今回の岩絵は、シャティアール(Shatial)の岩絵です。一般のフンザを訪れるツアーでも訪問する場所で、巨大な仏塔の岩絵があることから「仏教サイト」として知られるシャティアール。時間をかけてゆっくり見学したところ、仏塔以外にも様々な珍しい絵が描かれているのがわかりました。

この場所もまた、古来からインダス川を渡るポイントだったため、仏教徒以外も、商人、巡礼者、旅人がここを通過し、色々なものを刻んでいきました。珍しい岩絵の数々をご紹介いたします。

この右手を上げた人物は、一見すると怒って手を上げているように見えますが、顔の後ろに丸い光背が描かれていることから、仏陀なのかもしれません。

これは卍を表しています。法輪と共に仏教のシンボルです。

これは三又です。武具として使われたのか、宗教的なシンボルなのか、農業用なのか想像を搔立てられますが、いずれにしても古来から使われていたものです。

絵だけではなく、様々な文字も刻まれています。カロシュティ文字、ソグド文字、アラム文字等が見つかっているとのことです。
何であるか判別できないものもありました。

これは爪のある三本の指のように見ますが、植物かもしれません。

これはナーガのように見えますが、炎が燃えている姿のようにも見えるので、拝火壇という説もあるそうです。

これは角が付いた丸い仮面を被った人です。スカートのような衣装も印象的でした。
動物も沢山描かれていました。

駱駝はやはり、シルクロードを行き来した旅人の重要な動物だったのでしょう。

インドの象も、ここまで来ていたんでしょうか。
小さな絵でしたが、レイヨウのような動物も描かれていました。シャティアールには、古来の人々が使ったもの、見たもの、そして信仰したもの、様々なものが岩絵に刻まれて残されていました。岩絵を見ているだけで、古き時代のシルクロードの喧噪に触れた気持ちになりました。
Photo & text : Koji YAMADA
Visit : Nov 2021, Shatial, Khyber Pakhtunkhwa
カテゴリ:■カイバル・パクトゥンクワ州 > カラコルム・ハイウェイ > 岩絵・岩刻画タグ:パキスタンブログ , パキスタン旅行 , パキスタン旅行ブログ , Indus caravan , パキスタンツアー , インダス川 , カラコラム・ハイウェイ , カラコルムハイウェイ , 岩絵 , Shatial petroglyph , Shatial Rock caving , パキスタンガイド , パキスタン , 岩刻画 , チラス , チラスの岩刻画 , Petroglyph , Chilas Petroglyph , Rock Carving Chilas , チラスの岩絵 , Shatial Rock art , Buddhist rock art , Buddhist art