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リアル・ペイン 心の旅
監督:ジェシー・アイゼンバーグ
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、キーラン・カルキン 他
日本公開:2025年
ジェシー・アイゼンバーグ自身が投影された、ポーランド行ロードムービー
ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッドと、兄弟のように育った従兄弟ベンジー。現在は疎遠になっている2人は、亡くなった最愛の祖母の遺言によって数年ぶりに再会し、ポーランドのパッケージツアーに参加することに。

正反対な性格のデヴィッドとベンジーは時に騒動を起こしながらも、同じツアーに参加した個性的な人たちとの交流や、家族のルーツであるポーランドの地を巡るなかで、40代を迎えた自身の生きづらさに向きあう力を見いだしていく。

2026年最初の投稿になりました(今年もよろしくお願いします)。この映画は、西遊旅行のリピーターのお客様にはとても楽しんで観てもらえると思い、最初の投稿とさせてもらいました。
アカデミー賞にもノミネートされた本作ですが、実はやや特殊で個人的な作品です。facebookの創業者を描いた『ソーシャル・ネットワーク』の主演で有名な俳優のジェシー・アイゼンバーグ。
自身もユダヤ人ですが、「ユダヤ人とポーランドの人たちの関係を改善したい」という思いから自分で監督を務め、劇中では彼自身が主人公を演じてポーランドへの旅物語を形づくりました。

つまり、フィクションなのですが、半分ジェシー・アイゼンバーグの個人史・境遇が入り込んだ話ということです。インタビューをみたところ、ジェシー・アイゼンバーグは「ポーランドにツアーに来たような心地になってほしい」という思いで本作をつくったといいます。

だからなのでしょう。この映画は、物語そのもの(話の筋)にも、登場人物たちの心情にも、ポーランドやホロコーストの歴史にも、あまり奥深く踏み込みません。もちろん、登場人物たちは自分の出自や現状に関して打ち明け話(たとえばアフリカ系の登場人物はルワンダ虐殺の生存者であることを序盤で話す)をするし、巡る地もいわゆる「ダークツーリズム」といわれるような強制収容所や戦争関連の場所で、エモーショナルな場面も多いです。

それでいて本作がユニークなのは、ツアーというものに集まる人々を俯瞰的に、「興味深い集団」として捉えている点です。ツアーガイド・添乗員はもちろん人間で、それぞれの思いや人生のタイミングがあります。お客様もそれぞれの旅の目的・好み・背景がある。時に同傾向の人々が集まり、時に異種多様な人が集まる。いずれにしても、「◯◯に行く」という同じ目的は共有している。その絶妙なバランスを持つ「ツアー」の面白さそのものを、ジェシー・アイゼンバーグは注力して描いています。
観ていただかないと説明が難しいのですが、観て頂けると「あーなるほどそういうことか」と、西遊旅行のお客様にはわかってもらえると思います。

幸いにも、西遊旅行のツアーにはポーランドや旅の出発点・ワルシャワ等に行くツアーはあっても、まったく同じ行程のツアーはありません。なので、映画を観た後に安心して「実際に行った心地」になってください。


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