みちのく山形 鷹狩り実演と早春の猛禽類

Report by 簗川堅治 / 2024年3月16日~17日

1日目

天童市には日本でただ一人、イヌワシとクマカタを使って鷹狩りをする松原英俊さんがいます。その松原さんの鷹狩り実演を見る機会を作りました。それに毎年、春の彼岸の頃は、山形市周辺はチョウゲンボウの交尾の最盛期です。そして、まだ田んぼには雪が所々残っていて、そこには北上中のハクチョウ類がたくさんやって来ます。そんなシーンを見るべく企画したツアー。しかし、全国的な暖冬でチョウゲンボウは早々と繁殖を開始、ハクチョウ類も早く北上してほとんどいなくなった中でのツアースタートとなりました。

 

まずはコハクチョウを見に行きました。わずかな場所に200羽以上のコハクチョウがしきりに餌をついばんでいます。嘴についた泥が乾いて、嘴の模様も全然わからないほどです。雪が積もった遠くの山々をバックに飛ぶきれいな光景と見ることができました。

コハクチョウの群れ
コハクチョウの群れ

続いて、クマタカの定点観察です。晴れて風もあり、好条件でしたが、結局現れず。トイレ休憩後、本日のメイン、鷹狩り実演見学です。今回はハリスホークを使っての実演です。まずは放たれた鷹を腕に止まらせる実演です。50m以上離れた場所から、鷹匠さんが鷹を呼ぶと鷹は鷹匠さんの腕めがけ、一直線に飛んでスーッと腕に止まりました。何度か、繰り返しましたが、どれも無事成功。最後は実際に獲物を襲うシーンを見学。離れた鷹は、あっという間に獲物を捕り、生きる糧となる獲物を貪り始めました。獲物がまだ生きている中、食べていきました。残酷さ、生命の尊さ、儚さ、自然の厳しさを垣間見る瞬間です。

鷹匠と鷹
鷹匠と鷹
獲物をしとめた鷹
獲物をしとめた鷹

最後は鷹匠さんの面白おかしい体験談などを聞き、この日を終えました。

 

2日目

まずはケヤキの樹洞で繁殖するチョウゲンボウです。しかし、暖冬ですでに交尾は終わっていて、♀は抱卵中2羽の♂を見るだけとなりました。

周囲を見張るチョウゲンボウ
周囲を見張るチョウゲンボウ

残念!続いて、最上川の河川敷でアオサギのコロニーやキジを見て、昨日見たコハクチョウの場所へ。マガンやヒシクイが混じることがあるのでチェックしましたが、混じっていませんでした。さらに移動し、この時期、地元では珍しいアオアシシギ情報があったので現場に行くも見当たらず、イカルチドリ、セグロセキレイなどを見て、次へ向かいました。

河原にたたずむイカルチドリ
河原にたたずむイカルチドリ

つい最近、ヒレンジャク、キレンジャクが出た場所へ行くと、ヒレンジャクは声のみ、夏羽になりつつあるカシラダカもいましたが、営巣中のノスリが警戒したので、そそくさとその場をあとにしました。最後はクマタカです。昨日の分を取り返すように、♂、♀、そして幼鳥がやや遠いものの飛んでくれ、悠々と飛び続ける姿を全員で見ることができました。

舞うクマタカ
舞うクマタカ

想像以上の暖冬で、鳥たちの繁殖も早くなり、予定していたシーンには出会えませんでしたが、鷹狩り実演や大空を舞うクマタカなど、猛禽類のたくましさ、生き様を垣間見たツアーとなりました。参加者のみなさん、お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

山形・天童でチゴハヤブサの親子を観る(2023年2本目) 

Report by 簗川堅治 / 2023年8月20日~21日

毎年恒例のツアー2本目です。今日も暑い!

 

初日は1ヶ所のみ見に行きました。今日も巣立った幼鳥の飛翔練習や採餌練習をする場面、そして親鳥が餌を持ってくる場面を見ることができました。

飛び立つ幼鳥
飛び立つ幼鳥
餌をもってくる成鳥
餌をもってくる成鳥

 

2日目。朝から晴れています。まずは昨日とは別の場所、高架鉄塔で繁殖しているつがいに行きました。今日もまだ巣立っていません。巣には枝移り(と言っても鉄骨)した幼鳥2羽を確認しました。付近には親も止っていました。

 

場所を換え、昨日の場所に到着です。今度は違う方向からの観察で、より近い場所での観察です。「キィキィキィ…」と、けたたましい声で出迎えてくれました。今日は親が巣立った幼鳥に次々と餌を持ってくる場面を何度も見ることができました。餌はめったに捕ってこないヒヨドリをはじめ、メジロ、ヤマガラ、オニヤンマでした。

ヒヨドリをもらった幼鳥
ヒヨドリをもらった幼鳥
ヤマガラを運ぶ成鳥と待ち受ける幼鳥
ヤマガラを運ぶ成鳥と待ち受ける幼鳥
空中での餌渡し
空中での餌渡し

 

一泊二日、しかも夕方と早朝のみの観察でしたが、山形の夏の風物詩・チゴハヤブサを堪能できました。参加者のみなさん、ありがとうございました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

山形・天童でチゴハヤブサの親子を観る(2023年1本目) 

Report by 簗川堅治 / 2023年8月19日~20日

毎年恒例のツアーです。今年は平年通りの繫殖のようです。とにかく今年は暑い!そして、局所的に大雨になる夏です。結果的には、何とか降らずに済んだのは幸いでした。

 

初日は1ヶ所のみ見に行きました。ほどなく、スギに止まる巣立った幼鳥を見つけました。3羽巣立ったうちの1羽です。暑くて日陰でじっとしています。

日陰に止まる幼鳥
日陰に止まる幼鳥

 

早速、近づいて観察撮影です。親も見張りの枝に止まって、探餌しています。

探餌する成鳥
探餌する成鳥

 

しばらく待っていると、親が餌を運んできました。「キィキィキィ…」と親も子もけたたましく鳴いています。その後もカラスが飛ぶとモビングでスクランブル発進したり、巣立った幼鳥が飛翔練習や採餌練習をする姿を見ることができました。

飛翔する幼鳥
飛翔する幼鳥

 

2日目。朝から曇り空です。まずは昨日とは別の場所、高架鉄塔で繁殖しているつがいに行きました。こちらはまだ巣立っていません。巣には枝移り(と言っても鉄骨)した幼鳥1羽を確認できました。付近には親が止っていました。こちらもカラスにモビングしました。場所を換え、昨日の場所に到着です。今度は違う方向からの観察で、より近い場所での観察です。「キィキィキィ…」と、けたたましい声で出迎えてくれました。色々な所に止まったり飛んだりする巣立った幼鳥4羽と親2羽を堪能しました。

餌をもらった幼鳥
餌をもらった幼鳥
止まる成鳥
止まる成鳥

 

一泊二日、しかも夕方と早朝のみの観察でしたが、山形の夏の風物詩・チゴハヤブサを堪能できました。参加者のみなさん、ありがとうございました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

夏の富士山・奥庭で亜高山帯の野鳥と
大磯海岸でアオバト観察

report by 吉成才丈 2023年8月21日~23日

 

1日目

今回は全員が新宿のバスターミナルに集合し、乗り換えなしのバスで、標高約2,300mの富士山五合目に向かいました。この暑い時期ですからね、高速道路上のバス停にとまる以外はダイレクトに現地に行くことができるので、本当に便利で快適です。

ほぼ予定通りに奥庭荘に着くと、さっそくかぶりつきで撮影する方、まずは昼食をとる方など、銘々で自由に行動していただきました。奥庭では散策もできますが、歩く距離も短く散策路も整備されていて危険は少ないため、各自で思い思いに行動できるのも魅力の一つだと思います。

水場
水場

水場では、ウソやルリビタキ、ヒガラ、キクイタダキ、メボソムシクイなどがパラパラと出てきてくれました。最短だと、鳥までは10mもない条件なので、手持ちの撮影システムで撮られていた方でも、バッチリと写っていると思います。この日の午後だけでも十分満足という声も聞こえるほど、小鳥たちは、かなりの頻度で出てきてくれました。

ウソ(HO様撮影)
ウソ(HO様撮影)
キクイタダキ(HO様撮影)
キクイタダキ(HO様撮影)

奥庭荘は山小屋なので、お風呂もシャワーもありません(涼しいので汗もかかず、朝晩は肌寒いほど)。夕食もまだ明るい時間の16時30分と早いのですが、食事の内容は山小屋とは思えないほど豪華です。

豪華でボリュームのある夕食
豪華でボリュームのある夕食

夕食を終えても明るいので、奥庭荘のご主人が散策路を案内してくれました。あいにく、西の空の雲が厚かったので富士山は赤く染まりませんでしたが、間近に見える富士山山頂も楽しめました。そして夜になると、雲の合間から星空も見えました。最近のスマホは性能がよく、星空も簡単に撮れてしまうのですね。2枚とも、iPhoneで撮影した画像です。

富士山と星空
富士山と星空
星空
星空

 

2日目

明け方は晴れており、富士山の稜線から昇るご来光も見ることができました。

日の出
日の出

昨日同様、この日も小鳥たちはよく出てきてくれました。昨日は出てこなかったルリビタキのオスも何度もやってきましたが、オスだけでも3個体いるような印象でした。本当に、ルリビタキのオスは美しいですね。

ルリビタキのオス(HO様撮影)
ルリビタキのオス(HO様撮影)
メボソムシクイ(左)、ルリビタキ(右)
メボソムシクイ(左)、ルリビタキ(右)
左からヒガラ、ウソ、メボソムシクイ
左からヒガラ、ウソ、メボソムシクイ

この日の午前中は奥庭荘で楽しみ、昼食後には、翌日のアオバト観察に備えて大磯方面へ移動しました。

 

3日目

あいにく、この日の天気予報は曇りベースの雨…。天候の回復を願い、まだ薄暗いうちにホテルを出発し、大磯・照ヶ崎海岸に到着。到着時から少し降りましたが、階段下のわずかなスペースで雨宿りしていると次第に雨が上がり、なんと晴れ間まででてきました。アオバトも飛来はするものの、なにかに警戒してなかなか岩場に降りません。また、飛来してくる方向の山はかなり雨が降っていたようで、晴天時よりはアオバトの個体数は少ないようでした。でもそのうち徐々に岩場に降りるようになり、海水を飲む様子なども観察できました。

飛来してきたアオバト
飛来してきたアオバト
海水を飲むアオバト
海水を飲むアオバト
波で飛び上がったアオバト(HO様撮影)
波で飛び上がったアオバト(HO様撮影)

そして、海水を飲んでいたアオバトが一斉に飛び立つと、ハヤブサの幼鳥が登場しました。アオバトを襲う様子は見られませんでしたが、やはりどこかに潜んでいたようですね。

ハヤブサ幼鳥
ハヤブサ幼鳥

最終日は雨予報でハラハラしましたが、昨年は快晴でかなり暑かったことを考えると、今年は過ごしやすくて助かった面もあります。観察を終えると、チェックアウト時間を延長していたホテルに戻って解散しました。きっと皆さん、シャワーを浴びてお帰りになられたことと思います。標高2,300mの亜高山の鳥と海岸のアオバトという面白い組み合わせですが、今年もバラエティに富んだ鳥見が楽しめました。

 

(観察種数27種)

 

 

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

渡り鳥の交差点・春の与那国島【前編】

Report by 簗川堅治 / 2023年3月28日~31日

春の琉球らしく、ぐずついた天気の中、条件付きで飛んだ飛行機は無事到着しました。まずはムクドリ類を求めて比川へ。しかし、見当たらなかったので、とりあえず昼食をとりました。その後、雨が上がっている隙に集落内を歩き、ムクドリ類を探していたら、コホオアカやクロウタドリが現れました!比較的じっくりと観察。

 

クロウタドリ

今度は久部良へ移動し、ムクドリ類を発見!100羽ほどのギンムクドリにカラムクドリ数羽、ホシムクドリ2羽が混じっていました。中学校のグランドではマミジロタヒバリ、亜種ホオジロハクセキレイの姿がありました。

 

ムクドリ類の群れ

次は祖納へ。小学校のグランドでヤツガシラを発見!樹上休んで、その後、地面で採餌する姿を観察撮影しました。大盛り上がりです!近すぎて車外には出られなかったので、座席を替わりながら撮影大会となりました。

 

ヤツガシラ

田んぼではハクセキレイの亜種ホオジロハクセキレイ、亜種タイワンハクセキレイ、そして亜種シベリアハクセキレイがいました。ツバメチドリもいました。

 

 

亜種シベリアハクセキレイ
ツバメチドリ

この日の最後は、オオノスリとアカツクシガモを待ちましたが、現れず。明日に持ち越しです。

2日目。夜明け前に出発し、林道へ。狙いのオオクイナ、リュウキュウコノハズクの声はしなかったものの、車中からヤマシギ1羽とミゾゴイ2羽をじっくりと観察できました。その後、アカツクシガモ3羽とオオノスリ1羽も何とか見れました。

 

ヤマシギ
ミゾゴイ

朝食後は東崎に行き、多数のツメナガセキレイとムネアカタヒバリ1羽を観察しました。

 

亜種ツメナガセキレイの群れ

その後、祖納の集落を歩くも、インドハッカを見た程度。昨日、ヤツガシラを見た場所にも行きましたが、お留守。なかなかぱっとしません。

昼食を挟んで、比川へ行き、集落を歩きました。耕作放棄地にコホオアカが5羽以上いて、チュウジシギらしいジシギも観察しました。狙いのムクドリ類は、今日も現れず。ただ、最後にヤツガシラが飛び立ち、後ろ姿のみ見れました。

今度は祖納の田んぼで主にハクセキレイの各亜種を観察し、この日も亜種シベリアハクセキレイが1羽、亜種タイワンハクセキレイが2羽、亜種ホオジロハクセキレイが複数いました。そして、オジロトウネンの姿も。

 

オジロトウネン

最後は違う田んぼで土砂降りの雨の中、アメリカウズラシギの夏羽を見て、この日を終えました。

 

アメリカウズラシギ夏羽

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

有明海から日本最大のツルの渡来地・出水へ
【2022年12月・2本目】

report by 吉成才丈 2022年12月12日~16日

 

1日目
鹿児島空港に集合し、専用車で出水方面に向かいました。昼過ぎに出水に到着し、ツル探しからはじめました。まずはカナダヅルを見つけるもこの日は遠く、クロヅルやソデグロヅルを探しつつ、マナヅルやナベヅルをじっくり観察・撮影して頂くことにしました。

水を飲むマナヅルの家族群
水を飲むマナヅルの家族群
採餌していたナベヅル
採餌していたナベヅル

 


2日目

薄暗いうちに干拓地に到着し、まずは朝焼けとツルを観察しました。朝焼けをバックに飛翔するツルは美しく、皆さん夢中でシャッターを切っていました。

朝焼けとツル
朝焼けとツル
採餌するツル
採餌するツル

朝焼けのあとは、やはり電線にとまるコクマルガラスを狙いました。この日も、淡色タイプのシロマルに出会えました。

ミヤマガラス(右)、コクマルガラス(左2羽)
ミヤマガラス(右)、コクマルガラス(左2羽)

その後、観察センターの屋上でツルを観察していると、道路の陰に見え隠れするクロヅルを発見。じっと待っていると、他のツルから外れて全身が見える位置に移動してきました。今年はツルの数が少ないので、出会えるかどうかはタイミング次第なんですね。

クロヅル
クロヅル

クロヅルが出てくるのを待っているとハヤブサも出現し、耕作地で採餌していたカモ類は大騒ぎしていました。

ハヤブサ
ハヤブサ

その後は河川沿いを散策し、ツリスガラやホオアカなどを狙いました。ツリスガラはヨシ原で鳴声がしたあと、比較的近くに現れてくれました。とても小さな鳥で、現れた時にはまったく鳴かなかったので、皆さんに確認してもらう迄に時間がかかりましたが、なんとか全員で観察することができました。

ツリスガラ
ツリスガラ

ホオアカもコンクリート護岸にとまり、河川ではミサゴの水浴びも観察されました。飛翔を見ることが多いミサゴだけに、水の中にいる姿は珍しいですね。

水浴びするミサゴ
水浴びするミサゴ

午後は山に入り、ダムや渓流を観察しました。相変わらずオシドリは警戒心が強く、ダムの水面にはマガモやヒドリガモ、ホシハジロなどが見られました。薄暗い水際のオシドリを探していると、クマタカが滑翔で尾根陰入るところが一瞬だけ観察できました。そしてヤマセミのポイントに近づくと、流木にとまっているヤマセミを発見。ヤマセミは飛び立って枯木にとまったので、皆さんに教えながらスコープに入れようとしましたが、またすぐに飛び立ち、岬の裏側に入ってしまいました。また帰り際には、橋を渡るときにヤマセミの鳴声と飛翔する姿を確認。なんと2羽が一緒に、川の上流方向へ飛翔していきました。夕方には干拓地に戻り、ヘラサギ類やタゲリなどを観察しました。

ヘラサギ
ヘラサギ
タゲリ
タゲリ

3日目
この日も薄暗いうちに干拓地に到着しましたが、あいにく雲が厚く、朝焼けも月も見ることができませんでした。今日はダメかと残念に思いながら車中待機していると、右側に座っていた方が「ソデグロヅル…?」と呟きました。なんでも、白い大きなツルが降りてきたというので確認すると、まさかのソデグロヅルでした。
ソデグロヅルは、昨年は目立つところにずっといて見やすかったのですが、今年はなかなかじっくり見られないということだったので、一転して大逆転の幸運が転がり込んできたことになります。天気が悪かったため他に観察者もおらず、しばらく独占的に観察させてもらいました。

マナヅル(奥)とソデグロヅル(手前)
マナヅル(奥)とソデグロヅル(手前)

昼前のフェリーに乗るため早々に出水を発ち、熊本に向かいました。島原に向かうフェリーでは、出港前から乗船客のエビせんを求めるユリカモメで賑わっていました。どれほどの数のユリカモメがいたのかわかりませんが、出港後にはたくさんのユリカモメが船の後を着いてきました。

船についてくるユリカモメ
船についてくるユリカモメ

出港後には堤防で休むカツオドリの大群も観察しましたが、この日は船の近くを飛翔する個体もいました。

海上を飛翔するカツオドリ
海上を飛翔するカツオドリ

諫早の干拓地には広大な耕作地やヨシ原がありますが、ヨシ原ではハイイロチュウヒやオオジュリンなど、耕作地ではホシムクドリやチョウゲンボウなどが観察されました。

ハイイロチュウヒの幼鳥
ハイイロチュウヒの幼鳥
ホシムクドリ
ホシムクドリ

 

4日目
朝は再び諫早干拓地を訪ねました。ヨシ原周辺ではコチョウゲンボウやノスリなどの猛禽類を確認。コチョウゲンボウは、草地すれすれで小鳥を狙う様子も観察されました。

コチョウゲンボウ
コチョウゲンボウ
ノスリ
ノスリ

午後は佐賀の東与賀へ移動し、満潮時の干潟を観察。この日は満潮でも潮位が高くなく、広大な干潟にシギ・チドリ類やツクシガモ、ズグロカモメなどが点在していました。

干潟に点在する水鳥
干潟に点在する水鳥
スグロカモメ
スグロカモメ

干潟からホテルへ向かう途中の街中では、出会う機会がめっきり減ったカササギを発見。電線や家の屋根などにとまる様子が観察されました。

 

5日目
昨日カササギが見られたので予定を変更し、まずは調整池に向かいました。数千羽のトモエガモは健在で、大きな塊が水面に広がっていました。

飛び立ったトモエガモの大群の一部
飛び立ったトモエガモの大群の一部

ここでは1周3km弱の舗装道を散策し、トモエガモの大群を堪能するとともに、オオタカなどの猛禽類やオオジュリンなどの小鳥も観察しました。その後は河川を遡上し、清流でカワセミやイカルチドリ、カワガラスなどを観察。道の駅で地域クーポンを使用して頂き、解散地である福岡空港へ向かいました。

 

(確認種99種)

 

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

山形・天童でチゴハヤブサの親子を観る(2本目) 

Report by 簗川堅治 / 2022年8月21日~22日

 

2本目です。1本目と打って変わって、暑い日になりました。これでは観察も大変ですし、そもそも鳥の動きがなくなることから、1日1ヶ所での観察ではなく、2ヶ所を回ることとしました。

 

1ヶ所目。到着早々、梢に止まるチゴハヤブサを発見。♀親です。辺りをキョロキョロ見渡して、餌をさがしているようです。巣立った幼鳥の姿はありません。きっと暑いので日陰に潜んでいるのでしょう。しばらくすると、餌をとった♀親が巣の中に。どうやら、日陰の巣に幼鳥がいたようです。その後も♀親はしきりに餌を運んでは、幼鳥に与えていました。餌はアブラゼミ、ミンミンゼミ、オニヤンマのようでした。

給餌するチゴハヤブサの♀親
給餌するチゴハヤブサの♀親

 

幼鳥も時折、飛んでくれました。

飛ぶチゴハヤブサの幼鳥.
飛ぶチゴハヤブサの幼鳥.

 

2ヶ所目に移動しました。やはりまだ暑いのか、幼鳥は日陰に止まっています。運よく、陽の当たる場所に止まってくれたこともありました。

チゴハヤブサの幼鳥
チゴハヤブサの幼鳥

近距離だったため、幼鳥の特徴である眼の周りと、ろう膜が水色なのがはっきりとわかります。

この場所は、先に訪れた所よりも給餌回数は少なめながら、ゆっくりと楽しめました。

 

2日目。新たな場所、3ヶ所目に行ってみました。ここも街中です。到着早々、親子で飛んでくれ、止まりました。しばらくして親も発見。

見張るチゴハヤブサの親
見張るチゴハヤブサの親

 

他の2ヶ所よりは、鳥までの距離が近いのが、ここのいいところです。堪能していると、近所の人たちのラジオ体操の時間になったので退散し、次の場所へ向かいました。この日2ヵ所目は前日来た場所です。朝のわりには、あまり動きはありませんでしたが、♂♀幼鳥をじっくり観察しました。

 

街中の猛禽、チゴハヤブサ。いかがだったでしょうか?暑い中、参加者のみなさん、ありがとうございました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

山形・天童でチゴハヤブサの親子を観る(1本目) 

Report by 簗川堅治 / 2022年8月20日~21日

 

毎年恒例のツアーですが、昨年はチゴハヤブサの繫殖率が過去最も悪かったため中止となりました。今年は順調ですべての営巣地でツアー前に無事巣立ちました。初日は全国的にぐずついた天気で雨が降るのか心配な中、スタート。結果的には、何とか降らずに済んだのは幸いでした。

 

1ヶ所目に行きました。ほどなく、スギに止まる巣立った幼鳥を見つけました。すでに餌をもらって満腹なのか、じっとしています。

チゴハヤブサの幼鳥
チゴハヤブサの幼鳥

早速、近づいて観察撮影です。今度は別の幼鳥が飛び出して、離れたスギに止まりました。巣立って一週間になり、飛翔力もそれなりになってきたようです。しばらくすると、親が餌を持ってきました。幼鳥は親に比べるとか弱い声で「キィキィキィ……」と鳴きながら、餌乞いします。その後も何度か、親や幼鳥が飛び回りました。

飛ぶチゴハヤブサの親
飛ぶチゴハヤブサの親

この頃は、♀親が餌やりの中心になり、♂はあまり見られなくなることが多いようですが、ここの♂親はじっくりと観察することができました。

チゴハヤブサの親
チゴハヤブサの親

2日目。予報では朝から一日中、晴れとなっていました。朝食前に前日とは別の場所に行きました。ところが途中はけっこうな霧で視界不良です。これは参ったなと思っていましたが、観察場所は霧がかかっておらず、ほっとしました。住宅街の観察場所だったため、細心の注意を払いながらとっておきの場所で観察を始めました。♀親と巣立った幼鳥が3羽、高いヒマラヤスギに止まっていました。しばらく動きがなかったものの、♀親が狩りにいき、セミやトンボを捕ってきては幼鳥に与えるシーンが何度かありました。

セミを食べるチゴハヤブサの幼鳥
セミを食べる幼鳥

育雛中は小鳥を与えることが圧倒的に多いのに対し、巣立ち後はセミやトンボなどの昆虫が多くなります。セミやトンボを食べて腹いっぱいになるのか?と心配になりますが、その心配が無用のようです。元気な幼鳥は、何度か飛び回ってくれました。

 

一泊二日、しかも夕方と早朝のみの観察でしたが、山形の夏の風物詩・チゴハヤブサを堪能できました。参加者のみなさん、ありがとうございました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!