトロールは約3時間、道のりは約6kmです。

今回は22時スタートの回に参加しました。

 

開始30分前ごろにJungle Night Patrol集合場所へ向かいます。

 

集合場所

集合場所にて、係員よりパトロールについて説明を受け、書類へのサインなど手続きを行いつつ、出発時間まで待ちます。参加者には靴に被せるカバーと懐中電灯の貸し出しがありました。今回は他に参加者はおらず、私たち(3名)と森林局側からのガイドとレンジャーの計6名での出発となりました。

 

いよいよ出発。集合場所(スタート地点)から出発してしばらくは、周辺に少し街灯もあるのですが、公園のゲートの中に入り、森の中に進んでいくにつれ、町からの光も届かなくなり、暗さが増していきます。

 

移動は基本縦1列で、安全のため、前と後ろでスタッフが挟んでくれますが、野生の動物がいるので油断はできません。

緊張感が漂う中、奥へ奥へと進んでいきます。

 

まさに「漆黒の闇」のなかを歩いていきます。この写真には特に何も写っていませんが、雰囲気伝わりますでしょうか…?

パトロール中は、参加者が懐中電灯を照らせるのは足元のみ。また会話も極力NGです。写真を撮る場合も、フラッシュはダメ (そのためナイトサファリ中の写真がほとんどありません…)。

夜中の森に慣れていないので、草木に躓かないよう黙々と歩くことに専念していると、ガイドが動物を発見し、教えてくれます。途中、サンバーと遭遇しましたが、ライトを向けると明りに敏感のため逃げて行ってしまいました。

 

さらに歩いていると、頭上でガサガサという音が。大きいコウモリか鳥かと思ったら、モモンガの一種、インディアン ジャイアント モモンガ(Indian giant flying squirrel)でした。木から木へと移動した瞬間だったようです。

 

インディアン ジャイアント モモンガ(Indian giant flying squirrel) のおしり

公園内には一定区間に簡易的な駐在所が設置されており、森林局のスタッフが交代で森の警備しています。パトロール中のスタッフは駐在所に立ち寄り、ルート内での状況を共有するのですが、休憩所としても大事な役割を果たしています。

 

駐在所での一コマ。夜間は冷えるので、焚火をして暖をとっていました

 

予定より少し早めの深夜12時半、無事パトロールが終了しました。

ジャングルナイトパトロールは個人的に一番楽しみにしていたプログラムだったのですが、想像以上に森は深く、暗く、計り知れない「野生の森」を肌で感じることができ、非常に貴重な体験となりました。

 

今回は動物の遭遇自体は少なかったものの、(そして歩きにくいため、地面ばかり見ていましたが、それでも) 満足度が高く、サファリ好きの方には是非体験していただきたいプログラムです!

 

 

 

ペリヤール②へと続きます!

 

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ケーララ州の魅力② タッテカッド鳥類保護区 

ナマステ!
西遊インディアです。

ケーララ州の魅力を続々ご紹介! 第2弾は「タッテカッド(Thattekkad)」です。
タッテカッドはコーチン空港から約50km、車で約2時間ほど。
このエリアは生息地の多様性と特有の地形のおかげで、さまざまな動植物が生息しており、特に鳥類に関しては西ガートの固有種が多く見られる場所です!

 

実際に2020年2月にタッテカッドへバードウォッチングに行きましたので、その様子をご案内いたします。

 

タッテカッド鳥類保護区
西ガーツ山脈の麓、ペリヤール川の北に位置している。面積は25㎢。1983年、ケララで最初の鳥類保護区とされた。最も有名な鳥類学者の一人であるサリム・アリは同年、このエリアを調査し、インド半島で最も豊かな鳥の生息地と説明した。保護区では34種の哺乳類、270種の鳥が確認されている。このエリアのベストシーズンは10月から3月です。

 

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サリームアリバードトレイル 入り口
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ガイドとともに出発!

平坦な道のりで道も整備されており、問題はないのですが、枝が出ているところもあるので、よく気を付け進んでいきます。

 

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インドオオリス

入って少しすると、インドオオリス (Indian giant squirrel) に出会いました!
とても大きく、頭から尻尾の先までで1メートルほど。尻尾が重そうに見えましたが、流石リスですね。機敏に木を登っていました。

 

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パラダイスフライキャッチャー

こちらは、パラダイスフライキャッチャー (Paradise flycatcher) のオス。
尾羽が長いのがオスの特徴です。

 

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セイロンガマグチヨタカ

セイロンガマグチヨタカ(Sri Lanka frogmouth)は固有種ではないですが、生息地は西ガーツとスリランカだけ。なお夜行性のため、日中見つけるのは難しいのですが、ガイドのShyamさんは素早く見つけてくれました!
英語でFrogmouthというように、カエルみたいな顔をしています。もっと近くで見たかったのですが、叶わず…またリベンジしたいです!

写真は取れませんでしたが、約1時間の散策中、西ガーツで一番大きいキツツキ(White-bellied woodpecker)、パラダイスフライキャッチャー (Paradise flycatcher) メス、カワセミ(Kingfisher)も観察できました。

 

翌日の早朝、車にてウルランタニ(Urulanthanni )へ。
こちらは保護区ではないのですが、固有種が多くみられる特別なエリアでとのことです。7時に到着し、散策を開始しました。

 

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この開けたエリアに、40分ほどの滞在しましたが、たくさんの鳥を観察しました。固有種としてはミドリワカケインコ (Malabar parakeet)、マラバルバーベット (Malabar Barbet)、ヒノドヒヨドリ (Flame-throated bulbul) に出会えました。

 

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ミドリワカケインコ (Malabar parakeet)
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マラバルバーベット (Malabar Barbet)
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ヒノドヒヨドリ (Flame-throated bulbul)
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ヒイロサンショウクイ (Orange minivet) メス
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ヒイロサンショウクイ (Orange minivet) オス

この他、キゴシタイヨウチョウ (Crimson sunbird)、クロオウチュウ(Drongo)なども観察しました。

タッテカッド鳥類保護区のサリームアリバードトレイルもウルランタニも、滞在時間は短かったのですが、それでもいろいろな種類の鳥を観察することができました。固有種も多く確認でき、バードウォッチャーなら心も躍るエリア間違いなしです。

なお、両エリアともに、木が高いため、鳥を観測できる位置も高く、カメラは超望遠レンズが必須です。

 

コーチンからタッテカッドは約2時間で移動できるので、デリーから1泊2日でのバードウォッチングツアーも可能です。
是非お気軽にご相談ください。

先日紹介した、アレッピーのハウスボートツアーとの組み合わせも可能です!

 

 

 

Text : Saiyu India

カテゴリ:■インド南部 , インドで野鳥観察 , ケーララ州 , タッテカッド
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南国ケーララでハウスボートクルージング②

ナマステ! 西遊インディアです。
本記事ではケーララ州の水郷地帯で楽しむハウスボートクルーズの2日目の様子をご紹介いたします。

(前回の記事はこちら

 

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2日目の早朝。日の出過ぎに、ハウスボートは動き出します。

こちらは寝室から見えた地元の漁師の方。小さな船に立ちながらバランスよく作業する様はまさに職人技でした。

 

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早朝小舟をだす村の人
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眩しく輝く朝日

朝食は南インドの定番朝ごはん、イドゥリー(豆と米の粉などから作った蒸しパン)とサンバル(スパイスたっぷりの南インド風スープカレー)。そして搾りたてのパイナップルジュースとたくさんのカットフルーツでした。

 

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朝食
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南インドの朝食の定番・イドゥリ―

このクルーズはハウスボートでの宿泊がひとつのポイントですが、「バックウォーターの景色」も大きな見どころであり魅力です。

ケーララ州には、総延長1,500kmの運河が広がっております。

このバックウォーターエリアは米作地帯のため、運河の左右には奥まで広がる青々とした稲穂の育つ水田を見ることができます。水田だけだと見慣れた景色ですが、その回りにバナナやヤシの木が生えており、ケーララらしい景色となっています。
また、運河沿いに暮らす人々の暮らしが見られるのも楽しいものです。運河の水で炊事洗濯をするお母さん、水浴びする子どもたち。まさに生活とぴったり密着しています。また、張り巡らされた水路は現在でも地元の人に利用されており、ボートに乗って登校、出勤します。登校用のボートを船乗り場で待つ子ども達をたくさん見かけました。

 

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ヤシの木の奥には水田が広がっています
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洗濯をするお母さん
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登校用のボートを待つ子どもたち
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水浴びする子どもたち。気持ちよさそうです。 羨ましい!

ケーララのハウスボートクルーズは外国人観光客のみならず、今やインド人国内観光客の方にも大人気です。クルーズ中、インド人観光客の方が乗ったボートとたくさんすれ違いました。船着き場では、デリーから来たというファミリーと出会いましたが、内陸のデリーでずっと生活してきた人にとっては、川・海・空が青く、美しい緑がいっぱいに広がるケーララは、まさに南国の楽園そのものなのだと思います。本当に皆さん楽しそうでした。

 

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手を振ってこたえてくれる国内観光客のみなさん

ボートから見ることのできる全てのものを楽しみながら、アレッピーの船着き場まで戻ります。クルーズ終盤は、河口へと近づき、景色も大きく変わります。

 

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河口部分に到着

9時頃、ハウスボートは船着き場に到着。名残惜しすぎて船着き場についてもボートを降りたくない…最後にはそんな気持ちになっていました。南国的な景色に、温暖な気候。お食事も素晴らしく、心も体も癒された1泊2日でした。

 

ハウスボートはまさに動くホテルで、基本的には大変快適に過ごせます。船内は清潔、設備も問題なく、スタッフもフレンドリーでみなさん温かく迎えてくれました。
ただ、よく皆様にご質問いただいている点でもありますが、Wifi設備はボートにはございません。また、インドの携帯SIM(Airtel)を利用していても、クルーズ中は一時的に電波が無くなり、接続ができなくなることがありました。その点だけ注意が必要です。

 

最後に、クルーズを快適に、そして120%満喫するためのお勧めの持ち物をご紹介します。

 

  1. 虫よけグッズ
    ダイニングスペースはオープンエアです。寝室などもハウスボートの造り上、完璧にドアを閉めることはできないので、隙間から入ってきてしまいます。肌に塗るタイプの虫よけスプレーなどお持ちになることをお勧めします。ハウスボートでも対策はしてくれているのですが、結構刺されました。※ケララでは年中蚊がいます。
  2.  洗面用具
    ハウスボートでは基本的にアメニティの設置はありません。
  3.  サンダル
    靴だと暑いので、スリッパやビーチサンダルなどあると快適です。
  4. 酔い止め
    停泊の際は岸に打ち付けられるような横揺れがありました。揺れに弱い方は酔い止めをお持ちになるとよいかと思います。
  5. 自由時間を楽しむアイテム
    貸し切りハウスボートでは、自由時間を思い思いに楽しむことができます。カメラ、本、トランプ、スピーカー、スケッチブックなどなど (ハウスボートが動いている間は他のハウスボートとも距離があるので、個人で楽しむくらいの音量でしたら、音楽もお楽しみいただけます。楽器を持ってきて演奏されている方もいらっしゃいました! ※停泊中や夜間は周りの方に迷惑にならないよう、音量等、十分お気をつけください。)
  6. 日本の調味料
    記事①でも紹介しましたが、クルーズ中魚屋さんに立ち寄ることが可能です。そこで新鮮なシーフードを購入できますので、夕食時にグリルしてもらいお召し上がりください  (No masalaと言い忘れると、カレー味になります。ご注意を)
    塩・胡椒でも十分美味しいのですが、醤油があったらなぁ…と思いました。

 

 

ハウスボートクルーズはゆったりと過ごせる1泊2日が大変お勧めですが、4時間ほどのデイクルーズのアレンジも可能です。また、よりバックウォーターを体感されたい方は、細い水路をカヌーで巡るビレッジツアーなどのアクティビティもおすすめです!!

 

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かわいく並んだヤシ!

 

西遊旅行の楽園の南インドツアー

西遊インディアのハウスボートクルーズツアー

 

Text  by Saiyu India

 

 

カテゴリ:■インド南部 , ケーララ州 , バックウォーター
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南国ケーララでハウスボートクルージング①

ナマステ!

インド西南部に位置するケーララ州(Kerala)。皆様はどのようなイメージをお持ちでしょうか。ケーララ州へは日本からの直行便がないため、あまり馴染みがないかもしれませんが、アーユルベーダ発祥の地として、あるいは南インド料理のレストランなどで、耳にされたことがあるかもしれません。

 

ケーララはアラビア海と西ガーツ山脈に挟まれた縦に細長い州です。その独特な気候・地形が齎す、水と緑豊かな大自然、そして南国的な暖かく穏やかな空気は、人々を魅了し、「楽園」 「桃源郷」などと形容されてきました。

 

魅力たっぷりのケーララ。実際に訪問した際のレポートも交えつつ、数回に渡ってご案内していきたいと思います。

まずは、ケーララの旅行と言えば欠かせない、バックウォータークルーズについてです。

 

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水郷地帯を行くハウスボート
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ハウスボートに乗船!

バックウォーターとは、湖や川などの下流の水位が上がり、下流から上流に向かって水が逆流する現象のことを言います。

ケーララ州の海岸線、特に港町・コーチン(Kochi)の南側では無数の川と入り江が網目のように入り組んでおり、このバックウォーターエリアが広がっています。

 

ケーララは古くから香辛料の産地、集積地として知られ、かつてはこの水路を利用し、ボートにて香辛料をアラブやヨーロッパへと輸出していました。

 

現在では、そのバックウォーター(水郷地帯)のヤシの木が生い茂る美しい風景を、ボートに乗ってゆったりと楽しむ「バックウォータークルーズ」が旅行者の間で人気となっています。

 

 

クルーズには、いくつかタイプがあります。大きなボートに混載で乗るタイプ、ハネムーンボートと呼ばれる貸切りハウスボート、小舟で船頭が漕ぐタイプなどです。所要時間や利用料金が異なるため、船旅の目的や予算によって選ぶ事が出来ます。

 

今回は貸し切りハウスボート1泊2日のクルーズをご紹介します。

クルーズのスケジュールは次のとおりです。

 

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[1泊2日の場合のハウスボートでのスケジュール]

1日目
12:00    ハウスボートにチェックイン。アレッピーを出発
12:30 昼食
16:00   ティータイム
18:30 夕食

 

2日目
07:00 朝食
09:00 アレッピー到着。ハウスボートをチェックアウト

 

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※貸し切りハウスボートの場合は、食事のタイミングなど若干の変更は可能です。

 

ハウスボートの発着地はいくつかありますが、今回はアレッピー(Alleppy) という村発着です。アレッピーはコーチン空港から約80km、車で約2時間の位置にあります。

フォートコーチンエリアからですと1時間半ほど。到着が早すぎるとチェックインできず、待つことになるため、早くても船着き場に11時半ごろの到着を目安にすると良いかと思います。

 

ケーララのハウスボートは、一つのボートに客室が1~3室(トイレ、シャワー付き)、ダイニング&サロンが付いています。貸し切りでご予約の場合、人数にあったボートのご用意となります。

 

今回乗船したのはXandariのハウスボート。ラグジュアリークラスのハウスボートです。

船着き場に到着後、オフィスに立ち寄り、チェックインの手続きを行います。ホテルのチェックイン手続きと同様、パスポートの提示とフォーマットへの記入があります。手続きが完了すると、いよいよ乗船です。乗船後、ウェルカムドリンクのサービスがありました!

 

フレッシュココナッツウォーターです。
こちらを飲みながら、昼食まで少々休憩。

 

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ウェルカムドリンク

お部屋はこのような感じです。アンティーク調の家具などこだわりが見え、「動くブティックホテル」のよう。

コンパクトな造りですが、最低限の設備は整っており、清潔感もあるので申し分ないです。

 

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ラグジュアリークラスのボートの客室内(Xandari のWEBページより)
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Xandariボートではないですが、ラグジュアリークラスのボートのバスルーム例

 

ハウスボートのデザイン、内装や設備(エアコンの有無含む)は、ハウスボートのカテゴリー、またはボートの新旧によって異なります。もちろん全てのカテゴリーのボートで、トイレ・シャワーは各個室毎に完備されております。

お気を付けいただきたいのは、シャワーについて。こちらは全てのクラスで温水でないことが多いです。ただケララの気温は年中30度~35度前後ととても温かく、個人的には温水シャワーはなくても大丈夫でした。温水シャワーがない場合でも、スタッフがキッチンでお湯を沸かし、配ってくれるので、(手酌にはなりますが)お湯を浴びられます。

 

(※ハウスボートは、クラスの指定は予約時に可能ですが、実際のボートの割り振りは出発の直前となるため、事前に設備面も含めたボートの確約はできません)。

 

 

昼食は南インドの定食ミールス。
(※バナナリーフでのミールスは事前予約が必要です)。

 

ハウスボート専属のコックさんが準備してくれます。ミールスは基本的におかわり自由です。野菜たっぷりでヘルシーな南インド料理を思う存分楽しめます!

辛さはご希望に応じて調節可能なので、辛い物が苦手な方や、ご家族での旅行の場合も助かります。

 

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大きなバナナの葉
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バナナの葉のお皿にたくさんのカレーとライスを盛ってくれます
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ケーララのライスは丸っこいかたちをしています

 

昼食後は自由時間です。心地よい風に吹かれながら、ゆったりと移り行く南国的な景色、そして人々の生活風景を眺めていると自然と時間が経っていきます。

 

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ボートからの風景。ボート移動中は風がとっても気持ち良いです!
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デッキから

途中、フィッシュマーケットへ寄り、夕食用に海老を購入しました(通常メニューには含まれていないので、実費を支払います。お好きなシーフードをお好きなだけどうぞ!)。

購入した海老等は、コックさんに希望を伝えて、夕食時に調理してもらいます。

 

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新鮮なシーフードを購入

味付けは、何も言わないとスパイスをかけられ、漏れなくカレー風味になってしまいますので要注意です!

シンプルに味わいたい方は、忘れずにコックさんにノーマサラ(No Masala) とお伝えください。

 

16時頃、ティータイム。
風景をのんびり楽しみながらいただくチャイは格別でした。

 

17時頃、船を岸に寄せてそのまま停泊。地元の漁業の妨害にならないよう、ハウスボートを動かしてよい時間帯は日の出~日の入りとケーララ州の法律により決まっています。

 

ボートが停まってからは、夕陽を眺めたり、別の船のスタッフたちが釣りをしている姿を眺めたりしました。

また今回の停泊地は少し歩けるスペースがあったので、ボートを降りて散策もしました。※停泊場所はボートやルートにより異なります。

 

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夕刻、ボートを岸に寄せて停まった場所にて釣り
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近くに村があると少し覗かせてもらえることも
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夕陽

夕食は南インド料理+魚屋さんで購入した海老のグリルです!

海老は身が詰まっていてとても美味しかったです。

 

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立派な海老!
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地元の野菜をたっぷり使ったカレー

食後にゆっくりとお茶をいただき、1日目は早めに終了しました。

 

就寝時、ボートは岸辺に打ちつけられるような若干の揺れがありましたが、そこまで気にならず、朝までゆっくり休むことができました。

 

ハウスボート2日目の紹介は次の記事へ続きます!

 

 

Text    : Saiyu India

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