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ラッチョ・ドローム

latcho drom

インド・トルコ・エジプト・フランス・スペイン

ラッチョ・ドローム

 

Latcho Drom

監督:トニー・ガトリフ
出演:タラフ・ドゥ・ハイ・ドゥークス、チャボロ・シュミットほか
日本公開:2001年

2016.6.8

流浪の民たちの道筋を辿る旅へ思わず出たくなる、至幸の映像詩

自身がロマ(北インドのロマニ系に由来するジプシー)のルーツを持つアルジェリア生まれのトニー・ガトリフ監督は『ガッジョ・ディーロ』『トランシルヴァニア』など他にも多くのロマに関する映画を撮っていますが、その中でも特に代表作と言われているのが本作『ラッチョ・ドローム』です。題名はロマ語で「良い旅を」という意味で、映画はロマが元々住んでいたと言われるインド北西部のラジャスタンからスタートし、スロヴァキア、トルコ、ハンガリー、エジプト、南フランスなどを経て最終的にスペイン・アンダルシア地方にたどり着きます。各地で奏でられる音楽をひたすら映し出すというドキュメンタリーに近いタッチで描かれていますが、本作がドキュメンタリーと必ずしも言い切れないのは、その土地土地の日常の様子や街の音、そして音楽に聞き入る人々が醸しだす熱気が力強い物語を紡いでいる点にあります。特にジョニー・デップが「世界一好きなバンド」と公言しているルーマニアのタラフ・ドゥ・ハイドゥークスが地元のクレジャニ村で老若男女を巻き込んで演奏する風景や、ジプシー・スウィングの大御所チャボロ・シュミットが南フランスのサント・マリードゥ・ラ・メールの祭りの中で演奏する映像は圧巻です。私自身、この映画の影響でルーマニア・ハンガリー・ポーランド・南フランス・トルコなどを旅しました。

ジプシー音楽を知ってみたいという方、一気に魅力的な場所を多く見れるのでどこに旅行に行こうか考えていらっしゃる方におすすめの1本です。

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イスタンブール

ビザンツからオスマンまで、帝国の興亡を見つめてきた街。ボスポラス海峡を隔て、アジアとヨーロッパにまたがるトルコ最大の都市。首都はアンカラに遷都されましたが、現在でもトルコの文化、商業の中心です。

きっとうまくいく

インド

きっとうまくいく

 

3 IDIOTS

監督:ラージクマール・ヒラーニ
出演:アーミル・カーン
日本公開:2013年

2016.3.9

笑いあり、涙あり
新世代のマサラムービー

インド国内外で大ヒットしたこの作品は、お調子者の3人の青年たちが織り成す青春・友情を描いた映画です。3時間を長く感じさせない練られたストーリー展開、インド映画の醍醐味であるダンスに加え、インドの広大さ・多様さがよく表れている映画です。舞台は首都デリーから始まり、避暑地で植民地時代の教会などが立ち並ぶシムラ、そしてチベット文化圏のマナリ、ラダックと北に移っていきます。登場人物は役者本人の出自も含めて細かな人物造形がなされています。出身地や名前のジョークがあったり、ヒンディー語が得意でない生徒がいたりして、そうしたやりとりの中から「多様性の国」とも呼ばれるインドの一部が垣間見られます。同時に、劇中に登場している場所がインド全体のごく一部であることが説明されずとも分かり、残りのインドがどのようになっているのかという想像力も沸き立ちます。インドに行ったことがある方にもない方にもおすすめの一本です。

ヌブラ谷とパンゴンツォ

2つの峠を越えて ヌブラ谷とパンゴン・ツォ。貴重な立体曼荼羅が残る奥地の里、スムダも歩いて訪れます。カルドゥン・ラ(5,602m)の先に広がる「緑の園」ヌブラ谷と チャン・ラ(5,360m)を越えて「紺碧の湖」パンゴン・ツォを訪れます。

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パンゴン・ツォ

ラダックの東部からチベットへと、国境を越えて約130km横長に広る湖。標高は4,300mに位置し、澄んだ空気が生み出す青い空を映すこの湖の色は、鮮やかなターコイズブルーです。