秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

パミール・ハイウェイとワハーン渓谷

  • タジキスタン

2015.01.01 update

パミール・ハイウェイとワハーン渓谷

ワヒ族の民家の尾根。パキスタン・上部フンザ地方と同様のラテルネンデッケ天井をもつ建築様式が見られます

ソ連邦崩壊後の内戦と入域許可取得が困難だったことから、長い間外国人の訪問が難しく、いまだ未知なる部分が多かったタジキスタン。国土の90%は山岳地帯が占め、6,000~7,000mの山々が連なる「世界の屋根」パミール高原を有しています。
東部には国土の45%を占めるゴルノ・バダフシャン自治州があり、ここには人口のわずか3%のパミール系諸民族とキルギス族が暮らしています。

ワハーン渓谷 / Wakhan valley

パミール系諸民族の暮らしに触れ、パンジ川の対岸にヒンドゥークシュを背後に控えたアフガニスタン・ワハーン回廊を望むことができるのがワハーン渓谷。この地域は厳しい自然環境だけでなく、地形状の特殊性からも、独自の文化・風習を守り続けてきた人々が暮らしています。この地域に暮らすのはワヒ族、ショグナーン族といったパミール系諸民族で宗教はイスラムですが、パキスタンのフンザ地方やアフガニスタンのバダフシャン州と同じくイスマイリ派(アガ・ハーン)を信仰しています。民族も、その景観もパキスタンの上部フンザ地方に近い雰囲気を感じられるかも知れません。この渓谷には拝火教寺院跡や仏教僧院跡も残り、古くから文化伝播の道であったことをうかがうことができます。タジキスタンとアフガニスタンとの国境沿いを延々と流れるパンジ川は、ワハーン回廊から来るワハーン川とゾルクル湖から来るパミール川がランガールにて合流したもので、西へと流れウズベキスタンに入るとアム・ダリヤと名前を変え、アラル海に至って3,000キロに及ぶ流れを終えます。ワハーン渓谷のハイライトはなんと言ってもこのパンジ川の対岸に広がるアフガニスタン側、ヒンドゥークシュと扇状地の広がる雄大な景色。村人も解放的で明るくツーリストを迎えてくれます。

死海での浮遊体験をお楽しみください。
ワハーン渓谷の村、畑仕事(8月)
死海での浮遊体験をお楽しみください。
ワヒ族の少女
死海での浮遊体験をお楽しみください。
ヴァンの仏教遺跡跡 僧院や石窟の跡も残されています
ゴラン高原を望む玄武岩の柱廊が残る教会跡
ランガールからハルゴッシュ峠への途中に広がるヒンドゥークシュ高峰群の景色

ワハーン回廊とは / Wakhan corridor

アフガニスタンの北東部に東西に細長く伸びた回廊地帯。細い部分は南北の幅15~60Km、東西200Kmにわたり、北はタジキスタン、東は中華人民共和国に、南はヒンドゥークシュ山脈を境界としてパキスタンに接しています。西側はワヒ族が、東側の山岳地帯はキルギス族が暮らし、アクセスの難しさと治安状況から「最後の秘境」として残された山岳地帯です。

褐色の大地が作る海岸線
パンジ川の対岸に広がるアフガニスタン側、ヒンドゥークシュの氷河から流れ出て広がる扇状地

パミール・ハイウェイ / Pamir highway

死海での浮遊体験をお楽しみください。
パミール高原最大の湖カラクル。 2,500万年前の隕石の衝突でできた
クレーター跡にできた湖

「世界の尾根」パミール高原とキルギス族の世界ゴルノ・バダフシャン自治州を貫通する「パミール・ハイウェイ」は、タジキスタンのホルグからはじまりキルギスのオシュまで続きます。もともと1931年に旧ソ連が領土南端に軍を送る目的で建設した軍用道路でした。ホルグから標高を上げコイ・テゼック峠(4,272m)を越えると、そこはキルギス族の世界。標高3,500~4,000mの高原には移動式住居ユルトが点在し、キルギス帽をかぶりロバや馬に乗った人々の姿を見かけます。その後、ハイウェイはパミール高原のキルギス族の町マルガブより北上し、ハイウェイの最高地点アク・バイタル峠(4,655m)に至ります。キルギスとの国境付近には国境線を成すトランス・アライ山脈の高峰群が聳え、その手前にパミール高原で最大の湖、カラクル湖が広がります。ここでは雄大な山容とともに紺碧の湖の景観を展望することができます。さらにハイウェイは北上しキジル・アート峠(4,282m)を越えると、キルギスに入り、サリタシュの村へと下ります。この村からはキルギスの第2の高峰にしてトランス・アライ山脈の最高峰であるレーニン峰7,134mを望むことができるのです。

死海での浮遊体験をお楽しみください。
キルギス族の町マルガブ
死海での浮遊体験をお楽しみください。
マルガブのバザール
死海での浮遊体験をお楽しみください。
キルギス族 夏の放牧ユルト (移動式住居)
死海での浮遊体験をお楽しみください。
パミール・ハイウェイ最高通過地点、アク・バイタル峠4,655m

パミール・ハイウェイとは / Pamir highway

別名M41ハイウェイとも呼ばれ、キルギスのオシュからパミール高原を貫きゴルノ・バダフシャン自治区の州都ホルグ、タジキスタンの首都ドシャンベを経てウズベキスタンに入り南下、アムダリヤ川の国境を越えてアフガニスタンのマザリ・シャリフまで延びる道ですが、一般的にはオシュ~ホルグが「パミール・ハイウェイ」と呼ばれています。

パミール・ハイウェイの通過地点、サリタシュの村から見るレーニン峰
パミール・ハイウェイの通過地点、サリタシュの村から見るレーニン峰

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パミール・ハイウェイとワハーン渓谷

パミール・ハイウェイとワハーン渓谷

知られざる山岳国家タジキスタンを巡る。アフガニスタン・ワハーン渓谷を眺めパミール高原・キルギスへ。タジキスタンの雄大な自然、パミール諸民族とのふれあいを楽しむ冒険行。

キルギス パミール・アライに暮らすキルギス族

  • キルギス

2015.01.01 update

キルギス族の移動式住居ユルト

キルギス族の移動式住居ユルト

トランス・アライ山脈の麓
「パミール・アライ」の村サリタシュ

キルギスは中央アジア5カ国の中で最も面積がせまい国ですが、私たちにとっては広大な山岳地帯と草原を持つ大自然の豊かな国です。7つの州があり、このサリタシュ村はオシュ県の最南部・タジキスタン国境に位置します。通常のキルギス観光ルートから離れるため訪れる人は少なく観光地としては発達していないため、宿泊も「民家ゲストハウス」。キルギス族の家族が出迎えてくれます。

標高3,000mほどの草原には豊かな放牧地が広がり、そこに住居とユルト(移動式住居、キルギス語でボズ・ウィ)をたて馬やヤク、ウシを飼い暮らしてます。この「パミール・アライ」に暮らす自分たちこそ「キルギスの中のキルギス」と自称するほど、今でも馬などの家畜とともに暮らす生活が保たれています。
本来、キルギス族は一年中ユルトでの生活を行ってきましたが、ソビエト時代に行われたコルホーズ・ソフホーズ主導の牧畜の管理の結果、村に定住するようになり伝統的なユルトは夏の間だけ利用される放牧用の住居になってしまいました。サリタシュ付近では6月半ばから9月初めの短い夏の間、草原に放牧用のユルトが建てられます。

キルギスのユルト(ボズ・ウィ)は「灰色の家」という意味で、この「灰色」はフェルトのことを指します。フェルトは羊毛を毛羽立たせて均等な厚さになるようにおき、お湯をかけながら巻き上げ、固めていく手作業で作られたフェルトは丈夫で、ユルトの表面の覆いとして5~10年は使用されます。 一部ではキャンパスやテント地の導入がはじまっていますが、ここでは手作りのフェルトのユルトが生きています。

フェルトのアップリケのほどこされた入り口から入ると、入り口に近い中央右手にストーブがあり、そのストーブの煙が、天窓をかねる天井の穴から出されるようになっています。伝統的にはユルトの屋根は天と同一視され、その中心にある炉(現在はストーブ)も神聖な場所とされていたそうです。

トランス・アライ山脈
サリタシュの南はタジキスタンとの国境となるトランス・アライ山脈。その最高峰でありキルギス第2の高峰レーニン・ピーク7,134mをサリタシュから望む
パミール・アライ
本来遊牧民であるキルギス族にとって家畜は大切なもの。パミール・アライではヤク(高地)、馬が放牧されています。
サリタシュ
サリタシュにあるキルギス族の墓。葬式の日に殺されたヤクや馬のしっぽが神聖な印としてつけられます。
キルギスの乾燥チーズ
キルギスの乾燥チーズ、クルット。ミルクを発行させて丸めて乾燥させて作るチーズ。日本人のお客様にはあまり好評ではありません…
ユルト
ユルトの中へ招待してくれました
私たち日本人がユルトを見つけて訪問すると、暖かく迎えてくれるキルギスの人々。馬の乳・クミス、乾燥ヨーグルト・クルト、生クリーム・カイマークとナン。次々と手作りの乳製品でもてなしてくれ、さらには外国人の訪問を聞いた「ご近所さん」も自慢の乳製品を持ってやってきてもてなしてくれます。もちろん、こういった乳製品をキルギス人に販売もしているのですが、外国人の訪問は彼らにとってはちょっとしたイベントなのです。 「来年の夏もまたきてくれる?写真持ってきてくれる?私たちは毎年この場所にユルトをはるのよ」この気持ちを裏切らないように、一年後、この場所を訪問する添乗員・ガイドさんにしっかり託さねば・・・という責任感を感じます。
ブズカシ
ブズカシを楽しむ人々 ブズカシは一見ポロのようですが、2組の馬に乗ったグループがボールではなく頭を落としたヤギを奪い合うこの地域のスポーツ(アフガニスタンの国技です)
国民食ベシュバルマク
道中、キルギスの国民食ベシュバルマクを作っていました。ベシュバルマクとはキルギス語で「5つの指」を意味します。作っているところを見ていると馬乳酒(クミス)と揚げパンを持ってきてくれました。
パミール・アライに暮らすキルギス族
来年もまた来てね!

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天山とパミールの懐へ 夏のキルギス・アドベンチャー

天山とパミールの懐へ 夏のキルギス・アドベンチャー

南イニルチェク氷河から望む天山の名峰ポベーダ、ハンテングリ。パミール・アライに聳えるレーニン峰。短い夏を謳歌する遊牧民の暮らしにもふれる、キルギスを深く知るためのアドベンチャー企画。

チリ・アンデスの名峰 エルプロモ峰(5430m)登頂

  • チリ

2014.08.01 update

エルプロモ峰の標高は5,430m。日本でまだあまり知られていませんが、チリ・アンデス山脈に聳える名峰です。
人口550万人が暮らすチリの首都サンチャゴ(520m)から車で走ること1時間半で、登山の拠点となるバジャ・ネバド(2,900m)へ到着。ここから5日間のライトエクスペディションの始まりです。

▲ エルプロモ(5,430m)を望みながらフェデラシオンを目指すエルプロモ峰(5,430m)を望みながらフェデラシオンを目指す

トレッキング1日目 バジャ・ネバドからピエドラ・ヌメラーダ(3,354m)へ

1日目は、キャンプ地となるピエドラ・ヌメラーダ(3,354m)まで標高差約450m。歩き始めとなるバジャ・ネバドは南米屈指のスキー場でラ・パルバ、エル・コロラドとともに『3つの谷』と呼ばれ、南半球最大のスキーリゾートを形成しています。

しばらく歩き、スキー場を抜けると3,400mのコル(鞍部)に到着。ここから下り、再び3,400m地点まで登り返します。エルプロモ峰を正面に望みながら歩き続け、キャンプ地手前でトラバースするとセポ川沿いの緑豊かなキャンプ地、ピエドラ・ヌメラーダに到着です。

  • 荷物は馬で運びます
  • アップダウンを繰り返す
  • ピエドラ・ヌメラーダを目指すピエドラ・ヌメラーダを目指す
  • 緑豊かなキャンプ地緑豊かなキャンプ地
  • ピエドラ・ヌメラーダから望むエルプロモピエドラ・ヌメラーダから望むエルプロモ
  • エルプロモ夕景エルプロモ峰夕景

トレッキング2日目 ピエドラ・ヌメラーダからフェデラシオン(4,100m)へ

2日目はフェデラシオン(4,100m)を目指します。標高差は約750m、この日は高度順応を兼ねてゆっくりと登ります。標高差はありますが、比較的ゆるやかな登りで高度順応には最適です。

ベースキャンプのフェデラシオンに到着し、午後はティータイムなどを楽しみつつのんびりと過ごします。この辺りは地中海性気候に属し温暖な気候で冬でも暖かく、1年のうち300日以上が晴天に恵まれています。

  • ベースキャンプのフェデラシオンを目指すベースキャンプのフェデラシオンを目指す
  • 高度順応を兼ねてゆっくりと登る高度順応を兼ねてゆっくりと登る
  • 川を渡渉川を渡渉

トレッキング3日目 高所順応日(4,100m~4,300m)

3日目は高所順応日です。明日の登頂に備え、今日は少しでも登頂時のイメージを掴んでいただくため、水分補給と呼吸を意識しながら、登頂時の重量でザックを背負ってラ・オジャ(4,300m)まで登っていただきます。

到着後は、現地山岳ガイドによるアイゼン着用での歩き方などの練習で翌日の登頂へ備えました。高度順応を考慮したゆとりあるコース内容の為、連泊してしっかりと体を慣らす事ができるのも、このコースのメリットです。

  • ラ・オジャまで高度順応
  • フェデラシオンのキャンプ地フェデラシオンのキャンプ地

エルプロモ峰登頂(5,430m)

4日目はいよいよ登頂日です。標高差は1,300m。5時にフェデラシオンを出発し登山開始。まずは昨日、高度順応したラ・オジャを通過し4,620mにあるシェルター(RefugioAgostini)まで向かいます。この辺りから急に風が強くなり、気温も下がります。レオネラ峰(4,954m)を眺めながらトラバースを繰り返します。

稜線まで登りきると、いよいよ頭頂部は見えてきますが、到着までにはまだまだ時間がかかります。

  • 登山開始 登山開始
  • 道中から望むレオネラ峰(4,954m)道中から望むレオネラ峰(4,954m)
  • トラバースしながら稜線を目指す

標高5,000mを越えると、インカ時代のミイラが発見されたピルカ・デル・インカ遺跡(5,050m)に到着します。既に風化していますが、約500年前に埋葬され、5,000mを越える高所にミイラを埋葬するインカの人々に感心しながら先へ進むと、目の前に雪渓が現れます。

  • トラバースを繰りかえす
  • 頂上直下の雪渓を目指す
  • 風化してしまったピルカ・デル・インカ遺跡風化してしまったピルカ・デル・インカ遺跡

近年は、気候変動(温暖化、降水量の減少など)にともなって規模が極端に縮小しているとはいえ、アイゼンを装着し雪渓をトラバースしなければなりません。トラバース後は最後の力を振りしぼり、一歩一歩、歩みを進め、ついにエルプロモ峰(5,430m)の頂に到着です!山頂からは南米最高峰アコンカグアをはじめアンデスの迫力ある山容を望めます。

  • 雪渓をトラバース雪渓をトラバース
  • 山頂までもうすぐ山頂までもうすぐ
  • エルプロモ峰(5,430m)登頂エルプロモ峰(5,430m)登頂
  • 山頂から望むアンデス山脈山頂から望むアンデス山脈
山頂から望むアコンカグア(6,962m)山頂から望むアコンカグア(6,962m)

登山後はサンチャゴ郊外のマイポ渓谷にあるワイナリーでワインの製造工程を見学。併設のレストランにて昼食と共にワインをお楽しみいただけます。アイゼン・ピッケルを使用する実践登山で、チリ・アンデスの名峰エルプロモ峰を登頂し、ワイナリーの見学など、充実の10日間の旅に一緒にでかけてみませんか。

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チリ・アンデスの名峰エルプロモ峰(5,430m)登頂

山頂からは南米最高峰アコンカグア(6,992m)をはじめ、アンデス山脈の迫力ある山容を望む。高度順応に配慮した日程で、一部アイゼン・ピッケルを使用する実践的登山へ。

花のカナリア諸島 固有種の宝庫を訪ねて

  • スペイン

2014.06.01 update

大西洋に浮かぶ、常春の楽園、花のカナリア諸島。
スペイン最高峰のテイデ山(3,718m)を擁するテネリフェ島、世界遺産ガラホナイ国立公園に太古の森が残るゴメラ島、巨大なカルデラの絶景が広がるラ・パルマ島、それぞれ異なる特徴を持つ3つの島を訪れます。5月中旬から6月中旬は、固有種の花々のベストシーズン。花を愛でながら3つの国立公園のトレッキングを楽むことができます。トレッキングの他にも、スペイン料理や新鮮な魚介類、そして美しい海に面したリゾートホテルに宿泊と、楽しみ満載のカナリア諸島です。

固有植物エキウム・ウィルドプレッティとスペイン最高峰テイデ山固有植物エキウム・ウィルドプレッティとスペイン最高峰テイデ山

カナリア諸島の植物

カナリア諸島には700種以上もの固有植物が存在しており、5月中旬から6月中旬は花のベストシーズンを迎えます。カナリア諸島を代表する植物エキウムは種類も多種多様。赤、青、紫、白など様々な色のエキウムが生息します。高さ3メートルを超えて育ち、淡紅色の花穂の長さも1メートルを超すことがあります。また、その姿から、宝石の塔とも呼ばれる美しい植物です。他にも、樹齢500年と言われる竜血樹の「ドラセナ・ドラコ」や、多肉植物のアイオニウムやオレンジの綺麗なビカカロなどたくさんの固有植物が皆さんを迎えてくれます。


紫のエキウム

カナリア諸島のシンボル・竜血樹

多肉植物アエオニウム

固有植物ビカカロ

スペイン最高峰テイデ山(3,718m)登頂 / テネリフェ島

テイデ国立公園の登山口から歩き始め、砂礫のなだらかな登りを進んでいきます。真下には大西洋やグランカナリア島などの眺めが広がり、景色を楽しみながらのトレッキングになります。山小屋手前ぐらいからは、火山帯の急登を山小屋まで登り、アルタビスタ小屋に到着します。山小屋は、二段ベッドで寝具も備え付けてあるので快適に眠れ、夕食は、麓のスーパーで購入したイベリコ豚やチーズなどで皆さん一緒に美味しいサンドウィッチなどを作って召し上がりました。翌日、夜明け前に出発し、火山ならではの岩場を登っていきますが、頂上付近の一部を除いては登山道は整備されていてとても歩きやすいです。また、道中からは大西洋から昇る朝日をご覧いただき、その後、スペイン最高峰(3,718m)に登頂です。頂上からは、極彩色の巨大カルデラや、360度大西洋を見渡し登頂の喜びを感じることができました。2日間かけた道のりですが、下山は、ロープウェイで景色を眺めながら下っていきます。

  • 砂礫のなだらかな登りを進みます。
  • 頂上からは巨大カルデラや大西洋が広がります

照葉樹林の森が広がるガラホナイ国立公園

ゴメラ島

ユネスコの世界遺産に登録されている、マカロネシアを代表する照葉樹林が残るガラホナイ国立公園。乾燥した火山島とは違い、島は絶えず霧に覆われ、温暖な気候と霧が、常緑の照葉樹をは育んでいます。車で登山口まで上がり、緑豊かな森を下りながら歩き、神秘的な森の中を楽しみました。

ラ・パルマ島

火山の噴火によって造られた巨大なカルデラを中心とするカルデラ・デ・タブリエンテ国立公園に向かいます。島の最高所ロケ・デ・ロス・ムチャチョス(2,426m)は天体観測所としても世界的にも知られ、世界各国の天文台が設置されています。頂上から、火山活動によってできた雲上の絶景の中を歩いていきます。道中は、いっぱいのスパニッシュブルームが咲き乱れ、辺り一面、黄色の世界が広がっていて真っ青な空と白い雲とのコントラストに目を奪われました。

 

ロケ・デ・ロス・ムチャチョスに咲くスパニッシュブルーム(ラ・パルマ島)

太平洋に浮かぶ、固有種の宝庫、花のカナリア諸島。お花だけではなく、スペインの最高峰にも登頂でき、特異な生態系を残す3つの魅力的な島も訪問します。火山が造り出した特異な自然を歩き、花のカナリア諸島の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

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花のカナリア諸島 テイデ山登頂と固有種の宝庫を訪ねて

知られざるスペイン最高峰テイデ山(3,718m)を登頂。花咲くベストシーズン。固有植物の森、巨大なカルデラ、火山が造り出した奇観、特異な自然を歩いて楽しむ。

カナリア諸島を歩く

海底火山の噴火によって造られたカナリア諸島。固有植物の森、巨大なカルデラ、火山が造り出した奇観、 特異な自然を歩いて楽しむ旅。

モンゴル最果ての花園を求めて
アルタイ山脈トレッキングと大氷河展望

  • モンゴル

2014.04.01 update

モンゴル最西端に位置するアルタイ山脈は全長約600kmで、ロシアの西シベリア、モンゴル、中国にまたがっています。アルタイ山脈のタバンボグド山群最高峰・フィティン峰(4,374m)は全長約20kmのポターニン氷河を抱くモンゴルの最高峰でもあります。 ここでは、ウランバートルから6泊7日での周遊トレッキングの様子をルートに沿ってご紹介いたします。

リンジャニ山の全景を望みつつ草原帯から登山開始タバン・ボグド山群とポターニン氷河

トレッキング1日目
ウランバートル(1,351m) → ウルギー(2,000m) → ソゴ川沿いのキャンプ(2,300m)

1日目は首都ウランバートルからウルギーへ向かいます。ウルギーの空港は未舗装の滑走路と小さな空港施設のみで、辺りは草原。西の最果てに来たことを実感させてくれます。 カザフ族が多く住むバヤンウルギー県の中心地ウルギーからロシア製のヴァンに乗り、大草原を車で走りソゴ川沿いのキャンプ地へ向かいました。


  • 車で川を渡ります

  • 大草原の中を走ります

トレッキング2日目ソゴ川沿いのキャンプ(2,300m) → ホー・エレグ(2,600m)

トレッキングの拠点となるホー・エレグへヴァンで向かいます。 道中、鷹を使った伝統的狩猟方法を継ぐカザフ族の鷹匠のゲルを訪問しました。 鷹匠は冬になると鷹を使い、うさぎや鳥類など、小動物を狩りします。狩りをするのはアグレッシブな雌のみで6歳になると自然界へ返されるといいます。伝統的文化の一旦を垣間見て、先を進みます。 ホー・エレグはタバンボグド国立公園内にあり整備されたキャンプ地です。近くに小川が流れ、草原の上にテントを張るため快適に休むことができます。


  • カザフ族の鷹匠

  • ホー・エレグのキャンプ地

トレッキング3日目ホー・エレグ(2,600m) →フィティン峰・ベースキャンプ(3,300m)

いよいよトレッキング開始です。本日の標高差は約700mです。ホー・エレグを出発して、しばらく歩くと広大な渓谷が広がります。そこから小川を渡り、尾根をゆるやかに登りますが、歩きやすく花々を観察しながらのんびりと歩きました。湖のほとりで昼食後、いよいよ最終目的地のフィティン峰・ベースキャンプへ到着です。 目の前にはポターニン氷河が流れこみ、モンゴル最高峰フィティン峰(4,374m)、イーグルピーク、マルティン峰(4,015m)など、タバンボグド山群の迫力ある山容が広がります。


  • オロスサラニー渓谷

  • 荷物を運ぶラクダ

  • 花を観察しながら歩きます

  • タバンボクド山群

  • シオガマ

  • 色とりどりのポピー

  • 満開のキンポウゲ

  • ゴマノハグサ

  • サクラソウ

トレッキング4日目 フィティン峰・ベースキャンプ(3,300m)滞在

終日、ベースキャンプを拠点に周辺を散策します。午前中はロシア国境までのハイキング。マルティン峰の麓からロシア方面へ3時間程歩くと、なにもない尾根上にポツンと1つの記念碑が現れます。そう、ここがモンゴルとロシアの国境です。ここから一番近いロシアの村までは30km離れているそうです。 午後からはサイドモレーンを横断し、ポターニン氷河へ。『5つの聖山』意味するタバンボグド山群を仰ぎ見ながら真っ白な氷上を歩きました。約20kmある白銀の氷河は、毎年約5mも縮小を続けているそうです。


  • ポターニン氷河とイーグルピーク

  • モンゴル最高峰フィティン峰

  • ロシア国境

  • ベースキャンプ周辺を散策

  • サイドモレーンを下る

  • 氷河を散策

  • ポターニン氷河

トレッキング5日目
フィティン峰・ベースキャンプ → ツァガーン渓谷(2,400m) → シベート・ハイルハン峰(2,500m)

ホワイトリバー川沿いにツァガーン渓谷へ向かいます。湿地帯を抜け、満開に咲いた花畑を通りながら、白濁したツァガーン・ゴル(ツァガーンは「白い」、ゴルは「川」を意味)沿いのキャンプ地を目指しました。 翌日は遊牧民のゲルを訪問し、スーティ・ツァイ(モンゴリアンティー)やアルヒ(モンゴルウォッカ)などを御馳走になりました。その後、トゥバ族の聖なる山、シベート・ハイルハンへ。この周辺には2,000年前に描かれたと言われる岩絵が点在します。狩りの様子や動物など沢山の岩絵を見る事ができました。 シベート・ハイルハン山麓で1泊し、ここからは一気にウルギーまで戻り6泊7日の山旅は終了です。


  • ツァガーン渓谷

  • ゲルを訪問

  • ウルップ草科の花

  • 満開のアズマキク

  • 色とりどりの花々

  • 2000年前の岩絵

  • 道中で出会った遊牧民の子供達

雄大なモンゴルの大自然の中を歩けば、この期間だけに咲く野生の花々の観察や、ポターニン氷河、フィティン峰をはじめとするタバンボグド山群の大展望をお楽しみいただけ、またカザフ族の鷹匠や遊牧民のゲル訪問など、モンゴルならではの伝統文化にふれことができます。 モンゴルの夏は短く、この地域に訪れることができるのは約1ヶ月間のみです。

アルタイ山脈、氷河と花園を求めて大自然紀行へ一緒にでかけませんか?

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モンゴル最果ての花園を求めて アルタイ山脈トレッキングと大氷河展望

高山植物の花咲く季節限定企画。満開の高山植物を楽しみながらのトレッキング。氷河脇のベースキャンプで2連泊し、間近に迫る氷河の大展望を楽しむ贅沢な山旅

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