立山のライチョウを撮る 【2022年5月編 その2】

Report by 戸塚学 / 2022年5月23日~25日


<1日目> 快晴 

早朝まで雨が降っていたが、集合時間には晴れ上がった。時間通りみなさん集合したので室堂ターミナル屋上へイワツバメを撮影に向かったが・・・いない!全然いない。どういうことだ!20分ほど待ってもイワツバメ少ししかいないので宿へ向かう。

ランチ&ミーティングを済ませさっそくライチョウ探しに出る。天気が良すぎるせいか出が悪く、探すが見当たらない。とりあえずベースにしてあるポイントで待機をするとオスが喧嘩しながら飛びまわっている姿を見つけたので、宿の前に移動して飛翔する姿を撮影してもらった。

 
 
ライチョウ オス
ライチョウ オス

その後、知人が「ここにいるよ!」と電話連絡を入れてくれたのでそちらへ移動。しかしライチョウは結構厳しい場所にいて雪の斜面を上がり、何とか撮影をすることができた。夕方は夕日を狙ったが、雲海が赤く染まっただけで肩透かしで終わってしまった。夕食後20時に宿の玄関に集合してここで星の撮影用にカメラをセッティングする。明るい場所でこの設定をしないと暗い場所は無理なのだ。さて5分ほど雪の上を歩き山小屋の灯りの影響を受けない場所で撮影をしてもらうが何も見えない!「とにかくシャッターを切って」と言ってシャッターを切った後みなさんいっせいに「写ってる!」の声。その後は明るさを調節したり、角度を少しずつ変えながら撮影をしてもらい約30分の星空撮影は終了。これ以上粘ると明日も早いので納得してもらう。

星空

<2日目> 快晴 

5時に出発するとすぐにライチョウのペアが見つかったので撮影してもらう。すぐ近くでウソが良く出るのでこちらも撮影してもらうが、はじめ「ウソが近くで撮れるから」と言っても皆さん反応が悪い!そこでほぼ無理やり連れて行き撮影してもらうときれいでかわいいウソにぞっこんになっていた。

ライチョウ ペア
ウソ

立山から朝日が昇ると先ほどのペアのオスが「ここに上ったらいいね」と言っていた岩の上に上がって奥大日岳をバックに撮影できた!これで今回のライチョウの喧嘩・青空&岩の上&山バックを撮れてしまった!!!

ライチョウ ペア

朝食後はこのペアのいた場所へ戻るとまだいたので、青空バックのネズの上にいる写真やペアの写真を撮ってもらうが、日差しが強くなるとハイマツの下に入ってしまって動かなくなってしまったので「昨日の夢よ、ふたたび」で宿の前のテラスで飛び回るライチョウを待つと、喧嘩で飛び回りはしなかったが飛ぶ姿と山をバックにとまる姿を撮影できた。

ライチョウ オス

11時30分に終了してランチにする。その後は15時まで休憩にする。15時から捜索すると2ペア確認できたがどちらもハイマツの下から動かないのでこちらも待機。16時を過ぎると動き出したのでそれに就いて行くと、メスが砂浴びを開始。予定外の砂浴びの撮影まで撮れてしまった。

ライチョウ メス
ライチョウ メス

その後ペアで動き出したので先回りして待つと、広角レンズでの撮影までできてしまった。一旦夕食に戻り、夕陽の撮影に出ると先ほどのペアがいたので夕日で染まる姿も撮ることができた。夕陽は雲がかかりイマイチだったが誰も文句を言わないのは当然か(笑)

<3日目> 快晴

5時からの早朝撮影はどういうわけか全く見つからない。時間がもったいないので一旦宿に戻り休憩を兼ねて6時30分から朝食を食べ、荷物をまとめてもらい撮影に出る。最終日なので少し遠くまで探しに行くとさっそく見つかった!しばらく撮影した後ハイマツの下に入ってしまったので切り上げる。もう一つのポイントへ行くとこちらもペアが見つかったのでしばらく撮影してもらうとこちらもハイマツの中へ消えていった。みなさん昨日からしっかり撮れているので顔に余裕がある。ひとまずベースポイントへ戻りましょうか?伝え移動を始める。途中で「あの大きな岩場にライチョウがいるといいよね」なんて話して歩いていると・・・その場所に近づくと人影が?なんと・・・いた!ありえないマジでいた!こんなチャンスはないのでがっつり撮ってもらう。

ライチョウ オス

早めに切り上げる予定ではあったのだが、みなさん完全に「帰るモード」になっているので荷物をまとめ10時に室堂ターミナルへ向かい無事ここで解散となった。

それにしてもこれだけ当たりを引くとは信じられないが、今回の参加者は超ラッキーなのは間違いない。

立山
カヤクグリ

撮れた鳥
ライチョウ・カヤクグリ・ウソ・星空
観られた鳥や獣
ハシブトガラス・トビ・イワツバメ・アマツバメ・メボソムシクイ・ウグイス・ホシガラス・シジュウカラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

立山のライチョウを撮る 【2022年5月編 その1】

Report by 戸塚学 / 2022年5月20日~21日


<1日目> 雨時々曇り 

早朝は曇りだったが、7時頃から雪になりその後は雨になった。予定ではターミナル集合後イワツバメの撮影を予定していたが、残念ながらこの天気なので中止にする。そのまま宿に向かった。宿ではミーティングをしながらランチを食べる。各種説明が終わった後、外は小雨のようなのでライチョウを探しに出る。見晴らしのいい場所へ行くと、地獄谷の噴煙が見える岩の上にオスがいたので撮影をしてもらう。

ライチョウ オス
ライチョウ オス
ライチョウ オス
ライチョウ オス

昨日から入っているのだが岩とまりは初めてで、ほっと胸をなでおろす。昨日はまったく岩に上がらなかったのだ。10分もしないうちに飛び立ってしまい、戻ってくるかもしれないと待つが結局戻らず移動をすることにした。雨宿りを兼ねて宿まで来るとオスの鳴き声が?振り向くとこちらに向かって飛んで来てテラスの下に着地。「飛ぶか?飛ぶか?」と期待をして彼の進行方向へ移動するも飛び立ちはうまく撮れなかったようだ。移動中しばし雨も止んだ間にウソが撮れたのはラッキーだった!

ウソ
ウソ

 

<2日目> 雨のち霧

5時に集合するが外は雨・・・。予報では止んでいるはずだが仕方ない。準備をすると宿の前でいきなりオス同士の喧嘩が!しかし小競り合いですぐに1羽は見失い、もう1羽は立ち入り禁止の場所へ走って行ってしまった。とりあえず雨ではあるが捜索に出かけると、すぐにペアが見つかった。光はあまりよくはないが、雨も上がり日も差してきた。そこで撮影してもらい私は別の個体を探しに行くと見つけたが、動きが無かったのと霧が出てきたので朝食にする。

朝食後・・・霧が凄い!視界が無いので待機する。約30分後、一気に霧がはれたので出発。すぐにペアが見つかったので撮影をしてもらい、その間に別個体を探すとサクッと見つかったので参加者を呼びに行こうとすると2人が「飛んで行ったしまったから」と戻ってきたので今見つけたライチョウを撮りに行く。遊歩道脇で人がひしめき合っている中撮ってもらっていたが、よくとまる岩を双眼鏡で覗くと「いた!」すぐにそちらに移動開始。あと5分も歩けば着くという場所でライチョウが飛び去る姿が?飛ばれた!

ライチョウ オスの飛翔
ライチョウ オスの飛翔

なんとなくこちらに来そうだったので待っていると私たちがいる前の岩にとまった。本当ならバックに奥大日岳が入るのだが、霧で隠れているから仕方ない。それでも飛び立つところが撮れたので満足をされていた。その後もライチョウは見つかるが、霧が思うように晴れず12時少し前に終了してランチをとったのち解散となりました。

ライチョウ オス
ライチョウ オス

今回は天気がめちゃめちゃ悪いわけではないが、こちらが想定した「山バックのライチョウ」は撮影することができずに残念でしたが、ライチョウ自体はふつうに見られることができたので今後もできるようなら計画をしたいと思います。

イワヒバリ
イワヒバリ
カヤクグリ
カヤクグリ

撮れた鳥
ライチョウ・イワヒバリ・カヤクグリ・ウソ
観られた鳥や獣
ノスリ・ハシブトガラス・イワツバメ・アマツバメ・メボソムシクイ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

バードアイランド三宅島・野鳥撮影の旅

Report by 戸塚学 / 2022年5月16日~18日

 

5月16日(月) 初日移動
明日の三宅島の天気予報はあまりよくないが竹芝桟橋は曇り。予定通り出航した。出航してすぐは甲板からレインボーブリッジ通過の瞬間を見られるとあって数人が見学に行った。

 

5月17日(火) 三宅島 雨時々曇り
5時に新鼻荘の送迎車で宿へ。なんとなく雨が小降りになってきたので、レンジャーの話ではタネコマドリは「迷子椎」近くで出がいいというので大路池の周回散策路を歩きながら、鳥達の声を楽しみつつ、姿を探して移動。しかし三宅島の暗い森は厳しい・・・。声はすれども姿は見えず。アカコッコは道路に出てもすぐに飛び去る・・・。迷子椎のところでもタネコマドリの声はすれども姿は見えず・・・。いいところまで近づくが・・・去って行く。望み薄な感じなのでトイレのある桟橋まで足を延ばす。桟橋からは対岸にダイサギの姿が見られ、小雨が降る暗い中だがいい雰囲気なので撮影をしてもらう。そうこうしているうちにオシドリのペアが飛んできたので遠いけれどもこちらも撮ってもらう。湖岸の桑の実にシチトウメジロが集まるのでこちらも撮影してもらい、一旦アカコッコ館を目指す。

ダイサギ

オシドリ

シチトウメジロ

アカコッコ館では雨宿りをしながら撮影を試みるが暗いし視界が無くて手に負えないため、早々に切り上げ宿へ戻る。宿に戻るとおかみさんが庭にもアカコッコや小鳥が来るから撮ればいいと解放してくれたので12時まで撮影をすることにした。アカコッコは来なかったがオーストンヤマガラとカワラヒワが良くエサ台に来てくれたのと、上空を飛翔するカラスバトは10回以上見ることができた!

オーストンヤマガラ

カワラヒワ

12時タクシーが迎えに来たので目的地を急遽変えていつもお世話になっている宿へ行ってもらう。今年この宿の周辺だけアカコッコが多いというのだ。そこで傘を差しながら細い道を進むとアカコッコがいた!結構な頻度でアカコッコを見つけることができたのでみなさん何とか撮影ができたようでほっとする。ここで問題が!私のミスで明日が3時間、今日が2時間の予定を勘違いしてしまいタクシーの運転手に明日2時間に変更できるかと聞いてOKが出てほっとする。まぁミスのおかげでアカコッコを堪能できたのだから結果OKだろう。宿に戻ってからも庭の撮影をしているとアカコッコが来てくれたが、私は撮るどころか見ることもできなかった・・・いとかなし。そのまま終了して夜は地魚と地元の食材のおいしい晩御飯をいただきました。

アカコッコ

5月18日(水) 三宅島 晴れ
4時半から庭の小鳥とアカコッコ撮影。6時にタクシーが来たので伊豆岬へ移動。到着してドアを開けると・・・!すでにウチヤマセンニュウのさえずりがあちこちから聞こえる。すぐに双眼鏡で覗くと、いるいるいっぱいいる!できるだけ近い個体を見つけ場所を教えて撮ってもらう!よかったこんなに早くカタが付くとは。他にもウグイスのさえずりも目立つところでしていたのでしっかりと撮ってもらう。カラスバトも多くいるのだがこちらは遠い・・・。

ウチヤマセンニュウ

ウグイス

昨日のミスで2時間になってしまったがとても有効な2時間を堪能することができた。
一旦宿に戻り朝食を食べたのち、荷物をまとめて大路池の遊歩道へ。今日は迷子椎まで行かず途中のポイントで鳥を探すことにする。あまり鳥たちの姿が見られないので、各自で移動撮影をしてもらったことが良かったようで一部の方たちはタネコマドリやモスケミソサザイを撮ることができたようだ。残念ながら私は、モスケミソサザイは見られたがタネコマドリは見ることができなかった。

 

12時に宿のおかみさんに港に送ってもらう途中、阿古の集落にある溶岩が入った中学校を見学。火山島の生の姿を実感することができた。船上では甲板で鳥を探すが島を離党してすぐのカンムリウミスズメは外した。しかしオオミズナギドリや時々混じる黒いハシボソミズナギドリを観察&撮影しながら伊豆大島近くに来るとイルカの群れが現れた。ここでようやくクロアシアホウドリが2羽出てくれた!この先はオオミズナギドリ以外の期待が持てないこともあり、皆さん疲れたようで流れ終了(笑い)。夕日と富士山や夕焼けと羽田空港の飛行機を狙いつつ船は無事竹芝桟橋へ・下船と同時にそのまま解散となりました。

クロアシアホウドリ

オオミズナギドリ&ハシボソミズナギドリ

本当ならアカコッコ間の水場でばっちり撮影ができるはずが今年は鳥達の動きがいつもと違う+雨という天候不良により歩かないつもりが相当歩く結果になったことは申し訳なく思いましたが、地元の方たちの情報のおかげで歩いたことでアカコッコの撮影ができたことは何物にも代えがたい収穫だったのではと感じました。

 


撮れた鳥
カラスバト・ハシボソミズナギドリ・クロアシアホウドリ・ダイサギ・ミヤケコゲラ・シジュウカラ・オーストンヤマガラ・ウグイス・イイジマムシクイ・シチトウメジロ・ウチヤマセンニュウ・モスケミソサザイ・アカコッコ・タネコマドリ・カワラヒワ・オシドリ
観られた鳥・さえすり
コジュケイ・二ホンキジ・ウSP・アマツバメ・ウミネコ・ミサゴ・トビ・ノスリ?・アオバズク・ハシブトガラス・ヒヨドリ・イソヒヨドリ・スズメ
哺乳類
イタチ

 


この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

立山のライチョウを撮る 【2022年4月編】

Report by 戸塚学 / 2022年4月24日~26日

<1日目>

天気予報は晴れだったが、まぁ大荒れにならなければ初日だしOKだ。15時に室堂ターミナル集合なので、待っていると時間通りにみなさん到着。ここでサングラスの有無を確認。サングラスを忘れてきた場合ここで買ってもらうことにしている。これは雪目対策。この時期の立山では残雪とモーレツな紫外線により雪目になりやすいのだ。ひどい場合、涙が止まらないとかまともに目が見えないなどの症状が出るので、サングラスは絶対条件としている。宿まで歩いて向かうのだが、来る途中にライチョウがいたので、ザックからカメラを出してもらい、いたらすぐ対応ができるようにしてもらう。ライチョウはいたが、ハイマツの下に潜って休憩中。

ハイマツの下に潜って休憩中のペア
ハイマツの下に潜って休憩中のペア

動きそうもないので待たずに宿へ向かう。荷物を降ろし、チェックインを済ませたのちライチョウを探しに行く。一番近いポイントで、まだらのオスを発見。これまた微妙な枝かげで休憩中。みなさんにはこのオスを撮ってもらいながら、この場所で待機をしてもらう。その間に私は少し離れたポイントへ捜索。見つけたら常連のお客様に電話で連絡して揃って来てもらうようにする。さて現着すると・・・いた!

  ライチョウのペア

あまりにもいい場所にいたので電話をして来てもらう。カメラマンは、私たち以外いない。という事は心置きなく撮影ができる。とはいえ、このペアまったりとして動きが見られない。時計は16時。「あと30分くらいで動くと思います。またこの場所は17時30分で斜面に太陽が隠れるので、それまでに動くことを祈りましょう!」と伝える。

そして16時30分メスが動き出すと、オスがエスコートを開始。2羽は採餌しながら私の思惑通りのコースを歩く。その間、辺りにはシャッター音が鳴り響く。

  白いメスのライチョウ 歩くオスのライチョウ

17時30分太陽も斜面に隠れる頃、ライチョウのペアもいい場所から移動したので、切り上げて夕陽を狙いに行く。ちょっと変わった雲が西の空に広がり「ドラマチックな夕陽」を連想させワクワクする。このポイントには先ほどいたオスのライチョウもいたので、風景とライチョウの2本立てで撮影を楽しんでもらっていたが、日没近くにこのオスライチョウは飛んで行ってしまった・・・。夕陽は思ったほど良くなく肩透かしで終わってしまったが、ペアをしっかり撮影できたので皆さんの表情がいい。夕食後の星空の撮影だが、空には雲が広がっていたため中止となってしまった。

<2日目>

5時30分に集合すると、すっきりしない天気。とりあえずライチョウを探すが、見当たらない。ここで予定を変更して6時に朝食を食べることにして、午前中の撮影を早めることにした。これは日帰りのカメラマンが室堂に到着するのが9時くらいなので、それまでに邪魔されずがっちり撮りたいためだ。見晴らしのいい場所に移動してもらい、カヤクグリの撮影をしながら待ってもらうことに。そして私はライチョウの捜索に出た。先入りしてから鉄板だったポイントにペアがいない!「困った」しかし近くのポイントを覗くとペアがいた!さっそくみなさんを呼び、来てもらう。

ここであることに気が付いた。数日前に見た時とオスが違う。足環が無いので一目瞭然、今いるオスは足環をしていないのだ。こんなこともあるものだと思いつつも皆さんには撮影をしてもらう。運がいいことに斜面なので大日岳を入れた撮影ができるのだ!

奥大日岳を背景にペアを撮影
奥大日岳を背景にペアを撮影

しかし時間がたつにつれ、天気が良すぎるせいか非常に暑い!暑さが苦手なライチョウなので涼しいハイマツの下に潜ってしまった。ここで一旦撮影を切り上げて宿へ向かう。途中にもライチョウのペアがいたが、こちらもハイマツの下でまったりなので撮影をせずに宿へ。ちょっと早いがここで昼食とお昼寝タイムとする。

合間に撮影できたウソ
合間に撮影できたウソ

15時に集合後、今回まだ行っていないポイントへ向かおうとすると、どうやらライチョウがいるのは双眼鏡を覗いてわかった。その理由は、植生が出ている場所にカップルなのか夫婦が入り込んで、ハイマツの下を覗いた後にライチョウがいると思われる場所で座り込んでいたからだ。注意しないわけにはいかないので、みなさんを連れて現場へ。その二人には少し離れた場所から声をかけ「そこへ入らないでください!」と叫ぶとすんなり出てくれた。できればそこにとどまって「なぜ注意をされたか」の理由を聞いてほしかったが、私たちが到着する前にどこかへ行ってしまった。高山では一見、裸地に見える場所にも高山植物の種が眠っていたりして、踏まれるとダメージを受けてしまうため、雪が無い季節は遊歩道外へは出られないが、雪のある時期はどうしてもこういうことが起きてしまう。ほとんどが悪気もないし知らずにやってしまうので説明をするようにしている。これはもちろん参加者にも徹底してもらっている。ついつい撮影に夢中になるとやりがちな行動なのだ。

伸びてこちらを覗うメス
伸びてこちらを覗うメス

オスのライチョウの顔が少しだけ見えるが、撮影には厳しく、ここで待っていいただきながら私は午前中のポイントへ行くと、いた!オスがいた。今度は大日岳ではなく太陽の位置が反対なので雄山をバックに撮れそうだったため、みんなを呼びに行く。しばらく待つ事にはなったが、ハイマツの下からメスも現れ、立山バック&青空の撮影をすることができた!しかし今回は当たりすぎだ!ペアが移動してしまったので夕日のポイントへ私たちも移動。その近くに別のペアがいたが、まだ休憩中のようでパスをする。そう・・・だんだん贅沢になるのだ(笑)

夕日はイマイチで、焼けることもなく終了。宿に戻ろうとすると先ほどのペアがいい場所に出てきていた!ここでは広角レンズで狙えそうなので、先行して宿に向かった2人に電話をかけて戻ってきてもらい、暗くなるまで撮影をすることができた。 夕食後、外に出ると満天の星空!だがしかし、先ほどまで無風だったのに強風が吹き荒れている!これでは三脚がぶれてしまい星の撮影ができないので、ここで終了となる。

日没後のぺア
日没後のぺア
夕焼けの雄山(おやま)
夕焼けの雄山(おやま)

<3日目>

5時30分に集合すると曇り、しかし晴れ間も見える?昼まで持つかなと悩ましい。ただし参加者の皆さん、2日間でお腹いっぱい良いシーンを撮影できたので、本日は余裕の表情と撮影スタイル。宿の玄関前にライチョウのペアがいたので撮影してもらっていると、オスが移動していい場所へ!まったくどうなってんだ、ツキまくりじゃないか!!!

時計を見てもう少し撮影ができそうだったので、宿から少し上がったポイントへ行くと、またしてもライチョウのペア!午後から雨の天気予報だったので、「早めに上がるかも」とアナウンスをしておいたがこれはもう、朝食時間の終了間際まで撮影してもらう。7時30分に切り上げ朝食を食べていただき、たくさん撮れたし天気が午後から雨なので濡れる前に切り上げようと思うと伝えると、皆さんからOKが出た。というより一部の方は早く帰ってPCで写真が見たいようなのだ(笑)。1名はもともと登山好きなので適当な時間に下山するという事で、私を含めた参加者5名は、9時に宿を出て室堂ターミナルで解散となりました。立山駅到着後、車を走らせるとすぐに雨が降ってきた!時間は11時30分。最後の最後までもってる方ばかりのツアーだったとしみじみ感じた。

白い雄
白いオスのライチョウ

撮れた鳥
ライチョウ・ウソ・カヤクグリ
観られた鳥や獣
イワヒバリ・ハシブトガラス・メジロ・ヒヨドリ・ウグイス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬景色の佐渡でトキを狙う【2本目】

Report by 戸塚学 / 2022年2月4日~2月7日

1日目(2月4日)新潟

予定通りに集合完了をしたので専用車でトラフズクのポイントへ移動しました。今日は何羽いるのかな?とワクワクしながら探すと5羽がいましたが・・・問題はどれも顔がはっきりと見えない。少しだけ葉のすき間から顔が見えるポイントを伝え、違う場所を探しに行くが残念ながら他には見当たらなかった。目の前にお目当ての鳥がいるのに撮れないという悔しい結果に終わりました。

引き続き瓢湖へ移動してカモ・ハクチョウを狙ってもらいます。

オオハクチョウ

「珍しいカモはいますか?」いう質問に「月曜日はアメリカヒドリがいたのですが探しましょう!」と言って探すがいない!どこへ行ったのやら。ミコアイサ・ヨシガモもいるはずだがこちらも見つけられず。雪が激しく降る中苦戦が続きます。15時のエサの時間になりカモたちが飛んで来るシーンが撮れるので狙ってもらいました。

ヒドリガモ

オナガガモ

オナガガモの飛翔

初日の2か所がイマイチで申し訳ないのですが、明日に賭ける!という事でホテルに戻りました。

スズメ

2日目(2月5日)佐渡島

昨夜の雪が気になったが、外を見るとそれほど積もっていない。それでも空はどんよりと曇っているのは仕方ないか。フェリーターミナルへ行くと波が高いのでジェットホイルが全便欠航になっている。私たちが乗るカーフェリーは出航するのでほっとする。波が高いのでどれほど揺れるかと心配したが、意外と大したことがなかったがそれでも15分遅れの到着となった。
佐渡島ではすぐに専用車に乗り込み、昼食はコンビニで買っていただき食べながらトキを探すスタイルでスタート。佐渡の田は昨夜の雪でがっちりと雪化粧されていた。これはまずいかな?と思ったがすぐに見つかった。ほっとしたのもつかの間、すぐに飛ばれてしまった!周辺を探すと車の近くから飛び立った1羽がいたので車を停めて観察すると、車の後ろに降りたので一旦Uターンできる場所まで移動して再度近づく。たまたま民家の植え込みがブラインドになり過去最高の近さで、それもいつの間にか、もう1羽増えていて2羽になっている。なんともラッキーとしか言えないがゆっくりとリラックスした姿の撮影を堪能できた。

トキ

その後は違う個体を探すが見つからない。ここでダメならもう1度さっきの近かった場所へ行く予定でいたが、いた!それも6羽。撮影していると三々五々飛び立ち川向うへ行ってしまった。そんな時運転手さんが「こっちに向って来るよ」というので車内から見ていると木の枝にとまった。それを撮影していると先ほど飛んで行った場所から同じ場所にどんどん飛んで来て木の枝にとまった!木の枝には雪が積もりそんな姿を撮影できるなんて。

トキ

1時間ほど撮影しただろうか?皆さん満足したようなので夕方ねぐら入りする前に飛ぶポイントへ移動開始。現地ではどういう感じで撮影ができるかと説明して待つこと1時間。まず2羽が飛んで来て杉林に消えていった。その後も次々と飛んで来ては杉林に消えてゆく!みなさん何とか飛翔する姿を撮影できたようでホテルへ向かう。それにしても半日でここまでいい状況で撮れるとは!やばいぜ(笑)

トキの飛翔

3日目(2月6日)佐渡島

天気予報通り・・・吹雪いている。専用車に乗り込みトキの多くみられる田を巡るが、ブリザードとホワイトアウトでお手上げ!運転手さんのことを考えると申し訳なくて仕方ない。トキたちも田が雪に覆われエサが採れないようで姿が見えない。一旦車を停めてどうするかを聞いてみて、とりあえずはトキ交流会館で飛んでいるトキを狙うことにする。ここはかろうじて風が弱く、午前中は飛翔する姿を3度ほど撮影することができた。

トキの飛翔

両津港近くの田にもトキをよく見ると運転手さんが言うのでそこを廻ってもらうがダメだった。食事をとっている時は空が明るくなり雪も止んだので再び田を廻ろうと走り出すと・・・またしても猛吹雪&ホワイトアウト!なんとなく運転手さんに罰ゲームを与えているような感じになる。

雲間から日差しが出てきた時に田の中のトキを見つけたが数分で飛ばれてしまった。近くにノスリもいたがこちらは車を停めたとたん飛んでしまった。別のコースで走り出すと車のすぐわきからキが飛び立った!車を停めて観察していると私たちの後ろの田に入ったのでUターンをからして近づくと、昨日と同じ民家わきの小さな田にいた!今回もあまり警戒しない個体のようでしっかりと撮影することができた。

トキ

その途中に何か赤っぽい鳥が現れたのでモズかなと思ったらハチジョウツグミで私はもっぱらこちらを撮影してしまった(笑)夕方は昨日と同じポイントでねぐら入りする姿を狙って終了した。とんでもない天気でどうなるかと心配したが無事撮影もできてよかった!

4日目(2月7日)佐渡島

昨日から天気予報というか、海上の波が気になっていたが朝一番で佐渡汽船の運行状況を確認するとすべて運行予定になっていてほっとする。朝一は昨日の雪と風で田はしっかりと雪に覆われ、餌場となる場所は見当たらない。それでもすべてのコースを見回ってトキを探す。ここにいなければ、どうしようと考えていた場所にいた。1羽が飛び立つとその近くの木の枝にとまっている。数えると4羽だ。よく見ると谷の奥に1羽が採餌をしていた。合計5羽。車を少しづつ移動してもらい枝かぶりにならないように撮影をしてもらう。そろそろいいかな?と思った時にトビが群れでとまっている場所に突っ込みトキを飛ばした!おかげで飛翔する姿も枝にとまる姿も撮影することができた。

皆さんが飽きるまで撮ってもらってから、夕方に行くポイントへ移動してここで時間いっぱいまで粘ってもらうことにする。しかし今日はあまり飛んでくれず残念な結果となる。ただし両津港に行く途中の田にもよくいるので帰り道移動しながら探すと1羽いたので最後のダメ押しの撮影をしていただき無事撮影は終了となりました。ジェットホイルに乗り新潟港に到着した後ここで2名の参加者と別れ、私を含め3名で新潟駅へ専用車で移動して終了となりました。

トキの飛翔

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
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冬景色の佐渡でトキを狙う【1本目】

Report by 戸塚学 / 2022年1月31日~2月4日

1日目(1月31日)新潟

時間通り集合を完了したのでまずはトラフズクを探しに行きました。探すと1羽はすぐに見つかったが、顔が見えない!他にいないかと探していると地元の方に「3羽いるよ、ほらこっち、こっちからなら顔が見える」と教えてもらい皆で交代しながら何とか撮影。残り2羽がどこにいるかと探すと・・・初めに見つけた1羽の横に葉に隠れていた。しかしこちらも真下から見上げるような感じで顔が見えない!合計3羽を確認したが撮影可能なのは1羽だったが、とにかく撮影はできたのでOKとする。

トラフズク

引き続き瓢湖へ移動します。昨年の瓢湖は水面のほとんどが結氷していたが、今年は完全解氷状態なのでカモもハクチョウもばらけている。

コハクチョウ

コハクチョウの飛翔

時々カモたちが大騒ぎをするので上空を見るとオオタカ・ハヤブサが飛び交っていました。他にもトビ・チュウヒ・ノスリも確認できた。

オオタカ

ノスリ

天気は曇りちょっぴり晴れと雪という天気で露出が難しい。それでも雪山をバックに飛翔する姿やカモたちを狙う。エサやりの15時になるとこちらに向かって飛んで来るカモたちを狙う。

オナガガモ

アメリカヒドリ

今日はいつもよりがっつりとエサやりをしているようで想像以上の迫力のシーンだった!途中雪が激しく降ってきたので、休憩所で待機していたが、桟橋にスズメがずらりと並んでいるのを見つけ、かわいかったので並んだ“ふくらすずめ”を撮影していただき終了となった。

ふくらすずめ

2日目(2月1日)佐渡島

タクシーで佐渡汽船乗り場へ着いた時は曇っていた。船の窓から見える鳥はセグロカモメ、ユリカモメ、ウミネコ、カワウ。特に撮影に適しているという感じではないのでお客様にはお声掛けをしなかった。佐渡島に近づくにつれてどんどん太陽光が降り注ぎ快晴に!天気予報は曇りだったがまぁいいとするか。お昼に到着したので昼食をどうするかみなさんに聞くと「コンビニで買ってトキを探す!」ということで昼食を買ってGo!すぐにトキを見つけることができました。運よく近くに飛んで来たり、移動中に飛ばない個体もいて車内からも撮影ができた。私は皆さんが撮影できるように一番後ろで撮影の指示を出したり、運転手さんに指示を出すのでなかなかレポートに載せる写真が撮れなかったのですが、まぁ仕方ない。まずは皆さんが満足するのが一番だから。

夕方トキがねぐら入りをするため飛ぶコースのポイントで(ここは三脚可)で待つが・・・飛ばない。16時15分ごろようやく1羽が飛び、枯れ枝にとまるところを遠いが何とか撮影できた。雪も本降りになってきたのでここで終了してホテルに戻る。

3日目(2月2日)佐渡島

朝起きると雪がしっかりと積もっていた。7時出発予定だったが暗いので7時30分に出発に変更。雪が多いせいかトキが見つからない!よく見る田を廻るが、いても遠くて近づけない。あちこち探すと交通量の多い道路わきの田に発見。幸か不幸か?交通量が多い分トキがこちらに警戒しないので近くでゆっくりと撮影ができました。それまでの暗い雰囲気が和んだ~(笑)

トキ

その後は雪が少し溶けたせいか次々とトキが見つかり撮影をすることができました。昨年はピンクのトキが多かったが、今年は2週間ずれたせいかすでに婚姻色のクロが目立つ個体が多かった。11時までに群れで飛ぶ姿も撮れたと車内はGoodな雰囲気。お昼ご飯を食べたあとも同じようなコースを廻りトキの撮影を堪能しました。

トキ

トキの飛翔

夕方は昨日と違う場所へ移動してトキ交流会館へ移動した。ここで飛んで来るトキを待っているとトキ交流会館の職員さんが「ここの前の田んぼに降りたので、車が来たら飛ぶかもしれないから二階から撮ったらいいよ」と建物の中へ案内していただき、なんと!こちらに飛んで来る姿を撮影することができた。杉の林内に侵入して見られなくなったあと、出てくるかも?と待っているとほんとに飛んで来て木の枝にとまった!興奮して撮っているともう2羽飛んで来て合計4羽が同じ木にとまった。信じられないけどこの後参加者から「あ、歩いてる!」と言ったとたん交尾を始めた!
その後、仲睦まじく相互羽繕いを始めてくれた。そんな姿を撮っているとなんとなんと、また交尾を始めた。そしてこの2羽が飛び去る姿を撮影。残る2羽がいつ飛ぶのかなと待っていると終了時間ぴったりに飛び立った!なんとまぁ・・・すごいタイミング。
雪の中のトキ、飛翔、群れ飛翔、交尾・・・アンビリーバボーな1日だった。

トキ

4日目(2月3日)佐渡島

昨日同様7時30分に出発するが、また積雪があったせいでトキが見つからない。昨日結構入っていた田も・・・いない。天気予報通り雪が結構降る中、タクシーの運転手さんの「よく見る」田を廻ってもらったおかげで、1羽愛想のいい時に遭遇し、雪降りの中の姿をしっかりと撮ってもらう。その後も探すが・・・見当たらず。トキ交流会館で飛翔を狙いたいという希望で向かっていると途中の田にいたので撮影してもらった。交流会館では声はすれども姿は見られず・・・ひたすら待つと飛び出してくれた!全員ではないが数名は撮ることができたようでほっとする。

両津港に向かう途中またトキがいたのでちょっぴり撮影して港へ。予定通り到着して新潟港へ到着。専用車で駅に到着してみなさん笑顔で帰路に向かわれました。

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【後編】

Report by 戸塚学 / 2022年1月10日~13日

エゾフクロウ

3日目 曇り~雪~雨~晴れ~曇り

夜中に何回か「ズザァー」という音が外から聞こえ、ずいぶん風が吹いているなぁと思ったのですが、それは風ではなく屋根から雪が落ちる音でした。朝、外を見るとものすごい風と時折雪が降っていました。早朝の撮影は中止にしておいて正解です。朝食を食べたあと撮影に出る予定でしたが、霙が雨に変わったのでお昼まで待機にしました。その間に1時間ほど撮影の講座を開きました。その途中に青空が広がったのですが、まだ道路の除雪も終わっていないようだし、宿のオーナーも除雪で大変そうなので、歩いてゆこうかと考えましたが、結構な距離もあるので安全第一で待機を続行しました。お昼ご飯を済ませたあと、雪も止んでいるので宿のオーナーにエゾフクロウのポイントへ連れて行ってもらいました。道路状況もあるので私が一人で歩いて下見に行き、フクロウを確認できたので宿のオーナーに電話をして参加者の皆さんを連れてきていただきました。本当は1時間ほど時間をとりたかったのですが、諸事情があり30分の撮影でしたが、みなさん堪能できたようです。その後はまだ時間もあるのでタンチョウの撮影をはじめました。到着してすぐは薄日もさし新雪の上のタンチョウはとても美しかったのですが、徐々に暗くなり16時で終了しました。
それにしても鶴居村は比較的穏やかですが、他の地域はかなり被害が出ているようで半日でも撮影ができたことだけでもラッキーだったと思います。

 

タンチョウ

タンチョウ

 

最終日 晴れ

一か八かで晴れてなくても大荒れでなければ撮影に出ると宿のオーナーと打ち合わせをしておいたので6時に出発。空にはまだ星が煌めいている!東の空に雲があるが何とかなりそうだ。しかし気温は-3度くらいで暖かいので霧氷はあきらめなければいけないが、晴れているだけでありがたい。現地に着くとまだ薄暗く先客は0!インバウンドがあった頃を考えれば信じられない。

 

タンチョウのねぐら

霧氷はないが空はほどほどにいい色になり時折マガモが群れで飛び去る。雪裡川の奥にタンチョウの群れが確認できるようになると色づいた川をオオハクチョウが泳ぐ姿を確認できた、南西の空に浮かぶ雲がピンクに染まるが・・・主役がいないのが悔しい。空の色が抜けるころ太陽が昇り、気温が下がりだし手の指先が痛み出すがみなさん必死に撮影を夢中でされていた。8時にお迎えが来たので朝食。予想外の晴れにみなさんうきうきしている雰囲気が伝わってきました。9時にタンチョウの撮影に出ると昨日積もった雪が眩しく美しい。飛翔や鳴き交わしを狙うのですが、ダンスはどうしても群れの奥で・・・難しい!11時30分にお迎えのジャンボタクシーが来たので乗り込み、一旦ホテルに寄り、預けてあった荷物を引き取り無事空港で解散しました。

4日間も私たちの送迎をしていただいたHOTEL TAITOのオーナー和田さんやスタッフのみなさまには感謝感謝です。

 

タンチョウ


撮れた鳥
タンチョウ・エゾフクロウ・オオハクチョウ・シロハラゴジュウカラ・ハシブトガラ
観られた鳥や獣
オオワシ・オジロワシ・コゲラ・アカゲラ・セグロセキレイ・シジュウカラ・ヒヨドリ・イカルチドリ・ヤマセミ・ハシボソガラス・ハシブトガラス
哺乳類:エゾシカ

 


 

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【前編】

Report by 戸塚学 / 2022年1月10日~13日

タンチョウ

初日 快晴

天気予報を見ながらドキドキしたが、釧路地方は快晴。今回は愛知県から来ている方が先入りしているのでとまっている宿に2名をピックアップしたのち本日から泊まる宿へ。撮影機材以外の荷物を預かっていただき、伊藤・タンチョウサンクチュアリーへ。天気がいいので存分に撮影を堪能してもらうべく、食事は撮影しながら食べられるようにコンビニで買っていただいた。現地ではどのポイントがいいかの説明をしてあとは自由に撮影をしてもらう。カメラの設定やわからないことがあれば私がうろうろしていて声をかけながらカメラの設定や風を見ながら飛翔を狙うアドバイスをしました。ダンスが撮りたいというリクエストがあったのですが、残念ながらまだ少し時期早いのであとは運に任せるしかないと説明をする。

 

タンチョウの求愛ダンス

タンチョウ

タンチョウ

 

夕鶴を狙うポイントへ早めに移動することにする。理由は最近早い時間にねぐらへ移動するタンチョウがいるということで、夕日までの間はここで青空をバックに飛ぶタンチョウを待つ事に。飛んで来る数とコースもあるので難しいのだが、それでも何とかみなさん撮れたようだ。太陽が沈む林に薄い雲がかかっていないので夕焼けに染まるシルエットの撮影はダメかな?と思えたが、意外にも北側の雲が、それなりに色が付いてくれたので夕焼けチックな撮影ができてラッキーでした。空の色が抜けた17時お迎えの車で宿へ移動。宿は鶴居村で長年タンチョウを撮り続けているプロカメラマンの和田正宏氏の宿で温泉と食事は絶品。みなさんとても喜んでいただけました。

ねぐらへ帰るタンチョウ

ねぐらへ帰るタンチョウ

 

2日目 快晴~くもり~雪

朝は晴れたので6時に出発。タンチョウのねぐらの撮影をしました。刻々と空と川辺の木々の枝に着いた霧氷が色を変えて行く中、かなり遠くにタンチョウの群れを見ることができた。みなさんには今回特別なねぐらの撮影方法をしてもらいました。と、その時大きな鳥が川面に突っ込んだかと思ったら、舞い上がった!オジロワシだ。シャケの死体を狙ったのだろうか?しばらくすると「キャラキャラ」とどこかで聞いた声の中型の鳥が飛んできた?なんとヤマセミた!しばらく橋の上のカメラマンの周囲を飛んだのち下流に消えていった。その後また大型の鳥が出たので観ると今度はオオワシだ!タンチョウのスローシャッターの撮影をしていたせいで慌てて撮影したら、ブレブレだった。まさに二兎追うものは一兎も得ずもだ。

 

タンチョウのねぐら

タンチョウ

 

その後はこちらに向かって飛んで来るタンチョウを狙ってもらうべくカメラの設定を変更してもらう。そしていきなりこちらに向かって飛んできた大型の鳥はタンチョウではなくオオハクチョウだった。8時に迎えの車が来る頃にはみなさん寒さにやられていたようで、ちなみにマイナス20度を下回っていました。9時には出発したかったので朝食を美味しくいただくというより「かっ込む」がふさわしい状況。今日もコンビニで昼食を買っていただき撮影に専念してもらう。太陽は天気予報通り10時には雲から光が漏れる状態になり、12時を過ぎたころには完全に隠れてしまった。14時30分に夕日のポイントで小鳥を狙う予定でしたが、みなさん疲れ果ててしまったようでここで終了して宿へ戻ることになりました。宿に戻り1時間もしないうちに雪が降りはじめました。

 

オオハクチョウ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員