映画よ、さようなら

news_xlarge_vida_201607_flyer

配給: Action Inc.

ウルグアイ

映画よ、さようなら

 

La vida util

監督:フェデリコ・ベイロー
出演:ホルヘ・ヘリネック、マヌエル・マルティネス・カリルほか
日本公開:2016年

2016.8.31

一つの時代が終わり、何かが始まる・・・ モンテビデオ純情物語

「世界一貧しい大統領」ことムヒカ大統領のユニークさで、ウルグアイという国は日本でも大きな注目を集めました。63分のモノクロームで、シンプルなタッチで淡々と一人の中年男性の落胆と希望を描いていくフェデリコ・ベイロー監督の眼差しも、私にとってウルグアイの新たな一面の発見となりました。

main2

舞台はウルグアイの首都・モンテビデオ。映画を愛する人々が集うシネマテーク(フィルムライブラリー)に勤める主人公・ホルヘは勤続25年のスタッフで、毎日を映画に捧げてきた男です。物語はいつもの調子でアイスランド映画特集を組もうとしているシーンで幕を開けますが、営利事業としてのシネマテークの運営が危機的状況となり、館の存続に暗雲が立ち込めてきます。

vidafoto_sub3

ウルグアイの映画を見たのは『ウイスキー』に続いて2本目ですが、この映画を見たことで、遠く離れたほとんど知識もないウルグアイという国により興味がわきました。日本人が家族や近しい間柄の人と会話する時のような独特の会話の間や、人とある程度の距離を保ち相手にいつも気使っているようなキャラクターにとても親近感がわき、途中からこの映画の国籍を全く意識せずに鑑賞していました。

vidafoto_sub6

村上春樹の「ノルウェイの森」で、登場人物の一人は父親がウルグアイに行ってしまったという嘘をつき、ウルグアイの道はロバの糞だらけだという妄想を主人公に話します。勝手に話を語れるだけ日本とウルグアイは距離が離れていることを象徴した一節かと思いますが、ホルヘたちはシネマテークで遠く離れた日本の映画を今までたくさん上映してきて、それを見た観客たちの心にも何かしらの思いが残ったのだろうと、映画を見ながら遠く離れたウルグアイの映画館の中の出来事を想像しました。

vidafoto_sub8

映画が終わっても、人生は続いていく・・・そう物語るように、ホルヘにとって必ずしもハッピーな展開ばかりを映画は用意していませんが、悲しい中にもどこからか希望の光が差し込んでいるような温かい映画です。

vida_main

『映画よ、さようなら』は、9月3日から名古屋シネマテークにて、10月29日から下高井戸シネマにて上映。

その他詳細は、公式サイトからご確認ください。

 

ウルグアイとパラグアイ

みどころの多い南米の国々の中で忘れられがちな二つの小国、ウルグアイとパラグアイ。スペイン・ポルトガルの覇権争いの舞台となったコロニアの街や、南米のキリスト教カトリック伝播の文化的背景を象徴するトリニダー遺跡を訪れ、南米の歴史・文化に触れます。