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添乗員ツアーレポート  北中南米

コスタリカ自然観察の旅 その2 
オサ半島のコルコバード国立公園へ

  • コスタリカ

2022.10.03 update

雲霧林が広がる標高2,500m前後のサンヘラルド・デ・ドタから、太平洋側の町シエルペまでは約4時間の移動。この日から2泊3日かけてオサ半島のコルコバード国立公園を訪れます。朝、サンヘラルド・デ・ドタでケツァールの観察をしていた時の気温は7度。フリースにライトダウン、暖かい帽子を着用していたのに、シエルペでは気温が約30度。一気に気候も夏の様相に変わりました。

 

シエルペ着後、いよいよドラケ湾へ向けて出発。ここからはモーターボートに乗ってシエルペ川を河口へと進みます。いきなり大きなアメリカワニ、電線に止まるクビワカワセミを観察することができました。

アメリカワニ American crocodile

しばらくすると河口から海へと出て、約1時間でドラケ湾のロッジのあるビーチに到着。ここでは桟橋がないので、ビーチにウェットランディング。波があると膝位までは濡れるので、短パンにサンダルが最適です。ビーチを歩いてロッジへ。これまで訪れたサラピキやサンヘラルド・デ・ドタも全く異なる雰囲気。海岸のすぐそばに広がるジャングルの中にコテージが点在するロッジに到着です。

ドラケ湾のビーチに上陸

コルコバード国立公園の訪問は翌日の早朝から。夜明け前にドラケ湾のロッジを出発し、ボートでコルコバード国立公園のシレナステーションへと向かいました。海の状態もまずまず。約1時間程でシレナステーション近郊のビーチへと到着。

ボートでコルコバード国立公園へ

ここでもウェットランディング。引き潮でボートが海岸近くまで行けないため、30m位浅瀬を歩いて上陸することになりました。

コルコバード国立公園のビーチにウェットランディング

コルコバード国立公園 Corcovado National Park
パナマ国境に近いオサ半島に位置するコルコバード国立公園はコスタリカ最後の秘境とも言われます。ボートが唯一の交通手段で海岸から広がるジャングルでのウォーキングサファリが楽しめます。コンゴウインコ、キヌバネドリやマイコドリをはじめカラフルな野鳥も数多く生息。哺乳類ではセアカリスザルをはじめとするコスタリカに生息する4種類のサルが全て生息し、チュウベイバクやキタコアリクイなどが観察できるチャンスもあります。コスタリカで最も野生動物に出会える場所といって過言ではありません。

コルコバード国立公園の看板

ビーチでサンダルから靴に履き替えてウォーキングサファリへ出発。引き潮の間に海岸を歩き、川に出た所からジャングルの中へと入ってレンジャーステーションへ向かうルートをとる事になりました。

海岸沿いの木にとまっていたクロノスリ Common Black Hawk

おなじみとなったクリハシオオハシ Chestnut-mandibled Toucan

途中、バクが良く休んでいるというポイントも訪れてみましたが、昨晩の大雨の影響かバクの姿は見られませんでした。ガイド曰く、寝床が雨で浸水してしまったため、異なる場所で寝ている可能性があるらしいです。コスタリカで生息してるバクはチュウベイバクと呼ばれる種類で、ブラジルなどに生息するアメリカバクとはまた異なります。

 

チュウベイバク Central American Tapir

別名ベアードバクとも言います。アメリカバクと比べると、頭から鼻のあたりにより膨らみがあります。湿地帯や川沿いなど水辺に生息し、単独で行動。夜行性なので日中はほとんど動きません。現在観察できる場所は非常に限られていますが、コルコバード国立公園では早朝の時間帯に寝床へ帰る姿を見かけたり、昼間寝ている様子を観察できたりします。今回は見る事が叶いませんでしたが、これまでの弊社のツアーでは8割位の確立で観察できています。

 

川沿いにでうるとユキコサギやスミレコサギ、上空にはベニヘラサギが飛んでいる姿も観察できました。

スミレコサギ Little Bule Heron

ベニヘラサギ Roseate Spoonbill

いよいよジャングルの中へと入っていきます。しばらく進むとチュウベイクモザルの姿を発見。我々の事を気にする様子もなく、むしゃむしゃと葉っぱを食べていました。コスタリカには4種類のサルの仲間(ノドジロオマキザル、マントホエザル、セアカリスザル、チュウベイクモザル)が生息していますが、このコルコバード国立公園では全ての種類を観察できるチャンスがあります。コスタリカに生息するこのサルたちは新世界ザルというグループに属し、アジアやアフリカにすむ旧世界ザルとは異なる分類がなされています。

チュウベイクモザル Spider Monkey

クビワペッカリーの群れにも遭遇。警戒心が弱く、すごく近くまでやってきました。クビワペッカリーは体から非常に臭いにおいを発しており、これによって外敵から身を守る一方、天敵のジャガーから匂いで後をつけられてしまうという欠点もあるのです。

クビワペッカリー Collared peccary

その他、げっ歯類のアグーチや木の高いところにはホエザルの姿も見る事ができました。

 

ジャングルを抜けシレナレンジャーステーションに到着。ここはレンジャーの基地となっている他、観光客のための宿泊施設やトイレ、売店などがあります。飲み物やお土産もお買い求めいただけます。

シレナレンジャーステーション

レンジャーステーションすぐ近くの川に生息する子供のカイマンを発見。クロコダイルよりも小さいカイマンは川の上流に生息しています。

カイマンの子供

美しいミドリキヌバネドリも観察する事ができました。最初、茶色のメスのみでしたが、そのうちにカラフルなオスも姿を現してくれました。同じ鳥とは思えない様な色の違いには驚かされます。

ミドリキヌバネドリ(メス)Black-throated Trogon

ミドリキヌバネドリ(オス)Black-throated Trogon

最後には海岸ではハナジロハナグマや上空にグンカンドリの姿も観察することができました。

ハナジロハナグマ White-nosed Coati

ボートに乗ってコルコバード国立公園を後にしてドラケ湾へ。途中、雨に降られてしまいましたが、なんとか無事にロッジへと到着。午後はバーでお酒を飲んだり、ロッジの敷地内で野鳥観察などのんびりとお過ごしいただきました。

ロッジの周辺でもコンゴウインコやハチクイモドキなどの野鳥や、いたずら好きなノドジロオマキザルが木の上で遊びまわっていたりする姿を見かける事もしばしば。ドラケ湾とコルコバード国立公園は、コスタリカの他のどこよりも野生動物や野鳥が豊富で、絶対にお勧めの場所。コスタリカを訪れたなら是非、訪れていただきたい場所のひとつです。

ノドジロオマキザル White-faced capuchin

次回は旅の後半、マニュエル・アントニオ国立公園とタルコレス川のボートクルーズをご紹介します。

 

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