渡りの本流!韓国の離島バードウォッチングツアー【前編】

Report by 大西敏一&五百澤日丸 / 2025年5月3日~7日

5月3日:初日 / Report by 五百澤日丸

今年も韓国離島ツアーがやってきました。このところのツアーは天候に恵まれないこともあり、不安な気持ちもありましたが、多くの鳥たちに会えることを期待しつつ仁川国際空港へ向かいました。

関空組は私一人なので参加者の皆さんとは仁川で顔合わせです。仁川に到着するとあいにく雨。午後からの回復予報を期待しつつ、中部からご参加の方々と合流し談笑していると、成田便が遅延との一報が。現地添乗の朴さんといつものドライバーさんとも合流し、ファストフード店でしばし待機。13時過ぎに成田組の方たちが到着する頃にはすっかり雨も上がっていました。これは幸先が良いぞ。皆さん機内食が出ていたので昼食はパスし、ホテルに向かい、荷物を置いて早々に探鳥に出かけました。

まずはいつものクロツラヘラサギの繁殖する場所へ。調整池のど真ん中の人工島でクロツラヘラサギとモンゴルセグロカモメが繁殖しています。例年ならこの時期は両種とも可愛いヒナの姿が見られるのですが、今年はまだ抱卵中のようです。気温の低い日が続いたからかもしれません。そこではアカツクシガモ、セイタカシギ、コガモに混じるシマアジなども観察。定番のダルマエナガはなかなか手ごわくて写真が難しそうです。

調整池に浮かぶ人工島
セイタカシギ(藤田正昭さま撮影)

その後、クロツラヘラサギが至近距離で見られる湿地公園へ移動。お約束どおり、本種が近い。散歩の人が通るすぐ横で採餌していて、スマホでも撮影できそうです。セイタカシギもすぐ近くにいます。1枚の田んぼにバンが10羽もいる場所があり、デイスプレイや争いなどいろいろな行動が見られて楽しめました。他にはアカハラツバメ、ヒバリシギ、タカブシギなどが見られました。

クロツラヘラサギ(C)五百澤日丸
アカハラツバメとツバメ(大林修文さま撮影)

初日最後の探鳥は干潟で。以前、ホウロクシギなどが数百いた場所ですが、干潮のタイミングだったようで、多くのシギチは遠くで蠢いていました。それでもダイゼン、オオソリハシシギ、ダイシャクシギ、ホウロクシギなどはそこそこの距離で観察ができ、特にズグロカモメの夏羽がひっきりなしに目の前を飛び回り、干潟でシャコの仲間などを捕って食べる場面もありました。気温が低いうえ、風が強く、寒くなってきたので長居はせず本日の探鳥を終了。

夕食はいつもの店でサムギョプサルです。明日は皆さんと渡島できることを願って美味しくいただきました。

ズグロカモメ成鳥夏羽(大林修文さま撮影)
サムギョプサル

この日確認した鳥:56種

 

5月4日:2日目 / Report by 大西敏一

朝起きて、真っ先に空と風を確認した。快晴でほぼ無風。これなら船は出そうです。ホッと胸をなで下ろしながら、ホテルの朝食会場へ行くと、皆さん、すでに朝食バイキングへと集まっておられました。出航が9時なので、朝食は6時30分からです。今日は離島に渡ることが最優先のため、早朝の探鳥はご遠慮いただきました。朝食後、専用車にてフェリーターミナルへと向かいます。

韓国も連休2日目となっているので、道路もやや混んでいます。ターミナルの駐車場も満車で入れません。外で下ろしてもらい荷物を持って乗り場へと向かいます。中に入るとものすごい混雑ぶりで、座る場所もありません。たくさんある離島の船乗り場なので、みんながみんな、同じ離島ではないので、心配はありませんが、それでも満席とのことでした。8時40分、乗船し指定席に座ります。9時に出港すると鏡のような海面を滑るように走ります。船酔い止めはいつも飲みますが、この日は飲まなくても大丈夫そうでした。黄海は海鳥がいつも少なく、ずっと探していてもほとんどいなくて疲れるだけで後悔します。モンゴルセグロカモメとウミネコ、カワウ(亜種が気になるところです)、ウミウ程度で、参加者の中でヒメウも確認されました。12時30分、目的の離島に無事に到着しました。これで一安心です。今回の宿は以前もお世話になってペンションで、そちらの迎えのバスに乗り込んで、まずは宿に入ります。荷物を置いたら昼食会場へ行って腹ごしらえです。

今回の離島のペンション
ウミネコ

 

13時30分、昼食後、宿に戻りひと休憩して観察機材を各自準備していよいよ探鳥の開始です。宿の周りには林、荒れ地、農耕地があり、集合中、宿の木にとまっているシベリアムクドリ、キマユムシクイ、バフマユムシクイ、ヤナギムシクイと次々と鳥たちが出てきます。始めから渡りパワー?全開で参加者もガイドもどうして良いのかわからなくなるような嬉しい悲鳴が続きました。

離島の環境(荒れ地)
シベリアアオジ(五百澤撮影)

 

まずは宿の前の荒れ地を見ながら舗装道路をゆっくりと進みます。足下から次々と小鳥たちが現れては藪に入ります。地面で草本の種子を一生懸命についばんでいます。シベリアアオジ、コホオアカが中心で、キマユホオジロ、シマノジコ、シマアオジなどなど。その数は日本の離島の比ではありません。シベリアアオジやコホオアカなど各1,000羽は楽にいる感じだし、シベリアムクドリも200羽程度の群れでいます。チョウセンメジロも20羽程度の群れが飛んできて目の前の桜の低木に入り、一気に盛り上がりました。空を見ると、ハチクマとサシバが結構な柱を作り、東から西へと渡っていきます。その中にアカハラダカやアカアシチョウゲンボウの姿も確認できました。大西さんがノゴマやアカモズを説明していると、こちらでアリスイやハリオシギなど出て、どこを見たら良いのかわからなくなるほどでした。

ノビタキ(五百澤撮影)
ハチクマ(五百澤撮影)

 

こうしてあまり歩く前に時間は過ぎていき、あっという間に夕方になってしまいました。終了間際、チャキンチョウが1羽飛んでいく姿を見ましたが、去った方向を探しても見つからず・・・。日没は日本より西にあるだけ(時差はない)、まだまだ明るかったのですが、18時30分に夕食の時間となり、本日はここで、終了です。

 

この日確認した鳥:106種

 

 

5月5日:3日目 / Report by 五百澤日丸

後述しますが本日は渡りが大爆発した一日でした。いつどこを見ても鳥がいる状況で長年韓国に来ていますがなかなかお目にかかれない、素晴らしい鳥見の一日でした。

今日は島に一日滞在して探鳥ができる日です。朝5時半に探鳥へ出発。空は昨日とうって変わり曇天で霧も出ています。このような天気の時は渡り鳥たちが島に降りてくる可能性が高く、ときに大当たりになることがあるのです。昨日のコースを逆に辿りながら回ってみることに。いきなり道端からハリオシギが飛び出し、コイカルやサンショウクイが群れで飛びます。ツツドリ、カラアカハラ、キマユムシクイなどがよく囀っています。オウチュウは複数で出現。昨日五百澤さんが見たチャキンチョウ目当てに定点観察をしているとマミジロキビタキの雄が現れ、端ではムジセッカが囀り始めました。上空を見上げるとマミチャジナイとカラアカハラの大群が何度も渡っていきます。明らかに小鳥類が増えてきている感じです。水田地帯に抜ける途中でシロハラクイナやシマノジコを確認。まだ水が張っていない田んぼでは、ツメナガセキレイ3亜種、アカガシラサギ、シマアオジなどをじっくりと観察しました。朝探だけで61種を観察。

コイカル・シベリアムクドリ・コムクドリ・シロガシラの水浴び(大林修文さま撮影)
オウチュウ(大林修文さま撮影)
マミジロツメナガセキレイ(大林修文さま撮影)

 

朝食のメインはカレイの煮つけ。ゆっくりと食事をしたあと9時半から探鳥を再開。宿前の電線にはシベリアムクドリが飛来し、桜にはアカマシコの群れも現れたので皆さんで観察。宿前の空き地を歩くとマミジロタヒバリやジシギが飛び出します。綺麗なノゴマの雄の姿も。ツメナガセキレイやホオジロハクセキレイを見ているとケリが1羽佇んでいます。本種は離島でたまに見られる珍鳥です。ムクドリ類の声がするので見ると数十羽の群れが飛んできて木に止まりました。なんとほとんどがシベリアムクドリ!カラムクドリも混ざっています。さながらシベリアムクドリがなる木には皆さん大興奮。遠くの電線にも群れが止まっています。

アカマシコ雄と雌(藤田正昭さま撮影)
シベリアムクドリのなる木(藤田正昭さま撮影)

その後、カラアカモズやマミジロキビタキなどを見たあと、海岸でしばしカモメウォッチング。ウミネコが多く、モンゴルセグロカモメの姿もちらほら。ひときわ背中の色が濃い個体がいたので見ると足の色が黄色い。ホイグリンカモメかと思いましたが、そこまで背中が濃くないのでtaimyrensisタイプでしょう。成鳥の初列風切はすべて換羽している点もモンゴルセグロカモメと違うポイントです。ここではミヤコドリやタイワンハクセキレイなども近くで観察しました。海岸横の小さな公園もポイントです。草地にはシマアオジやキマユホオジロ、コホオアカなどがいます。コイカルの声のする方を見ると数十羽木に群がっています。シベリアムクドリやシロガシラも羽繕いをしています。どうもそばに水たまりがあり、そこで水浴びしたものが木に移って休んでいるようでした。結局、午前中だけで103種を観察しました。

モンゴルセグロカモメ第1回冬羽(藤田正昭さま撮影)
シマアオジ雄(藤田正昭さま撮影)

 

昼食は豆腐チゲ。スープがとても美味しい。朴さんのコーディネイトで辛いのが苦手な方も安心して美味しい韓国料理が食べられるのもこのツアーの良いところです。食事を終えて店を出ると近く木にマミジロキビタキが止まっています。と、「クロウタドリ!」と五百澤さん。見ると目の前の畑に雄がいます。コウライウグイスも数羽飛んできます。少しも気が抜けないのが離島の渡りです。宿に戻り、バスから降りると今度はブッポウソウが10数羽飛来して木に止まりました。私は宿にカメラを置いて食事に出ましたが、私がカメラを持っていないと必ず何かが出るジンクスは健在で、皆さんに「今後はカメラ無しでお願いします」と言われ大爆笑でした。

マミジロキビタキ雄(藤田正昭さま撮影)

少しの休憩を挟み、14時から探鳥スタートです。オジロビタキが宿裏にいたようでお客さんが綺麗な雄を撮影されていました。宿前の電線には奇麗なシベリアムクドリの雄が止まっています。午後は少し遠出をして以前のツアーで色々と見られた島の南部の集落を目指すことに。しかし現地に着いて驚きました。ここ数年の間に風景が変貌しており、良かったポイントは軍施設のフェンスで仕切られていたり、農地には住宅がいくつも建っていて探鳥ポイントが無くなっていました。これは島だけのことではなく、本土側でも様々な理由で探鳥ポイントが失われているのはとても残念なことです。

オジロビタキ雄(大林修文さま撮影)

早々にその場を離れ、ある程度戻った位置から徒歩で水田地帯を進みながら宿まで戻るコースに変更。幸い今回は鳥影が濃いので歩きながらじっくり探す方が色々と見られそうです。途中、軍人さんから職務質問を受けるハプニングを挟みながら探鳥が進みます。キマユムシクイやマミジロキビタキが増えていて、後者を撮りたかった方も無事カメラに収められたようです。畑と隣接するブッシュにイワミセキレイが出現。皆さん色めき立ちます。独特の声も聴かれました。ここではオジロビタキやアムールムシクイ、シマノジコ、シロハラホオジロ、アカガシラサギなども見られました。

イワミセキレイ(大林修文さま撮影)

 

ふと空を見上げると断続的にブッポウソウの群れが飛んでいきます。一体、何羽通過して行くのでしょうか。水田地帯を歩くとアカガシラサギが何度か出現。田植え前の田んぼではシマアオジの雄やハリオシギ、ツメナガセキレイ3亜種などを観察。シベリアアオジやコホオアカはどこにでもいます。昨日のチャキンチョウポイントで定点観察をしているとブッポウソウとコウライウグイスの群れが飛来し、木に止まったのを皆さんとじっくり観察。宿には18時過ぎに戻りましたが、再びブッポウソウの群れが。数えると70羽以上。コウライウグイスもわらわら飛んでいきます。今日一日でブッポウソウはゆうに300羽以上は見られたし、シベリアムクドリに至っては一生分見たような感じでした。

シマノジコ雄(大林修文さま撮影)
コウライウグイスとブッポウソウ(大林修文さま撮影)

本日の夕食はペクスクという地鶏を使った鍋です。参鶏湯のようにナツメグなど漢方的なものやコウタケなどが入っていて美味しい。今日のような鳥だらけの島にはずっと居たいですねと皆さんと乾杯。食事が終わり店を出ると遠くコノハズクが鳴いていました。

ぺクスク

この日確認した鳥:116種

 

後編に続く………

この記事を書いた人

大西 敏一 おおにし としかず
1961年生まれ。大阪府在住。野鳥歴45年。フリーランスとして鳥類調査をメインに執筆、講演、ツアーガイドなどに携わる。離島の渡りに関心があり、韓国の島嶼にも長年通い続けている。シギ・チドリ類やムシクイ・ヨシキリ類などが好み。主な著書に「日本の野鳥590/650」(平凡社)、「世界のカワセミハンドブック」(文一総合出版)などがあり、協力図書も多い。

この記事を書いた人

五百澤 日丸 いおざわ ひまる
新潟県在住。(有)レイヴン・所属。鳥類調査を中心に、執筆、写真撮影、ツアーガイドを行う。一番の関心事は、ヒマラヤ山脈から台湾・南西諸島・朝鮮半島・日本にかけての鳥類の分類・分布。主な著書に「日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版」(共著/文一総合出版)、「日本の野鳥650」(共著/平凡社)など。他にも著書多数。

宮城県で冬鳥を楽しむ!
伊豆沼・蕪栗沼の水鳥と仙台湾の海鳥 2本目

Report by 田野井博之 / 2024年1月22日~25日

1日目

この時期としては気温が高く、時折雨の降る中でのスタートとなりました。

ガン類のねぐら入りを観察する前に、まずはシジュウカラガンを探すことにしました。マガンの群れをいくつか確認していくと、早速100羽を超すシジュウカラガンの群れを発見。周辺にもいくつかシジュウカラガンの群れが見られ、合計200羽ほどがいるようでした。二番穂の伸びた田んぼで、どの個体も必死に採餌していました。今期は暖かく積雪もほとんどないため、既にシジュウカラガンの大きな群れは渡去しています。今回見られたシジュウカラガンも間もなく開始する渡りに向けて、栄養を蓄えているのでしょう。

その後はガン類のねぐら入りを観察するために蕪栗沼へ。駐車場についてヨシ原を見ると、ハイイロチュウヒの雄と雌が飛んでいました。まだねぐら入りには少し早いためか、このハイイロチュウヒはその後も何度か飛んでくれました。曇天でやや暗かったものの、雄の青灰色の姿はとても綺麗でした。観察ポイントに着いて沼を見ると、前週に続きヘラサギとクロツラヘラサギが見られました。沼の近くの田んぼには、ねぐら入りを待つマガンの群れもあちらこちらに降りていました。16時45分を過ぎると次第にマガンの群れが沼へと戻り始め、日没後の17時15頃にピークを迎えました。無数のマガンが鳴きながら次々と沼へと戻っていく光景はとても壮観でした。

 

2日目

夜明け前にホテルを出発し、ガン類のねぐら立ちを観察するために蕪栗沼へ向かいました。観察ポイントに着くとちょうどマガンの群れが飛び立っていて、慌てて観察を開始しました。この日は天候も回復し、朝焼けの中での飛び立ちを見ることができました。

飛び立つガン類はほとんどがマガンでしたが、時折ヒシクイが混じり、シジュウカラガン30羽ほどの群れも見ることができました。マガンに続いてオオハクチョウも次々と飛び立ち、とても賑やかな光景となりました。

餌場へと向かうマガン
餌場へと向かうマガン

 

マガンの飛び立ちが落ち着いてきた頃、沼で休んでいたオナガガモの群れが一斉に飛び立ちました。周囲を確認してみるとオジロワシが飛んでおり、どうやらこのオジロワシに驚いて飛び立ったようです。このオジロワシは沼の近くの木に止まってくれたので、じっくりと観察することができました。

オジロワシ
オジロワシ

 

朝食後はカリガネのいるエリアへ。マガンはいつもよりも多く見られましたが、なかなかカリガネが見つかりません。そこで少し離れた田んぼも周ってみると、ようやくマガンに混じるカリガネを見ることができました。

4羽のカリガネとマガン(左から4羽目)
4羽のカリガネとマガン(左から4羽目)

 

続いてはハクガンを探すことに。だいぶ苦戦しましたが、2時間近く探したところ、ようやく8羽のハクガンを見つけました。マガンとオオハクチョウに混じって採餌していましたが、少しして飛び立ち、丘陵を越えていきました。

マガンとオオハクチョウに混じるハクガン
マガンとオオハクチョウに混じるハクガン

 

この日はヒシクイの群れも田んぼに降りていて、比較的近い距離で観察することができました。そのほとんどは亜種オオヒシクイでしたが、亜種ヒシクイも混じっており、体格や嘴の形状など両亜種の違いを見ることができました。

亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイ(右から2羽目の顔だけ見えている個体)
亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイ(右から2羽目の顔だけ見えている個体)

 

この日の最後は蕪栗沼へ。沼にはオオハクチョウやヒシクイ、オナガガモ、ヨシ原ではベニマシコやオオジュリン、シジュウカラ、そして低空を飛ぶチュウヒも見られました。

チュウヒ
チュウヒ

 

3日目

当初の予定ではチャーター船で仙台湾へ行く予定でしたが、強い冬型の気圧配置に見舞われ、朝から強い西風と高波となってしまい中止となりました。そこで、南三陸町の志津川湾へコクガンを見に行くことにしました。志津川湾はコクガンの餌となる海草のアマモが豊富なため、毎年たくさんのコクガンが越冬しています。

ポイントに到着すると、アマモを食べる30羽ほどのコクガンがすぐに見つかりました。また、オオバンが食べるアマモのおこぼれをいただく労働寄生という行動も見ることができました。強風のため海上の鳥のチェックはままならない状況でしたが、クロガモやハジロカイツブリなどが見られました。

コクガン
コクガン

 

翌日も強風によりチャーター船の出港は難しそうであったため、午後は少しでも多くの海鳥を見るために仙台湾の海岸へ。堤防から沖合を見ると、ビロードキンクロやハジロカイツブリ、アカエリカイツブリが比較的近い位置に浮いていました。望遠鏡を使ってさらに沖を見ると、アビやミミカイツブリなども見られましたが、残念ながらウミスズメ類は見つけることができませんでした。

最後に漁港に立ち寄ると、魚の追い込み漁を行うたくさんのカワウと、ハジロカイツブリ、ホオジロガモなどが見られました。ホテルに戻った後、念のため船長に翌日の海の状況を聞いてみましたが、残念ながら翌日もチャーター船による観察は中止となりました。

 

4日目

相変わらず西寄りの強風によりチャーター船は欠航となったため、再び県北へガン類を見に行くことにしました。前日までとは一転、前夜からの積雪でガン類の採餌場は雪に覆われていました。雪田では餌が採れないため、マガンの群れもかなり少なくなっていましたが、何とか5羽のシジュウカラガンを見つけました。このシジュウカラガンも寝てばかりで、雪が融けるのを待っているようです。その後はマガンの群れがほとんど見つからないため、伊豆沼の湖岸に飛来しているシマエナガを見に行くことにしました。シマエナガは北海道で見られる亜種ですが、なぜか数年前から宮城県で毎冬見られています。今期は10羽以上の群れになっているようで、この日もポイントに着くとすぐに8羽ほどのシマエナガを見ることができました。また、シマエナガの群れと一緒にヤマガラやシジュウカラ、コゲラ、ベニマシコ、オオジュリンなども見ることができました。

駐車場でエナガの声を聞きながら今回のツアーは終了となりました。
4日間、大変お疲れさまでした。

シマエナガ
シマエナガ

 

この記事を書いた人

田野井博之 たのい ひろゆき
1985年生まれ。小学生の時に野鳥の観察を始める。東北地方を中心に鳥類調査に携わりつつ、関心のある海鳥やシギ・チドリ類、チュウヒなどを見るため全国各地へ。特に海鳥の識別や生態に強い興味を持ち、国内外を問わず観察を続けている。

韓国最大のクロハゲワシ越冬地と越冬する鳥たち【後編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月12日~16日

<4日目>

この日は2か所のワシミミズクポイントを巡ります。1ヶ所目は光が悪くなかなか厳しい状況のなか、昨日とは違う参加者がすぐにワシミミズクを発見!凄く見つけにくい場所なのに・・・ガイド失格や(笑)光がイマイチなので一応撮影してもらった後、もう1ヶ所へ一旦行く事にします。こちらはほぼ鉄板な場所なので軽い気持ちだったのに・・・探しても見当たりません。最近この場所はカメラマンがたくさん来て必要以上に近づくのでどこかへ行ってしまった可能性もあります。葦原ではカシラダカ、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、ダルマエナガ、カササギを見ることができました。帰り際に参加者が「あの猛禽は?」と指をさすとそこにはクロハゲワシが飛んでいました。もう一度気を取り直してワシミミズクがいた場所へ行くとまだいました!今度は若干光が良くなっていたのでリベンジ撮影を楽しみました。それにしても北風が強くて寒いので北上してきたんだなぁと実感します。

ワシミミズク
ワシミミズク
ミヤマホオジロ
ミヤマホオジロ

この後は夕方に36万羽と言われるトモエガモが集結する場所へ向かいます。ただ時間が早いので干潟で観察と撮影です。ズグロカモメ、ユリカモメ、セグロカモメっぽいのはモンゴルか?ダイシャクシギかホウロクシギも遠く陽炎の中に揺らめいています。干潟の杭にオジロワシとハヤブサもいます。カモ類はマガモとツクシガモは何とか確認できるが他は遠くてわからない。この上流域でトモエガモが集まり乱舞するというので一番いい場所を探すのですが、どうやら対岸に来てしまったようで再び移動です。この時対岸には数名の人しかいなかったのですが現地に来ると道路わきに車がたくさん停まっています。堤防に上がると目の前に広がるトモエガモの大群!これだけでも圧巻なのにこれが頭上で乱舞するなんて想像すると鼻血が出そうだ(笑)。空腹なのか一部のトモエガモたちが河川敷に上がり草を貪り食っているのでそちらも撮影してもらいます。ふと周りを見るとずいぶんと人が集まっているなと思うと・・・パトカーが来て「車をどかせ」とサイレンを鳴らし拡声器で呼びかけるが誰も動きません。恐るべし韓国人(笑)17時まで粘ったのだが、飛ばないの切り上げて移動を始めるとパトカーが2台追加で来ていた!これは来年どうなる事やら。ここ数年の間に韓国でも野鳥カメラマンが爆発的に増えているようで、いずれ日本のようになるのかなと感じさせられました。

トモエガモの大群!
トモエガモの大群!
トモエガモの大群
トモエガモの大群
トモエガモ
トモエガモ

<5日目>

帰国までのギリギリまで撮影を楽しむためクロツラヘラサギの繁殖地へ行くと・・・池が凍結している!そのせいか繁殖用の人工島にクロツラヘラサギが1羽もいない!!!セグロカモメ系が飛んでいる以外、ツクシガモ、ホシハジロ、マガモ、カルガモが見られるだけ。さてどうしたものかと思っていても仕方ないので「ここの葦原にはダルマエナガが多いので探しましょう!」と伝えると小鳥の声がそこら中から近づいてきたと思ったら混群に取り囲まれているではありませんか!アトリ、シメ、コイカル、シロガシラ、キクイタダキ、スズメ、シジュウカラ、エナガ、シマエナガ、ヒガラ、ダルマエナガ!私はパニックになっていて見落としたがヒゲガラまでもいたようです。これがほぼ1時間私たちの周りから動かなかったのだから超ラッキーとしか言いようがない。日本では考えられないが、シマエナガとエナガを同時に見られるなんて!小鳥たちが去ってしまって静かになったので、少々時間は早いのですが心地よい放心状態のまま仁川空港に向かい帰国の途に就きました。

アトリ
アトリ
エナガ
エナガ
シマエナガまで!
シマエナガまで!

参加していただいたみなさまお疲れさまでした、超少人数でゆっくりとした日程と朴さん厳選の食事も堪能できて超ラッキーなツアーになったと思います。

【撮れた鳥&哺乳類】
クロハゲワシ・ワシミミズク・オジロワシ・ノスリ・オオノスリ・ハイイロチュウヒ・オオタカ・ハイタカ・チョウゲンボウ・ヒシクイ・オオヒシクイ・マガン・トモエガモ・ユリカモメ・ズグロカモメ・ドバト・コウライバト・カササギ・ヒガラ・シジュウカラ・エナガ・シマエナガ・シロガシラ・ダルマエナガ・ジョウビタキ・ギンムクドリ・カシラダカ・ミヤマホオジロ・アオジ・コイカル

【見られた鳥&哺乳類】
ハヤブサ・チュウヒ・ツクシガモ・マガモ・ホシハジロ・オナガガモ・カルガモ・カワアイサ・マガモ・カンムリカイツブリ・カワウ・アオサギ・ダイサギ・コサギ・クロツ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月7日~10日

 

好評のこのツアーも今年で3年目。今年は過去最高な出来だったと思います。全日晴れと予想以上に気温も下がり霧氷が朝陽に輝く情景はもちろんダイヤモンドダストまで撮影できるチャンスに恵まれました。

<1日目>

昨年も参加された方が2名、このツアー初参加が3名の5名での開催になりました。空港と先入りの方をホテルでピックアップして現地に向かいます。

天気は快晴でまだ道路わきの木々の枝に霧氷が残り、陽光に輝いています。今回泊まるホテルTAITOに不要な荷物を置いてすぐにタンチョウサンクチュアリーへ向かいます。コンビニで買ったお昼ご飯を食べながらしっかりと撮影をしていただきました。残念なのは風向きが悪くこちらに向かって飛んでくれないのが悔しい。ただし今年は珍しくマナヅルが1羽来ていてるのでこちらを撮れたのはラッキーでした。夕方は夕鶴を狙えるポイントへ向かってチャンスを待ちますが・・・残念ながら不発で終わってしまいましたが、まだ初日です。残りの日に期待をすることにしてホテルに戻りました。

タンチョウサンクチュアリー
タンチョウサンクチュアリー
タンチョウ
タンチョウ
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました

<2日目>

TAITOのオーナー和田さんから「明日は天気がよさそうだから5時30分に出発しよう!」と提案をされていたのでまだ暗い中の出発です。さほど冷えてる感じはなかったのですが、晴れています。現場に到着するとまだ辺りは真っ暗です。私たち以外にほとんど人がいないのでいいポイントを確保できました。空には細い月が浮かび、川面には月の光の帯と星が映り込んでいましたのでそれらも撮っていただきました。徐々に明るくなるタイミングで撮影を楽しんでいただきながらアドバイスを伝えました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら

本来は午後エゾフクロウポイントへ行く予定でしたが、和田さんの提案でそのままエゾフクロウの撮影を楽しみました。ペアが並んでいる姿を期待しましたが、今年も1羽だけ。それでもしっかりと楽しむことができました。

エゾフクロウ
エゾフクロウ

一旦ホテルに戻り、凍える身体で朝ご飯を食べると元気のいい参加者はすぐにホテルの庭に来るエゾリスを撮るために飛び出してゆきましたが、残念ながら撮影はできなかったようです。しかし日中は昨日と風が反対側から吹くのでこちらに向かって来るタンチョウを撮影するチャンスに恵まれたのですが、すぐ頭の上を飛ぶので望遠では撮れません!レンズの選択が難しく皆さんの歓喜と嘆きの声が交互に響きます。(笑)昨日同様今日も各自コンビニで買ったお弁当を食べながらの撮影を楽しみました。

真上を飛んでいったタンチョウ
真上を飛んでいったタンチョウ

夕方移動をして希望者だけタンチョウの飛翔を狙いつつ小鳥の撮影を楽しみます。ここではエサ台がありシマエナガ、シジュウカラ、ハシブトガラ、ミヤマカケス、アカゲラの撮影を楽しみました。太陽と飛翔を絡めた撮影はイマイチでしたが、十分楽しめた1日だと思います。

シマエナガ
シマエナガ
ハシブトガラ
ハシブトガラ
アカゲラ
アカゲラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【後編】

Report by 戸塚学 / 2023年1月10日~13日


<3日目>

この日も6時に集合して夜明け前に出発です。しかし気温は-11度と暖かい。ポイントは昨日よりも人が少ない。地元や常連さんは良く知っている。それでも現場にいなければチャンスはないので撮影をしてもらいました。結果はやっぱりでしたが、まぁ自然相手ですのでこれも仕方がないことです。

朝食後は宿のオーナーがエゾリスとエゾモモンガが出るかも?という場所へ案内をしてもらいお昼まで粘ってみました。残念ながらエゾリスは姿を現さなかったのですが、エゾモモンガは1度だけちょろっと出てきて用便を済ませる瞬間を撮ることができました。

一瞬だけ姿を現したエゾモモンガ
一瞬だけ姿を現したエゾモモンガ


昼食後は伊藤タンチョウサンクチュアリーで撮影後、夕日のポイントへ移動します。ここにはバードテーブルが設置してあるので集まる小鳥も撮影できます。運が良ければと思っていたシマエナガが3回も来てくれて、タンチョウと小鳥で大忙しの時間を堪能できました。

シマエナガ
シマエナガ
 

<4日目>

最終日も6時に集合して夜明け前に出発です。気温は-11度・・・期待は薄いなとポイントへ向かうと停まっている車は少ないのに橋の上は人でいっぱい!どうやら韓国のグループのようで、すでにインバウンドが始まっていたのかと驚いた。来年以降はどうなるかとちょっぴり心配になる。

それでもすき間はあるのでその間から数人に狙ってもらい、残るメンバー空いている右端でスタンバイしまました。するとどうでしょう、この場所だとタンチョウの群れと色づく川面を絡められることがわかり、左にいた人たちを呼び寄せ撮影をしてもらいます。途中ヤマセミが頭上を飛ぶ姿を見送ることもできてラッキーでした。

朝焼けに色づく川面とタンチョウの群れ
朝焼けに色づく川面とタンチョウの群れ

 

太陽が昇ると韓国のグループがいなくなったことに気がついたので、左の方へ移動しながら観察するとすると・・・右からの場所からは見えないところにタンチョウの群れが!その周囲に先ほどまでなかった霧氷がびっしりと着き太陽の光に輝いてる!大急ぎでみなさんを呼びに行き、「早く撮って!!!」と私一人が騒いでみなさんに撮ってもらいます。とにかく太陽の位置+気嵐+タンチョウの位置この3つが揃うタイミングは短時間なので時間勝負!おかげで間に合いました。参加者の一人がこのシーンに感動して涙を流しているのを見た隣の白人がそれを見て驚いている状況はちょっぴり面白かった。

太陽の光に輝く霧氷とタンチョウ
太陽の光に輝く霧氷とタンチョウ

 

朝食後は荷物をまとめてホテルに置いてもらい、伊藤タンチョウサンクチュアリーで最後の撮影です。タンチョウの白い息やダンスを狙ってもらい時間いっぱい楽しんでいただきました。予想外の早朝のシーンを堪能できたことで、みなさん笑顔で空港に向かい解散となりました。

タンチョウの白い息
タンチョウの白い息

 


撮れた鳥&哺乳類
ハイタカ・オジロワシ・オオワシ・ノスリ・タンチョウ・エゾフクロウ・アカゲラ・シジュウカラ・ヒガラ・ハシブトガラ・シマエナガ・シロハラゴジュウカラ・エゾシカ・エゾモモンガ・エゾリス

観れた鳥&哺乳類

カワアイサ・キジバト・ヒヨドリ・スズメ・ハシブトガラス・ハシボソガラス・ヤマセミ・ダイサギ

その他
キタキツネ・エゾタヌキ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の道東でバードウォッチング三昧!【後編】

Report by 吉成才丈 / 2022年2月8日~13日

 

4日目
この日の朝は、風連湖の凍結した湖面でのワシ撮影からスタートです。うす暗いうちから周辺にスタンバイするワシの姿がありましたが、給餌の時間が迫ると飛来する個体も増えてきました。そして待望のお食事タイムが到来すると、ワシの乱舞が始まりました! ワシが飛翔するたびに、皆さんの夢中でシャッターを切っていたようです。

オジロワシとオオワシ
オジロワシとオオワシ(大野一郎様 撮影)

オジロワシとオオワシ(大野一郎様 撮影)
オジロワシとオオワシ(大野一郎様 撮影)

オジロワシとオオワシ(大野一郎様 撮影)
オジロワシとオオワシ(大野一郎様 撮影)

迫力あるワシを堪能した後は、森に入って小鳥を狙いました。すると、前日までは1時間に1度しか飛来しなかったというシマエナガが、なんと出ずっぱり! 写真もバッチリお撮り頂けました。参加者の皆さん、もってますね!

シマエナガ(大野一郎様 撮影)
シマエナガ(大野一郎様 撮影)

シマエナガ(森久美子様 撮影)
シマエナガ(森久美子様 撮影)

シマエナガ(奥田恵子様 撮影)
シマエナガ(奥田恵子様 撮影)

シマエナガ(奥田恵子様 撮影)
シマエナガ(奥田恵子様 撮影)

午後は周辺の港をめぐり、美しいカモたちを狙いました。今年は冬鳥が少なく、道東のカモたちも例外ではありませんでしたが、コオリガモやクロガモなどもゲットできました。

コオリガモ(森久美子様 撮影)
コオリガモ(森久美子様 撮影)

クロガモ(大野一郎様 撮影)
クロガモ(大野一郎様 撮影)

5日目
この日は落石ネイチャークルーズの午前便に乗船。幸いにも海は穏やかで、ウミバトやケイマフリなどの海鳥を堪能することができました。やはり、海鳥は船に乗ると近くで観察できますね。

ウミバト(大野一郎様 撮影)
ウミバト(大野一郎様 撮影)

ケイマフリ(大野一郎様 撮影)
ケイマフリ(大野一郎様 撮影)

シノリガモ(大野一郎様 撮影)
シノリガモ(大野一郎様 撮影)

そして愛くるしいラッコも登場。お約束のポーズで貝を割る仕草のほかに、子供を抱いた個体も見られました。

ラッコ(森久美子様 撮影)
ラッコ(森久美子様 撮影)

午後は羅臼までロングドライブし、夕食後にシマフクロウにトライ。最近は朝方に出るということで、残念ながらこの日は、早い時間帯には出でくれませんでした。明日は日の出前からワシのクルーズなので、早めに切り上げました。

6日目
いよいよ最終日です。今朝は早起きして真っ暗な内に宿を出て、羅臼港へ向かいました。流氷ウォッチングのクルーズ船に乗り込み、流氷に向けて出港。流氷の近くに船を停めて夜明けを待ち、美しい朝焼けとワシを堪能しました。この美しい景色と迫力満点のワシを見たら、寒さも忘れてしまいますよね。

オオワシとオジロワシ(大野一郎様 撮影)
オオワシとオジロワシ(大野一郎様 撮影)

オオワシとオジロワシ(大野一郎様 撮影)
オオワシとオジロワシ(大野一郎様 撮影)

オオワシとオジロワシ(大野一郎様 撮影)
オオワシとオジロワシ(大野一郎様 撮影)

オオワシとオジロワシ(大野一郎様 撮影)
オオワシとオジロワシ(大野一郎様 撮影)

そして、この旅の最後に訪れたのが野付半島です。野付半島ではユキホオジロが時折観察されているのは知っていましたが、今回は滞在時間も短いため、正直なところ見られるとは思いませんでした。でも、残り時間が15分もない頃、偶然に偶然が重なって見られちゃったんです。じっくり観察や撮影ができずに残念でしたが、我々を見送るように、すぐに遠くへ飛んで行ってしまいました。

今回は鳥見に特化したコースを設定してもらったため、かなり効率的に見られたと思います。

ユキホオジロ(大野一郎様 撮影)
ユキホオジロ(大野一郎様 撮影)

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。