大雪山・旭岳のギンザンマシコと海鳥の聖域・天売島
<前編>

Report by 戸塚学 / 2025年6月13日~17日

個人的にはどちらも何度か足を運んでいる場所ですが、西遊のツアーでは初めてとなります。時期的に旭岳の宿が山開きに合わせてオープンさせるという事で、2日間宿が旭川市内という事になり本来予定をしていた山麓周辺の撮影ができなかったことが残念だった。天売島はピーカンの晴れとはいかなかったのですが2日目に奇跡的出来事が続き大変喜んでいただけたのではないかと思いました。

1日目 晴れ

旭川空港での集合に飛行機がかなり遅れた事と宿が旭川市内名なのでそのまま宿入りしました。

2日目 旭岳 晴れ

旭川市内からの出発のためロープウェイの始発に乗れず、8時30分の便で姿見駅へ。今年は少ないとはいえ残雪の残る斜面をおっちらえっちら歩いて行きます。第一展望台に向かう途中に鳥のさえずりが?ふと見上げるとオスのギンザンマシコがハイマツの上に!しかし撮影する前に飛ばれてしまった。まず第一展望台に上がり周囲の場所の説明をしたのちギンザンマシコ狙いのカメラマンで賑わう第三展望台へ向かいます。どうやら朝1番でこの場所の近い場所でゆっくりと撮影ができたらしい・・・悔しい。その後も何度か飛んだり、ハイマツの上にとまるもすぐに飛び去ったりなどしてなかなか撮影をさせてはくれない。途中でカヤクグリやノゴマが撮影はできたものの本命はさっぱり。

カヤクグリ

参加者の1人が、第二展望台に行ってみる!と歩き出した。彼女があと少しで到着という時です、なんと目の前の岩にギンザンマシコのメス2羽がとまったのです。こちらからは逆光&遠い!しかし彼女からは順光&近い!「「しっかり撮って!」と声をかけてしっかり撮ってもらいました。その後、持ってきた携行食を食べながら待ちますが・・・時計は14時を回ります。ダメかなと諦めかけた時とうとうその時は来ました。ハイマツのてっぺんに真赤なオスがとまりました。時間としては3分あったか無いかですが、動かないのでしっかりと撮影ができました!

ギンザンマシコ

15時45分のロープウェイで下山をしたのですが、あれっきりギンザンマシコは出なかったので超ラッキーでした。ホテルへ戻りサービスで付いてきたグラス生ビールで祝杯を挙げました!

3日目 旭川―羽幌―天売島 晴れ

旭川から予定よりも早く羽幌港に到着したので、周辺で撮影を試みますが天気がいい事と時間的に鳥たちが少なく撮影ができません。一旦ろうそく岩まで戻りウミウを撮影しようとしますが・・・陽炎がひどくてダメでした。それではと食事に向かいましたがどこも高い!特にお客様の所望のうに丼がどこも5000円!結局ホテルのレストランで普通の味と値段の食事となりました。天売航路では思ったほど海鳥たちには出会う事ができずウトウ、ケイマフリ、ウミウ、2度ほど出てくれたウミスズメを撮ることができなかったのが悔しい。

ウミウ

天売島に着いてそのまま西遊の宿、天売マフレへ。この日は18時から赤岩展望台で帰巣するウトウの撮影のため早めの食事をする予定。その前に宿周辺で鳥を撮影します。天売島にはノゴマとコムクドリが多いのでまずは撮影できてよかった。一番の収穫は巣立ち間もないアカゲラを撮れたことでしょう。

 

17時から食事をして出発します。天売島ではウミネコが繁殖する場所が海岸にあり道路周辺にも広がるため道路がウミネコで埋め尽くされてしまう。今年はまだヒナの数が少なくてよかったがここがヒナで溢れるとどかして車で通行するのが超大変!

ウミネコのヒナ
ウミネコ

そこを抜けると展望台までの上り坂を登り展望台です。今年はオオイタドリの丈が高く戻って来るウトウが見つけにくい。合わせて予定をしていた時間よりも1時間遅く戻ってきたので暗くなってしまい思ったような撮影ができませんでした。参加者からも「この撮影は私たちには難しい」と言われますが私自身も超苦戦しているのだから当然です。暗くなってからは色づく空をバックに帰巣するウトウを狙いますが・・・いつもより数が少ない。現地ガイドの話によると今年はエサの魚が少ないのでほとんどの親鳥たちがエサを持ち帰れない&時間が遅いとのことでした。そのあとはライトアップされたウトウを撮影するのですが一般観光客も多いので思うように撮影ができずみなさん結構ストレスを感じていらっしゃった。ここからの帰りは鳥たちを車で轢かないためにガイドの車に着いて帰路につきました。

ウトウ

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員