沖縄本島と奄美大島で2つのアカヒゲを見る旅【奄美編】

Report by 簗川堅治 / 2023年4月3日~7日

奄美大島も風が強かったため、予定していた海岸での探鳥を止め、自然観察の森へ行きました。あまり時間もなく、空模様も怪しい中、沖縄本島とは別亜種の亜種アカヒゲ、そして願わくば、オオアカゲラの亜種オーストンオオアカゲラとトラツグミの亜種オオトラツグミが出てくることを期待し、散策スタート。しかし、ルリカケスを見て時間切れでした。

 

ホテルのチェックインと夕食を済ませ、今度はナイトウォッチングです。地元ガイドさんの同行の元、林道を走らせます。結果的にはたくさんのアマミヤマシギ、アマミノクロウサギに出会えました。また、イシカワガエルやヒメハブ、アマミトゲネズミなど、たくさんの奄美の生き物にも出会え、とてもいい夜になりました。

 

アマミヤマシギ(撮影:河田様)
アマミノクロウサギ(撮影:塚本雄次)
アマミイシカワガエル (撮影:塚本香代様)
リュウキュウコノハズク (撮影:河田様)

 

 

4日目。空模様が気になる中、アカヒゲやルリカケス、オオトラツグミなどを求めて出発しました。現地は時折、小雨が降るあいにくの天候です。希望でアカヒゲとオオトラツグミの班に分かれて行動しました。アカヒゲ班は、複数のアカヒゲを見ることができました。一方、オオトラツグミ班は、姿は何とか見れたものの、いまいちな成果でした。昼食を挟み、再びアカヒゲ班とオオトラツグミ班に分かれました。その結果、全員がアカヒゲの撮影に成功。その後、オオトラツグミもいい成果が出ましたし、ルリカケスの何度かシャッターチャンスがありました。

 

 

亜種アカヒゲ♂(撮影:塚本雄次様)
亜種アカヒゲ♀(撮影:塚本香代様)
亜種オオトラツグミ(撮影:河田様)
ルリカケス(撮影:塚本雄次様)

 

 

5日目。最終日です。天気予報は芳しくありません。解散まではどうやら雨のようです。

まずは夜明け前に出発して、オオトラツグミのさえずりを聞きに行きました。途中、アマミヤマシギが出て、リュウキュウコノハズクの声がしました。小雨が降る中、ポイントに車を停めると、「キョロン、チィー」とオオトラツグミのさえずりが聞こえてきました。

朝食後はあまり時間がありません。オーストンオオアカゲラをまだ見ていなかったので、空港に向かう道すがらに探すも現れず。最後は渡りの鳥に期待して、水田地帯へ行きました。雨の中、シロハラクイナやホオジロハクセキレイ複数、セイタカシギなどを見ることができました。

 

シロハラクイナ(撮影:河田様)
亜種ホオジロハクセキレイ(撮影:河田様)

 

 

今回のツアー、沖縄本島では亜種ホントウアカヒゲを、奄美大島では亜種アカヒゲを見るという風変わりでやや贅沢な(?)ものでしたが、成功だったといえるでしょう。参加者のみなさん、5日間にわたり、朝早くから夜遅くまで大変お疲れ様でした。

 

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

沖縄本島と奄美大島で2つのアカヒゲを見る旅【沖縄編】

Report by 簗川堅治 / 2023年4月3日~7日

アカヒゲは奄美大島などに生息する亜種アカヒゲと沖縄本島などに生息する亜種ホントウアカヒゲの2つの亜種があります。現在は亜種ですが、近いうちに別種になる見込みとのことで企画したツアーです。こんな風変わりなツアーは、ガイド簗川の得意分野です(笑)

 

1日目。沖縄本島からスタートです。まずは超有名な三角池へ行きました。お馴染みのクロツラヘラサギの群れに、これまたお馴染みのヘラサギの姿も。

 

クロツラヘラサギ(撮影:河田様)

セイタカシギがパラパラとして、アオアシシギが飛んできます。遠くにいるのはオジロトウネンとヒバリシギ。電線ではシロガシラと亜種リュウキュウハシブトガラスがやかましく鳴いています。

今度は一気に北上して、やんばるへ。とあるポイントで亜種アカヒゲとヤンバルクイナを待ちます。亜種リュウキュウサンショウクイ、亜種リュウキュウメジロなどが鳴いていますが、アカヒゲは姿どころか、声もせず。ヤンバルクイナは声のみ確認して、この日は終わりました。

 

2日目。沖縄とはいえ、やや肌寒い朝です。

早朝に出やすいヤンバルクイナを求めて、日の出時刻前に出発。道路を横切る個体を2羽、そしてリュウキュウイノシシを4頭見ることができました。

朝食後、アカヒゲのポイントへ。アカヒゲを見る前にノグチゲラが目の前の枯れ木に飛んできました!これはラッキー!どうも巣作り中のようで、穴の中から「コンコン、コンコン…」と音がします。影響を与えないように距離をとり、短時間の観察です。

 

ノグチゲラ(撮影:塚本雄次様)

肝心のアカヒゲはいるにはいるものの、なかなか出てきてくれませんでした。しかし、♂♀を見て、しかも♂が水浴びをしたシーンを撮影した方がいました!

 

亜種ホントウアカヒゲ♀(撮影:河田様)
④亜種ホントウアカヒゲ♂(撮影:河田様)

道の駅で昼食をとり、止まっているリュウキュウツバメを撮影していたところ、その光景を見た一般観光客が「何なに?」と言わんばかりに集まり、一般観光客もスマホなどでリュウキュウツバメの撮影をし始めました(笑)

 

リュウキュウツバメ(撮影:河田様)

その後は、シギチなど水辺の鳥を求めて付近の田んぼに行くも、成果は上がらず。それもそのはず、その辺りは以前とは比べ物にならないくらい環境が変わってしまい、シギチが立ち寄る場所ではなくなったようです。午前中、アカヒゲやノグチゲラを見逃した人がいたので、再びそのポイントへ。しかし、なかなかいい成果を得られないまま、この日は時間切れとなりました。

 

3日目。沖縄本島最終日です。でも、時間があまりありませんので、夜明け前から行動し、ヤンバルクイナ探しに。実績のあるポイントで待つも現れず。ただし、道路に出てくる個体は数回見ることができました。朝食後は小一時間の勝負!アカヒゲのポイントで、どうにかアカヒゲの♂を見ることができましたし、サンショウクイの亜種リュウキュウサンショウクイをやっとじっくり見ることができました。

亜種ホントウアカヒゲ♂(撮影:塚本香代様)
亜種リュウキュウサンショウクイ(撮影:河田様)

 

さぁ今度は奄美大島に向かうために那覇空港へ車を走らせます。やんばるは、やや肌寒かったものの、那覇は暑い!空港で昼食を済ませ、奄美大島へ飛び立ちました。

 

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

渡り鳥の交差点・春の与那国島【後編】

Report by 簗川堅治 / 2023年3月28日~31日

3日目。久部良の学校グランドで亜種ホオジロハクセキレイやムネアカタヒバリなどを見たあと、久部良バリへ行きました。駐車場に着いた、まさにその時、海側からちょうど今島に渡ってきたかのようにヤツガシラが目の前のアダンに止まり、サービス満点!またまた大盛り上がり!

 

ヤツガシラ

久部良バリをあとにし、観光を兼ねて西崎へ行き、自衛隊駐屯地の前を通り、カタブル浜へ。残念ながら、シギチの仲間はお留守でした。

今度は比川の集落を歩き、鳥を探し始めた途端、すぐそばの木からクロウタドリ♂が飛び出し、木立ちの中へ。しばらく待っていると、畑などに何度か出てきてくれました。♀も出てきました。ヤツガシラといい、クロウタドリといい、なかなかいいタイミングです。

 

クロウタドリ

この日の昼食は弁当にしたので、森林公園で鳥待ちしながら弁当開きをしました。しかし、これといった鳥は出ませんでした。

再び久部良へ戻り、学校のグランドでかなり赤くなったムネアカタヒバリやハクセキレイの各亜種をじっくり観察。亜種メンガタハクセキレイっぽい個体がいましたが、どうも交雑種っぽい感じでした。

亜種メンガタハクセキレイの交雑種?
ムネアカタヒバリ夏羽

学校付近でギンムクドリ、ムクドリを見て、三度、学校グランドを見ていたら、ヤツガシラ登場!何度見ても大盛り上がり!きっと今朝、久部良バリで見た個体でしょう。けっこうな時間、みんなで楽しみました。

 

ヤツガシラ

今度は観光です。チィンダバナ、アヤミハビル館、軍艦岩、立神岩、人面岩に行きました。

その後、警戒心が強いアカツクシガモをなんとかじっくり観察。最後は、久部良ミトでサギ類やセイタカシギを見て、3日目終了しました。

 

アカツクシガモ

 

4日目。最終日はあまり時間がありません。まずは有志で夜明け前に久部良ミトへ行きました。ゴイサギの声から始まり、ヒヨドリ、シロガシラ、メジロ、ノゴマ、そしてオオクイナが鳴き出しました。明るくなり、ダイサギなどのサギ類も見えてきました。

朝食を済ませ、残り2時間の探鳥です。昨日、ヤツガシラがいたアヤミハビル館に行こうとしたら、その入り口で正面からヤツガシラが飛んできました!電線に止まり、草地に降りましたが、すぐ飛んでいってしまいました。

 

今度は未だ出ていないオオチドリ狙いで東崎へ。しかし、相変わらずツメナガセキレイやムネアカタヒバリくらいでした。最後の望み、浦野墓地へ行く途中、時々オオチドリが出る畑を通っていったその時、ついにオオチドリ発見!9回裏で見事逆転した気分です!思う存分、観察撮影しました。そこにはムネアカタヒバリやとてもきれいな亜種マミジロツメナガセキレイもいました。そうこうしているうちに、オオチドリは突然飛んでいきました。

 

オオチドリ

最後は、祖納の集落のパン屋さんでそれぞれパンを買い、空港で解散しました。

 

全体的には種類も個体数も少なかった与那国島ですが、ここならではの鳥たちに出会えた4日間でした。参加者のみなさん、お疲れ様でした。

 

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

渡り鳥の交差点・春の与那国島【前編】

Report by 簗川堅治 / 2023年3月28日~31日

春の琉球らしく、ぐずついた天気の中、条件付きで飛んだ飛行機は無事到着しました。まずはムクドリ類を求めて比川へ。しかし、見当たらなかったので、とりあえず昼食をとりました。その後、雨が上がっている隙に集落内を歩き、ムクドリ類を探していたら、コホオアカやクロウタドリが現れました!比較的じっくりと観察。

 

クロウタドリ

今度は久部良へ移動し、ムクドリ類を発見!100羽ほどのギンムクドリにカラムクドリ数羽、ホシムクドリ2羽が混じっていました。中学校のグランドではマミジロタヒバリ、亜種ホオジロハクセキレイの姿がありました。

 

ムクドリ類の群れ

次は祖納へ。小学校のグランドでヤツガシラを発見!樹上休んで、その後、地面で採餌する姿を観察撮影しました。大盛り上がりです!近すぎて車外には出られなかったので、座席を替わりながら撮影大会となりました。

 

ヤツガシラ

田んぼではハクセキレイの亜種ホオジロハクセキレイ、亜種タイワンハクセキレイ、そして亜種シベリアハクセキレイがいました。ツバメチドリもいました。

 

 

亜種シベリアハクセキレイ
ツバメチドリ

この日の最後は、オオノスリとアカツクシガモを待ちましたが、現れず。明日に持ち越しです。

2日目。夜明け前に出発し、林道へ。狙いのオオクイナ、リュウキュウコノハズクの声はしなかったものの、車中からヤマシギ1羽とミゾゴイ2羽をじっくりと観察できました。その後、アカツクシガモ3羽とオオノスリ1羽も何とか見れました。

 

ヤマシギ
ミゾゴイ

朝食後は東崎に行き、多数のツメナガセキレイとムネアカタヒバリ1羽を観察しました。

 

亜種ツメナガセキレイの群れ

その後、祖納の集落を歩くも、インドハッカを見た程度。昨日、ヤツガシラを見た場所にも行きましたが、お留守。なかなかぱっとしません。

昼食を挟んで、比川へ行き、集落を歩きました。耕作放棄地にコホオアカが5羽以上いて、チュウジシギらしいジシギも観察しました。狙いのムクドリ類は、今日も現れず。ただ、最後にヤツガシラが飛び立ち、後ろ姿のみ見れました。

今度は祖納の田んぼで主にハクセキレイの各亜種を観察し、この日も亜種シベリアハクセキレイが1羽、亜種タイワンハクセキレイが2羽、亜種ホオジロハクセキレイが複数いました。そして、オジロトウネンの姿も。

 

オジロトウネン

最後は違う田んぼで土砂降りの雨の中、アメリカウズラシギの夏羽を見て、この日を終えました。

 

アメリカウズラシギ夏羽

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

秋の石垣島・西表島 珍鳥とオリイヤマガラに挑戦!【後編】

Report by 簗川堅治 / 2022年11月18日~22日

3日目。この日は昼の船で西表島へ行くため、石垣島での探鳥時間があまりありません。まずは未だ出会えていないオニアジサシを求め行ってみましたが、あえなく撃沈です。もう、抜けてしまったのかもしれません。移動した田んぼでは、まだコハクチョウがいました。アカモズの亜種シマアカモズや石垣島では珍しいオシドリの姿も見ることができました。その後、オニアジサシがいそうな場所に行ってみたものの、やはりいません。

オシドリ(撮影:上山功夫様)

石垣島をあとにし、船で西表島へ入りました。狙いはヤマガラの亜種オリイヤマガラです。日本とは思えないジャングル感満載の西表島。オリイヤマガラに会えるでしょうか?

物静かな林道をひたすら歩いて、オリイヤマガラを探します。たまに出てくるのはメジロの亜種リュウキュウメジロ。そして、シジュウカラの亜種イシガキシジュウカラです。サンショウクイの亜種リュウキュウサンショウクイも上空を飛んで行きます。しかし、オリイヤマガラだけは出てきてくれませんでした。残念!

 

4日目。今日もオリイヤマガラに挑戦です。その前に牧場を覗いたら、電線に小さなハトを発見!ベニバト♂です!やっと出会えました。

 

イシガキシジュウカラやリュウキュウメジロなどを見ながら、オリイヤマガラのポイントで定点をしました。すると、「ツーツーツー」とオリイヤマガラの声が聞こえてきました。林のやや奥の方で動いていますが、なかなかこちらに来てくれません。ほどなくして、鳴き止みました。15分ほど待つと、また声がしました。近づいてきたので、チャンス到来!…と思ったら、一気に頭上を越えて行ってしまいました。なんてこった!時間切れになり、あえなく退散。残念過ぎます。航路では、立標に止まるカツオドリを数羽、見ることができました。

イシガキシジュウカラ(撮影:上山功夫様)

再び、石垣島です。まずは未だ出会えていないオニアジサシへ。しかし、今日もダメです。田んぼで、またコハクチョウやセイタカシギ、ツルシギなどを見て、ガンを見に行きました。ところが、こちらもお留守。サシバの暗色型を探すも、こちらもダメ。ズグロミゾゴイ、さらにオニアジサシが出そうな場所を回りましたが、立て続けにダメ。ついていません。

 

最後はカタグロトビに挑戦。ようやくホバリングしているカタグロトビを発見!それを見ていたら、隣の縄張りのカタグロトビでしょうか、もう1羽現れました。ちょっと得した気分です。カタグロトビは終始ホバリングしながら探餌していました。気分よく、この日を終えることができました。

カタグロトビ(撮影:上山功夫様)

5日目。最終日です。約3時間しかありません。まずは公園でイヌビワに集まるシロガシラやイシガキヒヨドリ、そしてヤエヤマオオコウモリを間近に観察しました。車に戻ろうとしたら、ムクドリの群れが飛んできました。なんとカラムクドリとギンムクドリ!これはちょっとラッキー!

カラムクドリ(撮影:上山功夫様)

続いて、またまたオニアジサシへ、しかし、またしてもお留守です。田んぼを回り、コハクチョウなどを見てから、ガンを見に行きました。なんにもいなかったので帰ろうとしたら、長い首が2つ、畦の陰から出ています。ヒシクイとハイイロガンでした!マガンとカリガネはいませんでしたが、ハイイロガンはまだいて、さらにヒシクイが入ってきたようです。

亜種ヒシクイとハイイロガン(撮影:上山功夫様)

今度は山の鳥を求めて、バンナ公園へ。ズグロミゾゴイとサシバをじっくりと観察しました。目的だったリュウキュウサンショクイやズアカオアバトはお預け。

ズグロミゾゴイ(撮影:上山功夫様)

最後の望み、オニアジサシへ。ちょうど頭上を通過していくのをなんとか確認できました。

天気が良すぎて、目的のアサクラサンショクイやミドリカラスモドキなどの珍鳥は出ませんでしたし、オリイヤマガラもじっくりと見ることはできませんでした。しかし、思いもよらぬ色々な珍鳥を見ることができた5日間でした。参加者のみなさん、大変お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

秋の石垣島・西表島 珍鳥とオリイヤマガラに挑戦!【前編】

Report by 簗川堅治 / 2022年11月18日~22日

渡りの終盤に石垣島と西表島にやってくる珍鳥、そして種に格上げされる予定のヤマガラの亜種オリイヤマガラを見ようというツアーです。

 

1日目。羽田空港発、那覇空港発の飛行機が大幅に遅れましたが、無事揃い、スタートしました。

まずはオニアジサシを見に行きました。しかし、お留守だったので、白いクロサギなどを観察。続いては、田んぼへ。そろそろ稲刈りの時期の田んぼでは、なんと、石垣島的珍鳥のコハクチョウにご対面。暑そうです(笑)セイタカシギやツルシギ、クサシギなど忙しそうに採餌中でした。他、ツメナガセキレイやベニバトを探すもいないようです。

コハクチョウ(撮影:上山功夫様)

 

続いて薄暗い公園でズグロミゾゴイを見ました。幼鳥が2羽いましたが、虹彩の色が1羽は暗色、もう1羽は淡色でした。この違いは何なんでしょう?

更に移動途中でアカガシラサギを見つけました。地味な冬羽をじっくりと観察できました。

アカガシラサギ(撮影:上山功夫様)

今度はまだいるらしいアカツクシガモに挑戦です。でも、見つけた途端に飛ばれてしましました。ものすごい警戒心です。同じ場所にハシビロガモ、コガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、セイタカシギ、アオアシシギなどがいました。その他、タシギが飛び出し、草むらからはヒクイナの声もしました。

また移動し、マガン、そしてカリガネを見ました。ハイイロガンもいるらしいのですが、見当たらず。コハクチョウに続き、ガンまでいるとは、南の国に来た感じがしません(笑)

この日最後はクロヅル。その移動中に運よく、白いクジャクとヤエヤマオオコウモリを観察できました。クロヅルはアカツクシガモ同様、見つけた途端、飛ばれて、飛んだ姿だけはじっくりと観察できました。

白いクジャク(撮影:上山功夫様)

2日目。昨日、見られなかったハイイロガンを探しに行き、あっさりと見ることができました。マガン、カリガネも健在です。水面に映るハイイロガン、とても綺麗でした。

ハイイロガン(撮影:上山功夫様)
カリガネ(撮影:上山功夫様)
マガン(撮影:上山功夫様)

昨日、飛ばれて終わったクロヅルにも再挑戦。この日は近くでじっくりと観察。

クロヅル(撮影:上山功夫様)

その後はアカツクシガモをまた見て、さらに別の場所でクロハラアジサシの群れも見ることができました。

アカツクシガモ(撮影:上山功夫様)
クロハラアジサシ(撮影:上山功夫様)

今度はカンムリワシの幼鳥を探しです。しかし、見当たらず。今年はあまり繁殖しなかったのでしょうか?お昼を挟んで、移動中に飛翔するツバメチドリの群れや大きなミミズを食べるズグロミゾゴイを観察。

ツバメチドリ(撮影:上山功夫様)
ズグロミゾゴイ(撮影:上山功夫様)

移動して、ツメナガセキレイを探します。数羽のムナグロとたくさんのツメナガセキレイを見ることができました。まだ夏羽が残った黄色い個体も何羽かいました。

今度は海岸へ移動して、シギチの観察です。メダイチドリを中心に、シロチドリ、ムナグロ、キョウジョシギ、キアシシギなどが400羽以上はいたでしょうか?その中にオオメダイチドリも複数入っていました。クロサギも白色型、黒色型の両方を見ることができました。

オオメダイチドリとメダイチドリ

最後はカタグロトビ。なかなか見つかりませんでしたが、ようやく電線に止まっている個体とホバリングしている個体を見ることができました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

渡り鳥の楽園・秋の飛島

Report by 簗川堅治 / 2022年10月28日~30日

 

日本海側の離島は、渡りの時期は鳥、鳥、鳥…色々な鳥が所せましとあちこちで見られるのが特徴です。はてさて、今秋は……?

 

1日目。まずはとるものもとりあえず、26日から滞在中の珍鳥・オガワコマドリを見に学校方面へ向かいます。途中、雨が降り出し、雨宿りしながら現場到着。ところが、アオジやカシラダカ、ジョウビタキなどは出てくるものの、待てど暮らせど、オガワコマドリが出てきません。朝はいたので、まだいるはずです。それもそのはず、上空をトビやハイタカがちょくちょく飛んでいます。これでは警戒して出てきません。やっとこれらがいなくなり、またしばし待ったところに、ようやくオガワコマドリ登場!気の済むまでじっくりと観察撮影しました。

オガワコマドリ(撮影:平野様)
オガワコマドリ(撮影:平野様)

 

観察風景
観察風景

 

オガワコマドリを堪能したら、雨が降ってきたので雨宿りです。その間、ハイタカが現れ止まってくれました。

ハイタカ(撮影:簗川)
ハイタカ

 

移動し、道路際に出てくるルリビタキやクロジなどを見ながら、次のポイントで待機。

クロジ(撮影:簗川)
クロジ

カキにやってくる鳥待ちです。時間の都合であまり待機できませんでしたが、メジロとマミチャジナイを観察。最後は1の畑で珍鳥・オジロビタキを見るため移動中に珍鳥・ムジセッカを確認。動きが早く大変だったものの、無事見れました。そうこうしているうちに時間がなくなり、オジロビタキは少し待った程度では出会えませんでした。

 

2日目。朝食前にオガワコマドリに会いに行きました。果たして、まだ残っているか?途中の道では、昨日に比べて鳥が減っている感じです。現場到着後、ほどなくしてオガワコマドリ登場!まだいてくれました。しきりに餌をとっています。ミヤマホオジロやカシラダカ、アオジも数羽。

アオジとカシラダカ(撮影:平野様)
アオジとカシラダカ(撮影:平野様)

朝食後、スタート時間からまたしても雨が降ってきました。どうもすっきりしない天気です。少し雨宿りをし、出発。やはり鳥は減っています。オジロビタキのいる1の畑で、しばし待ちました。しかし、声もせず。抜けてしまったか?それでもオオムシクイが現れ、楽しむことができました。

オオムシクイ(撮影:簗川)
オオムシクイ

2の畑、マユミに来る鳥待ちです。ジョウビタキの他にルリビタキも来ました。

ルリビタキ(撮影:平野様)
ルリビタキ(撮影:平野様)

ごどいも畑ではコホオアカの声がします。3の畑へ移動し、お昼です。鳥待ちしながらでしたが、成果はイマイチ。土捨て場に移動するも、特に何もいなませんでした。中村の畑ではオオムシクイとキマユムシクイを見ました。どっちがどっちなのか、わからなくなる場面も。

キマユムシクイ(撮影:平野様)
キマユムシクイ(撮影:平野様)
オオムシクイ(撮影:平野様)
オオムシクイ(撮影:平野様)

山グラウンド、しばし休憩し、ドコモの畑の隣の畑に寄り、昨日、マミチャジナイなどが来たカキノキに行きましたが、今日は現れず。何もいない。最後はオガワコマドリに会いに行きましたが、これまたお留守で、この日を終えました。

 

3日目。今朝の朝食前の探鳥は自由行動としました。みなさん、それぞれ行動したようです。ガイド簗川は、とりあえず、オガワコマドリがまだいることを確認しました。

朝食後、出航までの4時間半は、昨日と同じように勝浦港から探鳥しました。昨日、そして一昨日と比べると、鳥は段々と減ってきているようです。アオジ、カシラダカ、ミヤマホオジロがパラパラと出てくる程度。

ミヤマホオジロ(撮影:平野様)
ミヤマホオジロ(撮影:平野様)

1の畑でオジロビタキを探すも現れず。昨日のオオムシクイはまだ同じように採餌していました。

2の畑では、昨日まで観察したはしたものの、遠かったりすぐいなくなったりしてよく観察できなかったコホオアカとムジセッカを中心に畑を回りました。ムジセッカはちょっと距離はあったものの、昨日よりはじっくり観察できました。

ムジセッカ(撮影:平野様)
ムジセッカ(撮影:平野様)

コホオアカは見つからなかったので、今度はマユミの実に来る鳥待ちをしました。ジョウビタキ、そしてルリビタキが時折やってきては、世話しなく動き回り、マユミの実を採餌していました。

ここでちょっと小休止。ベンチで休んでいると、何やら人だかりが。オジロビタキが出ているようです。早速行って、観察。杭に止まっては移動しながら、採餌するかわいい姿を見ることができました。

 

我々も食事をとることとし、ベンチで休憩しながら昼食の時間です。すると、今度は目の前にオジロビタキ!よほどお腹が空いているのか、採餌に余念がありません。じっくりと堪能できました。

オジロビタキ(撮影:平野様)
オジロビタキ(撮影:平野様)

時折小雨が降り、鳥の個体数こそ少なめでしたが、オガワコマドリをはじめ、オジロビタキやムジセッカなど、珍鳥はまずまずの成果の3日間でした。参加者の皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

山形・天童でチゴハヤブサの親子を観る(2本目) 

Report by 簗川堅治 / 2022年8月21日~22日

 

2本目です。1本目と打って変わって、暑い日になりました。これでは観察も大変ですし、そもそも鳥の動きがなくなることから、1日1ヶ所での観察ではなく、2ヶ所を回ることとしました。

 

1ヶ所目。到着早々、梢に止まるチゴハヤブサを発見。♀親です。辺りをキョロキョロ見渡して、餌をさがしているようです。巣立った幼鳥の姿はありません。きっと暑いので日陰に潜んでいるのでしょう。しばらくすると、餌をとった♀親が巣の中に。どうやら、日陰の巣に幼鳥がいたようです。その後も♀親はしきりに餌を運んでは、幼鳥に与えていました。餌はアブラゼミ、ミンミンゼミ、オニヤンマのようでした。

給餌するチゴハヤブサの♀親
給餌するチゴハヤブサの♀親

 

幼鳥も時折、飛んでくれました。

飛ぶチゴハヤブサの幼鳥.
飛ぶチゴハヤブサの幼鳥.

 

2ヶ所目に移動しました。やはりまだ暑いのか、幼鳥は日陰に止まっています。運よく、陽の当たる場所に止まってくれたこともありました。

チゴハヤブサの幼鳥
チゴハヤブサの幼鳥

近距離だったため、幼鳥の特徴である眼の周りと、ろう膜が水色なのがはっきりとわかります。

この場所は、先に訪れた所よりも給餌回数は少なめながら、ゆっくりと楽しめました。

 

2日目。新たな場所、3ヶ所目に行ってみました。ここも街中です。到着早々、親子で飛んでくれ、止まりました。しばらくして親も発見。

見張るチゴハヤブサの親
見張るチゴハヤブサの親

 

他の2ヶ所よりは、鳥までの距離が近いのが、ここのいいところです。堪能していると、近所の人たちのラジオ体操の時間になったので退散し、次の場所へ向かいました。この日2ヵ所目は前日来た場所です。朝のわりには、あまり動きはありませんでしたが、♂♀幼鳥をじっくり観察しました。

 

街中の猛禽、チゴハヤブサ。いかがだったでしょうか?暑い中、参加者のみなさん、ありがとうございました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!