秘境・シルクロード・ブータン・アフリカ・登山 秘境ツアーのパイオニア「西遊旅行」

  • Loading
  • よくある質問
お問い合わせ・パンフレット請求
ホーム > 西遊新聞 > ツアーレポート
西遊旅行のスタッフが、世界の「今」をお伝えします。>> ブログ一覧はこちら
「西域浪漫飛行」中近東&中央アジア担当スタッフブログ
「サラーム・パキスタン」
「行って・見て・感じチャイナ」中国担当スタッフブログ
「西遊山組」山担当スタッフブログ
「AVENTURA -アベントゥーラ」南米担当スタッフブログ
「ナマステインディア大作戦」
「エベレスト終着駅ナマステーションへようこそ」
「THIS IS BHUTAN」ブータン担当スタッフブログ
「African Dream」アフリカ担当スタッフブログ
「秘境の話をしよう」キャラバンデスク スタッフブログ

毎日がアニマル!世界の野生動物日記

ワイルドライフ Wild Life ~世界の野生動物日記~

元添乗員の映画監督による映画紹介

旅と映画

動物スペシャリスト・秋山知伸

ワイルドライフ Wild Life ~世界の野生動物日記~

世界のワイルドフラワー観察日記

世界の花だより ワイルドフラワー観察日記
ツアーレポート
シュリーナガル

中谷 愛 写真:西遊旅行
ムガール帝国のジャハーンギール帝に“予はカシミール以外に何も望まない”と言わしめたシュリーナガル。夏でも標高が1,700m近くあるため涼しく、山間にはダル湖が美しく水を湛える「水の都」です。古の交易路としてチベットと中央アジアを繋いだこの街は、ムガール時代には皇帝の、イギリス統治時代には外国人の「避暑地」として栄え、その優雅な雰囲気が形成されました。
尖塔屋根のシャー・ハムダーン・モスクとシュリーナガル旧市街の街並
尖塔屋根のシャー・ハムダーン・モスクとシュリーナガル旧市街の街並
仏教・ヒンドゥー教文化と山岳地帯の風土がもたらした景観

シュリーナガルは湖とそれをとりまく美しい木造建築の景観で知られています。旧市街では細かい木堀り細工が施された数百年前の民家が今も現役で活躍しています。ネパールのパタンやバクタプルを思わせる街並みと木造建築には、張り出したテラスがあるのが特徴です。ムガール時代、このテラスで月を眺めたり詩を読んだりする文化が発展したといいます。

シュリーナガルにイスラム教が伝わる以前、ここには仏教とヒンドゥー教が順に栄えました。その影響でシュリーナガルのモスクや民家には、仏教やヒンドゥー教風の装飾が見られます。また、冬には積雪のある山岳地帯であるシュリーナガルでは、モスクの屋根が丸ではなく独特の尖った形になりました。

旧市街の建物
旧市街の建物
張り出したテラスが特徴的
張り出したテラスが特徴的
ムガール時代に培われた優雅な避暑スタイルを楽しむ

皇帝が滞在した街だけあって、その避暑のスタイルも独特です。ツアーでは大きなボートを湖に浮かべ、その中で楽団や踊り子の踊りをお楽しみいただき、カシミール伝統料理のワズワンをご賞味いただきます。風が弱ければボートを湖の中央まで出して、暮れなずむ街の風景をお楽しみいただくこともできます。

また、イスラム教の天国を地上に表したといわれる庭園も訪れます。砂漠で生まれたイスラム教では、豊な水と緑が天国の象徴だったのでしょう。電気のない時代に水圧を利用した噴水をいくつも作り、人口の滝はわざとさらさらと涼しげな音をたてるように細工をしてあります。16世紀、人々の涼をとるための工夫には感心させられるばかりです。

シャリマール庭園の噴水
シャリマール庭園の噴水
伝統料理「ワズワン」
伝統料理「ワズワン」
湖に浮かぶ「小さなイギリス」ハウスボートに滞在

シュリーナガルの最大の魅力といえば、ハウスボートの宿泊です。イギリス統治時代、カシミールの支配者が外国人による土地の所有を認めなかったため、外国人たちは家屋をのせたボートを湖に浮かべ、家屋として利用しました。当時は暑い夏は湖周辺の水路をボートで巡り、優雅に過ごしていたそうです。

現在はイギリス統治時代に利用していたボートは残っていませんが、それよりも大きめのボート「ハウスボート」を停泊させ、ホテルとして利用しています。部屋内は通常のホテルと比べても劣ることがない条件が揃っています(各部屋にバスタブ、トイレが完備され、広さも十分にあります)。何隻ものボートは並んで停泊し、そのハウスボート間は桟橋でつながっています。

ハウスボートのサロン
ハウスボートのサロン
夜のハウスボート
夜のハウスボート
シカラに乗って水路巡り

シカラ(ゴンドラ)は手漕ぎボートの小船で、1隻に2~3名が足を伸ばして背もたれに寄りかかり、ゆったりと座ることができます。手漕ぎボートからは、水上で生活をしている人々の暮らしや、朝市の活気溢れる様子、商店のように生活用品を販売する船など様々な風景を垣間見ることができます。早朝、湖上で行われる野菜市を見学したり、旧市街の伝統建築を湖から眺めたりと、「インドのスイス」と呼ばれるシュリーナガルならではのゆったりとした時間をお過ごしいただけます。

シカラの乗り場
シカラの乗り場
シカラに乗って朝市へ
シカラに乗って朝市へ
高度に発達した伝統工芸~シュリーナガルのお土産あれこれ~

西遊旅行のツアーではなかなか訪れる機会のないお土産屋さん。でも、ここシュリーナガルでは是非伝統工芸を手にとってみてください。皇帝お抱えの職人がたくさん住んでいたシュリーナガルには、今も高い技術の伝統工芸品が残っています。シカラと呼ばれるゴンドラにそれぞれの工芸品を積んで、ハウスボートまで持ってきてくれる「移動式土産物屋」はシュリーナガルならではです。

<カシミール絨毯>
上はお値段数百万円のものまであるカシミール絨毯は、世界中にファンをもつ一級品。しかし、子どもの頃から技術を磨かないとここまで細かい絨毯を織ることはできません。現在では未就学児の就労が制限されているため、伝統的な絨毯の織り手も少なくなってきているのが現状です。
<ペーパーマッシュ>
細かくちぎった紙を糊ではり合わせ、上に漆を塗った日本の「張り子」と似た工芸品です。丈夫で中に水を入れることもでき、お値段も1$からと手ごろです。表面には細い猫の毛で細かい絵が描かれており、イスラムのミニアチュール絵画の技法が取り入れられています。小箱や筆入れだけでなく、猫やウサギ、ラクダなどのかわいらしい動物の置物も人気です。
<木工品>
小箱やランプシェードなど、細かな木彫りの木工品も手ごろな値段でお求めいただけます。

ペーパーマッシュ
ペーパーマッシュ
カシミール絨毯
カシミール絨毯
シュリーナガルの治安

20年以上前にはインド国内外を問わず、多くの観光客がこの地を訪れていました。その後、インドとパキスタンの国家間の関係上、何十年もの間治安が不安定とされ、ガイドブックや新聞などでは悪いイメージが伴いシュリーナガルを訪れる人々は激減しました。

2010年5月現在も軍人や基地の姿は見受けられますが、ラダックやザンスカールなど同ジャンムー・カシミール州内の他の土地と比較して、圧倒的にその数が多いという訳ではありません。何十年にも渡る未解決の紛争のため、今も軍人の姿はありますが、直接的に観光に影響が出る事態はここ何年もの間起きていない状況です。ただし、国内線航空機内への持ち込み手荷物の制限、ボディチェックなどは厳しく、出入国手続きにも非常に時間がかかります。液体物、危険物は勿論、乾電池や予備の靴、食品などの機内持ち込みも禁止されています。

シュリーナガルのこれから

湖の透明度は湖の場所によって異なりますが、シカラからは小魚が泳ぐ姿が見られます。ハウスボートから出る排水は、トイレ、バスルーム、台所から出るものと全てに分け、濾過装置を持ち、湖に直接流さないよう細心の注意が払われています。ガイドブックには、ごみが多く濁っていると称されたシュリーナガルの湖ですが、水質は十分回復しました。

場所によってのばらつきもありますが、ごみについても州観光局の協力で整備されています。今後は水質だけでなく、湖底に落ちてしまったごみの回収などの改善が望まれる場所もあり、観光地としての問題も抱えています。

ダル湖の清掃作業
ダル湖の清掃作業
小魚が泳ぐ程まで水質が回復したダル湖
小魚が泳ぐ程まで水質が回復したダル湖


関連ツアー
シュリーナガル

カシミール王国・ヒマラヤの「水の都」へ。中央アジアとチベットを結ぶ古の交易の街。インドの中の「イスラム世界」シュリーナガルの旅、再開。

>>南アジア方面ツアー一覧