杏の花咲く、春の桃源郷フンザ

3月下旬、フンザの谷が淡いピンク色の杏の花に包まれました。畑には小麦の新芽の緑が。フンザは1947年の印パ分離独立後も1974年まで藩王が支配していました。ブルシャスキー語を話す、ブルショーの人々が暮らす谷です。

 

フンザは「桃源郷」と謳われ、「長寿の里」として知られています。この美しさ、果樹に支えられた村の暮らしが「長寿の秘訣」なのかもしれません。

ブルショー Brushoの人々が話す言葉、ブルシャスキー語 Burushaski は「孤立した言語」で他のいかなる言語とも関連性が見つかっていません。インド・アーリア系民族の到来以前にこの地に存在した言語集団の末裔ではないか、と言われています。フンザ谷、フンザ川をはさんで対岸のナガール谷、ワハーン回廊へ通じるヤスィーン谷、イシュコマン谷にもブルシャスキー語を話す人々が暮らしています。

 

バルティット村の中心地の景色です。昔は大きな建物というと、藩王の居城だったバルティットフォート Baltit FortとダルバールホテルDarbar Hotelくらいでしたが、今は大きな建物(ホテル)が目立つようになってきました。

 

バルティット村から望むラカポシ Rakaposhi (7,788m)。フンザ川対岸のナガール谷の山で、フンザのいたるところから展望できる名峰です。

 

同じくバルティット村から望むディラン峰 Diran  (7,266m)。

 

杏の花咲くアルティット村 Altit Village とドゥイカル Duikal の間を歩いてみました。

 

満開に咲き誇る杏。杏の実、その種、種から取る油がどんなに暮らしの中で大切かがわかります。

 

アルティット村はたくさんの杏の果樹に覆われていました。村歩きでは美しい村人との出会いが。フンザの人々、ブルショー人は見た目も色が白く、髪の毛の色が薄い人が多くいます。

 

可愛らしい子供たちとの出会いが。

 

この日のランチは、バルティット村のアミンさんの家でフンザの郷土料理を用意してもらいました。

 

ちょうど写真家・中西俊貴さんの撮影ツアーがフンザに来ており、郷土料理を作る様子を撮影。

 

フンザを代表するメニュー ドウドスープ Dowdo Soup を準備しています。

 

大変美味なチーズチャパティ(ブルシャスキー語でブルスシャピック Burus Sapik)を作っています。フンザのチーズ、ミント、トマト、ネギ、玉ねぎ、果実オイルが小麦のチャパティで巻かれています。とてもヘルシーで、パキスタンに来て食事に困っているベジタリアンの方にもおすすめです。

 

本日のランチ。果実油をたっぷり使った郷土料理、フンザの郷土ワインとの相性も抜群です。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit : March 2023, Hunza, Gilgit-Baltistan

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デオサイ高原の5,000m峰、シャトゥン・ピーク登頂

2020年の夏に出発予定だった「デオサイ高原、シャトゥン・ピーク登頂」企画、コロナ禍でキャンセルとなって以来、念願のツアーを2023年夏に実現することができました。ガレ場続きのルートは大変でしたが、無事5名のメンバーと登頂を果たすことが出来ました。手厚いサポートをしてくれた登山ガイドやサトパラ村からのポーター達に感謝です。

 

山頂からの360度のパノラマビュー。気分は高所クライマー!

 

チラスからアストール渓谷を走りデオサイ高原へと上がります。途中、ナンガパルバットの圧巻の景色。デオサイ高原に上がると美しいショーサル湖畔でキャンプ。大変美しい場所ですが、標高4,200m近いキャンプ地で深夜まで騒々しい音楽で騒いでいるパキスタン国内観光客に驚きました。が、メイン道を外れると他に誰もいない秘境エリアに入り本来のデオサイ高原のが広がります。ベースキャンプからも世界第9位の高峰ナンガパルバット(8,126m)が見えます。

 

登山の序盤はのんびりしたルート、キンポウゲやサクラソウの群生に目を癒されながら歩いて行きます。後に困難なガレ場続きのルートが待っているとはつゆ知らず。

 

ルート上は山上湖が点在しています。とても美しい谷です。前方の雪山が今回目指すシャトゥン・ピーク!

 

サクラソウの群生地を歩きキャンプ1を目指します。楽なのはこの辺りまで。

 

ガレ場のキャンプ1に到着。さてどこにテントを張ろうか。

 

ガレ場の上で寝るよりは、雪の上がずっと快適です。雪渓が残っていてよかった、いよいよ明日早朝山頂アタックです!

 

キャンプ1から山頂までは95%がガレ場のルート。永遠に続くように思える急登をただひたすらに登ります。

 

立ち止まって振り替えると素晴らしい展望が広がります。

 

山の向こうはインド側のカシミール地方。シュリーナガルもすぐ近くです。インドヒマラヤの名峰ヌン峰・クン峰も見えました。

 

世界第9位峰ナンガパルバット8,126mも見えます。

 

ガレ場の急登もあと少し。稜線が近づいてきました。

 

稜線に出ると後は雪渓を登るだけです。日も高くなってきました。

 

5名のメンバーとガイド、ポーター達とシャトゥンピーク(5,260m)登頂に成功です!バックはナンガパルバット!

 

山頂からはK2をはじめバルトロ山群も展望する事が出来ました。つまりここからはパキスタンにある8,000峰5座、ナンガパルバット(8,126m)、K2(8,611m)、ブロードピーク(8,051m)、ガッシャーブルムⅠ(8,068m)、ガッシャーブルムⅡ(8,034m)のすべてを展望できるという事になります。天気に恵まれ、風もなく好天。この後、急なガレ場の下りが待っていることはとりあえず忘れて、約1時間近く山頂に滞在して至福の時を味わいました。

 

Image & text : Tomoaki TSUTSUMI

Tour conducted in July 2023, Deosai National Park, Gilgit-Baltistan

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桃源郷フンザのおみやげ

7,000m級のカラコルムの高峰群に抱かれ、「桃源郷」とも呼ばれるフンザの里。
フンザで人気のお土産をいくつかご紹介します。

フンザの中心地、カリマバードのメインストリートには特産品を売るバザールが並びます。規模は大きくありませんが、観光の合間に気軽に散策を楽しめる場所です。

 

カリマバードのバザール

最初にご紹介するのは、フンザの特産品ともいえるドライフルーツとナッツ。

杏などの果物の栽培が盛んなフンザでは、果実の収穫後すぐに種を取り出し天日干しをし、保存食としてドライフルーツにします。ドライアプリコットは一般的なものと比べると色は茶色く、食感も硬めですが、これは添加物が一切使われていない証。噛むほどに杏の華やかな香りが広がり、つい癖になる味わいです。

ナッツは新鮮なクルミやアーモンド、アプリコットシード(杏仁)が有名。アプリコットシードは一見アーモンドに似ていますが、その名の通り、杏仁豆腐でおなじみの独特な香りが楽しめます。少し苦味はありますが、免疫を高める効果があるといわれています。

その他にもさくらんぼや桑の実、梨のドライフルーツもなかなかこの地でしか手に入らないのでおすすめです。

 

お土産屋さんで売られるドライフルーツ

バザールでは木工製品のお土産も目立ちます。杏の木やくるみの木は木工細工にも適しているため、それらの木材を使った置物や小物入れ、食器などが並びます。

 

杏の木やくるみの木でできたスプーン。アーティストが毎日一つ一つ手作りしています。

 

精巧な彫刻が施されたティッシュボックス

フンザの伝統的な刺繍をあしらった手工芸品も人気のお土産の一つ。ウール製のバッグやスリッパ、帽子に鮮やかな刺繍が施されています。

 

ポーチバッグ
スリッパ

また、フンザ周辺の北部パキスタンは数多くの天然石の原産地。専門店では水晶、アクアマリン、トパーズ、ガーネット、ブラックトルマリンなど色とりどりの天然石を扱っており、小さい原石などは比較的安価で手に入れることができます。
お気に入りの石や誕生石などを探してみるのも特別なお土産になりそうです。

 

アクアマリンの原石

バザール散策で一息つきたくなったら、Cafe De Hunza(カフェ・ド・フンザ)に立ち寄るのもおすすめ。

ここではフンザのくるみをたっぷりと使った名物のくるみケーキがいただけます。
コーヒーとの相性は抜群。ケーキはお持ち帰りもできます。

 

キャラメルでからめたくるみがぎっしり入った名物ケーキ

Cafe De Hunzaではお土産用にアプリコットオイルも販売していました。
喉の痛みや滋養効果があり、サラサラしているのでスキンケアとしても使える万能オイルです。

 

アプリコットシードオイル

ドライフルーツに木工品、ナッツ、オイル…と杏を良いところを余す事なく使用していて、フンザの人々にとって杏は生活に欠かせない、とても大切な存在なのだなと感じます。

まだまだご紹介しきれていないものもたくさんありますが、フンザを訪れた際にはぜひ、バザール散策でフンザならではの「桃源郷土産」を探してみてはいかがでしょうか。

 

Photo &Text : Madoka Nishioka

Visit : March 2023, Karimabad, Hunza, Gilgit-Baltistan

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春のスカルドゥへ

国内線でスカルドゥに到着すると、その風景に驚き、ほぼすべての観光客が写真を撮ります。航空機はインダス川の河畔の雪をいだいた高峰群に囲まれた砂漠の空港に着陸します。

 

標高2,230mの砂漠にあるスカルドゥの空港。昨年「国際空港」に昇格しました。最近はスカルドゥ線の運航率が良くなり、夏にはイスラマバードだけでなくカラチやラホールからも飛ぶようになりました。が、フライトキャンセルの場合カラチからは陸路ではこれません。外国人観光客はやはりイスラマバードからの便を選ぶのが安全です。

イスラマバード~スカルドゥフライトの映像、ナンガパルバットが目の前に!

 

空港から20分ほどでスカルドゥの町に到着です。バルティ族が暮らし、スカルドゥはバルティ語で2つの高い場所の間にある土地を意味します。かつてはチベットの一部であり、カシミールへの交易の中心地もありました。後にイスラム化し、1947年の印パ分離独立の後、帰属をめぐって3回の戦争を経てパキスタンに。

 

到着した3月23日はパキスタンデー Pakistan Dayでした。1940年3月22日、全インドムスリム連盟の大会でジンナーがパキスタンの建国提案し、翌23日に建国を満場一致で決議した日です。独立記念日と同じく、重要なパキスタンの記念日。

学校でイベントがあったのでしょう、子供たちが国旗を手にして道を歩いています。

 

スカルドゥのバザールです。豆、穀物を売る商店。

 

スカルドゥの郊外にあるコワルド村 Kowardo village から買い出しに来ていた村人。顔つきが少しチベットっぽいですね、フンザ地方やパンジャブ地方とは異なります。

バルティの男性は強いことで知られ、夏にはK2ベースキャンプのトレッキングや登山で活躍しています。

 

バザールにはパンジャーブ地方の「ソルトレンジ  塩の山脈」で採掘されているピンクソルトの岩塩もありました。家畜になめさせたり、小さなブロックは「ナムキンチャイ(塩味のチャイ)」を飲むときに利用されます。

ソルトレンジ-ヒマラヤ岩塩ついて

 

スカルドゥの野菜市場、パンジャブ地方からの野菜や果物も届きます。

 

この日、スカルドゥの杏はほぼ満開を迎えていました。

 

スカルドゥ渓谷のフサイナバード村  Hussain Abad village から見たインダス川。この時期のインダス川は氷河のとけた水が混じらず、きれいな青色をしています。

インダス川はインドのラダックから流れてきます。延長3,180Kmの大河インダスは、その93%はパキスタン内を流れています。北部山岳地帯を出てからパキスタンを縦断するようにアラビア海へと注ぎます。

 

スカルドゥからギルギットへ向かう道から振り返ったスカルドゥ渓谷。幅10Km、長さ40Kmもあるこの大きな渓谷は、320万年前から完新世の間にインダス川とシガール川の氷河が広げたものだといいます。

 

カラコルムハイウェイとスカルドゥを結ぶ、「スカルドゥロード Skardu Road」へ入る前に最後の景色を撮影。スカルドゥの谷は、春は杏の花に、夏は緑に、秋は黄金のポプラに包まれる、大変美しい場所なのです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit : March 2023, Skardu, Gilgiti-Baltistan

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早春のシガール渓谷

ノウルーズ(2023年は3月21日)の直後にシガール渓谷を訪れました。ノウルーズはイラン暦の新年ですが、北部パキスタンでも祝われます。ペルシャ語でノウ=新しい、ルーズ=日を意味し、春分の日にあたります。この日を境に畑仕事を始めたり、新しいことを始めたりします。

イスラマバードからスカルドゥへの国内線は冬の間を温かいイスラマバードで過ごしたお年寄りがたくさん乗っていました。厳しい冬を息子や孫のいるイスラマバードやカラチで過ごし、ノウルーズのころに村へ戻る・・・そんな村人で満席のフライトでした。

 

谷の入り口から望むシガール村

シガール渓谷は「カラコルム」へのゲートウェイと呼ばれ、この「シガール・ロード」が自動車道最終地点アスコーレへと続きます。アスコーレからトレッキング・登山が始まり、バルトロ氷河を歩きK2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群のベースキャンプへ向かいます。K2を目指すほとんどの人が通る道です。シガール川はバルトロ氷河とビアフォ氷河から出る、ブラルドゥ川 Braldu River が流れ混んでいます。

 

杏の花

訪れた時期は杏の花が満開に向かう時期でした。本当に「満開」と呼べるのは1~2日だけ。標高や日当たり、水の量で咲き方に違いがあり、いろんな場所で異なるステージの杏の花を見ることができました。

 

シガール村はシガール渓谷で一番大きな村です。セレナホテルチェーンの経営するシガール・フォート Shigar Fortは古い藩主の居城を改装した素敵なホテル。そしてホテルの周りを歩くと、村の子供の姿が。

 

シガール村にて
シガール村にて

シガール村も以前に比べると、素朴な村というイメージよりはより発展し、中心部は車が多くなりましたが、歩いて村をめぐると景色も、村人とも素敵な出会いがあります。

 

最近はシガール村のさらに奥、ハシュピの果樹園 Hashupi Fruit Garden まで足を延ばす人が増えました。シガール村からハシュピ村までの渓谷と村の景色は大変美しいものです。そしてまだまだ素朴です。

 

村の子供たちとの触れ合いの時間
杏の花を撮影

早朝はサルフランガ 寒冷地砂漠へ。

 

サルフランガ寒冷地砂漠はインダス川の河畔、シガール渓谷への入り口にあります。砂丘を雪山バックに望むことができる絶景ポイントです。

 

サルフランガ砂丘の上から見た、フサイナバード村
砂丘の上から望むカラコルムの雪山

そして朝の撮影の後はピクニックの朝食、チャイが最高!

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit : March 2023, Shigar Valley, Skardu, Gilgit-Baltistan

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カラバーグにパンジャーブウリアル Punjab urial を求めて

1月のパンジャーブ平野、ジャヴァの山にあるカラバーグ・プライベート・ゲームリザーブにパキスタン固有種のパンジャーブウリアル Punjab Urialを探しに行きました。

Kalabagh Private Game Reserveはハンティングのための野生動物保護区ですが、トロフィーハンティングのためには個体数を増やす必要があり、銃を持ったレンジャーが密猟を防いでいて保護区内は野生動物が結構いるのです。

 

ウリアル Urialは偶蹄目ウシ科ヒツジ属の哺乳類。雄の角は弧を描いて大きく巻き、首の下に長い毛の房がある野生のヒツジです。南アジアから中央アジアにかけての山岳地帯に生息。パキスタンのパンジャーブ地方に生息するウリアルはインドのラダックウリアル Ladakh Urialと同じ扱いをされていましたが、2016年に発刊された “BOVIDS of the World” (世界のウシ科動物)ではパンジャーブウリアル Punjab Urialとして独立種になりました。

 

車を降りて、パンジャーブウリアルの群れの近くへ。風向きに気をつけてアプローチします。

 

あまり近寄りすぎるとすぐに距離をあけられてします。2時間くらいの滞在で、大きな角を持つオスを含め30頭以上を見ることができました。

 

そしてお待ちかねのランチタイム。さすがハンティングロッジ。そのセッティングもサービスもとても心地よいものでした。

 

地元食材をふんだんに使ったランチ。そしてオレンジの季節!!

 

ハンティングロッジの内装。「トロフィー」が飾られていました。パンジャーブウリアルのハンティング・オークションでの価格は1頭 15,000~16,000 USドルと高価なもの。1年にパンジャーブ平野全体で15頭ほどがハンティングの対象となっています。

 

ロッジの周りには人になついてしまったパンジャーブウリアルの子供が何匹かいました。私たちとは距離を置いていましたが、ロッジの人には寄り添っていました。

 

ガイドのアブルとパンジャーブウリアルの子供。

Kalabagh Private Game Reserveで出会った生き物をご紹介します。

 

ソルトレンジ・チンカラ Salt Range Chinkara。以前はインド・チンカラの亜種とされていましたが、2016年発行の図鑑によると種として独立しました。パキスタンの塩の山脈~インドの首都デリー付近まで分布しています。

 

インドノウサギ Indian hare

 

オオバンケン Greater Coucal、 インド・パキスタンの平野部、農村の鳥。

 

シロエリハゲワシ Eurasian Griffonの若鳥。大人になると翼が白くなります。

 

シマシャコ Grey Francolin インド・パキスタンの平野部の鳥です。

 

すぐに藪に入ってしまいます、とてもかわいらしい鳥。

 

イノシシ Wild Boar

 

ムナグロシャコ Black Francolin。美しいオスです。

 

午前中2時間、昼食をはさんで午後2時間の観察をし、もうイスラマバードに戻る時間です。きっと朝と夕方にここにいれたら、もっと素敵なワイルドライフ遭遇があるはずです。

 

最後に、案内してくださったGame Reserveのレンジャーさんの雄姿。ハンティングのために保護するって、最初は驚きましたが、どうぞしっかり守ってください!

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2023, Kalabagh Private Game Reserve, Punjab

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特集記事:パキスタンの野生動物

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絶景!バロチスタンツアーVlog

2022~23年の冬シーズンはこれまでになく多くのお客様をバロチスタンへご案内することができました。2018年から苦労して開発してきたバロチスタン。外国人の入れる場所は限られていますが、一歩幹線道路から入ると絶景が広がっています。

2023年1月のツアーのツアーリーダー、 Kamitani Teppeiさんよりドローン映像をまとめたツアーのVlogが届きました。本格的な絶景動画です!

 

 

Videography by Teppei Kamitani

Visit :Jan 2023, Makran Coast, Balochistan

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誰がアイベックスの死骸にやってきたのか?

冬の上部フンザの山で見つけたヒマラヤアイベックスの死骸。ユキヒョウに襲われたもので、すで数日が経過しているものでした。5日間のカメラトラップに映し出されたカラコルムの野生動物の姿をまとめました。

 

Who came on Carcass of Ibex?

 

現れた野生動物:ユキヒョウ、キバシガラス、ベニハシガラス(ビデオには映っていませんが)、アカギツネ、ワタリガラス、ヒゲワシ

 

狩りから数日(おそらく一週間くらい)経っていると聞いていたアイベックスの遺骸はまだ肉が残っていました。狩りの際に川に転落したものをユキヒョウが引き上げたもので、カチカチに凍ってしまったようです(気温はマイナス20度)。映像の中でもユキヒョウは確認してまわっており、食べてはいません。狩りをした個体と異なる個体かもしれません。

 

カメラトラップとしてはうれしい、しっぽまで全身が入った写真。時間は18時08分で暗くなってからすぐに現れました。

 

夜も日中もアカギツネがやってきて食べていました。毛並みの感じから2個体は来ていたようです。

 

 

うれしかったのはヒゲワシが写っていたこと。ワタリガラスと一緒にアイベックスに乗っていて、すぐに飛び立ちました。

一頭のアイベックスが、いろんな動物の糧となっていく、自然の営みに感動です。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Ovservation : Jan 2023, Gojar, Gilgit-Baltistan

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ヒゲワシ Lammergeier (クンジュラブ国立公園)

クンジュラブ国立公園のヒゲワシです。英名はBearded Vulture で、そのまんま「髭のあるハゲワシ」。

ヒゲワシ(Gypaetus barbatus)は、ラマガイエ(lammergeier)とも呼ばれ、大型の猛禽類で、この種だけでヒゲワシ Gypaetus属を形成しており、最も近縁のエジプトハゲワシ Egyptian vulture(Neophron percnopterus)、ヤシハゲワシPalm-nut vulture(Gypohierax angolensis)とともに、ハゲワシ亜科の小系統を形成しています。猛禽類の中では珍しく尾が菱形をしています。

 

このヒゲワシ、食べているのは死肉で、主に骨と骨髄です。小さい骨はそのまま飲み込んで強力な胃液で消化します。大きな骨は上空から落として飲み込みやすいサイズにします。

ユキヒョウを探していた時、クンジュラブ峠(4,600m付近)でヒゲワシが骨を落としている光景を見ました。遠いのでわかりにくいかもしれませんが、映像を撮ってみました↓↓↓↓

 

ヒゲワシが骨を落として割る Bone crasher!

 

ヒゲワシは全長115cm、羽を広げると3m近くもある大きな鳥です。時々真上を飛翔してくれるとその大きさに圧倒されます。

 

クンジュラブ川の崖に降りてくるヒゲワシ。

 

クンジュラブ川の河原にアイベックスの死骸を見つけてそばの岩にとまっていたヒゲワシ。羽を傷める危険があるため狭い河原には入っていけず、もどかしい思いでこのアイベックスの死骸を見ていたことでしょう。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation :Spring 2022, Khunjerab National Park

パキスタンの野鳥に関する記事一覧

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夏のデオサイ高原、キャンプで出会うワイルドライフ

夏のデオサイ高原、キャンプ&ウォーキングで出会ったワイルドライフと景色。2022年の夏のデオサイ高原は例年になく乾燥していました。いつもは水があふれ高山植物の花が咲き乱れるデオサイは、乾燥し水がないため秋と同じような色をしている植物がたくさん見られました。理由は冬の降雪の少なさです。このことは、別の記事にも書きますが、ヒマラヤヒグマの生態に大きな影響を与えました。

 

これまでのデオサイ高原に関する記事

 

晴れた日のデオサイ高原は本当に美しく、透き通った水の流れる川、湿原、山が迎えてくれます。

 

オナガマーモット Long-tailed Marmot

オナガマーモット Long-tailed Marmot(またはGolden Marmot)です。クンジュラブ峠付近で見られるのと同じ種ですが、その毛皮の色はだいぶ落ち着いた色です(クンジュラブ峠のものはまさにGolden Marmotという色)。

 

キガシラセキレイ Citrine Wagtail

キガシラセキレイ Citrine Wagtailの雄。繁殖期で美しい。川沿いの藪で繁殖しており、朝・夕に雛に虫を運ぶ姿が観察されます。

 

ハマヒバリ Horned Lark

こちらはハマヒバリ Horned Larkの雄。こちらも雛に餌を運ぶのに大忙しでした。滞在していた7月半ばはちょうど雛の巣立ちの季節のようで、まだあまり飛べない雛が車道付近にいるのをドキドキして見ていました。

 

ムネアカイワヒバリ Robin Accentor
ムネアカイワヒバリ Robin Accentor

ムネアカイワヒバリ Robin Accentor です。キャンプ地の周りにはいませんでしたが、シャトゥン地区の家畜の放牧エリアで見かけました。パキスタンではデオサイ高原から北にかけての限られた地域でのみ見られる鳥です。

 

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bearを求めて毎日歩きました。今夏の例外的な乾燥のため、いつもいるはずの場所にヒグマがいませんでした。夕方まで探しても見られない日がありました。

 

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear

歩いて歩いて、ようやくであったヒマラヤヒグマ、大きな子供です。そばに母グマがいたのか、独り立ちした後なのか。

 

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear

草を食べまくっている大きなヒマラヤヒグマもいました。風向きに助けられ、近づいて観察することができました。

 

キャンプ地に戻ると、大きなマスが(注:ちゃんと国立公園の許可証をとってスタッフが捕まえたものです)。デオサイ高原には、もともといたマスとイギリス人が植民地時代に釣りのために放流した外来のマスがいます。このマスがどちらなのかはわからないのですが、もともといるマスはIndus Snow Troutと呼ばれる珍しい種だそうです。

 

マスを見たら、喉が渇きます。パキスタンのビール、マリービールで乾杯です(注:標高4,000mありますのでマネしないでください)。この缶はMurree BreweryのMILLENNIUMというビールで、個人的に一番おいしいと思っているビールです。イギリス植民地時代の遺産で一番感謝しているものです。

 

デオサイ高原の星空・・・明かりのないデオサイ高原の空の撮影はおすすめ。

 

ヒマラヤヒグマ Himalayan Brown Bear

そしてキャンプ地に現れたヒマラヤヒグマ・・・キャンプ地のゴミを目当てにしている個体がおり、しょっちゅうやってくるそうです。カメラトラップにしっかり映っていました。

 

今年は乾燥していたため、ヒグマの観察には苦労し、高山植物の少ないシーズンとなってしまいましたが、この異常気象が生態を狂わさないことを祈るばかりです。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : JUL 2022, Deosai National Park, Gilgit-Baltitstan

パキスタンの野生動物特集

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