秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

~前編その①より・・・~
大阪支社トレッキング担当の楠です。
つづいて、行者還小屋以降についてご紹介いたします。

コケの緑と森の深さを感じさせる幾重に重なる稜線美

■トレッキング④(行者還小屋→弥山小屋)
本日は半日行程です。
57番靡・一の垰(たわ);多和とも書く)を経て、バイケイソウの群落を進みます。
見上げるとシロヤシオが咲き誇っています。

シロヤシオ(白八汐)、別名ゴヨウツツジ、マツハダ。

有毒性のあるバイケイソウの群落を進む

弁天の森にある56番靡・石休の宿、55番靡・講婆世(こうばせ)の宿へ。
さて、ここから弥山小屋まで、木製ハシゴを含めた登りがひたすらに続きます。

弥山小屋へと続く長い木製の階段を登る

無事弥山小屋へ到着。54番靡・弥山神社と役行者堂を参拝して小屋へ入りました。

小屋は快適そのもので、乾燥室、お部屋の暖房、食堂のお菓子やカップラーメン、
アルコールに綺麗なトイレ。シャワー以外は何でも揃っていました。

弥山小屋の部屋の一例

弥山小屋の清潔な食堂

■トレッキング⑤(弥山小屋→八経ヶ岳→楊子ヶ宿小屋)
午後から回復の見込みがある天気予報に従って、出発予定をズラしました。
余裕のある行程の大切さを身に染みます。

近畿地方最高峰の八経ヶ岳(1,915m)へ向け出発。
雨足はまだ収まってはいませんが、弱くなることを想定しつつ進みます。
鞍部にはオオヤマレンゲの群落があり、7月が開花シーズン(寿命は4-5日程度!)につき
5月は咲いてはいませんでしたが、防鹿柵が設けられ保護されていました。

鞍部から登り返し、無事登頂!
役行者が第3生の骸骨が持っていた利剣を埋めたことから八剣山との別名もあり、
法華経八品を収めたことから51番靡・八経ヶ岳とも呼ばれています。

近畿最高峰・八経ヶ岳(1,915m)の頂

雨足は弱くなりつつも、風は依然強く吹いています。
酸性雨、鹿の食害等により立ち枯れた木々は風を防いでくれるはずもなく、
南西からの風が体に突き当たります。

立ち枯れた木々を縫うように歩く

先へと進み、ルート上からピストンで50番靡・明星ヶ岳(1,894m)を登頂。
その先、49番靡・菊の窟(きくのいわや)を経て、48番靡・禅師の森へ。
この辺りは10-15分間隔で靡が点在しています。

47番靡・五鈷嶺(ごこのみね ; 1,694m)は巻きます。
46番靡・舟の垰(たわ)、45番靡・七面山を経て、44番靡楊子ヶ宿小屋(1,594m)へ。

こちらも貸し切り状態ではあり幸運でしたが、玄関先が水浸し…。
しかしその水も夜には土壌に染み込まれていき安心しました。
枯れやすいとされる水場は今回は勿論問題はなく、徒歩3分の位置に恵まれた水場が!

倒木が多々見られる道中

2階建ての楊子ヶ宿小屋の外観

■トレッキング⑥(楊子ヶ宿小屋→釈迦ヶ岳→前鬼)
さて、前編の最終日です。早出早着を心掛けます。雨は完璧にあがりました!
まずは1時間弱で43番靡・仏生ヶ岳(1,805m)へ。ルート上からピストンで向かいます。
その先、鳥の水でミネラルたっぷりの水で喉を潤し、42番靡・孔雀岳(1,779m)へ。

水場が乏しい区間において有難い鳥の水(水場)

孔雀岳(1,779m)付近の孔雀覗(のぞき)より眼下を覗き込む

この先に、仏の世界観を表した曼荼羅世界の金剛界(吉野~)、胎蔵界(~熊野)の
両部分け(両峯分け)がございます。真言密教の影響で両部思想となっているそうです。
「生-死-再生の過程を体験する修行が峰入り」です。

ヘルメットを着用し、ストックはザックにしまい(両手を空けて)臨みます。
大日経を納めて空になった石鉢を置いたといわれる41番靡・空鉢岳(くうはちだけ)へ。
巨岩・弥勒岩、杖捨ての岩場、馬の瀬を経て、急登を重ねて、ようやく、

お釈迦様がいらっしゃる40番靡・釈迦ヶ岳(1,800m)へ登頂。

空鉢岳を越えたところにある金剛蔵王権現の像と碑伝(ひで)

40番靡・釈迦ヶ岳(1,800m)のお釈迦様

下りを開始。釈迦ヶ岳付近は流石に人気もあり、登山者とすれ違います。
岩壁の穴をくぐる行が行われていたという39番靡・都津門(とつもん;極楽の東門)
まで下ると、前方には赤ヤシオに染まった大日岳が出迎えてくれました!

39番靡・都津門(とつもん;極楽の東門)

アカヤシオに染まる大日岳(1,568m)を望む絶景地

アカヤシオに染まる大日岳(1,568m)

アカヤシオ(赤八汐)、別名アカギツツジ

その後、更に下り本山派修験の灌頂道場38番靡・深仙宿へ。
ここは役行者がお亡くなりになる(又は日本を去る)前の法時の後、
前鬼と後鬼に、大峯山に修行にくる人をお守りせよと告げ、髭を剃り落とした地です。

38番靡・深仙宿

深仙宿にある髭塚

その髭を鬼たちは大事に埋めて塚を作ったとされています。
香精水が岩壁から湧き出ており、この聖水で峰中灌頂(聖水を頭に注ぎ仏菩薩と
結縁したり法脈を継承する儀礼)が行われたといいます。

37番靡・聖天の森を経て、36番靡・五角仙を巻き、35番靡・大日岳(1,568m)を巻き、
太古の辻にある33番靡・二つ石へ。

深仙宿からの登り返し

奥駈道の南北境界点にあたる太古の辻(1,450m)

さて、ここから853段の滑りやすい木製階段を含め、下っていきます。
途中、ガレ場やクサリ場もあり嫌らしいルートも出てきますが、
新緑やコケの緑、アセビ(馬酔木)、シャクナゲに癒されながら、
順調に下ります。標高差約650m。

緊張が続く滑りやすい計853段の階段の下降

前鬼へ続く853段の階段を進む

前鬼に下るルートも楽なルートばかりではない

5月中旬はシャクナゲが咲き誇るシーズン

二つ岩で休憩後、ゆっくりと下り、遂に29番靡・前鬼山へ到着!

太古ノ辻から前鬼に下るルートの中間地点にある二つ岩(別名:両童子岩)

新緑に包まれながら前鬼へ下る

前鬼手前の渡渉

853段の階段。雨が降ればコケと相まって非常に滑る

61代目の五鬼助義之さんが今も大切に守る小仲坊の宿坊をはじめ、
行者堂や母屋を眼前に感動の瞬間です。
夕食前にお風呂に入り、自家製のお味噌から作った美味しいお味噌汁を頂きました。

自家製のお味噌汁が特に美味

29番靡・前鬼山の行者堂にて(昼)

29番靡・前鬼山の行者堂にて(夜)

本当にお疲れ様でした!!

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大阪支社トレッキング担当の楠です。

今回は、春に歩いた大峯奥駈道(吉野~前鬼)の様子をご紹介いたします。

大峯奥駈道は、修験道の根本道場である金峯山寺などがある奈良吉野山と

熊野三山を結ぶ大峯山を縦走する、修験道の修行場として開かれた道。
1,000m~1,900m級の険しい峰々を踏破する「奥駈」という峰入修行を行なう古道を
指します。修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)が8世紀初頭に開いたと
されています。主稜線沿いに75の靡(なびき)と呼ばれる行場(霊場)があり、
修行を行いながら回ります。熊野本宮から吉野に向かう順峯(1→75)、逆に吉野から
熊野本宮に向かう逆峯(75→1)とがあり、それぞれ主宰する宗派が異なります。

このコースは逆峯で歩き、前編では前鬼山の29番まで、可能な限り丁寧に歩きます。

奥まった山々をテント又は避難小屋を利用しながら縦走するが故、個人装備

(昼食、寝袋、食器類 等)は自身で運ばなければならず(共同装備:朝食/夕食/燃料 等は

スタッフが運ぶ)、軽量化は徹底して行うように、事前にご案内差し上げました。

5月中旬にも関わらず史上最速の近畿地方梅雨到来、そんなニュースが舞い飛ぶ中の
出発となりました。

近鉄・吉野駅に集合し、徒歩にて73番靡の吉野山へ。
「吉野なる 銅の鳥居に手をかけて 弥陀の浄土に 入るぞうれしき」

日本三大鳥居の1つ、吉野山の銅(かね)の鳥居

役行者には前鬼(ぜんき)と後鬼(ごき)という鬼の弟子がおり、後鬼の子孫が住む
洞川温泉エリアの工場で作られる陀羅尼助(薬)について案内後、金峯山寺へ。
国宝である仁王門(修理中)と蔵王堂(3体のご本尊は開帳時期注意)を拝観後、宿へ。

こんな飴もトレッキング中の人気者になりました

吉野山の国宝・金峯山寺蔵王堂

吉水神社の役行者と前鬼(左)・後鬼(右)の像

夕食のカモ鍋をたらふくに食べ、お風呂にゆったりと浸かり、就寝zzZ
翌朝からいよいよトレッキング開始です!

カモ鍋に舌鼓する

■トレッキング①(吉野→二蔵宿小屋)
まずは舗装道を上りたっぷり汗を搔きながら72番靡の水分(みくまり)神社を参拝。
「みくまり」が「みこもり」となまり、子守明神と呼ばれ子授けの神として信仰を
集めているそうで、豊臣秀吉もこの地を訪れて祈願し、子の秀頼を授かったそうです。

水分神社の内部の様子

その後、71番靡の金峰神社(金精大明神)を参拝。
吉野山の地主神・金山毘古命(かなやまひこのみこと)を祀っています。

吉野の地主神を祀る金峰神社

その下部に、源義経が隠れたという伝説がある蹴抜塔があります。
義経が敵に襲われて隠れ、追手が来たときに天井を蹴破って出たとされるが、
本来は「気抜け」で、音によりたまげさせて気を抜く事で疑死を表す行為と
解釈もできるそうです。
「吉野なる 深山の奥のかくれ塔 本来空の 住みかなりけれ」

役行者も修行をしたといわれる蹴抜塔

70番靡の愛染の宿(安禅蔵王堂跡)の跡地を経て、旧・女人結界のあった碑を
左折し青根ヶ峰(858m)へ登頂。
この後、小さなピークを含め、幾つも丁寧に経由していくこととなります。

昼食(名物・柿の葉寿司!)を頂き、69番靡・二蔵宿小屋(百丁茶屋跡)へ。

立派なもので、毛布や調理器具類もデポされていました。
水場は乏しい水量でしたが、無事カレーを召し上がっていただき、就寝zzZ。

昼食は保存もきく柿の葉寿司で空腹を満たす

二蔵宿小屋の外観

二蔵宿小屋の内部の様子

■トレッキング②(二蔵宿小屋→山上ヶ岳→小笹の宿)
ミヤマトリカブトが生えている急坂を登り、大天井ヶ岳(1,439m)へ。

秋に紫の花を咲かすミヤマトリカブトの葉

そこから一気に五番関まで下ります。
五番関には現・女人結界門があり、ここから女性陣は洞川温泉へ下ってゆきます
(翌日は、女人大峯の稲村ヶ岳(1,726m)へ登頂し、翌々日に弥山の小屋で再会)。

男性と女性はここで別隊に分かれる

男性陣は、そのまま前進し、68番靡にあたる浄心門(洞辻)の茶屋で休憩。
陀羅尼助茶屋から先、表行場の名所である油こぼし、鐘掛岩、西の覗を経て

宿坊群の横を通過しつつ、67番靡・大峯山寺を参拝。
「鐘掛と 問ふて尋ねて来てみれば 九穴の蔵王を 下にこそ見れ」
途中、頭は吉野、尾は熊野に繋がるといわれる役行者が修行をしたお亀石も経由。
「お亀石 踏むな叩くな杖つくな よけて通れよ 旅の新客」

陀羅尼助茶屋

手と足のホールドを確認しながら慎重に登る

お亀石

約300mの高度差を西の覗から覗きこむ

山上ヶ岳(1,719m)の頂にある湧出岩を見学。
役行者が大峯山をご開山の時、この山頂に於いて、社会と衆生を守護くださるご本尊を
祈請されたところ、先ず釈迦如来が、次いで千手観音・弥勒菩薩が現れたといいます。
しかし末世剛悪・混迷しきった世間や人心を救うにはあまりにも優しすぎるとして、
さらに祈りを重ね一千日のご修行の末、最後に忿怒身をもった金剛蔵王大権現が

ご出現下さった、と伝わっています。

金剛蔵王権現を役行者が感得した山上ヶ岳頂上の湧出岩

66番靡の小笹の宿へ。ここには役行者の第6生の骸骨があるといわれています
(役行者は生まれ変わること7度の第7生だったとのこと)。
避難小屋は扉が壊れていましたが、貸切状態。沢の隣に位置し、水は豊富にございます。

小笹ノ宿小屋の外観

■トレッキング③(小笹の宿→行者還小屋)
翌朝、65番靡・阿弥陀ヶ森で女人結界から出ることとなります。その先10分下ると、
64番靡・脇の宿(跡)があり、ここから63番靡普賢岳(小&大)への登りが開始です。

満開のツクシシャクナゲが出迎えてくれました。視覚を潤しながら無事登頂!

雨に打たれつつもシャクナゲに癒されながら登る

ここから岩場を下り、笹原にある水太覗、その先の61番靡・弥勒岳、

国見岳(1,655m)はともにザックを道中にデポして、ピストンで頂上を踏みました。
60番靡の稚児泊(ちごどまり)を経て、緑が美しいコケの森を進み、七つ池へ。

苔生す森の美しさも魅力

急登やクサリ場を登り59番靡・七曜岳(1,584m)に登頂。

滑りやすい腐りかけの木の梯子を慎重に下りあと一息で小屋です。
58番靡・行者還(行者岳;1,547m)もピストンで踏みました。

鎖を掴み、木の根で滑らない様に慎重に下る

脆い木製ハシゴを滑り落ちない様に下る

シャクナゲが咲く行者還岳

行者還小屋へ到着すると、再び貸し切り状態で広々と使えたことで、テントを始め、
様々衣類や装備も乾かすこともできました。

行者還小屋の内部の様子

 

~前編その②へ続く・・・~

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こんにちは!西遊旅行トレッキング担当の中沢です。

今回は、「四国アドベンチャー 四国最高峰・石鎚山登頂と第二峰・剣山の天空の縦走路&奥祖谷かずら橋と仁淀川」のツアーで訪れる石鎚山と剣山をご紹介します。

 

徳島からスタートし、第二峰・剣山の縦走路を歩き、奇跡の清流・仁淀川でのアクティビティー、最後は四国最高峰・石鎚山を登頂。愛媛県まで横断し四国の自然を楽しんでいきます。

 

■四国第二峰・剣山の天空の縦走路を歩く

剣山へは、見ノ越登山口よりリフトを約15分乗り西島駅へ。西島駅より何個かルートはありますが、今回は大剣神社経由で登る剣山の登山ルート・大剣道コース(約1200m、約1時間、標高差245 m)の道を登ります。途中、「悪縁を絶ち、良縁を結ぶ」とされ、縁結びの神として親しまれている大剣神社と大剣神社ご神体の巨石の下から湧き出ている名水百選の御神水(おしきみず)にも立ち寄りました。

 

もう少し登ると剣山頂上ヒュッテへ到着。ヒュッテ隣には、神器の剣を隠したと言われる宝蔵石や、剣山本宮宝蔵石神社がありました。拝殿うしろの巨大な岩(宝蔵石)が神社のご神体です。

 

ヒュッテは、とても快適で、アマゴの唐揚げ(サツキマス)や山菜など地元の食材を使った夕食がとても美味しかったです。

 

2日目は、ヒュッテのすぐ裏を登り剣山の縦走路を歩きます。山頂へ向かい剣山(1955m)を登頂。登頂後、稜線を縦走し奥祖谷二重かずら橋口を目指します。
この縦走路がとても美しくまさに「天空の縦走路」という言葉がぴったりなトレイルですが… 訪れた時はあいにくの天気でした。

途中、次郎笈(1930m)、丸石(1684m)に登頂しながら歩きます。下りは、緑が深い森の中、苔の美しい渓谷沿いを歩き奥祖谷二重かずら橋へ到着。

 

秘境の雰囲気が漂う美しい景観に囲まれた奥祖谷二重かずら橋で男橋と女橋の二本を渡ったり、人力でロープを手繰り寄せて対岸へ渡る「野猿」を楽しみました。

 

剣山は単純往復、さらに長い縦走路もありますが、奥祖谷二重かずら橋へ歩くトレイルが距離・時間もちょうど良く楽しめます!
なによりも、日本三大秘境に数えられる祖谷渓谷の中でもアクセスが悪く、中々訪れることのできない「奥祖谷二重かずら橋」を渡り登山口へゴールして遊べるのがとても素晴らしいです。

 

■四国最高峰・石鎚山登頂
土小屋白石ロッジより片道4.6km歩き山頂の弥山(1982m)を目指します。道中、木道があったり、石段だったり、休憩ベンチがあったりと、全体によく整備されている登山道のためとても歩きやすいルートです。西条側から登る成就社コースとは二ノ鎖の下で合流しました。この後、石鎚登山の象徴的存在の鎖場が現れます。鎖場は垂直で危険なので巻き道(迂回路)を歩きます。

※鎖場は回避して整備されたトレイルを歩けます

山頂に近づくと急登になりますが、階段が設置されているので安全に登れます。ちなみに、この山を登る時、すれ違いざまに「お上りさん」、下山の人には「お下りさん」と声を掛けながら歩きます。

 

頂上社のある弥山が信仰登山の山頂です。

 

山頂からは、天狗岳、道後平野、瀬戸内の島々など美しい景色が広がります。四国最高地点から眺める山深い四国の絶景には心打れるものがありますね。

 

7月は剣山のキレンゲショウマ、8月は横倉山のコオロギラン、10月は剣山と石鎚山で紅葉を楽しめる季節です。各シーズン楽しめますので是非、訪れてみてほしい山々です。

宮尾登美子さんの小説「天涯の花」で有名になったキレンゲショウマ(7月後半)

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蝦夷富士と呼ばれるコニーデ型の秀峰・羊蹄山がシンボルの北海道・道央に位置するニセコ。冬のスキーリゾートとして世界的にも有名ですが、グリーンシーズンにはトレッキングコースが縦横に延びて、遊歩道も整備されています。かつての火山活動の歴史からニセコ連峰の火山帯が、そして周囲に湿原や湖沼が生まれました。コンパクトな山域内では泉質の異なる数多くの温泉が湧出していて、温泉も楽しむことが出来ます。縦走トレッキングや羊蹄山登山など、大自然を存分に楽しむニセコツアーをご紹介します。

羊蹄山の雄姿(以下全ての写真は2020年9月のもの)

 

■ニセコ縦走トレッキング

インフォメーションセンターのある五色温泉(750m)からスタートです。

樹林帯の中、階段を行く

歩き出して振り返ると五色温泉が眼下となり、右手にはニセコ連峰最高峰のニセコアンヌプリ(1308m)が大きくそびえています。本日は反対側の西、イワオヌプリ方面への縦走コースです。

ガレ場の登りがスタート

ガレ場の登りからザレ場となり、イワオヌプリ(硫黄山1116m)山頂に到着です。

イワオヌプリ山頂

エゾオヤマノリンドウ

活火山による特異な植生

これから向かう大沼、その先は岩内港(日本海)。

再びガレ場を下り、分岐からは硫黄鉱山跡へとどんどん下って行きます。硫黄鉱山跡は明治時代に本格的な硫黄の採掘が始まりました。最盛期には200人程の集落があり、学校や病院など、当時としては倶知安よりも大きな町が形成されていましたが、昭和12年(1937年)に閉山しました。

かつて集落があった硫黄鉱山跡

大沼に到着。硫黄を岩内港へ運ぶ際の馬の飲み水場として、かつての「硫黄の道」とも言えるクラシックルートを辿ります。

大谷地湿原に出ました。木道が整備されていて、希少種のフサスギナが自生する貴重な湿原です。

自生するフサスギナ

大谷地湿原全景

再びトレイルへと入り、最終目的地の神仙沼に到着です。沼にはここ共和町の花であるミツガシワがびっしり。7月に白い花を咲かせます。

高層湿原に池塘が点在する景色を駐車場まで歩き、縦走トレッキングが終了しました。

 

 

■羊蹄山登山

早朝から出発し、羊蹄山登山へ。この日は雨予報のため、お鉢歩きが比較的少ない「京極コース」から山頂を目指しました。

ホテルの朝食BOX

羊蹄山に登るには、倶知安コース、京極コース、真狩コース、喜茂別コースの4種類があり、どのコースも所要時間はほぼ同じです。

駐車場から畑道を10分程歩くと登山道に入ります。まずはクマザサ(チシマザサ、クマイザサ)の洗礼。整備されていますが狭いトレイルに背丈以上のクマザサが覆いかぶさるように茂っており、かき分けながら登りました。足元はぬかるんでおり、岩や木の根っこで滑りやすく、急登も随所に。神経を使いながらの登りが続きます。

クマザサの中を歩く

大木をくぐったり

滑りやすい足元。それでも雲の切れ間からは麓の畑のパッチワークが見え、ダケカンバやオオカメノキなどの樹林帯、紅葉の時期には赤く染まるウラジロナナカマドの赤い実なども心癒してくれます。

ウラジロナナカマドの赤い実

8合目を過ぎると、森林限界となり、低木帯へ。岩場も出てくるようになります。5合目を過ぎてからは雨具を着用していましたが、風が吹き抜けだして寒さも感じるようになってきました。登りは続きますが、山頂はもうすぐです。

ガスに包まれる中9合目を過ぎ、歩き出しからは約5時間、頭上にさえぎるものがなくなり、お鉢に到着。目の前には直径700mの大火口、父釜が・・広がっているはずでしたがガスで真っ白に包まれていました。皆様には心の目で・・しかと見ていただきました。

お鉢から父釜を・・臨めませんでした

日本百名山・羊蹄山(1898m)登頂、おめでとうございます。

分岐を再び京極コースへと下り、風の遮られる9合目にてお昼休憩、9合目から麓まではおよそ3時間半から4時間の道のりでした。

登山道を終えて畑道を歩く

羊蹄山を振り返ります

快適なホテルに戻り、温泉と夕食。アンヌプリ温泉の湯がお身体に深く深~く染み渡ったことと思います。

 

■ニセコの花々

エゾアジサイ

ギンリョウソウ

ツクバネソウ

色づくヤマドリゼンマイ

ウメバチソウ

ホロムイイチゴの葉とムラサキゴケ

 

四季の風景にはそれぞれの魅力があり、季節を変えていつでも訪れていただきたいニセコですが、トレッキングを存分に楽しめる夏~秋のツアーはその魅力を十分に満喫していただけることでしょう。皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。

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大阪支社 高橋です。
前回に引き続き「花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く」、本日はフラワートレッキング2~3日目の行程をご紹介します。

 

尾瀬のなりたち
2億年以上前~数千年前まで、太古の昔から途方もない年月を積み重ねて尾瀬は形成されました。
■2億3000年前 日本が大陸の一部だった頃、マントルの隆起により至仏山が誕生
■200万年前~ アヤメ平一帯(尾瀬ヶ原の南)が相次ぎ噴火
→今日の尾瀬ヶ原、尾瀬沼を囲む山並みが形作られていく
■35万年前~8千年前 燧ケ岳が噴火を繰り返し、溶岩流や土石流が川を堰き止める
→尾瀬ヶ原と尾瀬沼の原型が出現

寒冷な気候のため、植物は枯れても微生物に分解されずに「泥炭」として積み重なっていき、尾瀬(尾瀬の湿原)は数千年に渡って堆積した泥炭の上に成り立っているのです。ちなみに、泥炭の堆積は1mm/1年と言われています。

早朝の尾瀬ヶ原より燧ケ岳を望む

尾瀬フラワートレッキング2日目(約6~7.5㎞/4時間)
山小屋で宿泊することにより、朝食前の静寂に包まれた尾瀬ヶ原の風景を楽しめる点も、このツアーにおけるオススメのポイントの1つです。

1.見晴(1400m)~白砂峠(1680m)~沼尻平(1660m)
フラワートレッキング2日目は、見晴(標高1400m)から白砂峠(1680m)を目指して歩く登りルートからスタートします。
この日も慌てる日程ではありませんので、ゆっくり・ゆっくりと歩くことを心がけますので、ご安心ください。

見晴からは、燧ケ岳の南西に広がる美しいブナ林に設置される木道を歩き、登りルートへ入ります。
魚(イヨ)がこれ以上上流に遡上できないことから名付けられたイヨドマリ沢やダンゴヤ沢を通過すると、次第に周辺は広葉樹のダケカンバが見え始めます。
その後、自然地形ルートと木道ルートが交互に続く中、沼尻川が流れる谷沿いのルートを登り、尾瀬ヶ原エリアと尾瀬沼エリアの境界線である白砂峠(標高1680m)に到着します。スタートしてから白砂峠まで平均コースタイムは2時間ほどの登り。トレッキング2日目の踏ん張りどころ、注意ポイントはクリアです。

白砂峠を超えると峠の東側に広がる白砂湿原に入ります。
白砂湿原は燧ケ岳の山裾に広がる木々に囲まれており、湿原の中央には大きな地塘もあるため、ここでは深山の雰囲気を感じながら序盤の登りルートの疲れを癒すため、のんびりと花の観察を楽しみたいところです。

ヒメシャクナゲ(6月中旬~7月上旬)

白砂湿原を通過後、清らかな水の流れ、針葉樹林の風景などを楽しみながら歩くと、尾瀬沼の北側に広がる沼尻平(1660m)に差し掛かります。このあたりにも大小の地塘が広がっており、地塘を巡る木道も設置されています。尾瀬ヶ原に点在する地塘と同様、水生植物を見つけるため、のんびりと巡りたいと考えています。

ヒツジグサ(7月上旬~)

2.沼尻平(1660m)~尾瀬沼・尾瀬沼ヒュッテ(1660m)
沼尻平からは、反時計周りで歩く南岸ルートも魅力的ですが、急斜面を横切ったり、アップダウンがあったりとするため、尾瀬沼を時計回りに、湿原エリアの多い北岸ルートを歩くことを考えています。

尾瀬沼を目指して木道を進む

尾瀬沼は、直径2.2km、周囲約9km、尾瀬ヶ原より標高が約260m高い場所に位置しています。
尾瀬で最も新しい火山・燧ケ岳、最初に噴火したのが約35万年。その後、何度も噴火を繰り返し、約8千年前に大規模な山崩れを起こし、土石流で川を堰き止めたことが尾瀬沼の形成の要因とされています。

尾瀬沼の北岸ルートには、大小いくつかの湿原が広がっており、高山植物の観察を楽しみながら歩きます。

大江湿原周辺に咲くニッコウキスゲ(7月)

北岸ルートを歩くと、浅湖湿原を通過します。
浅湖湿原は、沼地が湿原へ移行する過程にあると言われています。また、浅湖湿原あたりに半島状に起伏があり、燧ケ岳の溶岩流が入り込んだことで形成された地形とされています。
尾瀬沼の形成過程と同様、この浅湖湿原周辺も注目すべきポイントです。

沼尻平からのんびりと歩くこと1.5~2時間。この日宿泊の山小屋・尾瀬沼ヒュッテに到着です。
ガイドブックなどでは、ここで昼食を食べた後、そのままゴールの大清水まで歩き続けるプランが多いですが、ツアーでは、フラワートレッキング1日目と同様、到着後に昼食を召し上がっていただいた後は自由時間です。
山小屋の方に開花情報を得てから決める予定ですが、尾瀬随一のニッコウキスゲ群落地として有名な大江湿原へ訪れる予定です。
また、山小屋近くのビジターセンターをゆっくり巡るのも良いかもしれません。

その他、夕食前には夕焼けに染まる尾瀬沼の風景も楽しみの1つです。

尾瀬沼の夕焼け

尾瀬フラワートレッキング3日目(約7㎞/4時間)

朝靄の広がる尾瀬の風景

3.尾瀬沼(1660m)~三平峠(1762m)~大清水(1190m)
フラワートレッキング3日目は、尾瀬沼よりゴール地点に大清水を目指します。
尾瀬沼ヒュッテより尾瀬沼の湖畔を時計回りに歩き、尾瀬沼の南端に位置する三平下を目指します。途中、燧ケ岳のビューポイントもありますので、湖畔沿いから望む最後の燧ケ岳の景色を楽しみます。

尾瀬沼からの風景

三平下より標高差約100mを登り、三平峠(1762m)を目指します。
三平峠は別名「尾瀬峠」と呼び、『会津風土記』には「小瀬峠」と記載されており、「おぜ」という名前が最初に記述された文書であるともされ、沼田街道の要所でもあったと言われています。
平均コースとして、所要20分の登りとありますが、無理せずゆっくりと登り、木々の合間から望む尾瀬沼の風景を見落とさないようにゆっくりと歩きます。

三平峠を通過すると、一ノ瀬(1420m)を経て大清水(1190m)までの下りルートが始まります。
ブナ林を歩きながら、トレッカーの喉を潤してきた岩清水の湧水ポイントを通過し、ゴールが間近に迫ることで逸る気持ちをおさえて、ブナ林に咲く花々の観察、木々の合間から望む燧ケ岳の景色を楽しみながら、慎重に下ります。

三平峠から約1時間で一ノ瀬(1420m)に到着します。
一ノ瀬からはブナやミズナラ、カエデなどの広葉樹が生い茂る約3kmの林道。尾瀬の自然を感じる最後の区間、単調な林道となりますが、これまで歩いてきたルートに思いを馳せながら、花の観察も忘れずに楽しみ、ゴールを目指します。

ゴゼンタチバナ(6月下旬-7月中旬)

一ノ瀬から約1時間、ゴールの大清水(1190m)に到着です。
ツアーでは、ゴールの大清水より専用車に乗り、草津温泉へ向かいます。名湯・草津の湯で2泊3日のフラワートレッキングの疲れを癒していただきます。

尾瀬では6月中頃から山々の雪が溶け、湿原に色とりどりの高山植物が一斉に咲き始め、6月下旬に高山植物の最盛期を迎え、7月中旬頃から夏の尾瀬を代表するニッコウキスゲが咲きそろいます。
初めての山小屋泊トレッキングでも安心してご参加いただける日程となっておりますので、是非ご検討ください。
※7月17日出発コースは、大清水からスタートし、尾瀬沼、尾瀬ヶ原を抜け、鳩待峠を目指す逆回りコースとなります。

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